「B-CASカードって何?」
「テレビにB-CASカードの読み込みエラーが出たけど、どうやったら消える?」
B-CASカードは、テレビを購入したときに同封されている四角いカードです。
テレビ放送は、B-CASカードが差し込まれていないと視聴でいない仕組みになっていおり、テレビの購入と同時に同封されるようになっています。
※4K8K放送対応のテレビやレコーダーは、B-CASカードの代わりにACASチップが内蔵されています。
B-CASカードがどこにあるかわからないときは、テレビ背面に差し込み口がないか確認してみましょう。
この記事では、B-CASカードのエラーをスムーズに解消できるように、以下のポイントをわかりやすく解説しています。
- B-CASカードとは何か
- B-CASカードの見た目、差し込まれている場所
- B-CASカードのエラーを解消する方法
- B-CASカードに問題があった場合の対処法
- テレビやレコーダに問題があった場合の対処法
この記事を読めば、B-CASカードが何かよくわかり、B-CASカードのエラーもすぐに解消できますよ。
B-CASカードはテレビ放送を見るのに欠かせないカード
そもそも、B-CASカードとはどのようなカードのことをいうのか、簡単にご説明します。
B-CASカードは、テレビやレコーダーを購入したときに同封されている四角いカードです。
※4K8K放送対応のテレビやレコーダーは、B-CASカードの代わりにACASチップが内蔵されています。
B-CASカードの主な目的は、地デジ・BS/CS放送の著作権保護や有料放送などのサービスの管理です。
テレビ放送の映像信号は普段暗号化されているのですが、B-CASカードはテレビ放送の映像信号の暗号を解除する鍵のような役割をもっています。
つまり、テレビ放送は、B-CASカードがテレビに「差し込まれていない」もしくは、「差し込まれていると認識されていない」と視聴できないということになります。
テレビやレコーダーに差し込まれているB-CASカードは、視聴する放送によって種類が異なります。
B-CASカードの種類
このなかで使われることが多いのは、赤色の「BS・CS・地上共用カード」です。
ミニサイズのカードの大きさは非常に小さく、縦(短辺)が15.1mm、横(長辺)が25.1mm※しかないため、見つけづらいかもしれません。
B-CASカードがどこに差し込まれているかわからない方は、次にご紹介するB-CASカードの差し込み口がある場所を参考に探してみてください。
※最大の数値。参考:B-CASカード概要説明書
B-CASカードはテレビの背面やレコーダーの扉の中に差し込まれている
B-CASカードは、テレビやレコーダーを購入したときから差しっぱなしになっているはずです。
大体以下の場所に差し込まれていますので、確認してみてください。
B-CASカードの差し込み口
■ テレビ
背面の上・左・右
■レコーダー
扉の中
テレビのB-CASカードの差し込み口がある場所はメーカーや機種によって異なりますが、テレビ背面の上・左・右に差し込まれていることが多いです。
差し込み口がない場合は、カバーで隠れているだけかもしれないので、開けられる場所がないか確認してみましょう。
レコーダーのB-CASカードの差し込み口は、手前の扉を開けたらあることがほとんどです。
ちなみに、4K8KテレビにはB-CASカードの差し込み口がありません。
詳しくは別章「4K8K放送機器はB-CASカードではなくACASチップが採用されている」でご紹介しています。
テレビにB-CASカードのエラーが表示されたときの対処法
テレビ画面に、「B-CASカードを正しく挿入してください」のエラーが表示されたときの対処法をご紹介します。
エラーが表示されるときに考えられる原因を、可能性が高い順番に並べてみました。
考えられる原因 | 対処法 |
---|---|
ホコリや皮脂の付着による接触不良 | B-CASカードを清掃する |
挿入する方向を間違えている | 正しい方向に入れ直す |
テレビやレコーダーの一時的な不具合 | 再起動をする |
B-CASカードの破損 | B-CASカードを再発行する |
テレビやレコーダーの故障 | テレビやレコーダーの修理もしくは買い替えをする |
テレビを何年も使用している場合、挿入口に溜まったホコリが原因で接触不良を起こしている可能性が高いです。
まずは、B-CASカードを清掃し、挿入する方向を確認しならがら入れ直してみましょう。
