畳のカビは除菌と除湿、そして掃除で取り除くことができます。カビが発生する原因は、畳についてしまったカビの菌が湿気やほこりによって成長していくことだからです。
このコラムでは、畳に発生したカビを取り除く方法から、発生を防ぐ方法まで解説していきます。今カビが生えてしまっている人はもちろん、今後畳にカビを発生させたくないという人も、ぜひ参考にしてください。
畳にカビが発生する原因|繁殖する仕組み
カビには成長しやすい環境があります。以下のような環境が畳のある部屋でそろうことで、一気に繁殖してしまうのです。
- 気温が20~30度
- 湿度が70~80%
- エサとなるほこりや汚れが豊富にある
つまり、気温が高い時期に、換気不足で湿度の高い状態が続いたり、掃除不足でほこりや汚れがたまっていたりすると、畳にカビが発生してしまいます。また、気温については冬に暖房を使っていたことが原因になることもあるそうです。
そもそも畳は湿気を吸いやすいイ草でできているため、湿度が高くなりやすいといわれています。ある程度はイ草の力で除湿が可能ですが、湿気が高い状態が続き水分が飽和してしまうと、すぐにカビが増えてしまうでしょう。
ちなみに、新しいイ草ほど湿気を吸う力が強いことから、カビやすいといわれています。そのため、「うちの畳は新しいから大丈夫」というわけではなく、新しいほど対策は必須といえるでしょう。
畳にカビが発生する原因についてさらに詳しく知りたい方は「畳が腐る・カビが生えたときの原因と対処法|フローリングで完全予防」を参照してください。
畳に発生するカビの種類
もっとも発生しやすいのが青カビですが、これは比較的簡単に落とすことができます。問題はその後にあらわれる黒カビや赤カビです。カビの繁殖しやすい環境が長期間続くと発生します。畳が変色する原因にもなり、汚れを落とすのも一苦労です。現在青カビが見られるという方は、今のうちに掃除しておきましょう。
カビを放置するとアレルギーの原因になることも
カビはハウスダストのひとつです。体内に入ると、鼻炎やぜんそくなどアレルギー症状の原因になることもあります。また、カビ自体のアレルギー反応だけでなく、カビをエサにするダニによるアレルギー反応の危険もあるのです。
カビを放っておいてもいいことはないので、早めにキレイにしておくことをおすすめします。次章からは簡単にできるカビ取りの方法を解説していきます。
畳のカビ取り|エタノールと重曹を使った掃除方法
畳のカビ取りは、市販のもので簡単におこなえます。まずは必要なものをそろえましょう。以下のものを用意してください。
- エタノール濃度70~80%のアルコール
- 重曹
- スプレーボトル
- 歯ブラシ
- 雑巾
- ゴム手袋
- マスク
準備ができたら、早速畳のカビ取りに挑戦していきましょう。
畳のカビを取る手順
- 風通しをよくして部屋に浮遊しているカビ菌と湿気を追い出す
- カビのついている部分にアルコールを散布して20分ほど放置
- 歯ブラシで優しくこすってカビを取る
※強くこすると畳をいためます - 黒カビがある部分に重曹をふりかけアルコールを散布したら歯ブラシでこする
- すべてのカビを除去できたら再度アルコールスプレーを散布して雑巾で乾拭き
- 最後に部屋を換気して畳を乾燥させる
以上で畳のカビ取りは完了です。お疲れ様でした。
臭いが残ってしまったときも重曹で対策
カビが原因となっている臭いについては、ほとんどの場合カビを取り除けば消えます。ただ、それでも臭いが残ってしまったという場合は、重曹を溶かした水をボウルにはっておいておくとよいといわれているので、ぜひ試してみてください。
そのほかの畳の臭い取りの方法については「畳の臭いを消したい!においの原因別の対処法・畳の臭いの予防方法」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
やってはいけない対処法
畳にカビがついてしまったとき、やみくもに掃除しても取れることはほとんどありません。とくに、いかのような対処法は絶対にやらないでください。
