車を動かすものといえばエンジン、ガソリンのほかに、バッテリーからの電気の供給も重要な要素です。車になくてはならないバッテリーですが、じつはいくつかの種類があり、それぞれ構造が異なります。
そのため、修理や交換などを検討する際にはこの種類について知っておく必要があるでしょう。今回は車のバッテリーの種類にはどのようなものがあるのか、それぞれの特徴に加え、バッテリーが上がってしまった際の対処法などについても解説いたします。
車のバッテリーは大きく分けて5種類
車のバッテリーは、車種の違いなどによって大きく分けて5種類があり、それぞれ構造が異なります。車種によっては専用のタイプを使わなければならない場合もあるため、自分のバッテリーの種類については把握しておくとよいでしょう。
【1】開栓型
現在もっとも一般的で多くの車に採用されているのが、この開栓型です。バッテリーの電気は中のバッテリー液に溜められているものですが、開栓型のバッテリー液は時間経過によって蒸発していってしまいます。
そのため、このタイプは定期的に栓を開けて液を補充しなければなりません。メンテナンスの手間はあるものの、開栓型は他と比べてバッテリー自体の値段が安いのが大きなメリットです。また、最近では性能が上がって液が減りにくくなっており、数年補充なしで使える場合もあるようです。
【2】メンテナンスフリー
このタイプは名前の通り、開栓型のようなメンテナンスを必要としないバッテリーです。その秘密は高い気密性にあり、メンテナンスフリーバッテリーのバッテリー液は、ほとんど蒸発することがありません。
このタイプは近年の主流となっており、最新の高性能車やハイブリッド車、電気自動車にもよく用いられています。また、メンテナンス不要であることから、構造上車内の整備が難しい場合に採用されることもあります。
【3】ドライバッテリー
通常車のバッテリーの電極はバッテリー液に浸された状態となっています。これに対しドライバッテリーは繊維を使って電極にバッテリー液がしみ込むように充填されているのが大きな特徴です。
つまりは非常に強力な乾電池のようなもので、通常のバッテリーよりも軽量であるほか、安定した性能を発揮することができるようになっています。ただし、他のタイプと比べて非常に高価なため、通常の乗用車に搭載されることはほとんどありません。もっぱらレーシングカーなどに採用されるバッテリーとなっています。
【4】アイドリングストップ車用バッテリー
環境や燃費によいとして、停車時にエンジンを停止させるアイドリングストップ機能を搭載した車も近年多くなってきています。しかし、アイドリングストップ機能を持っている車は構造上、通常よりもバッテリーの負担が大きくなってしまいます。
その負担に耐えられるよう、アイドリングストップ車は通常のバッテリーよりも高機能な専用バッテリーを持っています。交換をする際にも専用のバッテリーを用意しなければなりません。
【5】ハイブリッド車用・補機バッテリー
電気を使用して走ることができるハイブリッド車は、通常の車とは全く異なる構造のバッテリーを有しています。ハイブリッド車のバッテリーは走行用のモーターを動かす「走行用バッテリー」と、車内のシステムの電源を動かすための「補機バッテリー」の2種類にわかれています。
このうち補機バッテリーは通常の車のバッテリーに相当する機能を持つものですが、だからといって通常のバッテリーを代わりに使うことはできません。必ず交換の際は専用のバッテリーを取り付けましょう。バッテリーには車の機能にあわせてこれらの種類がありますが、同じ種類の中でもさらに極板の素材などによる性能の違いもあります。
今よりも高性能なバッテリーに交換したい、どれが自分の車のバッテリーなのかわからないということであれば、一度業者に相談してみるのがよいでしょう。弊社では年中無休のコールセンターで、カーバッテリーに関するご相談を承っております。もし何かお悩みの際は一度お問合せください。
バッテリーが上がったときの対処
バッテリーは運転中に充電をおこなうことでその電力を保っているものですが、ときにはバッテリーが上がって車が動かなくなることもあるかもしれません。そんなときでも、正しい対処をすれば車を動かすことができます。対処法はいくつかありますが、車のバッテリーの種類によっては用いることができない方法もあります。バッテリー上がりの際の対処法と、その注意点について知っていきましょう。
