「窓サッシを開け閉めすると変な音がする」
「窓サッシのすき間から風や雨が入り込む」
このような症状が現れたときは、サッシを修理するとよいでしょう。
一般的に窓サッシの修理は、原因特定や修理方法が難しいためプロにおまかせすることが多いものです。
しかし、軽い症状であれば自分で直せる場合もあります。
簡単にできるので、業者へ相談する前に試してみるのもよいかもしれません。
そうすれば、コストを抑えることもできます。
今回は、
- 窓サッシの修理交換を業者に依頼したときの費用相場
- DIYで直せる窓サッシトラブルの原因と解決方法
これらをメインにお話していきます。
不要な支出を抑えたうえで、正しい窓トラブルの対処法を知っていただければと思います。
また、DIYで窓サッシの修理が困難な場合は、専門的な知識と技術のある業者に相談することで早く確実に直すことができます。
業者選びで困ったときは、弊社までご連絡ください。
予算のご相談も承っております。
ぜひお気軽に無料の電話相談をご利用ください。
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自然と調和する木造りの建築を設計する、東京の一級建築士事務所「杉本龍彦建築設計」主宰。 過去にはコンペ杉コレクション2008でグランプリを受賞するなど、木の美しさを生かした木造住宅設計のスペシャリスト。 暑さ寒さ対策を考慮した窓やガラス面のデザインなど、自然の力を利用した快適かつ省エネな設計手法「パッシブデザイン」を得意とし、「建築断熱リノベーション」 や「窓がわかる本:設計のアイデア32」など、著作多数。2023年出版予定で単著執筆中。
窓サッシの修理交換にかかる費用
弊社の運営サイトへ寄せられたご相談内容から、窓サッシの修理交換にかかった平均費用などをご紹介します。
相場は33,000円程度
窓サッシの修理交換費用は、1〜2万円の範囲内でおさまった事例がもっとも多い結果となりました。
とはいうものの、ほかの価格帯との差はあまりなく、平均32,806円でした。
集計期間:2019年1月~2021年12月(163件)
集計対象:弊社運営サイト全体におけるサッシ修理・交換の施工実績
集計方法:対象の平均値を算出(※)し、小数点以下を四捨五入
※大規模な施工など特殊なケースを除く費用の平均値を算出するため、上下2.5%の施工費用を異常値として集計対象から除外しています。
サッシの修理交換にかかる費用に差が出るのは、トラブル内容とサッシの種類によります。
サッシのトラブルは、ズレを直す程度の小さな修理ですむこともあれば、部品を交換する修理もあります。
このあたりであれば、3万円以内でおさまることが多いでしょう。
サッシ修理交換にかかる費用の例は次のようになります。
サッシ戸車交換であれば約25,000円
ガラスの交換であれば約35,000円
ほどです。
しかし、サッシ本体が劣化していたり破損していればサッシの交換になるため、費用は修理よりも高くなります。
たとえば、サッシにはさまざまな種類がありアルミサッシは安価ですが、木製サッシになるとアルミサッシの2〜3倍の価格になります。
また、窓の種類やサイズでも費用が変わってきます。
そして、何十万円という高額費用になるのは、埋め込まれた壁の修繕も必要になったときです。
壁を剥がすリフォームレベルになると、50万円以上になる場合もあります。
このように、ご家庭の窓サッシの状況によって修理交換費用が変わるため、事前に見積りを取って確認することをおすすめします。
【サッシの価格目安】寸法 W1,690 × H970mmの場合
アルミサッシ | 29,000円 |
アルミ樹脂複合サッシ | 40,000円 |
※楽天通販サイトから種類別で商品検索した結果、4~7個の商品価格から算出
※サッシ価格に交換費用は含まれていない
業者の見積書に含まれる内容
窓サッシの修理交換を業者へ相談すると、現地調査のあと見積書を作成してくれます。
一般的にこれらが内訳として入っています。
基本料金(作業費)+部材費+廃材処理費+出張費
業者の公式サイトに料金表がある場合、基本料金もしくは作業費のみが書かれていることが多いです。
実際は部材費などが加算されるため、サイトに記載された価格以上に修理費用はかかることを覚えておいてください。
