冬はバッテリー上がりが起きやすいというフレーズを聞いて、「もしかしたら自分の車でも起こるかも……」という不安を抱えていませんか?
バッテリー上がりとは、バッテリーの蓄電量が不足してエンジンをかけたりエアコンなどの電装品を動かしたりすることができなくなる現象です。
じつは、ロードサービスの業者JAFに来る出動理由はバッテリー上がり(過放電バッテリー)の割合が1番多く、2月の出動理由の約40%はバッテリー上がりです。
参照:※JAFロードサービス救援データ(2020年度:2月)
冬にバッテリー上がりが起きやすいのは、気温が下がることでバッテリーの性能が落ちるからです。本記事では、性能が落ちてしまうバッテリーに十分な電力を蓄える方法やバッテリーの放電を防ぐための方法、バッテリーが上がった時の対処法までご紹介します。
車検を受ける以外なんの対策もしていない車でも、ご紹介する予防法さえおこなえば、簡単にバッテリー上がりを起こさないための対策ができます。
対策がわかれば、寒い冬でも安心して車で出かけられます。出発から帰宅まで、トラブルなく過ごすために、ぜひ参考にしてください。
定期的に運転してバッテリー上がりを予防
冬にバッテリー上がりを起こさないためには、定期的な充電が必要です。というのも、バッテリーは寒さに弱い機械なのです。
バッテリーは、バッテリー液と極板が起こす化学反応によって充電や電装品への電力供給をおこいないます。しかし、寒くなるとスムーズに化学反応が起こらなくなってしまうため、バッテリーの充電や蓄電の性能が落ちてしまうのです。
バッテリーに蓄えられた電力は、エンジンをかけていなくても、車内の時計や防犯装置などを動かすために使われます。そのため、定期的な充電ができていないとバッテリーに蓄えられた電力が底をついてしまうのです。
寒さで蓄電性能が落ちたバッテリーでは電力が底をつくリスクも高くなります。ご紹介する充電方法で定期的な充電をおこないましょう。
週に1回30分以上走行するのが理想的
定期的な充電とは、具体的にいうと週に1回30分以上車を運転することです。なぜなら、カーバッテリーはエンジンの回転とオルタネーターという発電機の稼働により充電される仕組みになっているからです。
- エンジンスタートのボタンを押すもしくはキーを回す
- エンジンが始動し回転する
- オルタネーター(発電機)が稼働する
- 電気をバッテリーに蓄える
このサイクルを繰り返すことで、電力不足になることなく車が使えます。充電量はエンジンの回転数に左右されるので、効率よく充電したい場合は時速50キロメートル程度をキープして30分以上走行してください。
「週に1回運転するのは難しい」という方は、最低でも1ヶ月に1回は運転してください。その際は、時速50キロメートル程度の速度で1時間以上走行しましょう。バッテリーが新しいものであれば、充電の頻度が1ヶ月に1度でもなんとかバッテリー上がりを防げる場合があります。
しかし、たとえバッテリーが新品であっても、1ヶ月以上車に乗らないとバッテリー上がりが起こる可能性は高くなります。どうしても長く車に乗れない場合は【「こまめに運転」が難しい場合の対処法】をお試しください。
ちょい乗りでは充電できない
エンジンが回転していればオルタネーターは動きますが、エンジンをかけるだけのアイドリングや5~10分のちょい乗りでは、バッテリー上がりを防ぐほどの充電はできません。30分以上運転するという時間指定にはきちんと意味があるのです。
アイドリングやちょい乗りしたときのエンジンは回転数が低く、ただ車を放置している状態とほとんど変わりません。エンジンの回転数が低いと、オルタネーターの発電量も少なくなるため、結果的に発電量が消費電力に追いつかない可能性が高くなるのです。
さらに、ちょい乗りはバッテリーだけでなくエンジンオイルの劣化にもつながります。バッテリー上がりをはじめとするトラブルをより招きやすい状態になってしまうので、「ちょい乗りでも運転しているから大丈夫」と思って油断しないようにしましょう。
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「こまめに運転」が難しい場合の対処法
定期的な充電が必要だといわれても時間が取れない!という方のために、こまめな運転以外の対処法も3つご紹介します。
車に乗る数日前にバッテリー充電器を使う
バッテリー充電器を使えば、わざわざ車に乗って出かけなくても、充電器を接続して放置しておくだけすみます。車に乗っていない期間が1ヶ月程度であれば充電器を使う方法で十分対処はできるので、以下を参考にお試しください。
なお、充電のタイミングは車に乗る2日前がおすすめです。充電後に時間を置く必要はないのですが、充電完了までに半日近い時間がかかるので、前日に充電すると時間が足りなくなるおそれがあります。
- カーバッテリー用充電器
- ブースターケーブル
- バッテリー液が減っている場合は補充する
- 液口栓を外す
- ケーブルをつなぐ(プラス極に赤、マイナス極に黒)
- 充電器の電源を入れて約10時間待つ
- 充電完了後、充電器の電源を切り30以上待つ
- 液口栓を閉める
バッテリーは満タンまで充電しても充電量100%になりません。90%を超えたら充電器の電源を切って、ブースターケーブルを外しましょう。
また、バッテリー液を補充した場合は、補充してから1時間程度待って充電を始めてください。バッテリー液からは水素ガスが発生しており、すぐに充電すると爆発する危険性があります。
充電器とブースターケーブルの選び方
