アシナガバチは比較的穏やかな性格といわれていますが、どう猛で危険な種類のアシナガバチも存在します。
見かけたときは、できるだけ刺激を与えないようにその場から離れ、巣がある場合は放置せず適切な対処をおこないましょう。
この記事ではアシナガバチの種類ごとに生態や攻撃性、営巣場所などを解説していきます。
遭遇したアシナガバチの種類が危険なタイプだったときに備え、状況別の正しい対処法も解説しますので、安全に解決するためにお役立てください。
日本にいるアシナガバチは3属11種類
アシナガバチは世界で29属、約800種類もいることが確認されています。
そのうちの3属11種類が日本に生息しています。
- アシナガバチ族
-
- セグロアシナガバチ
- キアシナガバチ
- フタモンアシナガバチ
- トガリフタモンアシナガバチ
- キボシアシナガバチ
- コアシナガバチ
- ヤマトアシナガバチ
- チビアシナガバチ族
-
- ナンヨウチビアシナガバチ
- オキナワチビアシナガバチ
- ホソアシナガバチ族
-
- ヒメホソアシナガバチ
- ムモンホソアシナガバチ
アシナガバチの種類別の特徴
日本に生息する3属11種類のアシナガバチの特徴を種類ごとに見ていきましょう。
アシナガバチ属
国内で確認されている3属のうちのひとつ、「アシナガバチ属」には7種類のアシナガバチがいます。
アシナガバチ属のアシナガバチは毒性が強く、攻撃性が高いのが特徴です。
セグロアシナガバチ
体長 | 21~26mmほど |
色 | 黒色ベースに黄色の斑点 |
毒性 | アシナガバチの中でも毒性が強い |
攻撃性 | 高い、巣に近づくと威嚇・攻撃される |
活動時期 | 4月~11月 |
営巣場所 | 家の軒下や木の枝下に作る。円盤状の形をした巣は最大で直径15cmほどになる。 |
セグロアシナガバチは国内のアシナガバチの中でも大きい部類で、日本で最も多く生息しているアシナガバチです。
北海道以外の本土に生息しているのが特徴です。
セグロアシナガバチの生態はこちらの記事をご覧ください。
キアシナガバチ
体長 | 18~26mmほど |
色 | 全体が黄色、背中の上に模様があり、背中の後ろ側にも黄色の線が2本ある。 |
毒性 | アシナガバチの中で最も毒性が強い |
攻撃性 | 高い、足を屈伸させて威嚇をする |
活動時期 | 4月~10月 |
営巣場所 | 釣鐘状の巣を森林などに巣を作る |
キアシナガバチはセグロアシナガバチによく似ていて、大きな身体をもつアシナガバチです。
攻撃性・毒性が高いため、要注意すべきアシナガバチです。
しかし市街地で姿をみることは少なく、自然が多い場所でみられます。
キアシナガバチの生態はこちらの記事をご覧ください。
フタモンアシナガバチ
体長 | 14~18mmほど |
色 | 黒色の身体に黄色の模様。腹部に黄色の斑点。 |
毒性 | 強くない |
攻撃性 | 低い |
活動時期 | 4月~11月 |
営巣場所 | 軒下や木の枝、草むらに巣を作る。垂直に巣を作ることが多いが、形は不規則。 |
フタモンアシナガバチは、草地や畑が周りにある市街地でよく見られます。
垂直に巣を作ることが多いですが、形は不規則です。
毒性は強くないものの、刺されると痛みが走り、腫れることがあります。
フタモンアシナガバチの生態はこちらの記事をご覧ください。
トガリフタモンアシナガバチ
体長 | 14~19mmほど |
色 | 黒色の身体に黄色のライン模様。 |
攻撃性 | 低い |
活動時期 | 5月~9月 |
営巣場所 | 草むらや低木に垂直の巣を作る |
トガリフタモンアシナガバチは、フタモンアシナガバチに似ています。
体長はやや大きめです。
ほかのアシナガバチと違って民家に巣を作ることがありません。
攻撃性は低いですが、巣が刺激されると一斉に襲いにきます。
北海道や秋田県に生息しています。
キボシアシナガバチ
体長 | 12~18mmほど |
色 | 暗黄色の身体に黒褐色の模様。 |
毒性 | 強い |
攻撃性 | 高い |
活動時期 | 5月~10月 |
