「壁の中にミツバチが住み着いたから駆除しなくては!」
「ミツバチを駆除したくないけれど放置もできない……」
ミツバチは受粉をおこなう益虫のため、駆除してよいか悩みますよね。
ミツバチは益虫ですが、建物の内部に住み着くとハチミツやフンで家を汚す害虫になってしまいます。
できるだけ早く駆除などの対策をとりましょう!
この記事ではミツバチの駆除や引き取りについて解説しています。
読んでいただければ、自分でミツバチを駆除する方法も、駆除しないで済む方法もわかります。
ミツバチでお悩みならこの記事で、ご自宅に最適な方法を見つけてください。
ミツバチ駆除の前に確認すべきこと
ミツバチの駆除・引き取りの前に、確認すべきことが2つあります。
それは「本当にミツバチの巣か?」と「春頃の分蜂時期ではないか?」です。
確かめておかないと後述の自治体が動いてくれなかったり、駆除費用が変わったりするため、まずはこの2点に注目しましょう。
ミツバチの巣かどうか
まずは巣の形を確認しましょう。
■ ミツバチの巣の特徴
形:何層にも重なり、ハチミツが確認できる
色:ハチミツの黄色や琥珀色
場所:閉鎖的な場所
ミツバチは、閉鎖的な空間によく巣を作ります。
雨風や直射日光が当たらない場所、天井裏や戸袋の中や木のうろの中でよく発見されます。
巣はハチミツが蓄えられているため黄色が多いですが、ハチミツの色によっては白っぽかったり、赤みがかったりするようです。
巣が見えない場合でも「ドロッとした液体が壁から垂れてきた」と、ハチミツでわかるケースが多いようです。
一方で、以下の形の巣はミツバチではなく別の蜂の巣です。
■ アシナガバチの巣の特徴
形:シャワーヘッド型、巣の内部が覗ける
色:くすんだ茶色、灰色
場所:開放的な場所
■ スズメバチ初期の巣の特徴
形:初期はトックリのような形だが、時間が経つと球体状になる、巣の内部は見えない
色:茶色っぽい縞模様
場所:開放的な場所
アシナガバチとスズメバチはともに、軒先や木の枝など開放的な場所によく巣を作ります。
アシナガバチとスズメバチはハチミツを蓄える習性がないため、巣の中にハチミツはありません。
後述の自治体や蜂駆除業者は蜂の種類で対応が異なるため、しっかり確認しておきましょう。
現在ご自宅に作られた蜂の巣が、ミツバチのものだと確信できたら次に進みましょう。
もし「ミツバチではなさそうだ」という方は、蜂の種類についてまとめられた関連記事をご確認ください。
ミツバチの分蜂時期かどうか
ミツバチは春から夏にかけて、分蜂(ぶんぽう)と呼ばれる引越しをします。
分蜂群は3日ほどで消えるため、あえて駆除する必要はありません。
分蜂とは新女王蜂の誕生により急増したミツバチたちが、旧女王蜂とともに半数ほどの群れに分かれて新しい巣を作る場所へ一斉に移動することです。
その途中で、下図のように木の枝などでひとかたまりになって休憩することがあります。
大量のミツバチの群れはちょっと怖いですが、分蜂中のミツバチはおとなしく、こちらから手を出さなければ攻撃してくる心配はありません。
長くても3日ほど経てば巣作りの場所を求めて移動するため、刺激しないようにやり過ごしましょう。
「店舗経営や緊急の用事があって、分蜂群でも我慢できない!」という場合は、対応してくれる自治体や保護団体もあるため相談してみましょう。
ミツバチの巣だと確認できて、分蜂の時期でもないと確認できましたか?