充電器選びのポイントは4つです。自分の車のバッテリーと照らし合わせて、対応するものを購入しましょう。
- 電圧
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基本的に、普通車や軽自動車のバッテリー充電に使うなら12V、トラックやバスといった大型車のバッテリーは24Vに対応するものが必要です。
- 種類
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一般的なガソリン車とアイドリングストップ車、ハイブリッド車ではバッテリーの種類が異なります。自分の車の種類に適応できるものを選んでください。
- 対応できる型
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バッテリーにはバッテリー液の補充が必要な開栓型と、メンテナンスフリーの密閉型があります。見た目での判断が難しい場合もあるので、両方に対応しているタイプを選びましょう。
- 充電器の性能
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長く充電しすぎない過充電防止機能や電圧の自動調整機能など、バッテリーに負担をかけず安全に使える機能がついたものがおすすめです。
- 取り外しの必要性
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車は車体自体も電気回路の一部となります。そのため、バッテリーを取り出して充電をおこなうのが安全とされています。しかし、適切な使い方をすればバッテリーの取り出しが不要な充電器もあるので、手軽に充電したい方はバッテリー取り出し不要のものを購入しましょう。
充電器を購入すれば、基本的には充電器に適したブースターケーブルはセットでついています。ブースターケーブルを個別に購入する必要はありません。
おすすめの充電器2選
安全に使える充電器がおすすめだとはいいましたが、過充電保護、ショート保護、過熱保護、逆接続防止機能といった安全機能は、ほとんどの充電器についています。
そこで、ここでは充電器の大きさや価格などの違いをもとに、おすすめの充電器を3種類ご紹介します。
※対応できる種類について
ハイブリッド車には2つのバッテリーがありますが、ここでは車を動かすためのシステムや電装品に電気供給をおこなう「補機バッテリー」のみを指すものとします。
対応電圧 | 12V、24V |
対応できる種類 | 一般的なガソリン車、アイドリングストップ車、ハイブリッド車 |
対応できる型 | 開栓型、密閉型 |
参考価格 | 楽天市場:12,500円 |
※参考価格は2024年11月22日時点の楽天市場での価格(税込み・東京都への送料込み)です。
車からバッテリーを取り出さず、そのままケーブルをつないで充電することができるタイプです。原付を除くほとんどの車種に対応し、安全性も高いです。
また、ケーブルをつないだまま長時間放置してしまっても、自動でバッテリーを良好な状態に保つよう修復機能が働く仕組みになっています。
サイズや価格は上がりますが、バッテリー接続時に火花が散ることもなく安心してご使用いただけます。
・とにかく価格が安い!【サクル株式会社:SCL-APT-1308V1A-12V】
対応電圧 | 12V |
対応できる種類 | 一般的なガソリン車、アイドリングストップ車、ハイブリッド車 |
対応できる型 | 開栓型、密閉型 |
参考価格 | 楽天市場:2,874円 |
※参考価格は2024年11月22日時点の楽天市場での価格(税込み・東京都への送料込み)です。
低価格な充電器が欲しい方におすすめなのが、サクル株式会社のSCL-APT-1308V1A-12Vです。細かい電圧の数値などを表示する画面も点検や修復の機能もありませんが、冬でも問題なく充電は可能です。充電中と充電完了はランプの色で確認できます。
バッテリーを取り出さなくても使えますし、クリップをバッテリーにつないで本体の電源プラグをコンセントに差し込むだけなので、使い方も簡単です。
バッテリーの放電を防ぐ
長期間車に乗れないとわかっている場合は、バッテリーの放電を防いでバッテリーの蓄電量不足を回避しましょう。
バッテリーの電気は、プラス端子とマイナス端子がつながっているため電気が流れます。したがって、片方の端子を外して物理的に電気の流れを遮断することで、放電を防ぐことができるのです。
電気の流れを遮断しても、自然に放電するのは止められません。しかし、自然放電だけなら半年ほど放置しても問題ない量なので、蓄電量が底を尽きることはありません。
放電防止対策の注意点
- プラス端子を外さない
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車は、車体自体がマイナス極の役割を果たす電気を通す回路の一部なっています。そのため、プラス端子を外そうとして工具が車体にあたるなどすると、ショートして配線を痛める危険性があるのです。
- 防犯装置の電源も切れる
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バッテリーの電力は防犯装置を動かすためにも使われています。そのため、電気の流れが止まれば、防犯装置も機能しません。外から防犯装置の作動確認ができないよう、車にカバーをかけるなどの対策をしておくことをおすすめします。
- スマートキーは反応しない
