「コウモリのフンらしきものを見つけたけど、病気が心配……」
「コウモリのフンがあるってことは、やっぱり住み着いているのかな?」
ベランダやお庭に動物のフンが落ちていると、不安になりますよね。
コウモリのフンには病原菌が含まれている可能性が高いため、素手で触るのはやめてください。
コウモリのフンを見つけたら、素手で触らないように取り除きエタノールで除菌しましょう。
またコウモリのフンがあるならコウモリが住み着いている可能性が高いため、早急にコウモリ対策もおこないましょう。
この記事ではコウモリのフンに関する情報を中心に、正しいコウモリ対策について解説しています。
記事の概要は以下のとおりです。
野生動物が家に住み着いていると思うとゾッとしますが、落ち着いて対処すれば問題ありません。
この記事で正しい知識を身につけて、迅速に対処しましょう。
コウモリのフンの危険性
コウモリのフンには、以下の危険性があります。
- 病原菌による健康被害
- カビや害虫発生の被害
- 建物への被害
おもに健康被害が多いため、コウモリのフンに気が付いたら早めに対処しましょう。
今すぐ対処したい方は【コウモリのフンの掃除方法】の章を参考に、フンを取り除いてください。
ではフンの被害について詳しく解説します。
病原菌による健康被害
コウモリのフンには病原菌が含まれている可能性があります。
例を挙げると以下のとおりです。
- レプトスピラ症
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コウモリをはじめさまざまな動物が持っている、レプトスピラ菌が原因で起きる病気です。
動物のフン尿に侵された水を飲んだり、傷口から菌が入ったりすると発症します。
発熱や頭痛など症状が出て、重篤な場合は死に至ります。 - サルモネラ感染症
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サルモネラ菌が原因で起きる病気です。
生焼けの肉や魚を食べて発症するケースが多いが、サルモネラ菌は動物の腸内にも生息しています。
誤って菌を接種すると吐き気や発熱、下痢などの症状が出ます。
参考:国立感染症研究所|レプトスピラ症
参考:国立感染症研究所|サルモネラ感染症とは
参考:厚生労働省|コウモリと人の健康
(最終閲覧日:2024年4月9日)
万が一フンに触った場合は、せっけんで手を洗ってください。
また、コウモリそのものにもダニや病原菌が付いている場合があるため、フンだけでなくコウモリも素手で触るのはやめてください。
カビや害虫発生の被害
コウモリのフンにカビや害虫が発生するおそれがあります。
カビや害虫による懸念は以下のとおりです。
- カビによるアレルギーが発症する
- カビにより悪臭が発生する
- カビを食べるダニなどが発生する
- フンにハエやゴキブリなどの害虫が発生する
ダニは種類によってエサが異なりますが、民家でよく発生するチリダニはカビを食べます。
他にもカビを食べる不快害虫はいるため要注意です。
コウモリのフンはカビ発生させ害虫を集める原因になるため、早めに取り除きましょう。
建物への被害
コウモリは大量のフンをするため、建物に被害を出します。
コウモリはネズミなどと違い、家をかじることはありません。
しかし毎日大量のフンをするため、天井板や壁紙にシミを作ることがあります。
またコウモリのフン尿は強いアンモニア臭がするため、悪臭に悩むかもしれません。
できるだけ早くコウモリのフンを取り除きましょう。
では具体的にどうすればよいのか、次の章で見ていきましょう。
コウモリのフンの掃除方法
コウモリのフンの掃除方法を解説します。
無防備に触れると危険なコウモリのフンですが、きちんと対処すれば怖くありません。
以下のように掃除をおこないましょう。
- 使い捨ての手袋とマスク
- 使い捨ての雑巾やキッチンペーパー
- アルコールと消臭剤
- ゴミ袋
- 汚れてもよい服装、使い捨て手袋やマスクを装着する
- 使い捨ての雑巾でフンを拾い集める
- フンがあった場所をエタノールで除菌する
- 消臭剤で匂いを消す
- フン、使い終わった手袋などをゴミ袋に入れて処分する(袋の口はしっかりしばること)
上記の道具はすべてホームセンターで購入できます。
ホームセンターでは使い捨ての防護服も売られているため、汚れが気になる方は購入しておくとよいでしょう。
コウモリは屋根裏に住み着くことが多いため、懐中電灯も用意しておくと便利です。
しかし「屋根裏の掃除なんてムリ!アレルギー体質だから掃除は不安……」という方も多いでしょう。