そのために大切なのが、見積りです。
特に安くおさめたいと思うのなら、最低でも2〜3社から見積りをとって比較検討することをおすすめします。
相見積りで費用相場もわかり、一番安い業者を見つけられます。
また、修理方法も業者によって違うこともあるため、ご自身の希望に近い修理をしてくれる業者もわかります。
弊社は無料見積り※もご相談いただけます。
まずは費用を知りたい方、他社と比較したい方も大歓迎です。
見積り内容に納得してからのご契約となりますので、ゆっくりお考えいただけます。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
※対応エリア・加盟店により見積り費用が発生することがございます。
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窓サッシの修理費用が適切かどうか判断するには、相見積りと同じくらい大事なことがあります。それは、業者の提示した修理交換の内容がオーバースペックになっていないかです。
後述する戸車やクレセント(建具用の締め金具)の位置調整で問題が解決するにも関わらず、サッシ(障子)ごとの交換をすすめられたら注意したほうが良いでしょう。パッキンやその他の付属部品を交換すれば十分なのに、サッシをまるごと新品にすることも費用対効果は低くなります。見積りを一社でなく三社程度とって、このように作業内容がトラブル解決に妥当なものかを判断することが望ましいでしょう。
火災保険が適用されるケース
窓サッシの修理費用には火災保険が適用されることがあります。
どの保険会社でも適用には条件がありますが、だいたいが「自然災害による損害」のため補償されます。
簡単にいえば、台風や暴風雨などによって窓やサッシが破損した場合です。
しかし、いくら自然災害などで窓サッシが破損したといっても免責金額によっては支払いがおこなわれません。
お客様が自己負担をする金額のこと。
損害額がそれ以上を超えた場合に保険会社から超えた分のみ補償される。
(例)免責金額が3万円、修理費用が5万円の場合、2万円が保険金として支払われます。
今回、大手保険会社4社を調べたところ、自然災害における免責金額は以下のとおりでした。
東京海上日動火災保険 | 0円~ |
損害保険ジャパン | 0円~ |
三井住友海上火災保険 | 0円~ |
ソニー損保 | 0円~ |
免責金額は4社すべて無料となりました。
ただし、これはもっとも安い免責金額の設定の場合です。また、保険適用によって、月々の仕払い金額は基本的に増えます。そのときに修理金額と比較して、保険を適用せずに修理したほうが得であるか判断するとよいでしょう。
いま一度、ご自身の加入している保険プランの内容を確認し、補償されるようなら相談してみるとよいでしょう。
自分でできる窓サッシの修理
冒頭で窓サッシの修理は自分で直すのは難しいとお伝えしましたが、軽い症状であれば自分で直すこともできます。
窓サッシの不具合の原因は歪みから来ることが多いです。
地震や経年劣化で歪みが生じ、建付けが悪くなります。
窓サッシを取り外さなくても、表から部品の調整をするだけで直ることもあるので試してみてはいかがでしょうか。
業者に依頼しなくても、案外すんなり解決してしまうかもしれません。
以下によくある症状と、自分でできる修理方法をまとめました。
気になる項目があればチェックしてみてください。
症状 | 修理方法 |
---|---|
窓の開閉にガタつく | 戸車の調整 |
開閉するとキーキーと異音がする | 戸車の調整・下部摺動片の調整 |
レールと窓の間に すき間ができる | 戸車の調整・下部摺動片の調整・ゴムパッキンの交換 |
カギがかけにくい | クレセントの調整 |
DIYが苦手な方や、症状がひどいとき、明らかにサッシや部品が壊れているときは、自分で手を出すと余計に状況が悪化することもあります。
そうなれば修理費用も高くなりやすいので、最初から業者へご相談ください。
情報参考・引用
LIXIL https://faq.lixil.co.jp/?site_domain=default
YKKap https://www.ykkap.co.jp/consumer/support/maintenance/1339
