クロゴキブリの特徴を画像で解説!どこから侵入するかを知って駆除効果アップ

クロゴキブリはゴキブリの代表 完全駆除・予防のための善智識

「ゴキブリがいた!けどこれってクロゴキブリであってる?」
「クロゴキブリの幼虫が1匹いたけど、他にもいる?」

クロゴキブリは全国的に生息し、家屋の中でよく見かける代表的なゴキブリです。
しかし普段ゴキブリの種類を意識しないため、見た目だけで判断できずお困りではないですか?

もしクロゴキブリと疑わしい虫を見つけたら、以下を確認しましょう。

  • サイズ:親指半分ぐらいの大きさである
  • 色:模様はなく、全身黒褐色の光沢がある
  • 行動:飛んだ
  • 環境:肌寒い16~20℃の部屋にいた

もしひとつでも当てはまったら要注意、クロゴキブリの成虫の可能性が高いです。
クロゴキブリの幼虫は、また違う姿をしているため本文で詳しく解説します。

そこでこの記事では、クロゴキブリを特定する方法から徹底的に駆除する方法までをぎゅっと1ページに詰め込んで解説します。
具体的には以下のとおりです。

この記事を読めば、クロゴキブリの生態や習性に詳しくなり、本当に効果がある駆除や予防対策ができるようになります。
また、クロゴキブリ以外の室内で見かける他のゴキブリとの違いも、ご紹介しています。
クロゴキブリにお悩みなら、ぜひこの記事を参考にしてください。

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目次

クロゴキブリの卵鞘・幼虫・成虫の見た目

クロゴキブリの成長過程

クロゴキブリはその名のとおり、黒褐色で光沢のある見た目をした大型種のゴキブリです。
ただし黒い色は成虫になってからで、中齢~老齢までの間は茶色っぽい色をしています。

中齢~老齢は他のゴキブリと見分けづらいため、まずはわかりやすい卵、幼虫と成虫の特徴を覚えましょう。
中齢~老齢を疑う場合は、後述の見分け方や他のゴキブリの特徴と見比べてみてください。
では見ていきましょう。

クロゴキブリの卵鞘(らんしょう)

クロゴキブリ 卵鞘
大きさ12~13mm
こげ茶~黒褐色
期間31~47日
特徴中に22~28個の卵がある
がま口型で硬い

卵鞘(らんしょう)とは、昆虫類が産む卵がたくさん詰まった袋のことです。
クロゴキブリの場合、卵鞘の中には卵が22〜28個入っています。

大きさは1cmほどで、豆類に似ています。
もし家の中でクロゴキブリの卵鞘や幼虫を見つけたら、他にも親ゴキブリや幼虫がいる可能性があると考えたほうがいいでしょう。

クロゴキブリの幼虫

クロゴキブリの幼虫
大きさ最小4mm
黒色で腹部に白い横帯(幼齢)
赤褐色(中齢~老齢)
期間84~112日
越冬する場合は1年以上
特徴8~10回ほど脱皮を繰り返す
幼齢→中齢→老齢

幼虫は生まれてすぐは4mmほどしかありませんが、幼齢、中齢、老齢と8~9回ほど脱皮を繰り返し、大きくなっていきます。
生まれてすぐの幼虫は黒く腹部に白い帯がありますが、老齢になるにつれ赤褐色になります。

幼虫の状態でなら越冬休眠が可能で、幼虫期間は1年以上になることもあります。
ちなみにクロゴキブリが飛べるようになるのは成虫になってからで、幼虫~老齢の間は飛べません。

クロゴキブリの成虫

引用 クロゴキブリの成虫
出典:埼玉県|ゴキブリのなかま(最終閲覧日:2024年8月26日)
大きさ約35mm
黒褐色(光沢がある)
期間4~5ヵ月
特徴5~10月に産卵

8~12ヵ月をかけて成虫になったクロゴキブリは、5~10月頃に活動して産卵します。
成虫の寿命は4〜5ヵ月です。

クロゴキブリの特徴である、黒光りとも呼ばれるツヤの正体はワックスです。
ゴキブリはゴミ捨て場や下水の汚れた場所を好みますが、体をワックスでコーティングしているため汚れがつきづらく、つややかな体を維持しています。

