- ブルーシートと重しを準備する
- 屋根の上にブルーシートを張る
- ブルーシートが飛ばないよう固定する
「雨漏りしているけど、屋根のどこから雨水が入ってくるのかわからない……それでもどうにか止められないか?」
そんなときには屋根にブルーシートをかけて応急処置をしましょう。
大きなシートで屋根全体をカバーすれば、雨水の浸入経路がわからなくても雨漏りを防げるからです。
ただ、屋根にブルーシートを張ると風で飛んでしまわないか心配になりますね。
この記事では、屋根にブルーシートを張る方法や風で飛ばないコツを解説します。
屋根の応急処置を適切におこない、雨水の浸入を防ぎましょう。
ご紹介するのは危険をともなう作業です。
高所作業に不慣れな方は、無理せず業者に任せてください。
屋根にブルーシートを張る前にするべき準備
屋根の上にブルーシートを張るのは、失敗するとさらなる被害を招く作業です。
ブルーシートが風で飛ばされたり、重しの土のうが落下したりするリスクがあります。
事前の準備から慎重におこなってください。
まずは作業に必要な道具をそろえましょう。
最低限必要なのは次の4つです。
- ブルーシート
- 土のう袋
- 土や砂
- はしご
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大きめで厚みのあるブルーシートを購入する
ブルーシートはインターネットでも購入できますが、急ぐときは近くのホームセンターで実物を見て購入するのが確実です。
標準的なブルーシートなら2,000円くらいで購入できます。
- サイズ:3.6m×5.4m
- 厚み:#3000
- ハトメ:あり
ブルーシートは大きさと厚みを決めて購入します。
また、ハトメ(金属のリング)があると固定しやすく強風対策に効果的です。
屋根用ブルーシートの大きさ目安
大きさは1.8m単位でさまざまなサイズがあり、20m×20mくらいのサイズまであります。
かぶせたい部分よりも大きめを選んで広範囲をカバーしましょう。
ブルーシートでよく使われるサイズは3.6m×5.4mで畳12畳分です。
屋根用ブルーシートの厚み目安
ブルーシートについている「#1000」のような表記は、3.6m×5.4mの大きさでの重さを表しています。
厚みは重さに比例するため、数字が大きくなるほど厚くなります。
屋根の上は雨や風、紫外線にさらされる場所なので、ある程度厚みがあるものを選びましょう。
ブルーシートでよく使われるのは「#3000」で、3.6m×5.4mのサイズなら重さは約3kgです。
土のうを準備する
土のうとは土や砂を入れた袋のことで、屋根にかけたブルーシートが飛ばないよう重しに使います。
上記のブルーシート1枚につき、土のうを20個くらい準備してください。
- 土のう袋:20枚程度
- 砂利または砂土:1袋につき20kg程度
土のう袋はホームセンターのほか100円ショップでも販売しています。
20枚なら1,000円程度で購入できます。
砂利または砂土を購入すると土のう20個分で5万円くらいはかかるので、なるべく自宅の庭の砂土を使うとよいでしょう。
はしごを準備する
屋根に登れる高さのはしごを準備します。
- 1階の屋根:4m
- 2階の屋根:8m
4mのはしごは安いもので1万円程度、8mのはしごは安いもので3万円程度です。
ただ長いはしごはすぐ手に入らないこともありますし、収納場所に困るケースもあります。
雨漏りの応急処置のためだけにはしごを購入するのは面倒ですよね。
はしごが家にない場合は、屋根の応急処置を業者に依頼することも検討しましょう。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
屋根にブルーシートが飛ばないように張る方法
前章では屋根にブルーシートをかけるための道具について解説してきました。
ここでは、自力で屋根にブルーシートをかける手順を説明します。
ブルーシートが飛んでしまわないよう、次の3ステップで作業をしてください。
- 重しを作る
- 屋根にブルーシートを広げる
- ブルーシートを固定する
手順1:重しを作る
はじめに土のうの重しを作ります。
土のう袋に砂利や砂土を入れてください。
袋いっぱいに土や砂を入れてしまうと形を調整しにくいため、砂利や砂土は袋の半分くらいまでにしておくのがコツです。
土のう袋の口は、中身が出ないよう縛っておきましょう。
縛り方はこちらの動画を参考にしてください。
屋根の頂点である棟部分にブルーシートをかける場合、2つの土のう袋をひもでつないで両サイドへぶら下げて重しとします。
土のう袋に付属されているヒモ同士を固く結ぶようにしてください。
土のうを持って屋根に登ることを想定して、重すぎて運べないなら中身の量を減らします。
手順2:屋根にブルーシートを広げる
土のうの重しを準備できたら、次に屋根にブルーシートを広げます。
屋根にブルーシートを広げる作業は、基本的に二人一組でおこなってください。
まず、はしごを屋根に立てかけます。
はしごの上端は60cm以上(約3段分)突き出して立てかけると安定します。
さらに、はしごと雨どいをヒモで結び付けて固定させましょう。
はしごの準備ができたら、ブルーシートを持って屋根に登ります。
屋根の上でカバーしたい部分に合わせてブルーシートを広げてください。
屋根の頂点である棟をはさむように置き、屋根全体をカバーします。
手順3:ブルーシートを固定する
最後にブルーシートを土のうの重しで固定します。
はじめに、屋根の頂点である棟部分に、2つの土のうを結びつけた重しを置きます。
結びつけてあるヒモは短いほうが安定しますので、結び目を短く調整してください。