それでもエラーが消えない場合は、テレビやレコーダーの一時的な不具合である可能性があるので、再起動をしてみてください。
再起動をしても直らない場合は、「B-CASカードの破損」もしくは「テレビ・レコーダーの故障」が考えられます。次の章でご紹介する対処法を試してみてください。
B-CASカードを清掃して入れ直す
まずは、B-CASカードを清掃して入れ直してみましょう。
B-CASカードの裏面にある金色のICチップにホコリや皮脂が付着していると、接触不良を起こしてエラーが表示されることがあります。
以下の手順でB-CASカードのICチップを清掃し、入れ直してみてください。
- テレビ本体の電源を切る
- B-CASカードを抜く
- B-CASカードの裏のICチップをやわらかい布で拭く
- B-CASカードの挿入口のホコリを掃除機で吸い取る
- B-CASカードを正しい向きで差し込む
- テレビ本体の電源を入れる
B-CASカードを差し込むときは、向きを間違えないようにしましょう。
B-CASカードは、「B-CASカード」の文字がテレビの背面になるようにして、矢印の方向に差し込みます。
レコーダーもつないでいる場合は、レコーダーのB-CASカードも同じように清掃して入れ直してみてください。
テレビやレコーダーを再起動する
B-CASカードを清掃して入れ直してもエラーが消えない場合は、テレビやレコーダーを再起動しましょう。
受信機器の一時的な不具合でエラーが表示されている可能性があります。
テレビは以下の方法で再起動できます。
【メーカー別】テレビの再起動方法
※タップ・クリックで開きます
- 電源が「入」のまま、本体の電源スイッチを5秒以上押し続ける
- 約1分後に再度電源を「入」にする
※参考:SHARP |AQUOS故障診断ナビ
※Android TV™ / Google TV™
- 電源が「入」のまま、リモコンの「電源」ボタンを長押しする
- 画面に再起動メニューが出たら、「再起動」→「決定」ボタンを押す
再起動メニューが表示されない場合は「電源」ボタンを約5秒間押し続けると、自動的に再起動される
※参考:SONY|本体リセット(電源リセット・再起動)の方法
- テレビ本体の電源ボタンを「切」にする
- テレビ本体の電源ボタンを「入」にする
※参考:Panasonic|よくあるご質問
- Woooステーション本体の電源ボタンを 5 秒以上押す
- スタンバイ/受像ランプが赤になってから再度電源ボタンを押す
※参考:日立|困ったときは
※LCD-A40XS1000 LCD-A50XS1000 LCD-A58XS1000, LCD-A40RA1000 LCD-A50RA1000 LCD-A58RA1000, LCD-A40RA2000 LCD-A50RA2000 LCD-A58RA2000
テレビ本体の電源ボタンを長押し(8秒)する
※参考:三菱電機|音声が急に小さくなり戻りません。
再起動ができなかったら、以下の方法で強制的に再起動してみてください。
- テレビ本体の電源を切る
- テレビの電源プラグをコンセントから抜く
- 約1分後に電源プラグをコンセントに差す
- テレビ本体の電源を入れる
レコーダーは、以下の方法で再起動できます。
ただし、レコーダーは再起動をすると録画のデータが消えてしまうおそれもあるため、消えてほしくないタイトルは、DVDにダビングしてから再起動することをおすすめします。
【メーカー別】レコーダーの再起動方法
※タップ・クリックで開きます
- 表示画面に「RESET」と表示されるまで本体の電源ボタンを押し続ける
- 電源が切れたら再度電源ボタンを押す
※参考:SHARP |DVDレコーダー故障診断ナビ
※2014年以降発売のモデルの場合
- 本体の電源をリモコンで切る
- 本体の扉を開けて、先の尖ったものでリセットボタンを押す
- 電源が切れるまで3~4分待つ
- 本体の電源ボタンを押す
※参考:SONY|本体をリセット(再起動)したい
- 本体の電源ボタンを押して電源を切る
- 本体の電源ボタンを押して電源を付ける
※参考:Panasonic|ディーガがまったく動作しなくなった。
- 本体の電源ボタンを8秒以上押し続けて電源を「切」にする
- 電源プラグを電源コンセントから抜く
- 数秒間待つ
- 電源プラグを電源コンセントに差し込む
- 本体の電源を入れる
※参考:東芝|リモコンや本体のボタンを押しても操作ができない。
- 「電源」ボタンを10秒以上押す
