天井の雨漏りはクロスが膨らんで落ちる!?すぐに対処すべき症状と方法

天井の雨漏りの対処方法

「天井にシミ!もしかして天井が雨漏りしている?!」
天井に大きなシミができていたり、天井が歪んでいたりすると不安になりますよね。

じつは雨漏りが発生しやすい家には特徴があります。
特徴を知っておけば雨漏りにも素早く対処でき、家の傷みが少ないうちに安く修繕できる可能性が高いため、この記事を読んで雨漏りの原因を調査しましょう。

この記事では家庭でできる雨漏りの特定方法の他に以下のことを解説します。

この記事を読めば、天井の雨漏りに適切に対処できるようになるでしょう。
雨漏りにお悩みなら、ぜひ参考にしてください。

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目次

天井が雨漏りしている際に発生しやすい症状

天井が雨漏りしていると、室内にさまざまな兆候が見られます。
そこで以下の兆候がないか、探してみましょう。

  • 天井にシミやカビが発生する
  • 天井の壁紙(クロス)や天井板が剥がれる
  • 天井が膨らむ

ただし上記は湿気など他の要因で起きる場合もあります。
上記だけで雨漏りと断定せずに、雨水の浸入経路を探し雨漏りの原因を必ず調査してください。

天井にシミやカビが発生する

天井の雨漏りのシミ

雨漏りでまず感じる異常といえば、天井のシミやカビです。
目に見えて雨漏りを起こしていない場合でも、シミやカビが発生しているなら雨漏り被害は着々と進行しているかもしれません。

天井にこのような雨漏りの症状が出ていると、屋根や天井裏ではもっと深刻な被害が出ている可能性があります。

普段は使っていない物置部屋、押し入れや備え付けのクローゼットなどあまり天井を見上げない場所は要注意です。
一度家の中を点検してみましょう。

天井の壁紙(クロス)や天井板が剥がれる

天井の雨漏り被害

雨漏りが進行してくると、天井の壁紙(クロス)が剥がれることがあります。
これは壁紙に使われている接着剤が湿気により弱まるためです。

壁紙の剥がれは室内が湿気っぽいと起きやすいため、特に心当たりがない場合は雨漏りが原因かもしれません。

天井が膨らむ

雨漏りで膨らんだ天井

天井が膨らみだしたら、雨漏りが原因かもしれません。
天井の一部分が膨らんでいる場合は、雨水が溜まっていたり、大量の雨水を吸っていたりして、天井そのものが圧迫されている可能性があります。

この状況だとかなり天井に負荷がかかり、破損・落下してしまう危険性もかなり高いです。
早急に業者に相談しましょう。

このような症状が発生している場合は、すぐに応急処置および修理をする必要があります。
1章の雨漏り特定方法を参考に、雨漏りかどうかを調べてください。

天井のシミやカビなど天井の破損は、雨漏り修理業者に相談すれば張替えてもらえます。
自分でシミを抜いたり、ペンキを塗って対処することも一応できますが、周囲の建材の傷み具合によっては天井の張替えが必要な場合があり、あまりおすすめできません。

