スマートフォンやタブレットな、パソコンやゲーム機などを使用してデータを通信することは多いのではないでしょうか。
無線LANを使用してのインターネットの閲覧はケーブルの配線や手間がなく見た目もすっきりします。
しかし、頻繁に通信する場合や、写真や動画などデータ量の多いファイルを扱うときは、無線だと時間がかかってしまいがちです。
記憶媒体や機器の発達からファイルデータが膨大になった今だからこそ、有線のLANケーブルを配線したいとお考えの方も多いはず。
この記事ではLANケーブルをご自宅に取りつける方法をご紹介します。
ケーブルを床に這(は)わせる簡単な設置方法から、壁の中を通すといったすこし難易度の高い方法まで詳しく解説しますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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LANケーブルの自力配線は電気工事士の資格不要
LANケーブルの配線は自分でもできるのか疑問に感じる方もいますが、結論からいうと「可能」です。
一般的に電気コンセントなどの高い電流を取り扱う工事には「電気工事士」の資格が必要です。
電気工事士の資格が必要になる基準は100~200ボルトの電圧を使用するかどうかになります。
コンセントの中から壁内部をつたう電気の導線は、各部屋に電力供給をせねばならず、高い電圧を必要とします。
電圧が高いものを取り扱う場合、正しい知識を持っていないと関電や火災、漏電など大事故につながる恐れがあるのです。
その一方で、LANケーブルを通して使用する電気はごく微量です。
安全性も高く、一般の方が触れても問題ないので資格は必要ないのです。
壁の中に配線する場合も同様で、資格は不要となります。
【初心者向け】 LANケーブルを配線する方法
とくに見た目を気にせず配線する場合、面倒な手間も準備も施工も必要なく、LANケーブルを床や壁に這わせるだけでできます。
どこからどこまでLANケーブルを伸ばしたいかを考えて、ケーブルの長さをえらびましょう。
ルーターなどの位置を考えて配線していきます。
ケーブルの長さが長ければ、ほどく際にからまってしまうことも多いので慎重にほどく必要があります。
また、床に這わせる場合、部屋や廊下を経由するのであればドアの下にケーブルが通ることになります。
ケーブルが太いものは通信安定性能や断線しにくいので選びがちですが、ドアを開け閉めする際にコードが引っかかるうえ、挟むたびにケーブルが痛みます。
その場合は、平打ち麺のようなフラットな形状のケーブルを使用するとよいでしょう。
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ケーブルカバーのひと手間で簡単に見た目が向上する
ケーブルがそのままむき出しだと、見た目が悪く景観をそこねます。
そのうえ床を這うケーブルはとても邪魔で、子供や高齢者、ペットが足に引っかけてしまって転倒してしまう恐れがあります。
ケーブルを這わせるときに少し手を加えることで、これらの問題を解消できる方法があります。
用意するものはケーブルカバーです。
ケーブルを覆うカバーのことで、プラスチックや樹脂などでできたハードタイプと、平たく柔らかい素材でできているソフトタイプがあります。
- ハードタイプ
-
厚みがありますが、ケーブル本体を保護できるため壁面や人が踏まない所に取りつけると安全です。
- ソフトタイプ
-
強度がないためハードタイプより保護はできませんが厚みは薄いです。
そのため人が良く通る場所に最適です。
どちらも表面の色を設置場所に似せることでケーブルが目立たなくなります。
そのため、景観と安全性の両方を向上させることができるのです。
見た目を気にせず費用を抑えたいのであれば、両面テープや養生用テープ、マスキングテープなどで固定することもできます。
ただし、テープのノリで床や壁面を汚すこともあるので、施工する場合は十分に注意しましょう。
【上級者向け】壁の中にLANケーブルを配線する方法
やや面倒にはなりますが、建物の壁の中にケーブルを配線することもできます。
この施工のメリットは見た目がすっきりすることと、足を引っかける危険がなくなることです。
床に配線した場合のデメリットがほとんどなくなり、ストレスフリーで使えます。
ただし、施工難易度が高くなります。
取り掛かる前におよその手順を把握しておき、挑戦してみるかどうか判断を行いましょう。
準備するもの
- 配線する長さに十分届くLANケーブル
- LAN用コンセントカバー
- 通電ワイヤー
- マスキングテープ
- ドライバーなどの工具
LANケーブルの両端にモジュラージャック(接続端子)がない場合は、以下のものが必要になります。
- モジュラージャック
- モジュラージャックの結線工具・かしめ用工具など
注意!作業前にぜったいに確認すべきこと
実際に施工をする前に、以下の点について確認しておく必要があります。
- 配線する建物の持ち主の許可を得たかどうか
- 配線するコンセントのブレーカーは落としたかどうか
