育てている庭木や管理している森林の樹木の様子がおかしいと感じるとき、それはもしかしたら木が病気にかかっているからかもしれません。そうした木を放置しておけば、突然倒木したり周囲の木に伝染してしまったりする危険性があります。しかし木の病気は素人では判断することが難しく、治すことはもっと困難です。
そのためこのコラムでは、病気にかかった場合、木の各部位にどのような変化があらわれるのかを紹介し、その変化から、病気の原因を予想できるように解説を加えていきます。また、病気にならないためのお手入れの方法についてもみていくので、ぜひ参考にしてみてください。
庭木の様子が変?それは「木の病気」かも
木に異変を感じた際には、どの部位にどのような症状があらわれているかを把握すると、取るべき対応が明確になりやすくなるでしょう。そのため、ここでは部位別に起こりうる症状と推測できる木の病気についてご紹介します。
症状の重さによっては早急な対策が必要になる場合もあるので、判断の基準として活用してみてはいかがでしょうか。
根がおかしい
根に異変を感じたとき、以下のような病気に侵されているおそれがあります。
・根頭がんしゅ病
地中の根や地表の株元の部分に、大きなこぶをつくることが特徴です。果樹や花木に発症しやすく、放っておくとこぶが肥大したり数を増やしたりしていきます。
・ナラタケ病
ナラタケというキノコが根に寄生することで木が弱っていく病気です。そのため、根元にナラタケが生えていたらナラタケ病であると判断できるでしょう。ヒノキやケヤキ、マツ、ナラなどに見られやすいことが特徴です。
葉・花・果実がおかしい
葉・花・果実に異変を感じたとき、以下のような病気に侵されているおそれがあります。
・うどんこ病
葉に白い膜のようなものが張られている症状が確認できたら、うどんこ病である可能性が高いでしょう。その白い膜は徐々に広がっていき、やがてすべての葉を覆うまでになります。
・すす病
うどんこ病に症状は似ていますが、白い膜ではなく黒いすすのようなものが葉を覆っていきます。この病気もうどんこ病と同様に、徐々にすすのようなものの面積を広げていくことが特徴です。
・炭疽病
果樹の葉や果実によく症状が見られる病気です。葉にはしおれたような斑点が発生し、やがて腐敗して斑点が穴になります。そして果実には焦げたような黒い斑点が発生し、果実を腐り落とすまで広がるでしょう。
・灰色カビ病
花や果実、新芽などに症状が確認できる病気で、発症すると薄い茶色のシミのような箇所があらわれます。そしてそれは徐々に広がり、腐った後に灰色のカビに覆われていくのです。
幹・枝がおかしい
幹・枝に異変を感じたとき、以下のような病気に侵されているおそれがあります。
・てんぐ巣病
庭木から野菜まで幅広く発症する可能性のある病気です。株元や幹から無数の細い小枝が生えてきます。もし木の種類に合わないサイズと量の枝が生えてきたらこの病気を疑いましょう。
・こぶ病
樹木の枝や幹からごつごつしたこぶを生じる病気です。こぶが生じた箇所は組織が破壊されているため、徐々に弱っていきます。
・胴枯病
初期に樹木の枝や幹に赤褐色の小さな隆起が大量に形成される病気です。放っておくと症状は拡大し、幹に裂け目が生じます。
ここでみてきた病気とその症状は、木にとって特にかかる機会の多いものです。そのためこのほかにも、似た症状の病気は多数存在するということを忘れてはいけません。もし症状の判断に自信が持てない場合は、詳しい方や業者に相談してみることをおすすめします。
木の病気の原因っていったい何?
木の病気とその症状についてみてきましたが、そもそもそういった病気の原因は何なのでしょうか。ここではそうした疑問に対する答えとして、「原因の解説」とその原因からくる「病気への予防方法」についてみていきます。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、本日中の施工が難しい場合があります。※2 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※3 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
原因は1つじゃない!