【1】ブースターケーブルを使って救援車の電気を使う
自分の車のバッテリーが上がってしまった際は、他の車からの電気を分けてもらうことでエンジンを始動させることができます。他からの電気でエンジンを始動させることを、ジャンピングスタートといいます。ジャンピングスタートをおこなう際は、車同士をつなぐブースターケーブルというものを用意しましょう。ブースターケーブルはホームセンターやカー用品店にて、1,000円前後で購入することができます。
ブースターケーブルは赤と黒のケーブルでワンセットとなっています。これをまず赤のケーブルから、自車のバッテリーのプラス端子、救援車のプラス端子の順につないでください。次に黒のケーブルを救援車のバッテリーのマイナス端子、自車のエンジンの金属部分に接続しましょう。ケーブルの色によって流す電気が決まっているので、接続箇所や順番を間違えないように気をつけてください。
接続できたら救援車のエンジンをかけたのち、自分の車のエンジンをかけます。これで自車のエンジンが始動すればジャンピングスタート成功です。作業が済んだら接続したのとは逆の順でブースターケーブルを取り外しましょう。救援車を使う際の注意点として、ハイブリット車を通常の車の救援車として使うことはできないということを覚えておきましょう。
ハイブリッド車のエンジンに搭載される補機用バッテリーは通常の車とは違い、エンジンのモーターを回す大きな電流を流す機能は備えていません。そのバッテリーを使ってエンジンを始動させようとすると、大きな電流に耐えられず、ハイブリッド車側のバッテリーはすぐに故障してしまいます。また、トラックのバッテリーも通常とは電圧が異なるため、それぞれ救援車として申し出られたとしても断るようにしてください。
【2】ジャンプスターターを使う
ジャンプスターターとは車用の充電器のようなもので、これがあれば救援車がいなくてもバッテリーが上がった車を始動させることができます。ジャンプスターターを使う際には、付属の二股のケーブルを使います。ブースターケーブルと同じように赤と黒にわかれたこのケーブルをまずバッテリーのプラス端子に赤、マイナス端子に黒というように接続してください。
そのあとにジャンプスターターにもケーブルをつないで電源を入れたら、準備完了です。電源を入れて1分ほどしたらエンジンをかけましょう。一度でエンジンがかからなかった場合は、2~3分ほど待ってから再度試すようにしてください。連続でエンジンをかけようとすると、バッテリーに負担がかかって激しく発熱するおそれがあります。
また、同じように発熱を防ぐため、エンジンがかかったら速やかにジャンプスターターをバッテリーから取り外すようにしましょう。ケーブルの取り外しの順番は接続したときとは愚悪の順です。ジャンプスターターは普段車内などのUSBで充電しておけるほか、スマートフォンなどの電子機器の充電に使用できるものもあります。もしものときのために、車内にひとつ常備しておくのをおすすめします。
復旧後は必ず充電をおこなおう
ジャンピングスタートでエンジンが復旧したとしても、まだ応急処置が済んだだけにすぎません。外部から最低限の電気をもらっただけのバッテリーには、まだ自力でエンジンをかける力はないのです。バッテリーを完全に復旧させるためには、必ず充電をおこなう必要があります。
しばらくエンジンをかけっぱなしにしておくことでも充電は可能ですが、できれば30分ほど走行をおこなうのがよいでしょう。走行することでバッテリーに電気を送る役割を持つオルタ―ネーターという部品を動かし、発電を促すことができます。できるだけ信号待ちのない直線を走るようにすればなおよいでしょう。
自力で応急処置できないバッテリーもある
通常のバッテリーであれば、ブースターケーブルやジャンプスターターなどの道具があれば自力で応急処置をおこなうことができます。しかし、ハイブリッド車の走行用のバッテリーが上がってしまった場合、自力で復旧させるのはおすすめできません。
ハイブリッド車の走行用バッテリーは車を動かすだけのエネルギーを発するために、かなりの高電圧となっています。もし何かの間違いで感電などしてしまえば、非常に重大な事故につながってしまうおそれがあります。ハイブリッド車の走行用バッテリーに関しては、必ず業者に復旧を依頼するようにしましょう。
復旧できない場合はロードサービスや業者に依頼