ご自宅に不意にできたミツバチの巣は、駆除やミツバチの移動が必要です。
その方法を次の章で解説します。
ミツバチ駆除を自分でおこなう方法
「費用が不安なので自分で駆除したい」とお考えの方も多いでしょう。
巣が小さく、すぐにご自身が逃げられる場所に巣があるなら自力での駆除が可能です。
駆除後には予防をおこない、今後被害が再発しないようにしましょう。
ではミツバチ駆除の方法を解説します。
必要な道具を揃える
まずは道具を揃えましょう。
殺虫剤 | 長く噴射し続けるために新品の殺虫スプレーを2本以上用意する |
懐中電灯 | 蜂は赤色を認識しにくいため、赤い光を放つもの、または赤いセロファンを貼る。天井裏など暗い場所も安心 |
トング | 蜂の巣を撤去するときに使う。長い棒でもよい |
ゴミ袋 | 駆除した巣や蜂の死骸を入れる |
防護服 | 蜂の攻撃から身を守る |
防護 メガネ | 蜂に目を攻撃されないように保護する |
蜂の巣を駆除する際の服装は、以下のようにしてください。
理想は蜂駆除用の防護服ですが、別の服で代用も可能です。
準備が整ったら、次の手順を参考にスプレーで駆除していきましょう。
ミツバチ駆除をスプレーでおこなう手順
ミツバチの駆除方法は以下のとおりです。
離れた場所からスプレーを噴射し、駆除ができたら巣と死骸を片付けるという手順です。
- 蜂の巣から2~3m離れた距離から巣へ殺虫剤を噴射する
- 蜂が全滅したらゴミ袋を巣の下に置く
- 棒やトングを使ってゴミ袋の中に巣を落とす
- 地面に落ちた巣のかけらや蜂の死骸もゴミ袋へ入れる
- ゴミ袋の中にも殺虫剤を噴射して袋を密閉する
下記の関連記事に他の種類の蜂の駆除方法とあわせて解説されているため、参考にしてください。
ミツバチ駆除後は寄せ付けない対策も大事
ミツバチを駆除したあとは予防が重要です。
ミツバチ予防のために、以下のことをおこないましょう。
- 忌避効果のある殺虫剤を散布しておく
- ミツバチが侵入しそうな場所に防虫ネットかける
- 空き缶や洗濯物など甘いに匂いがするものを撤去する
殺虫剤には予防効果が含まれている製品があります。
駆除後や冬が終わる前に殺虫剤を散布しておくとミツバチを予防できます。
またミツバチは甘い匂いに敏感なため、放置した空き缶や甘い匂いの柔軟剤に集まる場合があります。
空き缶は軽くゆすいでから捨てる、柔軟剤は無香料のものに変えましょう。
早めに予防しておけばミツバチを駆除しなくてよいため、できることから始めましょう。
春先に女王蜂を捕獲する蜂トラップという製品がありますが、蜂トラップはミツバチには効果がありません。
市販の蜂トラップは、危険なスズメバチやアシナガバチを対象としているためです。
製品の裏面に適用害虫が記載されているため、確認しましょう。
参考:アース製薬|ハチがホイホイ(最終閲覧日:2024年7月2日)
蜂の巣予防の詳しい方法はこちらの記事をご覧ください。
ミツバチの駆除・引き取り連絡先
ミツバチの駆除・引き取りをおこなっている団体や業者を解説します。
連絡先はおもに以下の3つがあります。
- 駆除か保護か悩んだら【自治体】
- 駆除に抵抗があるなら【養蜂場・保護団体】
- すぐ対応してほしいなら【蜂駆除業者】
ミツバチは農作物の受粉をおこなう益虫のため、保護が推奨されている昆虫です。
そのため保護活動をおこなっている方がいます。
保護をしている方に駆除ではなく引き取りという形で依頼できるケースもあるため検討しましょう。
では連絡先について解説します。
駆除か保護か悩んだら【自治体】
ミツバチの駆除か引き取りか、悩んだら市役所や村役場などの自治体に相談しましょう。
蜂の対応は各自治体によって異なるため一概にはいえませんが、以下のいずれかの対応をおこなってくれます。
- 地元の養蜂場や保護団体に連絡、もしくは紹介してくれる
- 地元の蜂駆除業者を紹介してくれる(費用は家主が支払う)
- 役場の職員や委託業者が駆除をしてくれる(費用は自治体が負担する)
参考:福岡市白南区|ミツバチが集まっていたら、そっと見守ってください見守れない場合はご相談ください~ミツバチ活用マッチング事業~
参考:葛飾区|ミツバチの特徴と注意点
