ムカデ・ヤスデ・ゲジゲジの見た目と毒性の違いを知って見分ける方法

ムカデ・ヤスデ・ゲジゲジ!どの虫が危険なの?見分け方も解説!

「目の前にいるのはムカデ?それともヤスデ?」
「ムカデに咬まれると激痛に苦しむらしいけど……ヤスデにも毒はある?」

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジ(ゲジ)は、一見して似ていたりイメージが同じだったりするので見分けがつきにくいですよね。

「脚が多くて細長い虫の種類ってなんだっけ?」と疑問をお持ちの方に、わかりやすく3種の違いを解説していきます。

それぞれの虫の特徴を知ることで、目の前にあらわれたときにも的確に対応できます。
ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジ駆除の効果的な方法についても説明していきますので、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。

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目次

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの違いを比較

最初にムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの違いをまとめました。
それぞれの見た目や生態を確認する前に、まずはこちらをご覧ください。

スクロールできます
虫の種類攻撃性動き脚の数脚の長さ
ムカデ強い速い体節に1対短い
ヤスデ弱い遅い体節に2対短い
ゲジゲジ弱い速い体節に1対長い

このようにいくつもの違いがあります。
攻撃性や動きの違いは一見してわからないため、それ以外で見分けましょう。

見た目で判別する際は脚の数がポイントです。
1つの体節に2対(4本)の脚が生えている場合、その虫はヤスデです。

残るムカデとゲジゲジを見た目で判別するポイントは脚の長さです。
ムカデとヤスデは脚が短いですが、ゲジゲジの脚の長さは体長の半分ほどもあります。
この長い脚を活かし、ヤスデは素早く走ったりジャンプしたりしてエサを捕食します。


最初に3種の違いを把握したあとは、それぞれの生態を見ていきましょう。

※ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの写真を掲載していますので、苦手な方はご注意ください。

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの生態

ここからはそれぞれの虫の違いと、見分け方を説明していきます。
写真を見れば一目瞭然なので、特徴と一緒にご紹介していきますね。

ゴキブリも食べてくれる!ムカデの生態

トビズムカデ
体長60~200mm
生息地暗くて湿っぽい場所
山林の倒木や落ち葉の下
活動最盛期6~8月
食性昆虫類

ムカデはヤスデとよく間違われますが、1つの節に1対の脚があるのが特徴です。
ムカデは多くの節を持っていて、節ごとに脚を動かしくねくね動きます。

種類ごとの脚の数
  • ゲジ目・イシムカデ目・ナガズイシムカデ目:15対
  • オオムカデ目:21または23対
  • ジムカデ目:29~191対

体長は60~200mm程度ですが、もっと小さくて細いもの、大きくて太いものもいます。
一般的にはヤスデやゲジゲジに比べるとサイズは大きいです。

暗くて湿っぽい場所を好み、多くは山林の倒木や落ち葉の下などに生息しています。
湿気の高い夏の時期は外壁やブロックの下、家屋内に侵入することもあります。
6~8月が活動最盛期です。

ムカデにかまれると、腫れ・痛み・しびれなどの症状が出ます。
危険な虫ではありますが、ゴキブリを捕食してくれるため益虫の面もあります。

ムカデの油漬けや乾物は、やけどや切り傷などのケガに効果があるとされ、薬として売られているところもあります。

植物のサポート役!ヤスデの生態

ヤケヤスデ
体長10~25mm
生息地暗くて湿っぽい場所
山林の宅地造成地など
活動最盛期5月下旬~7月
食性枯れ葉や朽木(きゅうぼく)などの腐食質や菌類など

ヤスデはダンゴムシが長くなったような見た目をしています。

ムカデと違い、前側の3つより後ろの節では、1つの節に対して脚が2本以上生えています。
脚の長さは短いですが、1節の脚の本数はムカデより多いので、遅いながらも滑らかに動けます。

体長は10~25mmで、ムカデと比べるとかなり小さいです。

ヤスデもムカデと同じく暗くて湿っぽい場所を好みます。
山林の宅地造成地などに生息し、5月下旬~7月の梅雨の時期が活動最盛期です。

ヤスデは、枯れ葉や朽木(きゅうぼく)などの腐食質や菌類などを食べて生きています。
そのため食事をしたヤスデが出すフンには有機物が多く含まれており、植物の栄養源になります。
ヤスデが食事をすると植物の成長がうながされるというわけです。