もし応急処置を施しても復旧しない場合は、バッテリー自体の寿命や破損、その他の部品の故障などが考えられます。そのような場合はそれ以上自分では触らずに、プロの業者に復旧、および点検を依頼するのをおすすめします。弊社からは24時間いつでも、お困りの現場へ迅速に業者を派遣することができます。突然のトラブルに見舞われた際は、ぜひご相談ください。
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バッテリー上がりの原因を把握する
バッテリー上がりは突然起こる車のトラブルとして、困らされている方も多く見受けられるものです。しかし、バッテリー上がりも原因を知っていれば、事前に対策や予防ができるかもしれません。バッテリーが上がるのはひとつだけではなく、いくつかの原因が考えられます。
電力の使い過ぎ
ライト類やエアコンをつけ忘れている、というのはバッテリー上がりの代表的な原因です。走行による充電がされないまま電力を使っていると、次の日には、ほぼ確実にバッテリー上がりが起こってしまうことでしょう。
また、短い距離でしか走行していない場合にも、バッテリー上がりが起こりやすくなってしまいます。短い距離で充電が追い付かないままエンジンの始動を繰り返していることで、バッテリーの電力が尽きてしまうのです。
長期間車に乗っていない
車は何もしていなくても、自然現象による放電や、車内のコンピューターなどを維持するために少しずつ電気を消費しているものです。とくにハイブリッド車やアイドリングストップ車などは高品位なコンピューターを有しているぶん、消費電力は大きくなってしまいます。
放置されたバッテリーはおおよそ1ヶ月ほどでエンジンを動かすだけの電力を失い、バッテリー上がりを起こしてしまいます。長期間の放置はできるだけ避けるようにしましょう。
バッテリーの寿命
どんな種類のバッテリーでも、いつかは寿命が来てしまう消耗品であることに変わりはありません。その平均は2年~3年といわれており、長寿命のハイブリッド車以外は、どの車種でも大きく変わることはありません。
そのため、前回の交換からある程度年数がたっている場合は、バッテリーが上がってしまう前に交換する必要があるでしょう。昔は「エンジンのかかりが悪くなったらバッテリーの交換時期」、というような見分けられ方もされていました。しかし、近年の車は「充電制御機能」が標準装備されていることが多くなっています。
これは充電量の不足や過充電を防ぐために、充電量をコンピューターで制御して一定に保つという機能です。これによって寿命を迎えそうな場合でも普段通りに走ることができますが、「油断していたらバッテリーが上がってしまった」というケースも起こりやすくなっているのです。
アイドリングストップ機能
アイドリングストップ機能はエンジンや環境には優しい機能ですが、バッテリーには大きな負担がかかってしまう機能でもあります。車がもっとも大きな電気を必要とするのはエンジンの始動ですが、アイドリングストップ車はこれを走行中に何度も繰り返すことになります。
そのため、どうしても通常の車よりバッテリー上がりは起こりやすい構造になっていますが、メーカーではこの対策として、専用の高品位なバッテリーを搭載しています。ですが、渋滞などではアイドリングストップ機能を切るなどといった対策は必要でしょう。
バッテリー上がりを防ぐ方法
何が原因でも、バッテリー上がりを防ぐためには普段からある程度の距離を走らせるようにして、電力やバッテリーの交換時期を意識しておくべきです。また、長期的に乗らないことがわかっている場合には、バッテリーのマイナス端子を抜いておくことで無駄な電力消費を防ぐことができます。
また、電圧計を使えばバッテリーの寿命を点検することもできます。バッテリーの電圧は12.4V~12.7Vが正常といわれており、これよりも低い電圧になっている場合には交換が必要だといえるでしょう。この点検を月に1回おこなうことで、より確実にバッテリー上がりを防ぐことができます。
しかし、これだけの対策をしていても、突然バッテリーが上がってしまうことはあるかもしれません。もしバッテリーが上がってしまって、自分ではどうしようもないようであれば、早めに業者を呼ぶようにしてください。
弊社からは、突然のバッテリー上がりにも対応できる業者を迅速に派遣することができます。その他バッテリー交換や点検に関するご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問合せください。