ふだん、私たちの生活でもなじみのあるミツバチ。
じつは、日本に生息しているミツバチは2種類しかいないのです。
ミツバチは、蜂蜜のパッケージなどにもかわいらしいキャラクターが描かれることが多いですが、ミツバチは意外と危険な生き物なのです。
今回は、ミツバチの種類と危険性についてまとめました。
「家の近くにミツバチの巣を見つけた……」「最近、よくミツバチが飛んでいるのを見かける……」といった悩みを抱えていらっしゃる方には必見です。
この記事を読んで、ミツバチの対処法を学びましょう。
日本のミツバチの種類は2種類のみ
スズメバチにはオオスズメバチやキイロスズメバチなど、アシナガバチにはセグロアシナガバチやコアシナガバチなどさまざまな種類がいますが、ミツバチは世界でも9種類しかいません。
そのうち、日本にいるのはセイヨウミツバチとニホンミツバチの2種類です。
ミツバチは花の蜜を吸って蜂蜜を作り、養蜂に用いられます。
基本的に蜂や巣に危害を加えなければ攻撃してくることはありません。
ですが、野生のミツバチは民家に入り、巣を作ることがあります。
それが巨大になると、膨大な数のミツバチが民家に生息することになってしまいます。
セイヨウミツバチとニホンミツバチの違い
そんなセイヨウミツバチとニホンミツバチですが、違いがはっきりと分かれています。
■ セイヨウミツバチ
■ ニホンミツバチ
- 黄色と黒色の縦縞模様で体が大きい
- 2万~4万匹ほどの群れ
- 頭の方向が不ぞろいで分蜂を形成
- 蜂蜜の量が多い
- 木の小枝が混じる付近で生息
- 全体的に黒っぽく体が小さい
- 数千から2万匹ほどの群れ
- 頭の上に向けて並んで分蜂
- 蜂蜜の量が少ない
- 太い木の枝の付け根付近で生息
まず、セイヨウミツバチが黄色と黒色の縦縞模様で体が大きいですが、ニホンミツバチは全体的に黒っぽく体が小さいです。
生態についての違いは、セイヨウミツバチは2万~4万匹ほどの群を引き連れますが、ニホンミツバチは数千から2万匹ほどです。
セイヨウミツバチは頭の方向が不ぞろいで分蜂を形成するが、ニホンミツバチは頭の上に向けて並んで分蜂します。
蜂蜜の採取量も、セイヨウミツバチは蜂蜜の採取量が多いですが、ニホンミツバチは蜂蜜の採取量が少なくなります。
生息地に関しても、セイヨウミツバチは木の小枝が混じる付近でよく見られるのに対して、ニホンミツバチは比較的太い木の枝の付け根付近でよく見られるという違いがあります。
詳しくはセイヨウミツバチの生態をまとめた記事をご覧ください。
生活するミツバチの役割分担
ミツバチには、女王蜂、雄蜂、働き蜂の3種類の蜂がいます。
種類によっても、役割は大きく変わっていきます。
- 女王蜂
-
ひとつの巣の中には何万匹とミツバチがいるなかで、1匹だけ大きな体の蜂がいます。これが女王蜂です。
女王蜂はほかのミツバチと比べて2倍ほどの大きさで、唯一卵を産むことができます。女王蜂は1分間に2個のペースで卵を産みます。
これは、1日に換算すると約2,000個もの卵を産むことになるのです。
女王蜂は働き蜂と違い長寿で、7年ほど生きます。 - 働き蜂
-
ミツバチのなかで最も多い種類の蜂で、多い時期だと約5~6万匹にも増えます。
働き蜂はすべてメスですが、卵は産みません。働き蜂は、生まれたときから巣房という蜂を育てる部屋の掃除をおこない、それ以降も幼虫の世話やエサである蜜や花粉の採取などをおこないます。
エサがたくさん採れる花の咲く時期は休みなしで働くため、働き蜂は1~3ヵ月で寿命を終えてしまうのです。 - 雄蜂
-
働き蜂より少し大きめの蜂で、繁殖のためだけに生まれてきます。
働き蜂のように毒針もなければ、エサを持ってくる能力もありません。晴れた日には朝から夕方まで、巣から出て新しい女王が来るまで飛び続けます。新女王蜂が性フェロモンをまき散らしながら飛び上がると、雄蜂は女王蜂を追いかけて飛んでいきます。
飛ぶ力がすぐれている雄蜂1匹だけが空中で交尾し、交尾が終わったあと、その雄蜂はショック死してしまいます。
交尾に失敗した雄蜂は巣に戻って生活しますが、秋になりエサが集まらなくなると、役立たずと認定されて巣から追い出されて死んでしまいます。
ミツバチの生態の詳細はこちらの記事をご覧ください。
ミツバチの危険性と対策方法
ミツバチはおとなしい性格なのでめったに攻撃してきません。
しかし、だからといってうかつに巣に近づいたり攻撃したりしてはいけません。
この項目では、ミツバチの危険性と対策についてまとめました。
温厚なミツバチも人を刺す
ミツバチは、こちらが危害を加えない限りめったに刺すことはありません。
しかし、刺激を与えると敵とみなされ攻撃してくることがあります。