木が病気にかかってしまう原因は、1つではありません。主に糸状菌・バクテリア・ウイルス・微生物の4つが病気の原因として考えられます。しかしこれは特殊なことではなく、人間でも同じことがいえるでしょう。バクテリアによって引き起こされる結核や、ウイルスによって引き起こされるインフルエンザがあるということと同じです。
【予防法】
病気の原因となる糸状菌・バクテリア・ウイルス・微生物はそれぞれ感染経路が異なってくるため、複数の対策を取ることが有効になります。そしてその対策のなかには、自分でできる作業もあるため試してみてはいかがでしょうか。
・剪定をする
木は放っておくと枝葉が密集してしまうので、風の通りが悪くなってしまいます。そのため、定期的に不要な枝を剪定するとよいでしょう。そうすることで風通しが改善され、病原菌などが定着しづらくなります。
・土壌の改善をする
土壌のなかは、様々な生物が存在するために適した環境になっています。そのため、たとえば庭木の株元の土壌に糸状菌が増殖すれば、糸状菌は感染経路を確保したと考えることができるでしょう。そうしたことを防ぐためにも、定期的に土壌に新しい土をブレンドしたり鉢植えであれば植え替えをしたりすることをおすすめします。
・薬剤を散布する
病気になる前に薬剤を散布する方法も有効です。ただしそうした薬剤には、植物体内に病原菌が侵入するのを防ぐ「保護殺菌剤」と体内に入り込んだ病原菌の動きを阻害する「浸透性殺菌剤」があります。そのため、使用目的によって使い分けるようにしましょう。また使用方法については、購入した商品の説明を守るようにしてください。
【対処法】
もし木が病気にかかってしまったら、まず病気になった部位を取り除いてください。すべての部位を取り除いたら、ほかの植物に伝染してしまわないようにゴミ袋などに入れて処分するか焼いてしまいましょう。
それでも再発してしまう場合は、土壌や周囲の植物などに病原菌が残っている可能性があります。そのため、専用の殺菌剤を散布することがおすすめです。
特に症状が重い場合はどうしたらいい?
症状の重い木は適切な対処をすれば治る可能性もありますが、枯れてしまうおそれが高いといえます。そしてそれが高木のような高重量を伴う木であった場合、近づくことはとても危険だといえます。なぜなら病気で弱った木はもろくなっている危険性が高く、いつ倒れてくるかわからないからです。
そのため自分でできないと判断した場合は、早急にプロの業者に依頼して伐採することをおすすめします。弊社では無料相見積りをおこない、そうしたプロの業者のなかから依頼主の要望に合った業者を紹介することが可能です。業者に依頼することで、ほかの木に病気が伝染することを防げる可能性も高くなるでしょう。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、本日中の施工が難しい場合があります。※2 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※3 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
病気に見えるけど……実は病気じゃないことも
ここまでは木の病気とその原因、それにもとづく対処法についてご紹介してきました。しかし植物の異変は、病気が原因でない可能性もあります。そのため、病気でない場合にも見られる植物の変化についてみていきましょう。
・葉が枯れてしまった
常緑樹なのに葉が枯れてしまったり、落葉樹でも落葉期でないのに葉が枯れてしまったりしたら何かの病気ではないかと疑ってしまいます。そして実際に病気である可能性もあるのですが、もしかすると水や日照時間が不足していることが原因かもしれません。
・葉が落ちてしまった
葉が落ちてしまう場合は、水をあげすぎている可能性や、急激な環境の変化が原因である可能性が考えられるでしょう。ここでいう環境とは、気温や湿度などのことを指します。また水やりをしていなくても、梅雨の時期にこういった症状が確認できたら、水分を過剰に取りこみすぎたことが原因かもしれません。
・葉に斑点がある
先述の病気の症状とよく似ているのが、大気汚染による葉の斑点です。この斑点の原因を見分けるのは非常に困難であるため、判断がつかない場合は業者に調査を依頼することをおすすめします。
このような症状は、自分で確認しても病気かそうでないかの判断が難しいといえるでしょう。そのため「木の様子がいつもと違うな」と感じたら、適切な対処をするためにもプロに相談してみることをおすすめします。周囲の植物に病気が伝染するケースもあるので、場合によっては伐採が必要になるでしょう。
弊社では、伐採業者を紹介するサービスをおこなっています。複数の業者のなかから、依頼者の要望に合った対応ができる業者を見つけることができるでしょう。無料見積りもおこなっているので、まずはお気軽にご相談ください。