電化製品はわたしたちの生活になくてはならない存在です。
日々多くの電化製品を使うということは、その分コンセントも必要になります。
そんなときに、いわゆる「たこ足配線」、コンセントなどからコードがたこの足のように伸びている状態になっていませんか?
コンセントには利用できる消費電力がそれぞれ決まっています。
それを超えてしまうと、火災などのトラブルが起きる恐れがあります。
今回は、たこ足配線が原因で起きるトラブルと、その対処法をご紹介します。
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コンセントやテーブルタップは使用量が決められている
電子機器には、作動するのにどのくらいの電気が必要なのかという「定格」が定められています。
定格電流は各機器の本体や説明書などに記載があり、W(ワット)やA(アンペア)で表されます。
家庭のコンセントひとつから取れる最大の電気量は1500Wで、その電力をテーブルタップなどの接続機器を使っていくつかの電化製品に分け与えていくイメージになります。
たこ足配線のタップにすべて差し込まなくても危険
タップなどの本体にも「合計○○Wまで」などと記されていて、これが同じタップに繋いだ機器を同時に作動させるときに使える定格電流の大きさになります。
プラグの差し込み口がたくさんついているタップでも、差し込み口がすべて埋まらないうちに合計の最大値に達してしまうと、それ以上の機器を接続して稼働させるのは危険です。
複数のプラグ穴があるからといって、あらゆる定格電流の機器をすべての穴に同時に繋いで稼働できるわけではないのです。
たこ足配線を放置すると起きるトラブル
有名な被害は火災です。
定格容量を超える状態かつタップの中にブレーカー機能がついていなかった場合、流れる電流が大きすぎるためにコンセントが発熱して発火することがあります。
ひとつのコンセントから供給できる電力は1500Wですから、タップなどに繋いだ電子機器の定格電流が1500Wを超した場合に負荷が過剰にかかり、発火しやすくなります。
一方、火災の原因にならなければ安心できるわけでもありません。
多くのタップにはブレーカー機能があり、定格容量オーバーのたこ足配線を続けると、繋がっている電子機器への電力供給が切断される原因になります。
頻繁にブレーカーが落ちては作業効率に影響が出ますし、パソコンなどに保存されていた大切なデータが消えてしまうこともあります。
また、パソコンは起動するときに大きな負荷がかかるといわれており、その時に電圧が12Vを超えていないと不安定になるとされています。
多くの機器をタップに繋いだたこ足配線からパソコンの電力を供給していると、起動時に十分な電力が不十分になり、電圧が不安定になって故障や寿命短縮の原因になる場合があります。
たこ足配線でも大丈夫な場合
たこ足配線で危険なのは「繋いだ電子機器の電力使用量の合計が、使用可能な電力量を超えること」なので、その点を守っていればたこ足配線でも大丈夫な場合があります。
必要電力の小さい機器をたこ足でたくさん繋いでも、全体の容量が規定の大きさ以上にならなければ、通常は危険な状況には至りません。
たこ足配線を使うということは、接続部分や分岐部分が多くなるということです。
コードやタップなどが複雑に入り組むことになり、ホコリもたまりやすくなります。
この場合は全体の電力量の大小にかかわらず、トラッキング現象には十分注意をしましょう。
たこ足配線のトラブルを防ぐためにできる対策
たこ足配線のトラブルを防ぐには、電力の容量を意識した配線を行うことが重要です。
ひとつのコンセントにプラグの差し込み口が二つついているものの場合、プラグ穴2ヵ所で1500Wの換算になります。
片方に大容量の機器を接続している場合は、もう片方を使わないほうがいいでしょう。
1500Wまで使えるタップを二つ繋げても、3000W分使用できるわけではありません。
大元のコンセントからの供給電力の最大値は1500Wで変わりませんから、タップをいくつ繋げても上限を拡張できません。
1200W使用ができるタップをコンセントに繋ぎ、その先に1500W分使用できるタップを繋げても、二つのタップの合計の使用可能電力は1200Wです。
W数やA数の限界が低いタップをコンセントに近い場所へ連結すると、たこ足配線全体の限界値が下がり効率が悪くなります。
また、使いたい電子機器の合計電力量が使用可能な電力量を上回ってしまう場合は、お部屋のコンセントの増設を検討してみましょう。
危険な状態で電化製品を使用すると大変な被害が生じることもありますので、安全な使用ができる環境を整えることも大切です。
まとめ
危険と知りながらもつい繋いでしまいがちなたこ足配線。
電力供給のしくみとルールを守れば安全に配線することもできます。
また、不用意なたこ足配線以外にも、危険な配線状況はおこりがちです。
電子機器と熱との関係を念頭に置き、あらためてご自宅の配線状況の安全性を見直してみましょう。
電子機器周りの環境を整えることで、より便利で安全な生活を送れます。
使用したい機器の電力量と使用可能な電力量の折り合いがつかない場合は、電気工事のプロに相談してみましょう。
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