そんな方はプロの害獣駆除業者に依頼しましょう。
害獣駆除はコウモリを追い払って終わりではなく、清掃・殺菌・侵入防止まで依頼できます。
コウモリのフンにお悩みなら駆除業者に相談しましょう。
害獣駆除業者に心当たりがない方は、害獣駆除110番にお電話ください。
害獣駆除110番は、害獣駆除の業者をご紹介する事業をおこなっています。
コウモリの追い出しはもちろん、清掃や侵入防止もおこないます。
コウモリのフンでお悩みなら、ぜひ害獣駆除110番にご連絡ください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
コウモリのフンの特徴
「なにかのフンを見つけたけど、これってコウモリのフン?」という方に向けて、ここからはコウモリのフンと別の動物のフンの見分け方を解説します。
コウモリのフンは以下のような細長い形です。
さらにコウモリのフンには以下の特徴があります。
大きさ | 5~10mm |
色 | 黒 |
形 | 細長い |
特徴 | 昆虫の欠片が多く含まれる 水分が少ない |
おもな 排泄場所 | 屋根裏、ベランダ 人通りの少ないトンネルや下水 |
民家に住み着くコウモリは、アブラコウモリ(イエコウモリ)がほとんどです。
アブラコウモリは昆虫しか食べないため、フンには昆虫の羽や足が多く含まれています。
家に住み着く他の害獣は雑食性が多いため、昆虫の多いフンがあればコウモリの可能性が高いでしょう。
次はコウモリ以外のフンの特徴を見てみましょう。
コウモリと似たフンの動物
コウモリと似た動物のフンを見てみましょう。
コウモリとよく似たフンをするのは、ネズミとイタチです。
基本的には、フンの内容物や水分量で見分けます。
他にも屋根裏に住み着く動物も紹介します。
ネズミのフンとの違いは「内容物」
大きさ | 6~10mm |
色 | 茶、灰色 |
形 | 細長い |
特徴 | 穀物から人間の食べ物までなんでも食べる 天井裏から床や棚の上など、広範囲に散らばっている |
ネズミは種類によって、フンの大きさやフンをする場所が異なります。
民家で被害が多いのはクマネズミのため、クマネズミのフンについて解説します。
クマネズミは雑食性で、フンの内容物もお米などの穀物から肉や魚まで含まれます。
昆虫も食べますが、人間の食べ物が多い環境であれば昆虫以外も食べていることが多いため見分けるポイントです。
イタチのフンとの違いは「水分量」
出典:日東防疫 広島|広島市 天井裏のイタチのフン被害(最終閲覧日:2024年4月9日)
大きさ | 10mm |
色 | こげ茶、黒色 |
形 | 細長い |
特徴 | 穀物から人間の食べ物までなんでも食べる 水分が多い |
イタチのフンのサイズは、ネズミやコウモリと似た10mmほどの大きさです。
イタチとコウモリのフンの違いは水分量で、イタチのフンは水分が多くベトベトしています。
コウモリのフンは水分が少なく崩れやすいため、ベトベトしたフンが多い場合はイタチの可能性が高いでしょう。
その他屋根裏に住み着く動物のフンとの違い
その他屋根裏に住み着く動物は、以下が挙げられます。
- アライグマ
-
フンの大きさ50~180mm。雑食性で種子や動物の骨が含まれる。
- ハクビシン
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フンの大きさ50~150mm。雑食性で植物が含まれることが多い。
- ネコ
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フンの大きさ50~100mm。固くとても臭い。
イタチやネズミ以外は大きな動物が多いため、フンのサイズで見分けられるはずです。
関連記事にはアライグマやハクビシンのフンの特徴が記載されているため、もし上記のような大きなフンがあったら一度ご確認ください。
コウモリと他の動物では駆除方法が異なるため、動物を特定し動物に合った正しい対処をおこないましょう。
ちなみに、害獣駆除業者は作業の前に被害程度の調査をおこないます。
そこで動物の調査もおこなうため、なんの動物かわからない場合は害獣駆除の業者に相談するのもよいでしょう。
これでコウモリに似たフンをする動物の解説は以上です。
コウモリのフンと確信できたら、コウモリの追い出しや再侵入防止策をおこないましょう。
コウモリのフン被害を防ぐ方法
コウモリのフンを防ぐ方法を解説します。
コウモリのフンを防ぐ方法は、コウモリの追い出しと侵入防止です。
では簡単に解説します。
コウモリを追い出す方法
まずはフンの原因であるコウモリを追い出しましょう。