後述で紹介する発見されやすいゴキブリのなかで、全身が黒一色でつややかなのはクロゴキブリだけです。

参考:公益社団法人 東京都ペストコントロール協会(不潔の象徴ゴキブリ)
参考:アース製薬(クロゴキブリ(幼虫)

(最終閲覧日:2024年8月26日)

見た目を確認したところで、次はクロゴキブリが隠れやすい場所を見てみましょう。

クロゴキブリが好む場所・環境

クロゴキブリが好んで潜む場所の条件は、おもに以下の5つです。

  • 暗い
  • 狭い
  • 湿度が高い
  • 暖かい
  • エサがある

ゴキブリ全般は上記の条件の場所を好むため、クロゴキブリもこのような場所に隠れているでしょう。

これらの条件が揃いやすいキッチンでは、以下のような場所にクロゴキブリは潜んでいます。

ゴキブリが隠れる場所 キッチン

クロゴキブリは昼間はこういった狭くて暗い場所に潜んでいて、夜間人間が寝静まったあとにこっそり出てきます。

ゴキブリの隠れ場所には、ゴキブリの死骸、フンや卵鞘がよくおちています。
もし死骸や卵鞘を見つけたら、その場所を重点的に対策しましょう。

ちなみにゴキブリのフンの見た目は、記事の後半でまた解説します。

クロゴキブリの生態解説は以上です。
「見た目や隠れ場所では、まだよくわからない」という方に向けて、次の章でクロゴキブリの代表的な特徴を解説します。

クロゴキブリの見分け方4点

クロゴキブリに見られる、見た目や行動の特徴を簡単にまとめました。

親指半分ぐらいのサイズである

民家に侵入するゴキブリは、小型と大型がいます。
小型のゴキブリは親指の爪ぐらい(約12mm)の大きさのため、親指半分(約30mm)あればクロゴキブリなどの大型のゴキブリです。

全身にツヤがあり、頭部(前胸背板)に模様がない

他のゴキブリは模様があったり、全身にツヤがなかったりします。クロゴキブリは黒光りと表現されるように、全身がつややかです。

30℃以上の部屋で飛んだ

クロゴキブリは滑空ができ、特に気温30℃以上の日は積極的に長距離飛翔をおこないます。

20℃以下でも動いている

ゴキブリは基本寒い場所を嫌い、20℃以下になると動きが鈍くなったり、姿を消したりします。

クロゴキブリは寒さに比較的強く、10~15℃でようやく活動を停止します。そのため少し肌寒い室温16~20℃でも見かけたなら、クロゴキブリの可能性が高いです。

他のゴキブリとの比較は次の章でまた触れますが、上記にひとつでも当てはまる場合クロゴキブリの可能性が高いです。

次はより正確に種類を特定するため、クロゴキブリ以外のゴキブリの特徴を見ていきましょう。

代表的な他のゴキブリ3種との違い

クロゴキブリの他にも、日本には屋内で見かける代表的な3種のゴキブリがいます。
それが「チャバネゴキブリ」「ヤマトゴキブリ」「ワモンゴキブリ」の3種です。

それぞれの違い、クロゴキブリとの比較をまとめると以下のとおりです。

ゴキブリ 種類

見た目以外にも生息域に違いがあります。

ゴキブリ 4種類 分布

もし現在関西地方にお住まいなら、クロゴキブリかチャバネゴキブリの可能性が高いでしょう。
チャバネゴキブリは黄褐色で親指の爪ほどの大きさのため、大きなクロゴキブリと比べて見分けやすいですね。

見た目や発生場所だけでなく、どの地域で見つけたゴキブリかも種類を特定するのに役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事ではより詳しい、それぞれのゴキブリの特徴を解説しています。
クロゴキブリ以外と疑われる場合は、こちらをご確認ください。

ゴキブリの種類についての解説は以上です。
しかし「まだクロゴキブリか自信がない」「そもそもゴキブリではないのかも……」とモヤモヤしているなら、害虫駆除業者に調査を依頼しましょう。