(最終閲覧日:2024年7月2日)
注意点ですが、個人の敷地内ではスズメバチのみ対応の自治体が多いため確認してください。
また自治体の方針によっては、「危険な場合は対応するが、分蜂群は見守る」「分蜂群であっても対応する」とさまざまです。
どのような対応になるかはお住まいの地域によって異なるため、まずは自治体に相談してみましょう。
駆除に抵抗があるなら【養蜂場・保護団体】
もしお住まいの地域に養蜂場があるなら、引き取ってもらえるか相談してみるのも1つの手です。
日本全国にはミツバチ保護の団体があり、団体によっては連絡するとミツバチを回収してくれるところもあります。
引き取り費用は交通費を除き無料のところもあれば、有料のところもありさまざまです。
ただし「ハチミツの収穫量が多いセイヨウミツバチのみ回収している」「生態系保護の観点からニホンミツバチを回収している」など、養蜂場や団体によって考え方が異なる場合があります。
ミツバチの種類によっては引き取ってもらえない事例があると理解しておきましょう。
養蜂場や保護団体に心当たりがない場合は、お住まいの地域の自治体か、都道府県の畜産課や養蜂組合に問い合わせてください。
参考:コオロギさんのニホンミツバチ養蜂|NPO法人日本ミツバチ保護の会(最終閲覧日:2024年7月2日)
すぐ対応してほしいなら【蜂駆除業者】
「各所に相談したが断られてしまった……」「急いでいるのですぐ何とかしてほしい」など、ご自身での対応が難しい場合は蜂駆除業者に相談しましょう。
ミツバチの駆除は、害虫駆除をおこなっている業者なら大抵どこでも依頼できます。
即日対応などすぐに対応してくれる業者が多いのはもちろん、ハチミツで汚れた建物の清掃もあわせて依頼できます。
お近くの害虫駆除業者や蜂駆除をおこなっている業者に相談しましょう。
ミツバチ駆除の費用は4万円台
今回は弊社のミツバチ駆除を一例に費用を解説します。
ミツバチ駆除の費用相場は4万円台になります。
ミツバチ駆除の平均費用が高めの理由は、巣の撤去だけでなく大量に出る蜂の死骸やハチミツなどの清掃費用が含まれるためです。
駆除のために壁や天井を剥がすケースもあるため、その修繕費がプラスされることもあります。
厄介なことにミツバチは巣を拡張して何年も居続けるため、大きくなった巣ほど巣の撤去や清掃費用は高くなりがちです。
ミツバチの分蜂で旅立つのは半分だけで、残り半分は巣に残り活動を続けるためです。
ミツバチの数が増えて巣が大きくなるほど料金は上がりやすくなるため、1日でも早い依頼がベストです。
気がついたら早めに業者に相談しましょう。
もし「今すぐ来てくれる蜂駆除業者を探している」なら、ハチ110番の業者絞り込み検索をご利用ください。
業者絞り込み検索は、地域や営業時間を指定することで希望に沿った業者が絞り込めるツールです。
「見積り無料」や「保証の有無」など気になる条件で絞り込めるため、今必要な業者がすぐに見つかるはずです。
条件を指定して検索ボタンをクリックしてください。(複数可)
またハチ110番では、電話やメールでのご相談も受け付けています。
全国の蜂駆除をおこなう業者と提携し、すぐに現場に直行できる蜂駆除業者をご提案する事業をおこなっています。
お電話から最短10分※で現場到着できる業者や、なるべく早く蜂駆除をおこなう業者をご提案いたします。
※対応エリア・加盟店により異なります。
利用しやすい方法で業者を探し、早めにミツバチの駆除をおこないましょう。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
家に住み着いたミツバチが起こす被害
ミツバチは受粉をおこなう益虫ですが、家に住み着くと被害をおよぼす害虫です。
無用な駆除は避けるべきですが、大きな巣になると以下の被害が発生するおそれがあります。
- ハチミツで建物が汚れる
- 刺激すると刺される
- フン害が起きる
- スズメバチが飛来する
参考:富岡市|ミツバチを飼育する方々へ(最終閲覧日:2024年7月2日)
ミツバチが住み着かないように予防を心がけ、万が一巣ができたら早めに自治体や駆除業者に相談しましょう。
では詳しく解説します。
ハチミツで建物が汚れる