次にブルーシートの四隅を固定します。
シートの角に土のうを置き、土のうのヒモをシートのハトメに結びつけると落下を防げます。
最後に残りの土のうでシートを固定します。
強風時にもブルーシートが飛ばないよう、シートの端には等間隔で土のうを置くのがコツです。
バランスよく張ることで、強風でもシートがめくれ上がりにくくなります。
屋根にブルーシートを張る方法をご紹介しましたが、難しそうと感じた方も多いはず。
ブルーシート以外の雨漏りの応急処置方法についてはこちらの記事をご覧ください。
安全に作業するための3つの心得
屋根にブルーシートを張る作業は危険をともなうため、安全第一でおこないましょう。
- 作業は雨風のない日に複数人でおこなう
- 安全な服装で作業をする
- 屋根修理は基本的にプロに任せる
それぞれ作業前に確認しておきましょう。
作業は雨風のない日に複数人でおこなう
屋根の応急処置をするのは、雨がやんで乾いてからにしましょう。
屋根の上が濡れていると滑って危険だからです。
また、強風の日や強風になりそうなときは作業を中断し、風のない日に作業してください。
作業時にブルーシートが風にあおられて張りにくいだけでなく、作業者が落下する危険も高まるからです。
屋根上での作業は複数人でおこなうのが基本です。
はしごが倒れたりすることもあるため、下で待機する人も必要です。
安全な服装で作業をする
屋根の応急処置は安全な服装で作業しましょう。
特にヘルメットと安全靴は必須です。
スニーカーではなく、裏に滑り止めの付いた作業用の靴が安全です。
また、けが防止のため長袖長ズボンを着用してください。
屋根修理は基本的にプロに任せる
損壊している箇所に気づいた場合でも、屋根修理はプロに任せるのが基本です。
自分でおこなうのはあくまでも応急処置のみにしておきましょう。
自力での屋根修理は危険があるうえ、中途半端な修理やまちがった対処で雨漏りが悪化するケースもあります。
プロなら必要に応じて足場を組み、安全を確保して屋根修理をおこないます。
また、雨漏り調査をして雨水の浸入箇所を特定し、適切な修理方法を採用します。
自力での屋根修理は失敗しやすいので、信頼できるプロを探して依頼しましょう。
業者に依頼した場合の費用相場
ブルーシートでの応急処置や雨漏り修理にかかる費用は、業者によって異なります。
ただ、それぞれの目安となる費用相場を知っておくと、本当にその業者に依頼すべきかを判断しやすいでしょう。
ここでは、業者に依頼した場合の費用相場について解説していきます。
応急処置で屋根にブルーシートをかけるときの費用
業者によるブルーシート設置料金は、材料費や人件費などを合わせて3~5万円が相場です。
この相場は屋根の雨漏り原因がわからないときに、屋根全体をブルーシートで覆う範囲のものになります。
そのため、雨漏りの発生箇所が明確にわかっている場合は、その雨漏り部分のブルーシートの設置だけで済むため、1~2万円で応急処置ができる場合もあります。
ただし結局いくらかかるのかは実際に業者に依頼して具体的な見積りを出してもらえるまでわかりません。
まずは屋根の応急処置をしてくれる業者を探して、現地調査と見積り依頼をしましょう。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
屋根自体の修理にかかる費用
屋根自体の修理は、修理のしかたで費用が大きく変わります。
屋根から雨漏りする場合の修理費用は4万~18万円と幅があり、足場が必要なら足場代も加算されます。
足場代の費用相場は13万~14万円なので、足場代を組む場合は高額になりやすいです。
【調査方法】
一般的な2階建ての建物で屋根から雨漏りする場合の修理費用相場を、弊社に加盟する屋根修理業者13社へのアンケート調査をもとに算出。
【調査期間】
2023年10月27日~2023年10月29日
屋根自体の全体修理にかかる費用
「屋根」から雨漏りした場合、部分修理では追いつかない場合は全体修理をおこないます。
屋根全体の修理方法と費用相場※は次のとおりです。
※足場代を含みます。
工事方法 | 費用相場 |
---|---|
全体の下地交換 | 400,000円 |
屋根塗装 | 189,475円 |
屋根全体の修理 | 600,000円 |
カバー工法 | 672,286円 |
葺き替え | 785,714円 |
【調査方法】
一般的な2階建ての建物で屋根から雨漏りする場合の修理費用相場を、弊社に加盟する屋根修理業者13社へのアンケート調査をもとに算出。
【調査期間】
2023年10月27日~2023年10月29日
上記の方法は複数組み合わせておこなわれることがあります。
例えば、屋根材だけでなく下地の防水シートが劣化しているケースは多いため、下地交換と葺き替え工事をセットでおこないます。
屋根全体の修理は大掛かりな工事で費用も高額です。
修理方法や業者選びはあわてず慎重におこないましょう。
高所作業はなるべく業者に任せる
屋根にブルーシートをかけるのは、有効な応急処置方法です。
ただし、簡単そうに見えて難しく危険をともなう作業なので、安易にチャレンジするのはおすすめできません。
災害時には、住民自身で屋根にブルーシートを張ろうとして屋根から転落する事故が多発しています。
実際に死亡事故も起きているので、多少時間やお金がかかってもプロの業者を探すのが賢明です。
少しでも危険を感じたら無理をせず、対応してくれる業者を探しましょう。
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