「育ててた野菜や果物をハクビシンに食べられちゃった……」
「超音波ってハクビシンに効果あるのかな?」
ハクビシンへの対策として、手軽に設置できる超音波を検討されている方もいるでしょう。
しかし、ハクビシンを超音波で撃退できないことは実験で証明されていて、効果的な対策にはならないんです……。
そこでこの記事では、ハクビシンに超音波が効かない根拠や、超音波よりも効果的な2つの対策を解説します。
この記事の対策を実践すれば、ハクビシンから家庭菜園を守れるようになるでしょう!
ハクビシンは超音波を聴いても逃げることはない
冒頭でお伝えしましたが、ハクビシンに対して超音波は効果的な対策にはなりません。
なぜなら、ハクビシンは人間が聴こえない超音波を聴くことはできるものの、嫌がって逃げることはないためです。
これは、日本家畜管理学会・応用動物行動学会の研究によって証明されています。
この研究では、実際にハクビシンに超音波を聴かせて、嫌がったり逃げたりするのかという実験がおこなわれました。
- 周波数20kHz~50kHzの超音波に対して、耳介動作(耳を動かすこと)や音源を見るといった反応は示した
- しかし、嫌がったり逃げたりする反応は示さなかった
このように、ハクビシンは超音波に対して一定の反応は示すことが確認されています。
しかし、超音波を嫌がって逃げるような動作は実験中見られませんでした。
そのため、超音波でハクビシンを遠ざけることは基本的には不可能であると結論付けられます。
※参考:ハクビシンおよびアライグマにおける純音に対する反応を指標とした可聴域の検証(日本家畜管理学会・応用動物行動学会2008年度春季合同研究発表会)
では、どのようにハクビシンを撃退して、庭で育てている野菜や果物を守ればよいか次の章から解説します。
超音波より効果的な2つの対策
ハクビシンには以下の2つの対策がおすすめです。
- 忌避剤を使用する
- 柵を設置する
これらの対策なら自分でもできますし、超音波よりハクビシンを寄せ付けない効果が期待できます。
それぞれグッズや、使用方法を詳しくご紹介します。
忌避剤を使用する
ハクビシンは嗅覚が優れた動物で、強いにおいを嫌います。
嫌うにおいの種類はさまざまですが、特に唐辛子などの刺激臭を嫌う傾向にあります。
こうした唐辛子成分を配合した忌避剤の中から、庭など屋外で使用できるおすすめ商品を2つご紹介します。
※参考:野生鳥獣被害防止マニュアル-ハクビシン- 第Ⅲ章被害対策の取組事例(環境省)
※参考:生活上の被害対策(横浜市)
※価格は2021年9月20日時点の楽天価格・送料込み・税込となっています。
オススメ忌避剤①ハクビシン・アライグマなぜ逃げる?
価格 | 1,700円(税込) |
内容量 | 5枚 |
においのもと | 唐辛子をはじめとした20種類の天然植物 |
効果持続期間 | 約1年 |
ハクビシンが嫌いな刺激のあるにおい、主に唐辛子が使われた忌避剤です。
成分は天然植物由来なので、庭の他の植物に影響を与えるようなこともなく安心して使えます。
また、使い方もとても簡単で、ハクビシンの鼻の高さになる地面から15cmの位置でロープやネットに商品を吊り下げるだけです。
野菜や果物を育てている庭を、囲うように設置しましょう。
オススメ忌避剤②ハクビシンよグッバイ
価格 | 3,135円(税込) |
内容量 | 500g |
においのもと | 唐辛子成分であるカプサイシン |
効果持続期間 | 約1.5~2ヵ月 |
こちらも、刺激のあるにおいとして唐辛子が使われた忌避剤です。
同じく使われているのは天然植物なので、安全な忌避剤となっています。
この商品は粒剤タイプですので、ハクビシンの被害にあった場所にまいて使います。
ただ、家庭菜園をおこなっていると、土に余計なものをまくことに少し抵抗を感じますよね。
しかしこの商品は、天然植物が使われているうえ、ゼオライトという土壌改良剤が含まれています。
そのため作物に悪影響が及ぶどころか、生長面にプラスの効果も期待できるんです。
費用をかけたくないなら忌避剤を自作する
ここまでで、ハクビシンへの効果的なおすすめ忌避剤を2点ご紹介しました。
しかし、忌避剤の商品は決して安くはないので、買うのを惜しいと感じる方もいるでしょう。
ハクビシンの嫌うにおいは唐辛子以外にもあり、忌避剤を自作することも可能です。
