電気工事法によって「電気工事を行うためには電気工事士の資格が必要」と決められているように、換気扇工事にもいくつかの法律が関わってきます。
法律と聞きますと「難しそう」と思われるかもしれませんが、安全に、かつ効果的に換気扇を使用するためには法律を遵守して換気扇を設置・交換しなければいけません。
もしも今後、換気扇工事をお考えでしたら、その法律についても知っておきましょう。
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建築基準法による条件
「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」
建築基準法の目的は、このように定められています。
この法律を遵守するためには、主に以下の点に注意して換気扇を設置しなければいけません。
換気量について
建築基準法は2003年に改正されました。
それにより換気設備の設置が義務付けられるようになり、さらに換気量についての規定も定められました。
具体的には、住宅の居室ならば「0.5回以上/h」に、それ以外ならば「0.3回/h」と定められました。
「1回」は、そのお部屋全体の空気を一度入れ替えることを意味しますので、「0.5回/h」は、一時間に半分以上の空気を入れ替えなければならないという意味になります。
私達の住宅からは、シックハウス症候群の原因になる物質が放出されています。
それを外に排気するためにも、このように換気量が定められているのです。
給気口と排気口の位置について
換気には、給気口と排気口が欠かせません。
しかし調理室に換気扇を設置する場合、以下のことに気をつけなければいけません。
- ショートサーキットが生じないように給気口と排気口を離す。
※ショートサーキットとは、排気したばかりの空気を給気口が吸い込んでしまうことを指し、換気効率が著しく低下する。 - 荷物などで給気口が塞がれるのを防ぐ。
- 外気の流れによって調理器具の火が消えない位置に設置する。
- 排気口は天井下80cm以内に設ける。
消防法による条件
「この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。」
消防法の目的はこのように定められています。
消防法は、主にレンジフード設置の際に注意しなければいけません。
- レンジフードの奥行と幅は、調理器具の奥行きと幅の寸法以上にしなければならない。
- 油の通過を防ぐグリスフィルターは金属製のものでなければならない。
- グリスフィルターの位置は調理器具の表面より80cm以上離さなければならない。
これらを守らなければ、調理の油煙によってキッチンが汚れるだけでなく、火災発生のリスクを上昇させることになります。
被害に遭わないためにも、換気扇選びは正しく行わなければいけません。
労働安全衛生法による条件
「この法律は、労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。」
労働安全衛生法の目的はこのように定められています。
換気扇は労働者の安全・健康にも貢献できるように、以下のように定められています。
- 開口部の面積を、床面積の20分の1以上にしなければならない。ただし、十分な換気設備が設けられている場合はその限りではない。
- 坑内での作業で、自然換気が不十分な場合には換気設備を設けなければならない。
まとめ
以上に示したのは、換気扇設置の際に注意しなければならない法律のほんの一部です。
実際には、さらに多くのルールに従って設置・交換しなければいけません。
気密性の増した現代の建築物では、換気扇の重要性も増しています。
新築物件ならば換気設備が既に取り付けられているかと思いますが、それが古くなったり、築年数の経った住宅にお住まいでしたら、換気扇交換をご依頼ください。
電気工事のプロならば、法律を遵守して換気扇工事を行ってくれるのです。
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