戸車の調整
開閉するときガタつく、いやな音がする、窓とレールにすき間ができているときは、サッシ下部にある戸車の高さが合っていないのかもしれません。
窓の側面の下部に調節ネジがついていますので、これを緩めたり締めたりすることで戸車の高さが上下に動きます。
ネジ穴が2つありますが、戸車は下です。
- 外れ止めを解除する
※室外側窓(障子)の場合、室外側の窓(障子)上部の外れ止めを外す
外れ止めのネジを緩めて下げ、外れ止めを解除する - 調整したい戸車側の最下部のキャップを外す
※キャップが無いこともある - プラスドライバーを差し込み、調整ネジを回して高さを調整する
※右に回すと窓が上がり、左に回すと窓が下がるので、適切な高さに調整する - キャップを元に戻す
- 調整完了後は必ず外れ止めのネジを上げて締め込む
戸車を下げすぎるとレールにこすれて異音がします。上げすぎると隙間ができます。
また、ネジを左に回しすぎると完全に外れてしまいます。
すると、窓内部の戸車の部品が中で外れてしまい、サッシを外さないともとに戻せません。回しすぎに注意してください。
下部摺動片(かぶしゅうどうへん)の調整
窓とサッシとのすき間を埋めるために「下部摺動片」もしくは「気密ピース」という部品が取り付けられています。
メーカーによって言い方が違いますが設置場所は同じで、左右のサッシが重なる室外側の窓の下部にあります。
この部品の位置がずれることで、窓とサッシがこすれたり、隙間ができて風が入り込んだりすることがあります。
- 下部摺動片の上についているネジを緩める
- 下部摺動片の高さを調整し、再びネジを締める
ネジを外してしまうと窓の内部でネジを押さえている部品が外れてもとに戻せなくなることがあります。
完全に外さないように注意しましょう。
クレセント錠の調整
一般的な引違いサッシによくある「クレセント錠」の調整方法をご紹介します。
クレセント錠とは、半円形の金具を回転させて、クレセント受けに引っかけるタイプの締め金具です。
開閉の頻度が高いと、ネジが緩み正位置から少しずつズレが生じてきます。
すると、うまくクレセント受けと合わなくなり、カギが閉まりにくい現象が起きます。
- クレセント錠の上部と下部にカバーがついているので、それぞれ外す
- カバーの上下のネジを緩める
- クレセント錠本体を上下に動かし、適切な位置に調整する
- 位置が決まったら上下のネジを締める
- カバーを元通りにつけて完了
ネジを完全に外してしまうと窓内部の部品が外れて、もとに戻せなくなりますので注意しましょう。
クレセントの調整だけでは直らない場合には、クレセント受けでも調整可能です。
- クレセント受けをとめている上下のネジを緩める
- クレセント受けを動かして適切な位置に調整する
- 位置が決まったら上下のネジを締めて固定する
ゴムパッキンの交換
ゴムパッキンにトラブルが起きると、すき間ができて雨や風が入り込みやすくなります。
パッキンはゴム製のため、使用開始後10年以上経過している場合や、硬化している場合は交換することが望ましいでしょう。
ゴムパッキンの交換手順については、サッシとはまた別になるので詳しくは以下の記事をご覧ください。
古い窓サッシの外し方
窓サッシを掃除したいときや、ご自分で不具合を点検したいときなど、窓サッシを外したい場合もあるかと思います。
ここでは、窓サッシの外し方を解説します。
窓サッシは重量があるので、落としてしまわないようにご注意ください。
また、サッシメーカーによって「外れ止め」が違います。
ここではよくあるタイプの外れ止めでご紹介していますが、もしご自身のサッシと当てはまらない場合は、メーカーの公式サイトや取り扱い説明書でご確認ください。
左右のサッシ障子部の上部にストッパーがあります。
ネジを少し緩めるとストッパーが動くので下げます。
これでロック解除です。
両手でしっかりサッシを持ち、下のレールから浮くように持ち上げます。
サッシの下部はレールから外れるので、持ち上げたままサッシ戸を手前に引き寄せます。
すると自然にサッシ上部もレールから外れます。
各メーカー公式発表の窓サッシの取り外し方法
YKKap https://www.ykkap.co.jp/consumer/support/maintenance/1328