ハクビシンの嫌うにおい | 使用例 |
---|---|
木酢液 | 原液を散布 |
竹酢液 | 原液を散布 |
ニンニク | すりつぶしたニンニクをペットボトルに吊り下げる |
※参考:ハクビシンによる生活環境被害(新潟市)
※参考:野生鳥獣の保護(取手市)
いずれも身近なもので、準備すること自体は難しくないでしょう。
これまで忌避剤をご紹介してきましたが、使用の際は効果がずっと続くわけではないことには注意しましょう。
ハクビシンもだんだん忌避剤や嫌いなにおいに慣れていってしまうので、徐々に嫌がったり逃げたりしなくなってしまうんですね。
そこでおすすめなのが、より根本的な対策の実施です。
柵を設置する
ハクビシンから庭の野菜や果物を守るためには、柵を設置することも効果的な対策です。
柵を設置すると、外から野菜や果物が見えなくなりますよね。
ハクビシンにエサを見せないことで、庭に入ってこないようにできるというわけです。
柵はトタン板などを使うとよいでしょう。
実際に設置するときは以下のポイントに注意してください。
- 地面をならしてから設置する
- トタン板同士にすきまができないようにする
- 高さは1m以上にする
- 庭の枝を剪定しておく
まずは設置準備として、トタン板と地面との間にすきまができないように、ならしましょう。
トタン板と地面との間にすきまがあると、そこから庭の中を見られてしまいます。
また、庭の中を見られないようするためには、トタン板同士にすきまができないようにすることも大切です。
なお、ハクビシンは8cm四方の正方形、9cm直径の円というわずかなスペースでも通ることができます。
そのため庭に入られないようにするという意味でも、トタン板と地面との間、そしてトタン板同士にすきまができないように注意してください。
また、ハクビシンは運動能力が高く、なんと1mもジャンプすることができます。
そのため、トタン板をそれ以上の高さにすることも大切です。
ハクビシンの運動能力に関して、木登りを得意とする点にも注意が必要です。
もしも庭に木があって枝が伸びているなら、そこから中を見られたり、中に入られたりするおそれがあるので、剪定しておくようにしましょう。
お伝えしているように、先ほどご紹介した忌避剤とあわせておこなえばより効果的な対策となるので、ぜひ試してみてくださいね。
※参考:4.農作物被害を減らすための防護柵について(茨城県)
※参考:ハクビシンは狭い隙間から侵入できる(農研機構)
※参考:アライグマ・ハクビシンの生態(東京都環境局)
※1 対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ハクビシンを寄せ付けない環境にすることも大切
ここまで、ハクビシンを超音波で撃退するのは基本的に不可能で、忌避剤の使用や柵の設置が効果的な対策であることをご紹介してきました。
ただ、そもそも家や庭の環境を、ハクビシンを寄せ付けないようにすることも大切なんです。
- 作物をそのままにしておかない
- ゴミなどエサになるようなものを置いておかない
- 雑草を定期的に刈る
※参考:アライグマ・ハクビシンの被害を防ぐ方法(福井市)
簡単にいうと、ハクビシンが好む環境にしないということですね。
それぞれ見ていきましょう。
作物をそのまま放置しておかない
家庭菜園で育てている野菜や果物をハクビシンに食べられるのは、そこにエサがあると知られているからです。
そのため、作物は早めに収穫しましょう。
また、傷んだり落ちたりしている野菜や果物もハクビシンにとってはエサです。
そのため、食べられそうにない野菜や果物も早めに片付けましょう。
ゴミなどエサになるようなものを放置しない
ハクビシンを寄せ付けないためには、ゴミ、特に生ゴミを屋外に置いたままにしておかないことも大切です。
というのも、ハクビシンの食性は雑食で、野菜や果物はもちろん生ゴミも食べるからです。
そのため、ゴミを屋外に置いてあるならふたのついた容器に入れたりしておきましょう。
また、ゴミを出すときも、しっかりと回収日当日に出すようにしてください。
特に夜にゴミを出してはいけません。
ハクビシンは夜行性なので、基本的には人間が寝静まってからエサを求めて行動します。
そのため夜の間にゴミを出すと、エサとして狙われやすいんです。