営巣場所 | 低木の枝や葉の裏に端が反り返る形の巣を作る |
コアシナガバチと混同されることが多いです。
コアシナガバチと見分けるには繭の色で見分けます。
キボシアシナガバチの繭は鮮やかな黄色です。
攻撃性が高く、巣に近づくと襲ってくることがあります。
コアシナガバチ
体長 | 11~17mmほど |
色 | 黒色ベース、腹部には黄色い模様。 |
毒性 | 強い、刺されると激痛 |
攻撃性 | 非常に高い |
活動時期 | 4月~10月 |
営巣場所 | 木の枝や軒下、岩陰に端が反り返った巣を作る |
アシナガバチ属の中でも小型のハチになります。
しかし小型でも攻撃性が高く、巣に近づくと襲ってくるため注意が必要です。
コアシナガバチの生態はこちらの記事をご覧ください。
ヤマトアシナガバチ
体長 | 12~22mmほど |
色 | 黒褐色で、背中の上には模様。 |
毒性 | 低い |
攻撃性 | 低い |
活動時期 | 4月~10月 |
営巣場所 | シャワーヘッドのような形をした巣を森林に作る |
セグロアシナガバチより一回り小さいハチです。
自然の多い場所に生息し、市街地などでみることはあまりありません。
アシナガバチのなかで毒性・攻撃性が最も低いといわれています。
チビアシナガバチ属
「チビアシナガバチ属」に分類されるアシナガバチは、世界で180種類ほどいます。
そのうちの2種類は日本に生息しています。
日本の生息するチビアシナガバチ属のアシナガバチは「ナンヨウチビアシナガバチ」と「オキナワチビアシナガバチ」の2種類です。
おもに南側の地域に生息しています。
ナンヨウチビアシナガバチ
体長 | 14~15mm程度 |
色 | 濃い赤褐色、腹部に黄色い模様。 |
巣 | 営巣規模は大きい |
自然分布 | 東南アジア、アリアナ諸島 |
ナンヨウアシナガバチは硫黄島に生息しているため、姿をみることはほとんどありません。
もともとは東南アジアに生息していた外来種であり、要注意外来生物に指定されています。
侵入経路は不明ですが、米軍の物資に紛れ込んできたのではないかと考えられています。
オキナワチビアシナガバチ
体長 | 9~10mm程度 |
色 | 淡い黄色ベースで腹と背に茶色い模様。 |
毒性 | 低い |
攻撃性 | 低い、危険を感じると襲いかかってくる |
営巣場所 | ススキやサトウキビ、ソテツの葉の裏に作る |
オキナワチビアシナガバチは毒性と攻撃性は低いですが、巣の規模が大きいです。
最盛期には働き蜂が100匹を超えることもあります。
ホソアシナガバチ属
「ホソアシナガバチ属」に分類される国内のアシナガバチは2種類います。
ホソアシナガバチは腹の部分が細長くなっているのが特徴です。
日本では「ヒメホソアシナガバチ」と「ムモンホソアシナガバチ」が北海道以外の場所で確認されています。
ホソアシナガバチに分類されるアシナガバチの種類を詳しくみていきましょう。
ヒメホソアシナガバチ
体長 | 11~16mm程度 |
色 | 淡い黄色に茶色の模様。腹部が細くくびれている。 |
毒性 | 低い |
攻撃性 | やや高め、一斉に襲いかかってくる |
営巣場所 | 葉の裏や木の枝下に作る 下に垂れるように巣を増築する |
ヒメホソアシナガバチは日本に生息をしているものの、姿をみることは珍しいです。アシナガバチのなかでは小型になります。
ムホンホソアシナガバチと見た目がよく似ていますが、顔に黒い模様があるのが特徴です。
ムモンホソアシナガバチ
体長 | 15~20mm程度 |
色 | 淡い黄色に茶色い模様。腹部が細くくびれている。見た目が似ているヒメホソアシナガバチに比べて色が薄い。 |
毒性 | 低い |
攻撃性 | やや高め |
活動時期 | 4月~10月 |
営巣場所 | 葉の裏や木の枝下に巣を作る、下に垂れるように巣を増築する |
ムモンホソアシナガバチは、住宅地で見られることは少ないです。
巣の規模は大きくなりやすく、大きくなると働き蜂が100匹を超えることがあります。
ムモンアシナガバチは顔に黒い模様がないのが特徴です。
セグロアシナガバチには要注意!