家の中に巣を作られた場合、染み出してくるハチミツで壁や天井が汚れてしまいます。
そのまま放置すると家屋が腐敗するおそれもあるため、早めの対処が必要です。
駆除の際は巣の除去だけでなく掃除・消毒・今後のための予防対策なども必要になります。
困ったときは無理をせずに、これらまとめて任せられる業者に相談して被害を食い止めましょう。
刺激すると刺される
ミツバチはスズメバチやアシナガバチと比べて凶暴ではないものの、巣を刺激されると攻撃的になります。
決してミツバチに触れようとしないでください。
ミツバチ1匹の毒の量は少ないものの、怒らせると危険な存在です。
スズメバチやアシナガバチに刺されても逃げ出せば、それ以上毒を注入される心配はありません。
しかしミツバチの針は抜けにくい構造で、一度刺されると毒の入った袋ごと皮膚に残ります。
皮膚に残った針と毒嚢(どくのう)は毒を注入し続けるため、うまく逃げ出せても大変危険です。
また、スズメバチやアシナガバチと違いミツバチは群れで越冬するため、冬になっても巣にはたくさんのミツバチがいます。
ミツバチは温厚な蜂のため積極的に人を襲いませんが、「巣があると知らずに壁を壊した」「休んでいるミツバチの群れを好奇心から子供が触ってしまった」などの事故が起きるかもしれません。
万が一ミツバチの集団攻撃を受ければただでは済まないため、ミツバチには触らないでください。
ミツバチの針の詳細はこちらの記事をご覧ください。
フン害が起きる
ミツバチのフンにより家屋や家の周辺で汚れ被害が起きます。
ミツバチのフンは花粉のような、黄色っぽい色をしています。
ミツバチは飛行しながら通り道にフンをする習性があり、この黄色っぽいフンが洗濯物や車を汚す被害が発生します。
フン害の範囲は巣から半径100~200mといわれているため、ご自宅だけでなくご近所にも迷惑がかかる可能性があります。
蜂のフン対策の詳細はこちらの記事をご覧ください。
スズメバチが飛来する
ミツバチを食べにスズメバチがやってくる可能性があります。
スズメバチの幼虫のおもなエサは、イモムシなどの虫です。
そのため、しばしば巣にいるミツバチの幼虫や出入りする成虫を狙い、ミツバチの巣を襲撃します。
ときにはスズメバチが仲間を呼び、集団でミツバチの巣を襲うこともあるため非常に危険です。
何も知らずにミツバチの巣の近くにいると、スズメバチに襲われる危険があります。
ミツバチは益虫ですが建物に住み着くと周囲を汚し、スズメバチを呼び寄せる危険な存在に変わります。
人とミツバチの適度な距離を保つために、予防をおこない建物に寄せつけないようにしましょう。
ミツバチに刺されないための対策
最後にミツバチから身を守る方法を解説します。
- 整髪料、香水、柔軟剤を使った服を使用しない
- 甘い匂いのジュースや食べ物を外で食べない
- 黒色を避けて明るい色の服を着る
- 見つけたら騒がず、そっとその場を離れる
ミツバチは強い刺激を与えたりしない限り基本的には刺してきませんが、食べ物やジュースの甘い匂い、香水や整髪料、柔軟剤の香りなどに寄ってきます。
放置したジュースに蜂が入り、そのまま飲んでしまったなんて事故もあります。
野外活動中は甘い香りは身に着けず、食べ物の管理はしっかりしましょう。
また黒い色は蜂に襲われやすくなるため、明るい色の服装にしましょう。
ミツバチは温厚な蜂のため適度な距離を保てば、襲いかかってくることはまずありません。
ミツバチに不安を感じたら、少しだけ服装や持ち物に気をつけて行動しましょう。
万が一刺されてしまったら、こちらの記事を参考に対処してください。
まとめ
ミツバチの駆除方法について解説しました。
記事のおさらいをすると以下のとおりです。
- 悩んだら自治体、保護は養蜂場・保護団体、すぐ来てほしいときは蜂駆除業者
- 蜂の種類で各所の対応が異なるため、連絡前に確認しておく
- ミツバチの駆除費用は清掃費込みで4万円台
- 無用な駆除を避けるため、ミツバチ予防を心がける
ミツバチは温厚な益虫ですが、建物に住み着くとハチミツやフンで家屋を汚す害虫になってしまいます。
日頃からミツバチ予防をおこない、万が一ミツバチが巣を作ったら自治体や蜂駆除業者に早めに相談しましょう。
#ミツバチ