雨漏り修理のついでに天井を見てもらい、雨漏り修理とあわせて天井の張替えをしてもらいましょう。

次は天井の雨漏り原因の特定方法を解説します。

天井の雨漏り原因の特定方法

天井の雨漏りを特定する方法はおもに5つです。

目視

水濡れ箇所やヒビを目で見て探す。

散水

屋根や壁など雨漏りが気になる場所に水をかけ、雨漏りするかを見る。

ブラックライト

蛍光塗料入りの水を散水する。
ブラックライトを当てると水が光るため、雨漏りの経路がわかりやすい。

サーモグラフィー

雨漏りで濡れた場所は温度が低いため、サーモグラフィーを使い屋根や壁で温度が低い場所を探す。

ドローン

カメラ付きの小型ドローンを使い、空撮をおこなう。
地上から高所の様子が見えるため、依頼者も一緒に確認ができる。

室内からの目視や、庭やベランダからの散水なら自分でもおこなえます。
しかし、天井の雨漏りは屋根に原因があることがほとんどです。

屋根に上っての調査は大変危険なため、プロに任せましょう。

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天井が雨漏りしやすい家もある

構造の問題で、天井から雨漏りしやすい家もあります。

ご自宅が下記に当てはまるなら、より注意して雨漏りの点検やメンテナンスをおこなうことをおすすめします。

  • 屋根や壁のつなぎ目(取り合い)が多い
  • 片流れ屋根や軒のない屋根

参考文献
日経ホームビルダー.雨漏りトラブル完全解決.日経BP,2017
大塚 義久.暴風雨の雨水浸入から建物を守る本.セルバ出版,2021

それぞれ詳しく解説します。

屋根や壁のつなぎ目(取り合い)が多い

取り合いとは、異なる素材同士がつながっている部分のことです。
例えば以下の赤丸の部分が取り合いです。

建物の取り合い

異なる素材同士をつなぐ際には、つなぎ目を樹脂で埋めたり、内部の二次防水の貼り方を変えたりします。樹脂が劣化したり、二次防水の貼り方にミスがあったりすると、雨漏りにつながる場合があります。
そのため取り合いの多い建物は、雨漏りする可能性が高いでしょう。

片流れ屋根や軒のない屋根

方流れの屋根や軒がない屋根は雨漏りしやすい傾向があります。
外壁に水がかかりやすく、取り合いに水が入りやすいためです。

理由を詳しく見ていきましょう。

片流れの屋根

片流れの屋根とは、片側に傾いた屋根のことです。

片流れの屋根が雨漏りしやすい理由は、雨漏りしやすい場所に雨水がかかりやすいためです。

片流れの屋根の問題点

切妻屋根は雨水が屋根を伝い取り合い(赤丸)にかからず流れていきますが、片流れは屋根からそのまま取り合いにかかっていますね。

他にも片流れの屋根のケラバは雨漏りしやすいポイントです。
ケラバとは屋根の端のことで、上のイラストの斜線部分です。

片流れの屋根のケラバは外壁の頂部で、雨がもっとも降りかかりやすい場所です。

片流れの屋根でも、通常は屋根と外壁の二次防水を重ねてしっかり雨漏り対策をおこなえば問題ありません。
しかし二次防水を連続で重ねないと、隙間から雨漏りが発生します。

このように方流れの建物は屋根と外壁の取り合いに雨水がよくかかるため、雨漏りが起きやすくなります。

軒のない建物

軒とは、外壁よりも外側に出ている屋根のことです。
写真を例に見ると建物の側面は屋根がないため、軒がありませんね。

近年このようにオシャレな建物をよく見かけますが、じつはこのように軒のない建物は雨漏りしやすい傾向にあります。

軒がない住宅

屋根にはさまざまな役割があり、その役割の1つに雨水を外壁に垂らさないようにすることがあります。

軒がないの家の問題点

通常は雨どいに水が集まり外壁に水がかからないようになっていますが、雨どいが詰まっていたり、破損していたりすると、軒がない分雨水が外壁にかかりやすくなります。

外壁に水がかかるとそこが劣化し、外壁の目地が剥がれたり、ヒビが入ったりしやすくなるため危険です。
例えば上下異なるタイルを使った取り合いの壁だと、雨のたびに壁面に水がかかりさらに雨漏りしやすくなるでしょう。

このように軒がない家は、雨漏りしやすくなります。

天井が雨漏りは施工不良やメンテナンス不足が要因になる

建物の構造に問題はなくても、下記のような施工不良やメンテナンス不足で天井から雨漏りしてしまうこともあります。

  • 二次防水に問題がある
  • 雨樋や排水ドレンが詰まっている
  • 経年劣化がある

参考文献
雨漏り110番グループ.雨漏り修理のプロが教える 屋根 ・外壁のメンテナンス.学芸出版社,2020

それぞれ見ていきましょう。

二次防水に問題がある

壁や屋根の下にある二次防水にトラブルがあると、雨漏りしやすくなります。

建物の防水機能には屋根など外から見える防水機能の一次防水と、壁の下に貼られた防水シートなど外からは見えない二次防水があります。

通常建物は一次防水にトラブルが発生して雨漏りが起きても、二次防水で雨水が室内に浸入しないようになっています。
二次防水で防がれた雨水は壁内部の通気層を通り、屋外に排出される仕組みです。