ゴミを屋外に置いたままにしておくとその場所をエサ場と覚えられ、ハクビシンを寄せ付ける原因になります。
雑草を定期的に刈る
ハクビシンを含め野生鳥獣は、市街地などを生活の場としていたとしても警戒心が強いです。
そのため、人間の目に触れにくい、雑草が生い茂っているような環境を好みます。
もしも庭がそんな状態になっているなら、ハクビシンを寄せ付ける原因になります。
そのため、雑草は定期的に刈って、庭の見通しをよくしておくことも大切です。
【注意】自力駆除と放置はNG
ここまで、庭でハクビシンの被害にあったときの、寄せ付けないようにする対策をご紹介してきました。
ただこのとき、自分で勝手に駆除したり、逆に放置したりするようなことはやめてくださいね。
なぜなら、以下のように3つのリスクがあるためです。
- 鳥獣保護管理法の違反になるおそれがある
- 病気や感染症のおそれがある
- 家に侵入されて住み着かれるおそれがある
大切なことなので、それぞれの理由について詳しく確認しておきましょう。
鳥獣保護管理法の違反になるおそれがある
ハクビシンは作物を食べたり、家への侵入や住み着きなどさまざまな被害を及ぼす害獣です。
しかし、同時に鳥獣保護管理法で守られてもいて、勝手に駆除することは禁止されているんですね。
そのため、被害にあったからといって自分で駆除すると、違法行為になってしまうおそれがあるんです。
※参考:野生鳥獣の違法捕獲の防止(環境省)
実際、自分で勝手にハクビシンを駆除してしまうと、このような罰則が科せられることになります。
そのため、家庭菜園をハクビシンに荒らされたからといっても、自分で勝手に駆除はしないようにしてください。
病気や感染症のおそれがある
ハクビシンを自分で勝手に駆除することは、法律的にもそうですが、健康面においてもリスクがあります。
というのも、ハクビシンからは病気や感染症が人間に移ってしまうことがあるんです。
代表的な病気や感染症は、以下の2つになります。
そしてこのヒゼンダニは、人間にも移ることがあります。
その結果、人間が疥癬になってしまうこともあります。
なお、疥癬になると皮膚が赤くなったり激しいかゆみを伴ったりする症状が見られるようになります。
また、さらに人から人に移ってしまうこともあります。
※参考:アライグマ・ハクビシンに関する主な人獣共通感染症(東京都)
※参考:疥癬とは(国立感染症研究所)
そんなマダニが人間に移ることによって、SFTSと呼ばれる感染症を発症してしまうことがあります。
SFTSを発症すると、発熱や消化器症状、腹痛や筋肉痛といったさまざまな症状が見られるようになります。
なお、発症した場合、致死率は約10%~30%といわれています。
※参考:動物におけるSFTSウイルス感染状況(国立感染症研究所)
※参考:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(厚生労働省)
このように、場合によっては命にかかわるような事態にもなりかねないので、ハクビシンに対しては下手に手を出すのはやめるようにしてください。
家に侵入されて住み着かれるおそれがある
お伝えしているように、庭でハクビシンの被害にあったといっても、自分で勝手に駆除することにはさまざまなリスクを伴います。
とはいえ、反対に何もせず放置することも、被害を悪化させるリスクがあるんです。
というのも、庭というエサ場に近い家の屋根裏をねぐらにして住み着かれてしまうことがあるからです。
もしそうなると以下のような被害も発生してしまいます。
- 屋根裏での騒音
- 糞尿による悪臭や家へのダメージ
- ダニやノミの発生
まずあげられるのが、騒音被害です。
すでにお伝えしているようにハクビシンは夜行性なので、私たちが寝ようとする時間帯にドタバタと足音でうるさくなることが考えられます。
また、ハクビシンにはため糞という同じ場所で糞尿をする習性があり、屋根裏に排せつ物をためられてしまうんです。
そうなると、屋根裏とはいえ悪臭が部屋にまで届くこともあります。
さらに、排せつ物の重さで天井が抜けるなんてこともあるんです。
そして、屋根裏で生活されることで、ダニやノミが繁殖することも考えられます。
なお、これは不衛生な環境になることはもちろん、先ほどご紹介したように病気や感染症のリスクも高くなってしまうんです。