追い出し方法は以下のとおりです。
- 侵入口を特定する
- 忌避剤などでコウモリを追い出す
- 巣の清掃と消毒をする
- 侵入口を塞ぐ
コウモリの追い出しには、市販のスプレーや忌避剤(きひざい)を使います。
インターネット通販で購入できるため用意しておきましょう。
コウモリなどの野生動物は「鳥獣保護管理法」で保護されており、捕獲や殺傷には市役所など自治体のの許可が必要です。
ただし、家に住み着いたコウモリを忌避剤で追い出すだけなら自治体の許可はいりません。
コウモリは捕獲せずに、追い出しをおこないましょう。
参考:環境省|鳥獣保護管理法の概要(最終閲覧日:2024年4月9日)
コウモリの侵入を防ぐ方法
コウモリの侵入口をふさぎましょう。
コウモリは以下の場所から侵入します。
例えば通風口から侵入しているのであれば、追い出したあとに金網を張ります。
エアコンと室外機の配管部分など狭い場所は、パテですき間を埋めたり、丸めた金網をはさんだりしてすき間をなくしましょう。
コウモリは1cmほどのすき間があれば侵入できるため、すき間をくまなく埋めてください。
関連記事にはコウモリの追い出しから侵入防止までの流れが記載されています。
ぜひ参考にしてください。
駆除に役立つ!コウモリの生態3選
最後に駆除に役立つコウモリの生態を3つ解説します。
- 住宅の被害はアブラコウモリが多い
- コウモリの追い出しは春か秋がおすすめ
- コウモリは大量のフンをする
覚えておくと駆除に役立つ情報もあるため、気になる方は最後までぜひ読んでください。
住宅の被害はアブラコウモリが多い
名前 | アブラコウモリ |
大きさ | 5cm |
重さ | 6〜7g |
活動時期・時間 | 春~秋の日没後 |
エサ | 昆虫 |
参考:国立環境研究所 侵入生物DB|アブラコウモリ(最終閲覧日:2024年4月9日)
日本にはたくさんのコウモリがいますが、民家に住み着くコウモリはアブラコウモリ(イエコウモリ)だけです。
コウモリは種類によって花や果物などさまざまなものを食べますが、アブラコウモリは昆虫しか食べません。
もし人間の食べ物や畑が荒らされる被害があったら、別の動物の可能性が高いでしょう。
アブラコウモリの生態の詳細はこちらの記事をご覧ください。
コウモリの追い出しは春か秋がおすすめ
自力でのコウモリの追い出しを考えているなら、春か秋におこないましょう。
コウモリの1年の生活は、以下のとおりです。
春:気温15℃を超えると、活動を始める
夏:子供を産む、子育てを始める
秋:交尾をおこなう
冬:15℃を下回ると、冬眠を始める
参考:塔筋太郎、柴田叡弌|都市部におけるアブラコウモリの飛翔活動の季節的変化と活動場所の選択(最終閲覧日:2024年4月9日)
夏は子供を産む時期のため、コウモリがもっとも活発に行動する時期です。
もし夏に追い出しをおこなうと、産まれたばかりのコウモリが逃げ遅れる場合があります。
反対に冬はコウモリが冬眠を始める、あまり活動しない時期です。
冬に追い出しをおこなうと、動きの鈍いコウモリがそのまま残るおそれがあります。
残ったコウモリを捕獲するには、市役所など自治体の許可が必要なため自力での駆除はおすすめできません……。
そのためそれ以外の時期、春か秋にコウモリの追い出しをおこないましょう。
コウモリの活動時期の詳細はこちらの記事をご覧ください。
コウモリは大量のフンをする
コウモリは小さな体のわりに、大量のフンをする動物です。
コウモリは「1日に体重の30%の昆虫を食べる」といわれています。
蚊に換算すると、一晩に300〜500匹程度を食べる計算です。
たくさん食べれば当然、出すフンの量も多くなります。
民家に住み着いた場合は、1章目で紹介したような悪臭や建物の劣化を招く被害を出します。
さらにコウモリは数十匹から数百匹の群れを作ることが多いため、注意が必要です。
早めにコウモリ対策をおこないましょう。
参考:コウモリの会 Website|コウモリのフンに困っているかたへ(最終閲覧日:2024年4月9日)
まとめ
コウモリのフンについて解説しました。
おさらいすると以下のとおりです。
- コウモリのフンは病気や害虫発生の危険性がある
- コウモリのフンには昆虫しか含まれていない
- コウモリ駆除は追い出しと侵入防止をおこなう
コウモリは大量のフンをするため、早めの対策が必要です。
掃除や対策は自分でおこなうこともできるため、準備を整えておこないましょう。
ご自分での作業が難しそうだと感じたら、プロに相談しましょう。
害獣駆除業者なら掃除から追い出し、再発防止工事まですべて任せられます。