しかし二次防水が施工不良や経年劣化により機能していないと雨漏りが発生します。

参考:国土交通省 国土技術政策総合研究所|屋根および外壁の設計・施工に起因するリスク・不具合と耐久性評価(最終閲覧日:2024年1月29日)

また、屋上のある建物の場合、下記のような防水機能のトラブルが天井の雨漏りの原因になることもあります。

屋上の防水シートにトラブルがあった

屋上全体、床の部分には防水シートが貼られている。
屋上のコンクリートが剥げて下のシートに破損があったり、施工不良があったりが考えられる。

屋上の防水塗料にトラブルがあった

屋上全体に防水性のウレタン塗料を塗るが、塗料がうまく塗布できていなかったり、防水期間が切れたりした。

屋上の配管類にトラブルがあった

屋上に設置してある配管の内部に水が入り、それが室内に漏れ出した。
配管類を建物に引き込む際には配管の周りをパテなどで埋めるが、パテが剥がれてそこから浸水した。

もし屋上で気になる場所を見つけたら、散水して雨漏りの確認をしてみるのもよいでしょう。
屋上の排水ドレンやコンクリートの割れ目がないかチェックしてください。

雨樋や排水ドレンが詰まっている

屋根の雨樋や、屋上の排水口・排水ドレンが詰まっていると天井の雨漏りの原因になります。

屋上には降った雨を排水するための排水ドレンがあります。
もし排水ドレンが詰まっていると水が抜けず、プールのように水が溜まったり、逃げ場を失った雨水がわずかな隙間から室内に浸入したりします。

雨樋や排水ドレンが詰まる理由は以下のとおりです

ゲリラ豪雨により排水が間に合わなかった

瞬間的に大量の水が流れ込むと、排水が間に合わず溢れてしまうことがあります。
ヒビ割れや配管の隙間があると、雨水が室内に流れ込んでしまいます。

ゴミが溜まっている

砂や落ち葉などは雨樋や排水口に溜まりがちです。
またパイプ内でゴミが詰まっている可能性もあります。

雨が降るたびに天井が雨漏りするなら、雨樋や排水ドレンから正常に排水できているか確認してみましょう。

経年劣化がある

屋根には耐用年数があり、古い建物ほど雨漏りしやすくなります。

耐用年数は素材によって異なりますが、編集部が雨漏り修理業者の方13名に聞いた「よく使用される屋根の素材の耐用年数と点検は平均何年ぐらいか?」によると以下のとおりです。

耐用年数点検
26年12年
スレート18年12年
ガルバリウム銅板30年15年
トタン30年5年

※数字は平均です。年数の期間が長い場合は中央値で算出しました。

屋根の素材は環境によって劣化具合が異なるため、上記はあくまで目安です。
スレート屋根は以下のような屋根瓦のことです。

スレート屋根

瓦やトタンはだいたい25年以上持ちますが、スレートだけは20年ほどですね。
ご自宅の屋根の素材がわからない方は、家を建てた工務店に問い合わせるか、点検もかねて雨漏り修理業者に相談するとよいでしょう。

また耐用年数が長いからとほうっておくと、「気がついたら瓦が剥がれていた!」という自体になりがちです。
5〜10年を目安に点検が必要です。

ご自宅の築年数が過ぎていたら早めに点検しましょう。

天井の雨漏りに関するQ&A

最後に天井の雨漏りについてよくある疑問にお答えします。

  • 天井の雨漏りを放置するとどうなる?
  • 天井の雨漏りに応急処置はできる?
  • 賃貸住宅で雨漏りが発生したらどうすればいい?
  • 天井の雨漏りに火災保険は使える?

