蜂は冬でも要注意!冬場の蜂の過ごし方を正しく知って被害を防ぐ方法

蜂の冬場の生態と危険性

「冬なのに蜂が飛んでいるのを見かけた」
「蜂は冬でも活動するの?」

じつは蜂は種類によって冬場の過ごし方が異なります。

スズメバチとアシナガバチは新女王蜂だけが朽木の中などで越冬します。
一方ミツバチは働き蜂と女王蜂が巣の中で身を寄せあって越冬します。
普段は温厚ですがエサが少ない冬場は攻撃性が増しているので注意が必要です。

当記事では冬場の蜂の生態や危険性、蜂がいなくなった巣の駆除の必要性を解説します。
また、冬のうちにできる蜂の巣対策方法もご紹介します。

当記事を読めば、冬場の蜂の生態がわかるだけでなく、春に向けた蜂予防対策もできますよ
今のうちにしっかり対策して春以降も安心して暮らせる環境を整えておきましょう。

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目次

蜂は種類によって冬の過ごし方が異なる

先ほど触れたように、蜂は種類によって冬場の過ごし方が異なります。
この章では冬場のスズメバチ・アシナガバチ・ミツバチの生態を詳しく解説します。

スズメバチとアシナガバチは新女王蜂のみ越冬する

スズメバチとアシナガバチは秋に生まれた新女王蜂だけが巣を離れて越冬します。
そして春になり、越冬から目覚めると1匹で新しく巣を作り始めます。
群れも巣も1年限りで世代交代が早いのが特徴です。

一般的な蜂の一年のライフサイクル

新女王蜂の越冬場所は種類によって異なります。
スズメバチは倒木や朽木の中が多いですが、土の中にもいることがあります。
アシナガバチは元々住んでいた巣の近くで越冬するため、民家の屋根裏や木の割れ目、石の隙間などにいることが多いです。

木の割れ目で越冬するキイロスズメバチ

引用 木の割れ目で越冬するキイロスズメバチ
出典:横須賀市自然・人文博物館|学芸員自然と歴史のたより「スズメバチたちのくらしと冬ごし」(最終閲覧日:2024年2月27日)

スズメバチとアシナガバチの女王蜂の生態は以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひあわせて読んでみてくださいね。

ミツバチは女王蜂も働き蜂も越冬する

ミツバチは女王蜂と働き蜂が巣の中で身を寄せあいながら越冬します。
新女王蜂だけが越冬するスズメバチやアシナガバチとは対照的ですね。

冬の間、巣の中では働き蜂が羽を細かく震わせて熱を出し、女王蜂を寒さから守ります。
また、越冬中は冬までに蓄えた蜂蜜と花粉を食べて過ごします。
このようにミツバチの働き蜂たちは協力しながら巣を守り、厳しい冬を乗り越えます。

参考:山田養蜂場|ミツバチの越冬!(最終閲覧日:2024年2月26日)

こちらは養蜂家さんが冬のミツバチの様子を撮影した映像です。

ちなみに養蜂場では巣箱に毛布をかけたりベニヤ板などで風よけを作るなど、ミツバチを守るためにさまざまな寒さ対策がおこなわれます。

冬でも蜂に刺される危険性はある!

寒くなると蜂の活動は鈍りますが、刺される危険性が0になるわけではありません。
特に冬の始め頃は、スズメバチやアシナガバチの新女王蜂が越冬場所を探して飛んでいることがあるので注意が必要です。

まれに暖を取るために洗濯物に紛れ込むこともあります。
洗濯物を取り込もうとしたときに刺されるケースもあるので、近くに蜂の巣があったり蜂をよく見かけるときは、念のため確認してから取り込みましょう。

洗濯物に蜂がいるときの対処法は以下の記事を読んでみてください。

冬の間はミツバチにも注意しましょう。
普段は温厚ですが、わずかな食料で生き延びている冬場はまわりからの刺激にとても敏感です。
うっかり刺激すると一斉に襲ってくることもあるので、巣を見かけてもそっとしておきましょう。

集団で越冬するアシナガバチに要注意

アシナガバチのなかには数十から数百匹の集団で越冬する種類もいます。
それはセグロアシナガバチ・キアシナガバチ・ヤマトアシナガバチです。

セグロアシナガバチ

セグロアシナガバチ

キアシナガバチ

キアシナガバチ

ヤマトアシナガバチ

ヤマトアシナガバチ

上記の3種類は民家の屋根裏やスズメバチの廃巣などに潜み、3種類が混在した状態で越冬します。
集団は数十匹から数百匹、ときには数千匹になることもあるそうです。
室内で越冬中のセグロアシナガバチを観察した調査資料にも、以下のような記載があります。

松浦(1996)によると「セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、ヤマトアシナガバチの3種類は、農家の軒下にぶらさがったキイロスズメバチの廃巣内や山間の小屋の屋根裏など、3種類が混在した状態で越冬し、その個体数は数十頭から数百頭、ときには2,000~8,000頭の集団となることもある」と報告している

出典:沖縄県衛生環境研究所|室内で越冬中のセグロアシナガバチ2集団の観察(最終閲覧日:2024年2月26日)

いずれの種類も刺激しない限り人を襲うことはほとんどありません。
春になれば巣作りのために別の場所に飛び立つのでそっとしておきましょう。
出入り口の近くなど日常生活に影響がある場所に集まっているときは、一度蜂駆除業者に相談してみてください。