※Sシリーズ(DV-DH1000S、DV-DH500S、DV-DH250S) - ・本体前面左側のリセットボタンをボールペンの先などで押す
※Dシリーズ(DV-DH1000D、DV-DH500D、DV-DH250D、DV-DH160D)
Wシリーズ(DV-DH1000W、DV-DH500W、DV-DH250W、DV-DH160W)
Tシリーズ(DV-DH400T、DV-DH250T、DV-DH160T、DV-DH161T)
※参考:日立|本機が操作を何も受け付けない
- 本体前面のリセットボタンをつまようじなどで押す
- 電源を入れる
※参考:三菱電機|故障かな?と思ったときは
改善されない場合は「B-CASカード」に問題がないか確認する
それでも改善されない場合は、「B-CASカード」自体に問題がないか確認しましょう。
B-CASカードが破損していると、うまく読み取られずにエラーが表示されることがあります。
B-CASカードに問題があるかどうかは、確認したいB-CASカードを他のテレビやレコーダーに差し込むだけでわかります。
- 他のテレビやレコーダーに差し込んでも使えない場合
-
B-CASカードに問題がある可能性が高いです。B-CASカードを再発行してもらいましょう。
- 他のテレビやレコーダーに差し込んだら使える場合
-
B-CASカードに問題はありません。テレビやレコーダー側に問題がある可能性が高いので、修理や買い替えを検討しましょう。
B-CASカードに問題があったら再発行してもらう
B-CASカードを他のテレビやレコーダーに差し込んでも使えない場合、B-CASカードの破損が考えられるので、再発行してもらいましょう。
B-CASカードが原因で受信障害が発生した場合は、B-CAS社のカスタマーセンターに連絡をすれば交換してもらえます。
電話番号:0570-000-261
受付時間:10:00~20:00(年中無休)
ホームページ:カード故障交換の申請
テレビやレコーダーを購入してから3年以上が経過している、またはカードの故障が不適切な取り扱いに起因するものである場合は、B-CASカードを交換するのに2,160円(税込み)※かかります。
※2022年10月時点。
それ以外の場合は、無償で交換してもらえます。テレビやレコーダーの購入日が記載されているレシート・保証書を用意しておいてください。
B-CASカードはあくまでもB-CAS社から借りているものですので、新しいB-CASカードが届いたら、返却用封筒に古いB-CASカードを入れて返却しましょう。
BS・CS・地上共用カード、地上デジタル専用カード以外のB-CASカードの交換は、以下の場所に連絡してください。
- 地上デジタル専用(特別内蔵用)カード / 地上デジタル専用(特別内蔵用)ミニカード
-
受信機メーカーまたは、販売店に連絡する。
- CATV専用カード
-
加入しているCATV会社に問い合わせをする。
B-CASカードに問題がなかったらテレビやレコーダーの修理・買い替えを検討する
B-CASカードに問題がなかった場合、テレビやレコーダー自体の故障が考えられるので、修理や買い替えを検討しましょう。
テレビやレコーダーの故障でB-CASカードのエラーが表示される主な原因は以下のとおりです。
- B-CASカードの挿入口の破損
- 内部のICチップの読み込みシステムの不具合
- 基盤の故障 など
テレビやレコーダーの修理は、購入した販売店またはメーカーに依頼できます。
販売店独自の保証サービスに入っていて保証期間内であれば、販売店に依頼しましょう。
保証期間を過ぎている場合や、近くに販売店がない場合はメーカーでもOKです。
各メーカーの修理の依頼先
- シャープ
-
- テレビ
レコーダー
- テレビ
- Panasonic
-
- テレビ
レコーダー
- テレビ
- 東芝
-
- テレビ
レコーダー
- テレビ
- 三菱電工
-
- テレビ
- レコーダー
また、テレビを長く使用しているようでしたら、買い替えをするのもよいでしょう。
内閣府の消費者動向調査※1によると、令和3年 (2021年) 3月時点のカラーテレビの平均使用年数は10年※2、買い替え理由の61.9%が「故障」だそうです。
テレビを10年以上使用している場合は、この機会に買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
※1.消費者動向調査(令和3年3月実施調査結果)
※2.主要耐久消費財の買替え状況の推移(二人以上の世帯)
テレビを買い替えたときのB-CASカードの取り扱い方