さまざまな種類のアシナガバチを紹介してきましたが、この中でもセグロアシナガバチを目撃したら注意しましょう。
セグロアシナガバチは日本に最も多く生息しており、被害件数も最も多いです。
そのため、セグロアシナガバチの巣を自宅やその周辺で発見をしたら業者へ駆除依頼をしましょう。
蜂の駆除をどこに依頼したらよいかわからない場合は、ハチ110番へご連絡ください。
ハチ110番では、蜂駆除のプロをご紹介しております。
お電話でのご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
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アシナガバチは生態と巣の形で見分ける
アシナガバチは穏やかな性格をしつつも、毒性が強く種類もいるため危険です。
アシナガバチからの被害から身を守るためにも、アシナガバチに共通する生態と巣の特徴について知っておき、いざというときに危険を回避できるようにしておきましょう。
アシナガバチの生態
アシナガバチは、スズメバチより細身の身体をしています。
体長は26mm以下であることが多く、下の写真のように足をぶら下げてゆっくりと飛ぶのが特徴です。
また、アシナガバチは基本的におとなしい性格をしており、攻撃性もそこまで高くありません。
毒はスズメバチに比べると強くないものの、スズメバチに匹敵する痛みを引き起こす成分が含まれています。
また、アナフィラキシーショックを起こす危険性は十分にあります。
アナフィラキシーショックとは、蜂毒に対してアレルギー症状を引き起こしてしまうことをいいます。
重度のアナフィラキシーショックを起こしてしまった場合、命を落としてしまう危険性もあります。
アシナガバチの巣
巣の特徴を知っておけば、家に蜂の巣が作られてしまったときにどの蜂の巣なのか見分けることが可能です。
アシナガバチの巣の特徴は以下のとおりです。
- 外部から巣穴が見えるむき出しの巣を作る
- 木の枝下や軒下、エアコンの室外機、ベランダなど開放的な場所に作る
- シャワーヘッドやお椀のような形をしている
- 一度作った巣は翌年以降、再利用されることはない
- 巣を駆除しても、生き残りがいると同じ場所に巣を再び作る
アシナガバチの巣は、冬眠からめざめた女王蜂が春ごろから作り始めます。
作り始めのころは4~5cm程度の大きさです。
そこから、夏にかけて10cm程度の大きさとなり、秋になるとさらに大きくなります。
アシナガバチの巣の特徴の詳細はこちらの記事をご覧ください。
アシナガバチの巣ができているなら業者へ
アシナガバチの生態や巣の特徴を知って、「よく見かける蜂はアシナガバチかも……?」と思ったら業者に相談をしましょう。
家の周りでよくアシナガバチを見かけるなら、巣ができているかもしれません。
蜂は何もしていなくても襲ってくる場合があります。
アシナガバチは穏やかな性格ながらも強い毒をもっていますので、早めの駆除が必要です。
ハチ110番では、アシナガバチを駆除する蜂駆除業者をご紹介しております。
24時間365日無料で業者紹介の受付をおこなっております。
危険な蜂被害を迅速に回避したいなら、ハチ110番へご相談ください。
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※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
状況別!アシナガバチに遭ったときの対処法
アシナガバチと遭遇してしまったとき「どうしよう!」「怖い!」とパニックになりがちです。
しかしパニックになって走ったり、大声を出したりしてはいけません。