庭の野菜や果物を食べられただけなら大丈夫と思っていても、そのまま放置しておくと取り返しのつかないレベルまで被害が悪化するおそれがあります。
そのため、この記事でご紹介した忌避剤の使用や柵の設置といった対策をしっかりおこなってくださいね。
「全然被害が収まらない……」
「もしかしたら家にハクビシンが侵入したかも……」
しかし対策をしてもうまくいかない場合は、プロに対応してもらうようにしましょう。
とはいえ、どこに相談すればよいのか迷ってしまいますよね。
そんなときは、ぜひ【害獣駆除110番】をご利用ください。
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※1 対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ハクビシン対策でよくある質問
この記事では、ハクビシンを寄せ付けないようにするための対策を中心にご紹介してきました。
ただその中で、ハクビシンを超音波で撃退できるかできないかについてご紹介したように、他に気になることもあるでしょう。
最後にここでは、そんなハクビシンの対策について気になることにお答えします。
光で侵入対策はできる?
ハクビシンを寄せ付けないようにする対策のひとつとして、超音波と同じように光も効果があるという意見があります。
しかし結論をいうと、光も超音波と同じで、ハクビシンが嫌がって逃げることはありません。
これも日本家畜管理学会・応用動物行動学会の研究によって証明されています。
この研究ではハクビシンへの光の照射実験がおこなわましたが、結果は無視したり逆に興味を持ったりする反応を示すというものだったんです。
ハクビシンが光を嫌がって逃げることはなかったので、基本的には効果的な対策にならないことが証明されています。
参考:光の照射はハクビシンに対して忌避効果があるのか(日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2009年度春季研究発表会)
屋根裏に住み着いた場合はどうすればよい?
ハクビシンが庭ではなく家に侵入して屋根裏に住み着いているという場合は、追い出して侵入してきた場所を塞ぎ、再び侵入できないようにするという対策になります。
そのため、まずは侵入口を特定することが大切です。
なお、ハクビシンの侵入口としては以下のような場所があげられます。
- 基礎コンクリートの通風口
- 軒下の換気口
- 壁のすきま
- 増築部分の継ぎ目
- 屋根の重なった部分
ただ、これらはあくまでも例となります。
屋外と屋内がつながっているところがあればハクビシンの侵入口となりえるので、しっかりと確認するようにしましょう。
侵入口を特定できたら、ハクビシンを追い出します。
なお、屋根裏にいるハクビシンを追い出すときは、燻煙殺虫剤を使うとよいでしょう。
ホームセンターなどで市販されているような燻煙殺虫剤でも、ハクビシンの追い出しには効果的といわれています。
そしてハクビシンを追い出したことが確認できて、侵入口を金網などで塞げば対策は完了です。
ただ、この対策を自分でおこなうのは難しいです。
ハクビシンは運動能力が高いうえ、かなり狭いスペースでも通ることができるので、そもそも侵入口を特定するのが難しいです。
また、万一屋根裏にハクビシンがまだいる状態で侵入口を塞ぐと、家の中で死んでしまうという最悪な状況を招いてしまうおそれがあり、追い出すことにも知識と経験が必要なんです。
そのため、確実にハクビシンを屋根裏から追い出したいなら、やはりプロに任せるのがよいでしょう。
安全に確実に対策したいなら【害獣駆除110番】におまかせ
庭で育てている野菜や果物を食べられるといったハクビシンの被害に対して、超音波で撃退するという対策は効果的ではありません。
そのため、より効果的な忌避剤の使用や柵の設置といった対策で寄せ付けないようにしましょう。
また、ハクビシンが好む環境にしないようにすることも忘れずにおこなってくださいね。
ただ、それでもハクビシンの被害が収まらないといって、自分で直接駆除したり逆に放置したりはしないようにしましょう。
法律的に、また健康面においてもリスクがありますし、被害が庭だけでなく家にまで及ぶおそれもあります。
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