また、土の中にいる微生物の育成にも役立つので良質な土壌ができます。
この特性から、ヤスデは農業に利用されることもあるのです。

やさしい害虫ハンター!ゲジゲジの生態

ゲジゲジ
体長20~30mm
生息地湿り気のある日陰
住宅の軒下など
活動最盛期7~10月
食性昆虫類

ムカデやヤスデほど多くないですが、ゲジゲジにも脚が15対あります。
体よりも長い触角を持ち、脚も長いのが特徴です。

だ円形をしている体は褐色で、手足は黒色や薄褐色のしま模様になっています。

ゲジゲジは住宅の軒下など、湿り気のある日陰を好んで生息しており、7~10月が活動最盛期です。

主食は昆虫で、ゴキブリなどを捕食しています。
人間にとってはゴキブリを食べてくれる益虫でもあります。

毒!激痛!悪臭!人間への影響

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの見た目は区別がついたと思います。
気持ちの悪い見た目で不快害虫として扱われていますが、じつは益虫としての役割もあることがわかりました。

ですが、実際に人間への影響はあるのでしょうか?
ここではムカデ、ヤスデ、ゲジゲジが人間に与える影響や、かまれたときの症状について解説していきます。

ムカデには毒があり咬まれると激痛!

ムカデは小さな昆虫やクモ、ミミズ、小動物などを食べる肉食性です。
攻撃性が強いので、触るとやみくもに咬みついてきます。
咬まれると激痛をともなって赤く腫れてしまうほど毒性が強いです。

しびれを感じることもあり、ムカデに咬まれたら蜂に刺されたときと同じようにアナフィラキシーショックに陥ることもあります。
めったに発症しないですが大変危険なので、絶対に触らないように注意してください!

参考:J-Stage|ムカデ咬傷後にアナフィラキシーショックとなった1例と姫島村におけるムカデ咬傷の検討(最終閲覧日:2024年7月24日)

ヤスデの体液は悪臭を放つ!

ヤスデは腐葉や腐植を食べる草食性です。
毒は持っていませんが、触ると悪臭のある分泌物を出し、かぶれることもあります。
体液が散って危険ですので、踏みつけることはやめましょう。

ヤスデは大量発生することが多く、人間の生活環境や家屋内で大量発生してしまうと生活に悪影響をもたらします。
森林内を走る線路上で、大量のヤスデを踏みつぶしたときに出た体液で列車が脱線したという事例もあるほどです。
毒がないとはいえ、駆除しなければ後々大変になりえます。

参考:日本経済新聞|ヤスデ大量発生で車輪空転、列車遅らす 鹿児島(最終閲覧日:2024年7月24日)

ゲジゲジの毒はほぼ無害

ゲジゲジは夜行性で、日中は草むらや石の下に潜んでいますが、夜になるとすばやい動きで活動します。
毒を持っていますが非常に微弱で、人体に悪影響はないといわれています。

また、自ら襲いかかることはほとんどありません。
ゴキブリや小虫を捕食することから、人間にとっては益虫であるともいえます。

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジを駆除したほうがいいケース

もともとは屋外に生息する生き物であるムカデ、ヤスデ、ゲジゲジですが、家の中に侵入されて咬まれては困りますよね。
一方で益虫としての一面もあるため、「駆除したら逆にゴキブリが増えた」など思わぬ結果になることもあります。

ですが、益虫とはいえ困っていると感じるなら駆除したほうがよいでしょう。
特に以下のケースに該当する方は、駆除することをおすすめします。

精神的苦痛を感じる場合

「見た目が怖い!」「気味が悪い!」など、見た目を不快に感じてしまう場合や、家の中で遭遇したときにストレスや恐怖を感じてしまう方は駆除したほうがよいでしょう。

大量発生している場合

ヤスデは大量発生しやすいという特徴があります。
ヤスデは攻撃性も低く、触らなければ特に問題ありませんが、分泌物を発することを考えると大量発生は避けたい状況です。
家の中や食べ物にかかる可能性もあるため、駆除したほうがよいでしょう。

人体に被害が及ぶ可能性が高い場合

ムカデが家の中に侵入したり大量発生したりすると、咬まれる危険性が高くなります。
また、意図せず触ってしまった場合にも咬まれてしまいます。
ムカデは目が悪く、触ってきたものに反射で咬みつく習性があるので、ムカデを見かけたら駆除したほうがよいでしょう。

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジを駆除する方法

それでは、具体的な駆除方法を説明していきます。

薬剤を使って駆除する

市販されているエアゾール殺虫剤を使用します。
すばやく動くゲジゲジには、瞬時に動きを止められる凍結タイプがよいでしょう。

熱湯をかけて駆除する

虫は熱湯をかけられると、体のタンパク質が変性して死んでしまいます。
熱湯をかけづらい場所であればトングなどで虫を捕まえ、バケツなどに入れて熱湯をかけましょう。

直接たたきつぶす

頭部をたたきつぶすことで駆除できます。
他の駆除方法と違い、薬剤や熱湯などを用意する手間がありません。
ただし、頭をつぶされてもしばらくは体が動いていることも多いほか、体液が出て後始末が大変になります。
そのため、他の方法に比べるとあまりおすすめはできません。

無事に駆除したあとは、再発しないように対策も心がけましょう。

5つの方法でムカデ、ヤスデ、ゲジゲジを増やさない!

