「話題になったツマアカスズメバチとはどんな蜂?」
「他のスズメバチと何が違う?」
そのような疑問にお答えします。
もし危険な外来種であるツマアカスズメバチを見つけたら、すぐに駆除しなければいけません。
ツマアカスズメバチが繁殖すると、人が襲われて重傷を負うおそれがありますし、生態系を壊したり農作物にも大きな被害がでたりするおそれもあります。
この記事では、ツマアカスズメバチが危険である理由・生態・国内での取り扱いなどについて詳しく解説しています。
ツマアカスズメバチの生態
最初に、ツマアカスズメバチの見た目の特徴など生態について解説いたします。
ぜひ参考にして、ツマアカスズメバチの発見にお役立てください。
分布・おもな生息地
ツマアカスズメバチはインドネシア・ジャワ島が原産で、おもに西はパキスタンから、東は中国南部・台湾に生息しています。
しかし繁殖力の高さから、最近ではアジアだけでなくフランスやドイツなどのヨーロッパにも生息地域がどんどん拡大しています。
見た目の特徴
出典:東京都環境局「気をつけて!危険な外来生物」|ツマアカスズメバチ(最終閲覧日:2024年5月6日)
ツマアカスズメバチの体長は約2~3cmとキイロスズメバチより少し大きめですが、オオスズメバチよりは小さいです。
ただし地域によって差があり、ヨーロッパと比べてアジアのツマアカスズメバチは1cmほど小さいようです。
体の色は全体的に黒いですがお腹の先端は赤褐色です。
このような大きさと色の特徴でほかのスズメバチと見分けるとよいでしょう。
参考:環境省|特定外来生物の解説:ツマアカスズメバチ(最終閲覧日:2024年5月6日)
スズメバチの種類の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
他の昆虫を捕食する
ツマアカスズメバチの成虫は樹液や蜜を食べますが、幼虫はおもにハエ・ミツバチ・トンボなどの昆虫を食べます。
また、ゴミ捨て場の生肉や市場の魚肉などもエサにするようです。
在来のスズメバチと同様に、ツマアカスズメバチの成虫がこれらの昆虫を捕まえてあごでかみ砕き、肉団子にしたものを幼虫に分け与えて育てます。
閉鎖的な場所に営巣する
ツマアカスズメバチの女王蜂がはじめに巣を作る場所は、土中や低木の茂みといった閉鎖的な場所です。
その巣で働き蜂が羽化すると、女王蜂は産卵に専念するようになります。
女王蜂のかわりに働き蜂が巣を大きくしたり、幼虫の養育をしたりします。
そして働き蜂が増加して巣を作った場所が手狭になると、規模を拡大するため高さ15mを超える樹木の上に巣を引っ越すのです。
巣の規模は大きく、巣にいる蜂の数は多いもので3,000~3万匹。
さらに、秋に生まれる新女王バチの数は3,000~1万匹ともいわれ、スズメバチのなかでも最大規模です。
参考文献
丸沢丸.超危険! スズメバチLIFE 図解とマンガでわかる最凶生物.講談社,2019
以下の写真は別のスズメバチの巣ですが、ツマアカスズメバチの巣の形もボール状で、その表面には茶色と薄茶色のマーブル模様があります。
捕食の対象と巣の特徴は、在来のスズメバチと似ている部分もあるため、素人では在来のスズメバチとツマアカスズメバチを見分けるのは難しいでしょう。
攻撃性が高い
スズメバチの種類のよって攻撃性は異なりますが、ツマアカスズメバチの攻撃性は高いようです。
くわえて営巣規模が大きいため、スズメバチのなかでも特に危険な蜂といえます。
巣への刺激による反撃はとても強い。よく「凶暴」と形容される。
出典:中村 雅雄.スズメバチの真実.八坂書房,2018
ただ、これまで日本に生息している六種と比べると、オオスズメバチ、キイロスズメバチに次ぐ強さと考えられる。問題なのは個体の数が桁外れに多く、いったん興奮すると四方八方に飛び散って攻撃対象を探す。
ツマアカスズメバチは特定外来生物に指定されている
海外から日本にやってきた生物(外来生物)のうち、生態系や人の生命・農業・漁業に被害を与える、または与えるおそれがあるものは特定外来生物に指定されます。
特定外来生物に指定された生物は、栽培や輸入などが規制され、予防や駆除がおこなわれるのです。