ここからは、テレビを買い替えたときのB-CASカードの取り扱い方について解説していきます。
テレビを買い替えたら、以下のように処分、再発行しましょう。
- 以前使用していたB-CASカードは処分する
- 中古のテレビを購入する場合はB-CASカードを再発行する
順番に詳しくご説明します。
以前使用していたB-CASカードは処分する
テレビを買い替えたら、以前使用していたB-CASカードは処分してください。
B-CASカードの所有権はB-CAS社にあるため、返却または処分しなければなりません。
返却するのが面倒な方は、自分で処分しましょう。
ただし、有料放送と契約しているB-CASカードを処分する場合は、契約している放送局でカードの変更手続きをおこなってから処分してください。
B-CASカードの処分は、金色のICチップにハサミを入れて切断してから破棄すればOKです。
テレビを購入したら、新しいB-CASカードが同封されているので、そちらを使ってください。(ただし4K8KテレビはB-CASカードの代わりにACASチップが内蔵されています。)
ちなみに、使わなくなったB-CASカードを売るのはNGです。
同じ説明にはなりますが、B-CASカードの所有権はB-CAS社にあるため、B-CASカードを売るという行為は、B-CAS社の所有権を侵害することを意味します。
使わないB-CASカードは、必ず返却もしくは処分しましょう。
中古のテレビを購入する場合はB-CASカードを再発行する
中古のテレビを購入したら、B-CASカードを再発行しましょう。
使わないB-CASカードはB-CAS社に返却もしくは処分しなければならないため、購入した中古のテレビにB-CASカードが入っていないことがあります。
ただし、テレビを売った人が使用者変更の手続きをおこなっている場合は、B-CASカードが入っていることもあります。
その場合はそのまま使って問題ありません。
購入した中古のテレビにB-CASカードが入っていない場合は、B-CASカードを再発行しましょう。
B-CASカードの再発行は、手数料として1枚 2,160円(税込み)※かかります。
※2022年10月時点。
B-CASカード再発行のお申し込みページ
(対象:破損、紛失、中古機器購入、盗難を理由とする再発行)
4K8K放送機器はB-CASカードではなくACASチップが採用されている
4K8K放送機器には、B-CASカードの差し込み口がありません。代わりに、ACASチップが採用されています。
「ACAS」は、一般社団法人新CAS協議会がセキュリティ強化のために開発したシステムです。
ACASの目的は、B-CAS同様、地デジ・BS/CS放送の著作権保護や有料放送などのサービスの管理です。
B-CASカードは、有料放送を無料で見られるように改ざんされたB-CASカードが販売、使用されたことが問題になっていました。
しかし、ACASチップは4K8K放送機器にあらかじめ内蔵されているため、このような違法行為を防ぐことができるのです。
ACASチップが内蔵されている放送機器で有料放送の登録をおこなう場合は、カード番号の代わりにACAS番号で登録する(ACAS番号はメニュー画面で確認)ことになります。
4K8Kテレビを購入するとB-CASカードの差し込み口がないため、不安になるかもしれませんが、B-CASカードの代わりにACASチップが内蔵されていますので、安心してください。
まとめ
B-CASカードは、テレビやレコーダーを購入したときに同封されている四角いカードです。
テレビは背面の上・左・右、レコーダーは手前の扉を開けたところに差し込まれていることが多いです。
B-CASカードの読み込みに関するエラーが表示される主な原因は接触不良です。
まずは、B-CASカードを清掃して差し込み直してみましょう。
それでも直らない場合は、「B-CASカード自体の破損」もしくは「テレビやレコーダーの故障」が考えられます。
ご紹介した方法でB-CASカードに問題がないか確認し、どちらが原因なのか確認してみましょう。
B-CASカード自体の破損が考えられる場合は、「B-CASカードを再発行」、テレビやレコーダーの故障が考えられる場合は、「修理もしくは買い替え」を検討してみてください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、本日中の施工が難しい場合があります。
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