ここでは、ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの侵入を防ぐ5つの方法をご紹介します。
この3種は共通して湿気が多く気温の安定しているところを好んで生息しています。

以下の対策は、ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジのどの虫の侵入予防にもつながるため、ぜひ参考にしてみてください。

湿気がこもる場所を減らす

湿ったものを押し入れにしまわないようにし、布団やベッドマットレスも定期的に日光に当てるなどして、屋内に湿気がたまらないよう心がけましょう。
除湿機や除湿剤を利用するのも効果的です。

不用な草やガレキは撤去する

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジは屋外ではガレキや庭石の裏側、刈り取った草やプランターの下など、じめじめとした場所に生息します。
これらはできるだけ撤去し、住みつかれないようにしましょう。

ゴキブリ対策をする

ゴキブリがいなくなればムカデ、ヤスデ、ゲジゲジのエサがなくなります。
つまり、ゴキブリの発生を防ぐよう努めれば必然的にムカデ、ヤスデ、ゲジゲジも集まってこなくなるのです。
そのために、湿気をためない、生ごみを放置しないなどの対策を徹底しましょう。

ゴキブリ対策の詳しい方法はこちらの記事をご覧ください。

外からの侵入経路を塞ぐ

少しの隙間からでも侵入してくるのがムカデ、ヤスデ、ゲジゲジです。
家屋の通風口、エアコンの排水ホースなどが侵入経路となりやすいので、テープや網で塞いでおくと侵入防止になります。

薬剤をまく

侵入経路と思われるところに薬剤をまいておくことも効果的です。
忌避剤(きひざい)という、ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジが嫌う薬剤を侵入経路にまきましょう。

忌避剤にはスプレータイプや置き型タイプなどさまざまなものがあります。
状況に合わせて適切なものを選びましょう。

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの詳しい駆除・対策の方法は別の記事で解説しているので、お困りの方はぜひ参考にしてください。

ここまでムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの駆除・対策の方法を解説しました。
しかし何度も発生したり、大量に発生したりで、自力での解決に限界を感じることはあります。

そのようなときは害虫駆除業者を頼りましょう。
次の章では業者を頼るメリットを解説します。

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの駆除を業者に任せるメリット

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジが家の中に出たら、害虫駆除業者に相談することも検討してみましょう。
ここでは、業者に任せることで得られるメリットをご紹介します。

虫が苦手でも自分で駆除する必要がない

虫に立ち向かう不安や恐怖を味わわなくて済みます。
虫が苦手な人は、駆除するときに味わう恐怖を想像するだけでもストレスになります。
「薬品スプレーにデザインされているムカデ、ヤスデ、ゲジゲジなどのイラストを見るだけでも嫌だ!」と思う方は、プロに任せるのが一番です。

プロだから虫の知識が豊富

プロには害虫の生態について豊富な知識があります。
虫の生態を熟知しているので、効果的な駆除をし、予防まで徹底します。
特に大量発生した虫を自力で完璧に駆除するのは難しいため、プロに依頼したほうがのちにかかる費用のことを考えてもお得です。

害虫駆除業者を選ぶときの4つのポイント

業者に害虫駆除を依頼することに決めたなら、以下の4つのポイントをおさえて業者を選びましょう。

相見積りをとる

何件かの業者から見積りを依頼し、必ず見比べるようにしましょう。
見比べることによって無駄な請求がないかどうかを判断できます。

保証の有無を確認する

駆除後にトラブルが起こった場合に対しての保証があるかどうかを確認しましょう。
アフターフォローがあればふたたび害虫が発生しても安心です。

対応が丁寧か確認する

害虫が発生して不安を感じているときには、気持ちのよい態度をしてくれる業者のほうが安心できますよね。
真摯な対応を心がけている業者を選びましょう。

実績を確認する

業者のサイトを調べ、本当に実績があるのかを確認してから依頼することをおすすめします。
口コミなどがあれば読んでみましょう。

おすすめの害虫駆除業者や、業者の選び方の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

  • ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジは脚の数や長さで見分けやすい
  • 攻撃性や動きの速さも異なる
  • 3種類とも暗くて湿った場所を好む
  • 危険性が低いヤスデやゲジゲジも不快なら駆除していい
  • ゴキブリ駆除はムカデとゲジゲジ対策につながる

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの見分け方や生態について、おわかりいただけたでしょうか。

肉食性のムカデとゲジゲジはゴキブリを捕食し、ヤスデは草食性で土壌の質をよくしてくれるなど、益虫と呼ばれる面もあるのです。

しかし、家の中に侵入してくるムカデ、ヤスデ、ゲジゲジは大量発生すると悪影響のほうが大きくなります。
被害が深刻になる前に駆除をしたほうがよいでしょう。

自分で駆除する方法もありますが、虫が苦手な方や、大量発生した場合などはプロに駆除を任せることをおすすめします。

これから害虫対策をするうえで、この記事を参考にしていただければ幸いです。

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