駆除業者では駆除作業の前に、害虫調査をおこなっている会社が多いためです。
なかには調査無料の会社もあるため、気になる方は相談してみましょう。

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クロゴキブリの侵入経路と防ぎ方

次はクロゴキブリの侵入経路と防ぎ方を見てみましょう。
ゴキブリは窓や壁の隙間から侵入するため、わずかな隙間も塞ぐ必要があります。

具体的な侵入路と塞ぎ方は以下のとおりです。

網戸やドアの隙間

パッキンやモヘア(網戸についている毛の部品)を取り替えたり、忌避剤(きひざい)を置く

換気扇や通気口

油よけカバーをつける

トイレや使用していない排水管

パテで埋める

ブレーカー周りの隙間、壁の穴

パテやテープで埋める

クロゴキブリは8~12mmの隙間を好み、1cm以上の隙間があれば楽に侵入できます。
壁のひび割れからでも侵入できるため、基本的にどの家にも侵入できると考えておきましょう。

関連記事では、より詳細なゴキブリの侵入経路や予防方法を解説しています。
気になる方はこちらをご確認してください。

クロゴキブリを効果的に駆除する2つの方法

ここからは、クロゴキブリを効果的に駆除する方法について解説していきます。
クロゴキブリを駆除するには、以下の2つの方法が効果的です。

  • クロゴキブリを見つけたとき→「即効」と書かれた殺虫スプレー
  • 居場所はわからないが1匹残らず駆除したい→ベイト剤(毒エサ)

ベイト剤とは殺虫成分入りの毒エサのことで、ベイト剤を食べたクロゴキブリだけでなくフンや死骸を食べた巣のゴキブリまで駆除できるのがメリットです。

おすすめの駆除グッズもご紹介しますので、参考にしてください。

見つけたときは殺虫スプレー

家の中でクロゴキブリを見つけたときは、速効性のある殺虫スプレーで駆除するのが効果的です。

クロゴキブリは素早くすぐに隠れるため、即効性のある殺虫スプレーがよいでしょう。
なかでもおすすめなのが、速効性の高いアース製薬の『ゴキジェットプロ』です。

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速効殺虫成分イミプロトリン配合で、瞬時にクロゴキブリの動きを止め素早く退治できます。

狭い隙間に逃げ込んでもスプレーできる隙間用ノズルもついているため、クロゴキブリを逃がすことなく駆除できるのがポイントです。

もちろんクロゴキブリ以外のゴキブリにも効果があるため、常備しておくと安心できます。

ゴキブリを叩き潰すのはダメ!
あわててスリッパや新聞紙でゴキブリを叩き潰す方もいますが、これはあまりおすすめできません。
体液やフンが飛び散り、雑菌が部屋に広がるためです。
ゴキブリを見つけたら、潰さずに駆除しましょう。

居場所がわからないときはベイト剤(毒エサ)

クロゴキブリの居場所はわからないけど駆除したいときや、1匹見つけたから他にもいるかもと不安になったときは、ベイト剤を置くのがおすすめです。

ベイト剤はメスが産み落とす前の卵にも効果があり、卵から幼虫、成虫までトータルに効き目を発揮します。

おすすめのベイト剤は、アース製薬の『ブラックキャップ』です。

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置いたその日から効果があり、1年間効果が持続します。
ゴキブリが警戒しにくい構造になっており、8つの成分で誘引してゴキブリに毒エサを食べさせます。

ベイト剤は、たくさん置くことでクロゴキブリの駆除効果をアップさせます。
1章でご紹介した【クロゴキブリが好む場所・環境】を参考に、いろいろな隙間に設置しましょう。