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ボタンを押したり手をかざしたりするだけでドアが開くスマートキーやキーレスキーの機能も、バッテリーの電力が使われています。1度マイナス端子を外すと、次回ドアを開ける際はまず物理キーで解錠する必要があります。
なお、電装品の電源は一斉に切れてしまいますが、車内の機械をコントロールするためのデータなどは消えません。安全に走行するために必要なデータが消えることはないので、その点は安心してください。
古いバッテリーはすぐ交換
古いバッテリーは充電ではなく交換が必要です。車のバッテリーの一般的な寿命である2~3年以上使い続けているバッテリーはすぐに交換しましょう。
車に乗る頻度や使い方によってはもっと長く使えるケースもありますが、設置から3年以上たったバッテリーは、いつトラブルが発生してもおかしくありません。十分な充電ができなかったり、充電できてもすぐにバッテリー上がりを起こしたりするリスクが高くなります。
いざ車が必要というときにバッテリー上がりを発生させたくないのであれば、予定のある日までに交換しておきましょう。
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出先で注意する2つのこと
バッテリー上がりは、出先でも起こる可能性があるトラブルです。出先でもバッテリー上がりを起こさないために、以下の2点に注意してドライブや旅行に出かけましょう。
電装品をつけたたま長時間停車しない
長時間車から離れる場合は、電装品の電源もエンジンも切りましょう。バッテリーの電力は、エンジンの始動はもちろん、エアコンやライトなどさまざまな電装品に使われます。しかし、走行中でなければ十分な充電はできないため、消費電力が多ければそのぶんバッテリー上がり発生のリスクは高くなります。
高速道路のパーキングエリアやコンビニの駐車場などで少し車を停める程度であればバッテリーは上がりません。テーマパークや宿の駐車場など、何時間も車から離れるときが危険です。電装品の電源がオフになっていることを確認してから車を降りましょう。
「ちょっとだけ動かす」をしない
1度かけたエンジンをすぐに切る行為も、エンジンがかからなくなる原因になります。なぜなら、エンジン始動の火種となるプラグを濡らしてしまうからです。これをプラグかぶりといいます。
プラグかぶりは、家やお店などに忘れ物をしたときにやりがちです。バッテリー上がりとは異なるトラブルですが、バッテリー上がり同様冬に起こりやすいトラブルなので、こちらも注意して行動してください。
バッテリー上がりが起こったときの対処法
バッテリー上がりを直す方法は、「自分で直す」「ロードサービスを活用する」「業者に依頼」の3つです。
3つそれぞれがどのような状況の方に適した対処法なのか解説しますので、もしものときのために覚えておきましょう。
ロードサービスを活用する
JAFなどに加入している方や、保険にロードサービスがついている方は、ロードサービスの利用がおすすめです。プロの力を借りるので安全・確実にバッテリー上がりを直せますし、費用もかからない可能性が高いです。
- ロードサービスに未加入の場合は1万円を超える費用がかかる
- 保険についているロードサービスの場合は使用制限がある可能性が高い
- 相談時の通話料は利用者負担になる場合がある
自分で直す
ロードサービスに加入しておらず、お急ぎの予定がない場合は、自分で直してみるのもいいでしょう。自分で直す方法は2つあります。
- ブースターケーブルをつないで救援車のバッテリーから電気をもらう
- カーバッテリー用充電器を使う
どちらもバッテリーに電気を供給するための道具が必要です。バッテリー上がりを自分で直せるようにしたい方は、事前に購入して車に積んでおきましょう。
適切な手順で作業すればバッテリーの充電は可能です。しかし、手順を誤るとショートして修理が必要になるなどのリスクもあるので、注意してください。
業者に依頼
ロードサービスが使えない場合やお急ぎの予定がある場合は、バッテリー上がりを直す専門業者の利用を検討してください。
冬はバッテリー上がりが起きやすく、ロードサービスの出動も多くなります。そのため、到着に1~2時間かかるケースもあるのです。
ゆっくりできるタイミングであれば長時間でも待てますが、仕事のアポがある場合や高速道路上など周囲になにもない場所にいる場合は早く解決したいですよね。
カーバッテリー110番は、日本全国に多数の加盟店を有しています。お近くに加盟店があれば数分で駆けつけられる可能性もあるので、ご相談ください。
定期的な点検で今後も安心
バッテリー上がりは1度直しても再び起こりうるトラブルです。今後バッテリー上がりを起こさないために、定期的に点検してバッテリーの不具合に早く気付けるようにしておきましょう。
バッテリーの点検
項目 | 内容 |
---|---|
使用年数 | 3年以上使用していないか |
バッテリー容器の形状 | ひび割れたり膨張したりしていないか |
バッテリー液の残量 | 側面の2本のラインの間におさまっているか |
バッテリー液の比重 | 比重計の目盛りが1.25以下になっていないか |
電圧 | エンジン停止時の電圧が10ボルト以下になっていないか |
上記の項目のうち、使用年数やバッテリー容器の形状は交換時期を検討する目安にもなります。使用年数が3年以上の場合やバッテリー容器がひび割れたり膨張したりしている場合は、早急に交換しましょう。
交換が必要な場合や不具合が見られる場合は、プロにまかせるのが安心です。「おかしいな」と思うことがあればすぐにディーラーや点検業者に連絡してバッテリーを調べてもらいましょう。