庭木の剪定は、樹木の外見を良くするだけではなく、木の成長や健康を守る大切なお手入れ方法の1種です。剪定せずに放置してしまうと、伸びた枝が密集しすぎて、虫や病気、枯れの原因になります。また、隣家や道路にはみ出してしまい、他人への迷惑となってしまうことがあるので注意が必要です。
自分で木の剪定を行うときは、剪定の方法や剪定する木の考慮したうえで道具を選び使い分ける必要があります。用途に合わない剪定道具は、切断面の形状が悪くなるだけではなく、木にも道具にもダメージを与えてしまいます。用途に合わせた道具選びを心がけましょう。
植木の手入れ道具を選ぶ重要性
植木とひと言で言い表しても種類や大きさが様々あります。そのため、剪定するときには木の状態に合わせて剪定する道具を変える必要があります。中でも、木の剪定に欠かせない「剪定用のはさみ」は直接木の枝を切るため、非常に重要な道具になります。
一般的に剪定でよく使用されるのは、植木ハサミと剪定ハサミの2種類です。植木バサミは万能ハサミとして様々なものに使用できるほか、細い木を切るのに適しています。しかし、太い木の枝を切るには心もとなく、刃を痛めてしまいやすいです。
一方、剪定ハサミは特徴のある非対称な形状をしており、太い枝でも比較的楽に切断できますが、細かい作業には不向きです。
この様に同じハサミでも全く用途が違うため、切る枝によって選び使い分ける必要があるのです。また、ハサミの質の悪かったり相性の悪いものを使用してしまうと、木を必要以上に痛めさせてしまい、木が枯れてしまう可能性があるので、どのようなものが良いかしっかり吟味しましょう。
剪定ハサミの種類はさまざま
剪定ハサミの種類は主に4種類に分類することができます。
高枝切ハサミ
高い場所の枝を切断するのに使用します。棒状の先端にハサミ部分が取り付けられており、手元側にハサミを稼働させるグリップがあります。手元のグリップを握ると先端部分にあるハサミが開閉して高所の枝を切断できるという仕組みです。
一般的に高枝切ハサミは高所のものを切ることが多いため、伸縮して長さを調節できるタイプが多いです。また、高所にある枝を切断するので、切断した枝が落下しないように挟むことができるタイプや、果実を挟んで取れるタイプもあります。2メートルから4メートルほどの高さの木の剪定に向いており、およそ1.5センチぐらいまでの太さであれば問題なく切ることが可能です。
刈込ハサミ
比較的低い木や、生垣の形を綺麗にするために使用するハサミです。主に細い木の枝や余分な葉を切除するためのハサミで、見た目が大きいため勘違いされやすいですが、太い木の枝を切るのには向かないハサミです。
普通刃のものは安価でも比較的耐久が高く、入手もしやすいです。長刃のものは切り口が美しく、木が枯れにくいですが、安価なものだと壊れやすいので注意が必要です。また、形状が剪定ハサミに似たものもあります。脚立と合わせて使用すると、かなりの高さまで届きます。
植木ハサミ
一般的な家庭にもあるハサミの形状に最も近い形状をしていますが、持ち手部分のループが大きな輪になっているものを指します。持ち手の部分が昔ながらの金属でできているものや、樹脂を使用したものもあります。通常のハサミと似たような感覚で扱えるため、剪定の他に紐の切除などにも使えます。切除できる枝太さはおよそ1センチ未満のものが多いようです。
ただし、一般的なハサミと比べて閉じるときの力が必要なく、固い枝を切った時に力を入れすぎて怪我の恐れがあるので、扱うときには注意しましょう。
剪定ハサミ
剪定バサミは左右で非対称の形をしており、太い木の枝を切ることができるようになっています。切れ味が鋭いので1.5センチほどまでであれば切ることができます。ハサミの中央付近にバネがついており、固いハサミを開きやすくする工夫が行われています。ハサミの中でも高頻度に使用するもので、植木ハサミで切ることができない太い木の枝を落とすのに使用されます。
このハサミで切断できなかった場合、庭木専用のノコギリを使用して切断する必要があります。太い枝は樹液などが出てきやすいので、ハサミについて劣化しないようにコーティングされているものが多いです。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、本日中の施工が難しい場合があります。※2 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※3 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
道具を使う際の注意点
実はハサミには正しい使い方があります。細かい枝を切断する時は刃先付近、太い枝を切る場合はネジがある要付近を使用します。普段使用の時は中央付近で切るようにします。無造作に扱うと、ハサミの耐久年数が下がってしまうほか、木に与えるダメージも多くなってしまうので注意しましょう。
剪定用のハサミを使用する際、特に高所の枝切りをするのであれば、枝の落下に注意が必要です。枝は先端や切断面は鋭く尖っていることが多く、落下した枝に当たって怪我をしてしまう可能性があります。高枝切ハサミの中には落とした枝をつかめるものもありますが、絶対に落ちてこないという保証はありません。
枝を切る時は真下に行かず、頭部の安全を守れる、かつ木に触れた時にかぶれないよう、しっかりとした服装をしておきましょう。上から葉や砂などが落下して眼に入るかもしれませんので、ゴーグルを着用すると良いです。
また、剪定する時は、周囲への配慮が必要です。枝を切る際、場所によっては道路や近隣の方の敷地に枝が落ちる可能性があります。落ちてから伝えるとトラブルになってしまう可能性があるので、剪定を行うまえに事前に連絡を行うようにしましょう。
まとめ
木の剪定に使うハサミは「剪定ハサミ」「植木ハサミ」「刈込ハサミ」「高枝切ハサミ」の4つに分けることができます。それぞれのハサミの特徴を生かして剪定を行うことで、木へのダメージを最低限に抑えつつ、木の健康を守ることができます。
また、木の剪定をする時は、ハサミの扱い方や安全面、周囲への配慮が必要です。特に高所の枝を切る時は頭上に注意し、周囲の人通りが多いようであれば、事前に近隣の方への周知が必要になります。
自力での剪定や伐採はとても大変な作業です。細い枝でも力を有するため、身体を痛めないように配慮しながら作業をしましょう。