- 水拭き
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塗れた雑巾で畳を拭いてしまうと、畳の湿度が上がってしまいます。湿度が上がればカビはさらに増えてしまうため、水拭きはしないほうがよいでしょう。
- 乾拭き
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逆に乾いた雑巾であっても、カビの上から拭くことはおすすめしません。カビ菌が畳の奥に入り込んでしまい、その後の掃除の労力を増やしてしまうことがあります。
- 掃除機
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カビは掃除機でも吸えますが、カビ菌は非常に小さいため吸ったそばから排気口を通して再び部屋のなかにまき散らされてしまうことがあります。状況を悪化させることもあるので、やめておいたほうがいいでしょう。
どうしても取れないカビには「表替え」
いくら掃除しても畳のカビが取れないというときは、畳の表替えをしたほうがよいかもしれません。表替えとは、畳の表面だけを交換することです。畳は畳床(たたみどこ)という板に、織られたイ草を張り付けて作られます。この織られたイ草のことを畳表(たたみおもて)と呼び、これを交換することを表替えというのです。
カビはほとんどの場合、畳表に発生しています。そのため、表替えをすることでカビのない畳を手に入れることができるでしょう。
畳の表替えをお考えのかたはぜひ弊社までご連絡ください。迅速に張り替えの可能な業者を紹介させていただきます。
畳のカビ予防|カビ菌の除去と湿気のコントロール
畳のカビが取れたとしても、条件がそろえば再び発生してしまいます。誰だって、カビ取りを何度もしなければならないことはイヤですよね。カビを取った後は、再発しないよう予防をしておくことをおすすめします。この章ではカビを増やさないためにできることを解説しているので、銭参考にしてください。
風通しをよくしよう
まず、カビを発生させないために重要なことは「換気」です。換気をすれば余分な湿気が取ることができる上、部屋のなかを舞っているカビ菌も追い出すことができます。畳のある部屋は、定期的に窓を開けるなどの換気をしておきましょう。エアコンがあるなら除湿機能を使ってもいいかもしれません。
布団の敷きっぱなしはNG
畳の上に布団があると、畳に湿気がたまりやすくなります。人は寝ている間にコップ1杯分の寝汗をかくともいわれており、それが布団にしみこんで最終的には畳を湿気させてしまうのです。そのため、朝起きたら、必ず布団をたたんで畳を乾かすようにしましょう。
そのほかにも、布団の下にすのこや防湿シートを敷いても効果があるといわれているので、ぜひ試してみてください。
こまめな掃除でほこりを除去
ほこりや汚れがたまっていると、それがそのままカビのエサになってしまします。そのため、定期的な掃除は欠かさないようにしてください。掃除機をかけるときは、掃除機本体を持ち上げておくと、排気口から出る風で畳の上のカビ菌が舞い上がってしまうことを防げます。
カビの予防には「お酢」も有効
お酢には殺菌効果があるため、カビの予防が期待できます。使い方も簡単で、バケツに入れた水に大さじ2杯のお酢を加えて、雑巾で拭くだけです。お酢をスプレーボトルにいれて散布してから乾拭きしても効果があるので、お好みの方法で試してみてください。お酢には畳の上をコーティングする作用もあり、汚れの防止にもなってくれます。
また、素足で歩くだけでも、皮脂が畳についてカビをよせつけないようにしてくれるともいわれているので、畳の上を歩くときは裸足を心がけてみるとよいかもしれません。畳のカビ対策はちょっとしたことからはじめられるのです。
ただ、それでもしつこいカビが再発生してしまうということはあるかもしれません。もし、カビが生えてしまった畳の張り替えを検討している方がいれば、ぜひ弊社までご連絡ください。お客様の近くで畳の張り替えのできる業者を迅速にご紹介させていただきます。