絶縁体をわかりやすく解説!絶縁体は本当に電気を完全遮断できるの?

絶縁体ってなんのこと?仕組みを理解して電気を安全に使おう

「絶縁体で覆ってください」「絶縁体を入れて断つ必要があります」よく見かけるというわけではないのですが、説明書などでたまに見かける言葉、“絶縁体”。
意味がよく分からなくて調べるものの、出てくるのは専門的な記事ばかりです。

「導体だとか半導体だとか別のよくわからない単語を並べた難しい記事が多すぎる!」
そんなあなたのために、この記事ではわかりやすく簡単に絶縁体について解説していきます。

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目次

絶縁体とは電気をほとんど通さない物質

簡単に言うと、絶縁体とは電気をほとんど通さない物質のことです。
電気が流れている金属に触ると普通は感電してしまうものですが、絶縁体で覆っていれば電気を通さないので触っても電気は流れてきません。

家電を使用する際に差し込むコードには電気が流れていますが、私たちが安全に使える理由は、絶縁体で覆われているからなのです。

絶縁体が電気を通さない理由

絶縁体は、いったいなぜ電気を通さないのでしょうか?
難しい話になってしまうので、簡潔に紹介します。

すべての物質は原子でできており、その原子の中には原子核と電子が存在しています。
この電子が移動することで電流が流れるのですが、原子核と電子の引き合う力が強いため電子が移動することができず、電流が流れることもできません。
そういった性質をもつ物質を絶縁体と呼ぶのです。

原子核は+の性質をもった陽子と、+や-といった電気を帯びていない中性子で構成されています。
電子が-の性質を持っているため、+の性質をもつ陽子をもった原子核と引き合うのです。
+と-が引き合う力のことをクーロン力とも言います。

導体・半導体との違い

導体は電気をよく通す物質のことです。
金や銀や銅、アルミや鉄など金属が代表的な導体ですね。
電気を通さない絶縁体と対になる性質なので、検索すると必ず出てくるのです。

それでは半導体とは一体何なのでしょうか?
半導体というのだから通りにくいけど電気を通す、というわけではありません。

この半導体という物質は少々特殊で「温度」によって電気の流れやすさが変わります。
低温の状態では電気を通さない絶縁体、温度を上げるほど電気が通りやすくなる導体に変化するのです。

代表的な物質はシリコンです。
この特殊な性質から半導体はさまざまな電子部品に利用されています。

絶縁体の種類と材料を紹介

絶縁体の種類と材料を紹介

導体は「金属」と一言でわかりやすかったのですが、絶縁体にはどのようなものがあるのでしょうか?
いくつか代表的なものをみていきましょう。

  • ゴム
  • ビニル
  • ガラス
  • プラスチック

導体のようにまとめることはできないのですが、電気を流しにくいものは多くあります。
ゴム手袋のゴムやケーブルの周りのビニルなどは、役に立っている絶縁体として身近に感じるのではないでしょうか。

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電気を通さない絶縁体でも静電気は発生する

実は電気を通さない絶縁体でも、電子が絶縁体の表面にたくさんくっつくことで静電気は発生します。

絶縁体の中を電子は動くことができないため、導体を近づけるとそちらへ電子が移動します。
人間も電気を通す導体ですので、近づけると音を鳴らして電気が流れるのです。

静電気の移動で火花が起こることもあり、それによる事故を防ぐために帯電防止をします。
金属などの導体は地面と近づけるなどするだけで、地面へ静電気を逃がすことができます。
しかし、絶縁体が静電気を持ってしまうと、接地しても帯電防止はできません。

絶縁体の帯電防止には主に4つの方法があります。
湿気やめっきの塗装によって表面に導体性を付け加える、絶縁体の内部に金属を混ぜ込むなど、この2つの方法は絶縁体をスムーズに静電気を逃がしやすいように加工するというものです。

3つめは静電気をできるだけ発生させないようにする方法で、絶縁体が他の物質とこすれあう回数やこすれる強さを減らして帯電を防止します。

4つめは特殊な機械を使用して、周囲の中性の空気を+と-の性質を持った原子に分解する方法です。
絶縁体が-や+の静電気を帯びていると、空気中のその反対の性質を持った原子に静電気が吸い寄せられて除電されます。

絶縁体は絶対、通電しないの?

絶縁体は絶対、通電しないの?

では絶縁体を身にまとえば、例えばゴム手袋などを装着すれば、どんな電流が流れているものも触ってしまって大丈夫、というわけではありません。
絶縁体は完璧ではないのです。

耐えきれる電圧「絶縁耐力」を超えるほどの高い電圧が加わってしまった場合、絶縁体は破壊され、電流が流れてしまいます。
この絶縁状態ではなくなってしまった状態を、「絶縁破壊」と呼びます。

雷が落ちるという現象も、空気という絶縁体の絶縁耐久を超えてしまうから起こる絶縁破壊の一種なのです。

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絶縁体が巻かれていても家の工事は資格のある人に依頼する

絶縁体は完璧なものではなく、高い電圧をかけられてしまうと破壊されてしまうことがわかりました。
異常が起きたコードを、ビニルが被さっているからと言って触るという行為は、触ったビニル部分が絶縁破壊されているおそれもあり危険です。

配線工事を自分でするときは、ゴム手袋をつける方もいるかもしれません。
しかし、キッチン用ゴム手袋など、材質によってはゴムに導体や塗料などが混ざっており通電してしまうものもあります。

工事などで配線を触らなくてはならなくなった際は、電気工事士の資格があるプロに相談するのが一番安心できるでしょう。

まとめ

絶縁体とはゴムやビニルなどの、ほとんど電気を通さないものです。
配線にはゴムやビニルが巻かれているうえ、一般家庭に供給されている電気の電圧は100Vほどですので、おそらく問題ないでしょう。

しかし専用のゴム手袋がない、手袋で覆われていない部分の感電が心配など、電気工事に感電の恐怖はつきものです。

感電してしまう不安、解決できないかもしれない不安がある場合は、業者にお願いしてしまうのがいいかもしれませんね。

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