蜂を刺激すると巣を攻撃されると勘違いされ、攻撃してきます。
また、山や森など蜂がいる場所にでかけるときは明るい格好をしていきましょう。「黒色」に反応して襲ってくることがあるからです。
また、化粧品や制汗剤、ジュースなどの匂いに反応して攻撃してくることもあります。
事前に蜂が多い場所にいく予定があるなら、色や匂いに十分注意してください。
ここからは、状況別にアシナガバチと遭遇してしまったときの対処法を解説していきます。
車内にアシナガバチ
夏場など窓を開けて車を走行しているときに、アシナガバチが侵入してくることがあります。
車内にアシナガバチがはいってきたら、焦って手を振り払ったりしてはいけません。手で振り払うとアシナガバチが刺激され、敵と判断し襲ってきます。
手を出さなければ刺されることはありませんので、まずは落ち着きましょう。
そして車のスピードを落とし、停車できそうな場所に止めます。
窓やドアを開けて、アシナガバチが出ていくのを待ちましょう。
家の中にアシナガバチ
家の中にアシナガバチが侵入してきたら、窓や玄関などを開放して蜂が出ていきやすいようにしましょう。
蜂は明るいほうに向かって飛ぶ習性があります。
そのため、室内の電気を消して暗くしておきましょう。
くれぐれも叩いたり、払ったりするような行動はとらないようにしてください。
外出先にアシナガバチ
アシナガバチの被害に遭わないためには、巣に近づかないのが一番です。
しかし、知らない間に巣に近づいてしまうこともあります。
たとえば、山や森の中を散策していたらすぐ近くに巣があった、知らない間に家の軒下に巣ができていたなどがあるでしょう。
そんなときは、背を向けず、ゆっくりと静かに後ずさりしながら逃げます。
蜂は黒いものや動きの速いものに反応をするからです。
また、逃げるときはアシナガバチの視界にはいらないように、姿勢を低くして逃げるようにしましょう。
アシナガバチに刺されてしまったらすぐに病院へ
もしもアシナガバチに刺されてしまったら、すぐに病院へいきましょう。
アシナガバチの種類によっては毒性が強いものもいます。
場合によっては、過剰なアレルギー反応によるアナフィラキシーショックが起こることがあるかもしれません。
命の危険に関わることになりますので、一刻も早く病院にいくことをおすすめします。
医療の知識なしに間違った応急処置をしてしまうと、症状を悪化させることもありますので、下手に触らないようにしましょう。
蜂に刺されてしまった際の対処法はこちらの記事をご覧ください。
被害が大きくなる前に駆除を依頼する
日本には3属11種類のアシナガバチが生息しています。
先述のように、アシナガバチの種類によっては攻撃性が高く、毒性が強いものもいます。
もしアシナガバチの巣が家の周りにできているなら、早めに業者へ駆除依頼をしましょう。
巣を放っておくとどんどん大きくなり、繁殖していきます。
巣が大きくなるほど被害に遭う確率も高くなり、駆除を自分でおこなうと命にも関わるため非常に危険です。
アシナガバチの巣を見つけたら、被害が大きくなる前に蜂駆除のプロにまかせましょう。
依頼する蜂駆除業者で迷ったら、まずは無料相談や無料調査をおこなっている業者に問い合わせてみるのがおすすめです。
相談内容にあわせて案内してもらえますし、見積りを頼めばより依頼先を決めやすくなります。
ハチ110番でも、全国の蜂駆除業者の中からより条件に合った依頼先をご紹介できますので、お気軽にお問い合わせください。
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専門文献や駆除業者・専門家への調査をもとに、蜂の駆除・予防法や駆除業者の選び方など様々なテーマで情報 …