こちらの記事では他のゴキブリ駆除グッズや、効果的な使い方をさらに詳しくご紹介しています。

クロゴキブリが起こす4つの被害

最後に、クロゴキブリが起こす被害をまとめました。
クロゴキブリがいると以下の被害が起きる可能性があります。

  • 1匹から500匹になるためすぐ増える
  • フンをまき散らす
  • アレルギーの原因になる
  • 雑食性でなんでも食べる

では詳しく解説します。

1匹から500匹になるためすぐ増える

クロゴキブリには、強い繁殖力があります。
クロゴキブリは産卵期に入ると2~7日おきに卵鞘を産み、メス1匹につき15~20回産卵します。

1つの卵鞘の中に入っている卵の数は22~28個。
例えば1匹のメスが25個入りの卵鞘を20回産卵したとすると……計算上1匹のメスから、500匹もの子供が産まれることになります。

1つの卵鞘中の卵25個 × 産卵回数20回 = 500匹

驚異的な繁殖力ですよね。
だからこそ、クロゴキブリを見つけたら早めに卵も幼虫も成虫もすべて、徹底的に駆除する必要があります。

参考:アース製薬|知らないほうが幸せかもしれない、ゴキブリの驚異の身体能力と繁殖力。(最終閲覧日:2024年8月26日)

フンをまき散らす

クロゴキブリのフン

ゴキブリは黒いホコリのような、小さなフンをまき散らします。
クロゴキブリのフンはエサに関わらず粘性があり、こすったような跡がある場合が多いそうです。

参考:J-STAGE|ゴキブリの糞の形状 家住性ゴキブリ 5 種における餌材と糞の粘性との関係(最終閲覧日:2024年8月26日)

またゴキブリのフンにはいろいろな害があり、次のようなものがあります。

  • フンにゴキブリが集まる
  • フンに病原菌が含まれることがある
  • 家財や建物が汚れる
  • アレルギーの原因になる

ゴキブリのフンには集合フェロモンという仲間を集める作用の匂いが含まれ、この匂いをもとに仲間が集まります。

さらにゴキブリは食中毒菌を食べてもそのままフンとして排出できるため、ゴキブリ自身が食中毒菌の被害にあうことはありません。
フンには食中毒菌が含まれている可能性があり、誤って口にすると危険です。

このように、ゴキブリはフンだけでも被害を引き起こします。
関連記事ではより詳しくゴキブリのフンの詳細をまとめたため、こちらもご確認ください。

アレルギーの原因になる

クロゴキブリに限らず、ゴキブリの死骸やフンは昆虫アレルギーの原因になります。

昆虫アレルギーとは、昆虫の死骸やフンを吸い込むと鼻水や触れると皮膚炎が起きるものです。
ダニが有名ですが、体質によっては蛾(ガ)やゴキブリでも起こる方がいます。

ゴキブリは夏場に活発に活動するため、フンや死骸も夏に多くなります。
「夏になると鼻水がひどい」など昆虫アレルギーの疑いがある方は、ゴキブリに注意しましょう。

雑食性でなんでも食べる

クロゴキブリをはじめとしたゴキブリは雑食性で、なんでも食べます。
一例としては以下のとおりです。

  • ホコリ・カビ
  • 人間の髪の毛・フケ
  • 食べかす・油
  • ダンボール・紙類
  • ペットフード
  • 昆虫の死骸
  • 生ゴミなど

上記のものがあればどこででも繁殖するため、仮に新築であってもゴキブリがいない保証はありません。

ちなみにゴキブリは食べ物から水を摂取できないため飲み水が必要ですが、わずか一滴の水があれば3日生きられます。
食べ物の管理や掃除を徹底している方も多いですが、水滴を残さないようにするのも同じぐらい重要です。

まとめ

クロゴキブリの見た目、生態や駆除方法を解説しました。
まとめると以下のとおりです。

  • クロゴキブリは黒褐色で光沢のある大型種のゴキブリ
  • クロゴキブリは高温多湿で暗い、冷蔵庫の下などの場所を好む
  • クロゴキブリは1匹から500匹になる可能性がある

クロゴキブリを放置すると、仲間が集まったり、食中毒やアレルギーの健康被害がでたりする可能性があり危険です。

殺虫剤やベイト剤で早めの駆除を心がけ、侵入防止の予防をおこないましょう。

参考文献
辻英明|衛生害虫ゴキブリの研究
青木 皐 |本当に困っている人のためのゴキブリ取扱説明書
安富 和男|ゴキブリのはなし

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