外来生物のなかでもツマアカスズメバチには天敵が少ないですし、さまざまな昆虫を捕食する習性をもつため、生態系への影響が大きいです。
特にツマアカスズメバチはミツバチをおもな餌とするため、養蜂農家のミツバチを攻撃するおそれがあります。
ミツバチが減少すると農作物の自然受粉がおこなわれなくなってしまいます。
そんなツマアカスズメバチを効果的に予防・駆除をおこなうために、自治体や住民・害虫駆除業者などの各関係者が協力する必要があります。
そのため、もしツマアカスズメバチの巣を発見したら、自分で駆除しようとするのではなく、自治体や蜂駆除業者などに相談しましょう。
日本への侵入経路と侵入時期
ツマアカスズメバチが日本で最初に確認されたのは2012年です。
場所は長崎県の対馬です。
中国のツマアカスズメバチが船の貨物などに紛れ込んできたと考えられています。
その生息範囲は拡大しており、2018年10月時点では福岡県、宮崎県、大分県にまで分布していることが確認されています。
参考:環境省|ツマアカスズメバチ(最終閲覧日:2024年5月6日)
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
ツマアカスズメバチを警戒すべき理由は3つ
「ツマアカスズメバチはなぜ危険なの?」このような疑問をおもちの方もいらっしゃるかと思います。
ここではツマアカスズメバチを警戒すべき理由を3つご紹介いたします。
人の命を奪う攻撃性の高さ
ツマアカスズメバチは攻撃性が高いうえに毒針をもっています。
敵だと見なしたものに何回もしつこく攻撃してきます。
人間も襲うことがあり、台湾・マレーシア・インドネシアでは刺されて亡くなる方もでているほど危険なスズメバチなのです。
また、高さ15mを超える樹木の上に巣を作る習性があります。
その習性から韓国の都市部にある高層ビルでもツマアカスズメバチの巣が作られていたことが報告されています。
このように、田舎だけでなく都市部でも人が襲われる危険性があるのです。
国内の生態系を破壊するおそれがある
ツマアカスズメバチはミツバチやキイロスズメバチなどのほかの蜂を襲い、その幼虫を食べます。
また、オオスズメバチのような天敵がいない地域ではツマアカスズメバチが生態系の頂点に立つことになり、その数はどんどん増加します。
その結果、絶滅する昆虫もでてくることが考えられるため、ツマアカスズメバチを放置しておくと生態系が破壊されかねません。
悪影響は生態系だけではありません。
ツマアカスズメバチは農作物にも影響を及ぼすことも懸念されているのです。
例えば、かぼちゃ・トマトなどの野菜やイチゴ・スイカなどの果物はミツバチによって受粉します。
ミツバチがツマアカスズメバチに捕食されて個体数が減少すると、受粉ができない農作物が出てくるのです。
その農作物は人の手によって受粉することになります。
しかし、人の手による受粉は偏るため、奇形の果実が生まれる確率が高くなるのです。
このようにツマアカスズメバチは、農業にも大きな経済的被害をもたらすため侵入の予防や駆除が必要です。
増加するスピードが早い
環境への適応性が高いうえに、営巣する場所が高所で天敵に見つかりにくいことも、ツマアカスズメバチの増加するスピードが早い理由と考えられています。
見つけ次第駆除!種類の判別もプロに任せよう
ツマアカスズメバチに似ているスズメバチも国内には多く存在します。
スズメバチに刺されると重症を負うおそれがあり危険です。
もしツマアカスズメバチに似た蜂を見かけても、自分で判断し駆除しようとするのではなく、蜂駆除業者に依頼しましょう。
業者であれば蜂の種類を確実に判別し、適切に対処してくれます。
業者にお心当たりがないときは、ハチ110番が蜂駆除のプロをご紹介いたします。
ハチ110番には全国各地の蜂駆除業者が多く加盟しておりますので、お近くの業者をすぐにご紹介できます。
電話でのご相談は無料ですし、24時間365日受け付けておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください。
#ツマアカスズメバチ #スズメバチ
-
専門文献や駆除業者・専門家への調査をもとに、蜂の駆除・予防法や駆除業者の選び方など様々なテーマで情報 …