天井の雨漏りを放置するとどうなる?

天井の雨漏りを放置すると建物が傷み、火災や家屋の倒壊につながるおそれがあります。
天井の雨漏りを放置すると、以下のトラブルが予測されます

  • 屋根や天井が抜け落ちる
  • 木材は腐り、鉄骨はサビて、柱がもろくなる
  • カビや湿気がひどくなる
  • 電気配線に水がかかりショートし、火災につながる
  • シロアリが発生する

シロアリは濡れた木材を好むため、雨漏りが発生するとシロアリも発生しやすくなります。
シロアリは木材を食べて建物の耐震性を下げるため、雨漏りとは別に早めの対応が必要です。

雨漏りを放置すると、さまざまな建物の傷みが発生します。
速やかに対処しましょう。

天井の雨漏りに応急処置はできる?

今すぐできる天井の雨漏りの応急処置は以下のとおりです。

貴重品・濡らしたくないものは避難させる

別の部屋に避難させるか、避難できないものはゴミ袋などをかぶせてガードする。

雑巾を敷いたバケツで受け止める

バケツの中に雑巾を敷いておくとポタポタ音を防げ、雨水の跳ね返りも軽減される。

ビニールシートを敷く

広範囲はビニールシートがおすすめ。
ビニールシートがない場合は防水加工されたレジャーシート、ペット用の吸水シートや新聞紙で代用する。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

なお、上記はあくまで応急処置のため長くは持ちません。
早めに業者に相談して修理を依頼しましょう。

賃貸住宅で雨漏りが発生したらどうすればいい?

まず、大家さんや管理会社などの管理者に相談しましょう。
相談の仕方も含めて解説します。

アパートやマンションの賃貸住宅は、大家さんなど管理者から建物を借りている状態です。
そのため雨漏り修理には以下の要因が絡みます。

建物の管理は管理者がおこなうため、基本雨漏り修理は管理者がおこなう

雨漏り修理に必要な修理費用は管理者が支払う。
ただし「入居者が許可を取らず外壁に穴を開けて、そこから雨漏りした」など入居者に原因がある場合は費用請求される。

工事には許可が必要

建物の所有者は管理者のため、壁紙を張り替えるなどの工事は許可が必要。
個人で勝手におこなうとトラブルになることがある。

支払いや工事のために、雨漏りが発生したらまずは管理者への報告が重要です。
報告する際には以下のことをおこないましょう。

問題個所の写真をいろいろな角度から取っておく

家財にも被害がある場合はそれも忘れずに撮影する。

「いつまでに、誰がこの件に対応するか?」をはっきりさせる

報告しても何もしてもらえない場合があるため、解決までの予定をはっきりさせておく。

写真は雨漏りの原因調査のヒントになる他、家財が傷んだ場合の保険請求などにも使えます。

天井から雨漏りが発生したら、まずは管理者に相談してください。
関連記事には賃貸住宅で雨漏りをした場合の対処法を解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。

天井の雨漏りに火災保険は使える?

災害が理由の場合は、使える可能性が高いです。
ただし以下の条件をクリアする必要があります。

  • 台風などの災害が原因でおきた雨漏りであり、火災保険の契約に含まれている
  • 被害がおきておよそ3年以内である
  • 損害額が自己負担額を上回っている

保険は自己負担額を超えないと保険金が受け取れません。
自己負担額の金額は契約にもよりますが、例えば5万円で契約し修繕費が1万円だった場合は保険金が受け取れません。

火災保険は契約内容によって異なるため、詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。
雨漏りと火災保険については、関連記事でわかりやすく解説しています。
こちらの記事もぜひ参考にしてください。

まとめ

天井からの雨漏りを放置すると建物が傷む原因になるため、早めに対処してください。

天井の雨漏りの原因を特定するには、屋根の点検も必要になります。
高所での作業はとても危険なため、自分ではおこなわず、プロに任せましょう。

お近くの雨漏り修理のプロをお探しなら、ぜひ雨漏り修理110番にご相談ください。

#雨漏り

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