ミツバチの針は、刺さると蜂から抜け、人体に残ります。
人を刺したミツバチは、その場を離れようと針と毒を送り込む産卵管を切り離しますが、針と内臓の一部を失ったミツバチは死んでしまいます。
この針は毒性がとても強く、強いにおいを発してほかのミツバチを誘います。
もし刺された場合は、毒針を抜いて、水や葉で刺された部分を洗い流したりこすったりしましょう。
詳しくは蜂に刺された際の対処法をまとめた記事をご覧ください。
攻撃性の高い冬の時期に注意しよう
ミツバチは他の蜂とは違い、越冬できる力があります。
そして、越冬前後の10~11月、2~3月あたりになると攻撃性が強くなります。
この時期は、巣に近づいただけで人に攻撃するおそれがあるので、注意が必要です。
ミツバチの巣の特徴や、ミツバチが巣を作りやすい場所はこちらの記事をご覧ください。
ミツバチに刺されない対策方法
蜂に刺されないようにするには、騒いだり大声を出したりしないことです。
こちらから刺激を与えてしまうと、敵とみなして攻撃してきます。
また、蜂は黒や赤などの濃い色や、においに敏感な生き物です。
そのため、「頭を帽子で隠す」「濃い色の服を着ない」「整髪料や香水は使わない、もしくは香りの弱いものを使用する」など、適切な対策をおこないましょう。
ミツバチ駆除は蜂の巣駆除業者に依頼する
ミツバチの巣の駆除は業者に依頼することをおすすめします。
ミツバチは温厚ですが、巣は閉鎖的な場所に作られることが多く、そのうえ巣が大きくなりがちなので駆除には危険がともないます。
業者によっては、見積り無料なところや最短15分程度で駆除できるところもあります。
費用は4万円が相場ですが、高所作業が必要な場合や蜂の種類によっても変動してきます。
蜂の駆除は刺される可能性以外にも、高所での作業での転落やご近所トラブルなど、さまざまな危険がともないます。
少しでも危険に感じたら、ハチ110番にお電話ください。
お近くの蜂の巣駆除のプロをすぐに紹介させていただきます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
海外のミツバチの種類
ここまで日本のミツバチの種類や対処法をご紹介してきました。
最後に、海外に生息するミツバチの種類を一部ご紹介していきます。
キラービー
キラービーはミツバチの一種で、相手を刺すまで襲い続ける習性がある危険な蜂です。
正式名称は「アフリカナイズドミツバチ」といいます。
おもにアフリカや南米に生息しており、今のところ日本国内で発見されていません。
キラービーは大きい個体でも12mm程度で、蜂の中では小さい部類に入ります。
一匹一匹の個体が小さいため、キラービーは群れを作って行動することが多いようです。
また、キラービーは頻繁に巣を変える特徴が知られています。
巣を変える時期はエサがなくなったときや季節の変わり目だとされています。
キラービーは寒い地域や乾燥した場所ではなく、暖かい地域を好む傾向にあります。
オオミツバチ
オオミツバチとは、東南アジア~南アジアにかけて生息している大型のミツバチです。
ミツバチのなかでも大型に属するオオミツバチは、体長20mmほどまで大きくなります。
オオミツバチは大木や崖の岩下などに巣を作ることが多く、巣1つに3~4万匹のオオミツバチが暮らしています。
オオミツバチは攻撃性が高く、体が大きいため多くの毒を体内に蓄えています。
断崖絶壁に生息するヒマラヤオオミツバチ
ヒマラヤ山脈の絶壁に生息するオオミツバチは「ヒマラヤオオミツバチ」と呼ばれています。
ヒマラヤオオミツバチは非常に大きく、ニホンミツバチの3倍も体長が大きいのが特徴です 。
一度敵とみなすと1kmも追い続けるという執念深さをもっています。
毒の量が多いので、刺されたら大変危険です。
ヒマラヤオオミツバチが作る蜂蜜は、現地でも古くから貴重品として取引されてきました。
そのため、現在でもこの蜂蜜を求めて命がけでヒマラヤ山脈に登る人たちがいるのです。
まとめ
- 日本のミツバチはセイヨウミツバチとニホンミツバチの2種類
- 女王蜂、働き蜂、雄蜂が役割を分担して巣を大きくしている
- ミツバチも人を刺すことがあるので駆除は慎重にする
ミツバチは、こちらが危害を加えたり騒いだりしなければ刺すことはめったにありません。
しかし、誤った対処法をとってしまうと刺されてしまいます。
いくら刺激することがなければ刺されることがないとはいえ、家の近くや自分が通り過ぎる場所にずっと蜂の巣があるのは少し怖いですよね。
蜂の巣駆除にお悩みの際は、安全に駆除してもらえる蜂駆除業者に相談してみてはいかがでしょうか。
#ミツバチ