蜂がいなくなった巣は駆除したほうがよい

空のスズメバチの巣

働き蜂がいなくなり女王蜂も飛び立ったスズメバチやアシナガバチの巣は空っぽになって放置されます。
写真のような空っぽの蜂の巣を見つけたら早めに駆除しましょう。

空っぽの蜂の巣を放置すると以下のような危険性があります。

  • 別の蜂に利用される
  • 巣の中に蜂が残っているおそれがある

春の営巣時期になると、別の蜂が空っぽの巣を材料にして巣作りすることがあります。
特にアシナガバチは元々住んでいた巣の近くで越冬するので、新しい巣の材料を取りに古巣に戻ってくることもあります。

冬の始め頃は巣の中にまだ蜂が残っているおそれもあります。
近年は地球温暖化の影響で冬でも暖かい日が多く、蜂の活動時期が長くなっています。
越冬に入るタイミングが遅くなり、本格的な冬なのに女王蜂が活動しているケースも増えているようです。

このように空っぽの巣でも放置するとさまざまなデメリットが生じます。
もし見つけたらなるべく早めに駆除しましょう。

空っぽの蜂の巣の駆除方法

では、空っぽの蜂の巣の駆除方法を解説します。

時期によってはまだ巣の中に蜂がいることがあるので、作業するときは安全に十分注意し、万が一に備えて以下の服装、道具を準備しましょう。

防護服と代用品
準備するもの
  • 防護服(レインコートでも代用可能)
    ※レインコートで代用する場合は蜂が入らないように隙間をガムテープでふさぎましょう
  • 厚手の革手袋
  • 殺虫スプレー
  • ゴミ袋
  • 巣に届く長さの棒
  • トング
駆除の手順
  1. 巣に殺虫スプレーを噴射する
  2. 棒でつついて巣を落とす
  3. 重ねたゴミ袋の中に蜂の巣を入れ、再度殺虫スプレーを噴射する
  4. しっかりと袋の口を縛り、燃えるゴミに出す

※捨てるときはお住まいの地域のゴミ出しルールに従ってください。

蜂の死骸は必ずトングでつまんでゴミ袋に入れましょう。
蜂は死んでいても、触れられると反射的に毒針を出すことがあるからです。

詳しくは蜂の巣駆除の手順をまとめた記事でより詳しく解説しています。

自分で駆除する自信がないときは無理せず蜂駆除業者を頼ってください。
ハチ110番では24時間365日駆除のご相談を受け付けています。
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蜂の巣対策は冬の間に終わらせておくと安心!

冬の間じっとしていた蜂は、春を迎えて暖かくなると再び活動し始めます。
そのため、蜂の巣対策は冬の間に終わらせておきましょう。
この章では蜂が巣作りしやすい場所と効果的な対策方法をご紹介します!

蜂が巣作りする3つの条件

蜂が巣作りする場所には大きく3つの条件があります。
具体的には以下のとおりです。

雨風や直射日光を避けられて敵に見つかりにくい
  • ガレージ・物置
  • ベランダ
  • 軒下
  • 室外機
閉鎖的な空間
  • ガレージ・物置
  • 屋根裏
  • 床下
  • 地面の中
エサを確保しやすい
  • 庭木
  • 植え込み
好んで巣を作る環境の条件

蜂の巣はある程度大きくなるまで女王蜂1匹だけで作るので、安全に営巣できて子育てしやすい環境はとても重要です。
そのため、雨風をしのげる場所、外敵に見つかりにくい場所、エサを確保しやすい場所が好まれます。

なお、弊社では2023年5月31日~6月1日に、過去に蜂の巣を作られたことがある人を対象にインターネット調査をおこないました。
そのなかで「蜂の巣を作られた場所」について質問したところ、以下のような結果となりました。

巣を作られた場所回答割合
軒下28.84%
ベランダ16.31%
庭木12.06%
物置やガレージ10.64%
外壁・壁の隙間8.27%
玄関6.86%
エアコンの室外機5.67%
天井裏3.55%
床下0.95%
地面の中0.47%
その他6.38%

※回答数423件(複数回答)

上記データのとおり、28.8%の人が軒下と回答しました。
他の場所と比べても明らかに割合が高いことがわかりますね。
この点から特に軒下は重点的な対策が必要だといえます。

簡単・効果的な3つの対策方法

蜂の巣対策には蜂が嫌がる成分を含んだ忌避剤が効果的です。
忌避剤には大きく以下の3種類があります。

  • ハッカ油
  • 木酢液
  • 殺虫スプレー(蜂よけスプレー)
忌避剤の使い方

ハッカ油には防虫効果があるメントールが含まれており、蜂はこの匂いが嫌いです。
蜂の巣を作られやすい場所にスプレーしておくと蜂が近寄らなくなり、巣作り予防効果が期待できますよ。

木酢液は木を燃やすときに出る煙を集めて冷やし、液体にしたものです。
その匂いは山火事を想像させるので、蜂は本能的に恐怖を感じて近寄らなくなるといわれています。

殺虫スプレーにも巣作り予防成分を含んだ商品があります。
そのような商品を選べば、駆除と予防が1本でできるのでとても便利です。

他にも蜂の巣予防に効果的な方法がいくつかあります。
以下に簡単にまとめたのでご覧ください。

  • ダミーの蜂の巣を吊るす
  • 天敵のオニヤンマグッズを吊るす
  • 防虫ネットで覆う

上記の方法は蜂よけグッズの解説記事で詳しく解説しています。
活用方法や効果を高めるコツをご紹介しているのでぜひあわせて読んでみてください。

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