害獣の侵入を防ぐ方法はいくつもありますが、その中でも効果的な方法の一つが電気柵の設置です。ただし、害獣に対して効果的な電気柵も、その設置方法を誤れば効果を発揮できず、害獣の侵入を許してしまいます。
電気柵は害獣被害の予防に強い武器となりますが、その施工には知識と技術が求められます。その設置をお考えの方は、害獣と電気柵のことをよく知った上で施工するようにしましょう。
電気柵は動物を傷つけずに侵入を防止する
そもそも、電気柵とは何なのでしょうか。もしも住宅や施設などへの害獣の侵入を防ぐ場合、その侵入口を塞いだり、周囲に忌避剤を撒いたりすることによって害獣が入り込んでしまうのを防ぐ事ができます。
しかし、畑やお庭など、開けた場所への侵入を防ぐのは難しいです。対策としてネットや金網などで周囲を囲むという方法がありますが、害獣の種類によってはよじ登ったり、破壊したりして侵入するケースがあります。
その点、電気柵は高い効果を発揮します。電気柵には電線が張り巡らされており、ここに触れますと軽い電気ショックが流れます。
そのため、触れた瞬間にしびれてしまい、簡単にはよじ登ったり破壊したりする事はできません。あくまで軽いショックを与えるだけですので、相手を傷つける心配がなく、法律によって保護されている害獣も安全に追い払う事ができます。
何度も電気ショックを浴びますと、やがて害獣達は「ここは危険だ」と学習し、やがて近づくことも減っていくのです。
電気柵設置の注意点
害獣被害の予防として心強い電気柵ですが、その設置にはいくつかの注意点があります。これを守らなければ、せっかくの電気柵の効果が弱くなったり、逆に危険をもたらすことになります。十分にご注意ください。
電気が通る場所に設置する
害獣が電気柵に触れますと、電線から害獣に、そして地面に流れることで、電気ショックを与えます。逆に言えば、通電しなければショックを与える事ができません。地面がコンクリートや石畳などの場合は電気が流れにくいため、効果が無くなってしまいます。
傾斜地から離す
害獣の中にはジャンプ力に優れた物がいます。例えば、ハクビシンは高さ1メートルほどのジャンプが出来ると言われています。傾斜地の場合は更に電気柵を飛び越えやすくなりますので、そこから離して設置します。
周辺の草を刈る
電気柵の周辺に雑草が伸びていますと、そこが害獣の隠れ蓑になります。そうなりますと害獣達は慎重に行動出来るようになり、余裕を持って電気柵を越えることがあります。
また、雑草が電気柵に触れていますとそこから電気が流れてしまうため、電気ショックが弱くなり、更にバッテリーや電池の消耗を早めてしまいます。
害獣の体格に合わせて設置する
電気が流れやすいのは、害獣たちが鼻先や肉球などで触れた場合です。逆に言えば、体毛が触れた程度では電気があまり流れません。そのため、害獣の鼻先が当たりやすいように、相手の体格に合わせて設置する事が必要になります。
電気工事士の有資格者が設置する
電気柵による事故は時折発生しており、時には命に関わる事故に繋がる事があります。そのため電気柵を設置する場合には、電気工事士の資格を持つ者が行うことが求められています。
まとめ
広範囲の害獣の侵入防止に役立つ電気柵ですが、その施工にはいくつもの注意点があります。もちろん施工時だけでなく、その後の定期的な点検や管理は欠かせません。雑草が伸びるかもしれませんし、地面がへこんでそこから侵入されるケースもあります。電線が断裂していることもあるでしょう。
強力な害獣対策の道具ではありますが、その施工をご自身で行うことはおすすめできません。興味をお持ちの方は、まず害獣駆除のプロに相談して、本当に設置しても大丈夫なのかご相談されるのがよろしいでしょう。