建物が戸建住宅で家主が作業する場合は問題ありませんが、賃貸の場合は必ずオーナーや管理人連絡して許可を得る必要があります。
許可を得ずに作業するとトラブルの原因になりかねないので、必ず確認をとりましょう。
また、ブレーカーを落とすことも大切です。
LANケーブルを通すときは電気の配線を触ることはほとんどありませんが、間違って触れて感電してしまうことがあるので、安全のために落としましょう。
※建物全体のブレーカーは落とさず、作業を行う部分のブレーカーだけで問題ありません。
壁の中に配線する手順
コンセントについているカバーの側面の隙間に爪をはさみ、パチパチと取り外します。
外れなかったら、使わないカードなど薄くて頑丈なものをはさんでテコの原理を使用すると開けやすいです。
取り外しあとは枠がネジで固定されているのでドライバーで外します。
枠を取りはずすと壁の内側がのぞきやすくなります。
のぞき込んだときにCD管が通っているか確認をしましょう。
CD管とはケーブルをうまく配線させるためのホースのようなもので、エアコンの室外機のホースのような形状が一般的です。
CD管がない場合ケーブルを通せず配線は難しいため、業者に設置してもらった方が無難です。
先に通電ワイヤ―をCD管の中に通します。
通らないときは動かしたり微調節をくわえながら反対側まで通しましょう。
2階などまで配線したいときは、1階から通すよりも2階側から通電ワイヤーを通した方が作業をしやすくなります。
無事に通電ワイヤーが反対側までたどり着いたら、通電ワイヤーにLANケーブルを取りつけます。
その後、LANケーブルを取りつけた反対側から通電ケーブルをひっぱることで、LANケーブルが配線できます。
ケーブルはマスキングテープでしっかりと取りつけましょう。
ほかのテープでもかまいませんが、粘着層の関係上、マスキングテープで厳重にまいて取り付けた方が跡になりにくくなります。
LANケーブルが無事配線出来たら、プラグの差込口であるモジュラージャック(別名:LANコンセント)を取りつけます。
LANケーブルが長かったら、切断して表面を丁寧にはがせば長さ調節することができます。
ケーブルが長いと邪魔になるほか、通信速度が若干低下するので短い方がよいです。
ただし、調節に失敗するとケーブルが使用できなくなることもあるので慎重に判断しましょう。
モジュラージャックを取りつけたら、コンセント部分に取りつけます。
ドライバーを使用してかっちりはめ込みます。
誤って手を離すと壁の中にケーブルが取り込まれてしまうことがあるので、慎重に作業をしましょう。
その後、コンセントカバーの枠を取りつけて、カバーをはめ込めば完成です。
プロにLANケーブルを配線してもらうメリット
上記のような手順なら、LANケーブルの取りつけが可能です。
しかし、上級者向けの方法での取りつけは素人には難しく、わからないことが多いことも確かです。
設置方法は自分で行う方法と、業者への依頼の2種類があります。
依頼をして取りつけてもらった場合、以下のメリットがあります。
- 配線経験があるので施工が早い
- 失敗がない
- 配線がむき出しにならず、すっきりする
- 道具を用意しなくてもよい
配線工事を依頼すれば、自身で施工する必要がなく、道具や配線をする手間の削減、施工の失敗がほとんどないです。
そのため、失敗による買いなおし、配線しなおしといったことがありません。
業者に配線を依頼したときの費用の決まり方
業者に依頼をした場合、以下のような部分で価格が決まります。
- 移動費
-
業者・施工場所間の距離が遠いほど高額になる
- 施工費
-
CD管の有無や建物の壁内部の状況などに左右される
- 素材費
-
CD管の有無やケーブルの長さ・グレードに左右される
およそこのような部分で価格が決定します。
自分で施工しようとして材料がそろっている場合、業者に依頼をすると素材代金がかからないこともあります。
費用が気になる場合は、見積りを取ることをおすすめします。
ただし、実際の金額は建物状況などをプロに見てもらわなければ金額が決めにくいため、正確な金額を知りたい場合は業者を呼んで見てもらいましょう。
LAN配線工事の業者の選び方や費用についてはこちらの記事もご覧ください。
まとめ
LANケーブルの配線は、床や壁に這わす場合も、壁の中を通す場合も資格は不要です。
そのため、どなたでも挑戦できます。
ケーブルや工具は、工具店やパソコン関係のパーツを売っている小売店、インターネットの通販などで容易に入手できます。
費用を少しでも抑えたいのであれば挑戦してみるのも良いかもしれません。
しかし、初心者による自分での配線には失敗がつきものです。
とくに手先に自信がない人が配線したい場合、失敗するリスクが高くなります。
作業に慣れているプロに依頼をした方が安心できるでしょう。
自力で工具を全部そろえると、思ったよりも節約できないこともあります。
自分で施工を試みる場合であっても、LANケーブルの配線の見積書を取り寄せてみるとよいかもしれません。
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