LIXIL https://faq.lixil.co.jp/faq/show/5390?site_domain=default
三協アルミ https://alumi.st-grp.co.jp/inquiry/maintenance/tyousei/detail.html?cg=3&cc=24&dc=14
サッシ修理で業者に依頼すべきトラブル内容
自分では対処できない窓サッシのトラブルは、プロにお任せください。
では、業者に相談したほうがよいのはどのような場合なのでしょうか。
2つの例をご紹介します。
自分で調整しても解決しなかった
清掃や部品の調整を自分で試してみたものの、トラブルが解決しないという場合には、調整がうまくできていないか、ほかの部分に原因があることが考えられます。
そのような場合は状況の確認や原因究明を含めて、一度業者に見てもらってください。
部品に破損がある
部品が完全に破損してしまっている場合、部品を交換する必要があります。
窓の分解作業や部品の選定は自分では難しいことが多いので、業者に相談したほうが間違えることがなく安心です。
窓サッシの修理業者をお探しの方は、弊社までご相談を。
経験豊富で信頼できるプロへすぐに取り次ぎます。
窓サッシの掃除方法
窓サッシのゴミや汚れを掃除して除去することで、窓の動きが改善することがあります。
また、定期的に清掃をしておくことで、窓サッシのトラブルを未然に防ぐことにもなるでしょう。
ほうきや掃除機でホコリなどを取り除きます。
隅や隙間につまっている汚れは、歯ブラシやつまようじなどを使ってかき出しましょう。
ホコリを取り除いたあとは、食器洗い用などの中性洗剤を水で薄め、サッシにかけます。
スポンジなどでこすり、水で洗い流したら雑巾でふき取りましょう。
※中性洗剤などで取りきれなかったカビなどは専用の洗剤を使用するか、重曹とクエン酸を使って落としましょう。
まとめ
窓サッシの修理は難しいので、基本的には業者に依頼することをおすすめしています。
ただし、使っているうちにネジが緩みズレてきた程度であれば、自分でも簡単に調整はできるので、試してみるのもよいでしょう。
しかし、以下の場合は無理にDIYはしないで、信頼できる業者へ一度ご相談ください。
- 不具合の原因がわからない
- 自分では直せそうにない
- 部品が破損している
- 交換する部品が見つからない
交換が必要となると、修理よりも費用が高くなる場合もあります。
できるだけ修理費用をおさえるには、数社から見積りをとって比較することです。
弊社は、お電話でのご相談、見積りが無料※です。
費用や修理方法などご希望があれば、なんでもお伝えください。
できるだけご要望に添えるよう尽力いたします。
どうぞお気軽にご利用ください。
お待ちしております。
※対応エリア・加盟店により見積り費用が発生することがございます。
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窓廻りの不具合は生活しているうちに徐々に進行するため、ついつい放置してしまうことがあるでしょう。しかし、サッシの状況に合わせてメンテナンスや、場合によっては交換をおこなったほうが、メリットは多いものです。
戸車の不具合やクレセント錠の緩み、パッキンの劣化などで隙間が大きくなれば、冷暖房効果は落ちてしまいます。「何か使いづらい」と思ったときは、早めに対応することで、結果的には光熱費の削減につながるのです。サッシ作動音や可動部のガタつきは、生活するうえでストレスにもなってしまうでしょう。
その他にも例えばアルミサッシ(シングルガラス)の劣化度合いが大きければ、思い切ってカバー工法(※1)でアルミ樹脂複合サッシ(ペアガラス)にするなど新しくしてしまったほうが断熱性能や遮音性能、操作性は向上し、温熱環境、日々の暮らしともに快適(※2)になります。
サッシに不具合がでたときは、ぜひ気軽に相談して理想の答えと金額を提示してくれる業者さんに頼むことをおすすめします。
※1既存のアルミサッシ枠の上に新たにサッシをかぶせて取り付ける工法。古くて開きづらくなった窓や、隙間風の入る問題を解決できる。
※2サッシの交換だけで温熱環境は決まらないため、温熱環境が気になる方は詳細に問合せたほうが良いでしょう。温熱環境は家全体の断熱性能に関連します。