畳のある部屋で犬などのペットを飼うなら、専用の畳に張り替えるなどの対策をするのがおすすめです。犬が畳を傷つけてしまうのは本能的なもので、室内で飼う以上は傷つけられても大丈夫なように対策をしましょう。
傷ついた畳を修復するには、張り替えが必要です。ペットが傷つけにくい専用の畳もありますので、それに張り替えれば今後の対策にもなります。
このコラムでは畳を犬が傷つけてしまったときの対策、飼う際の注意点と、畳を傷つけないための効果的な対策をご紹介します。愛犬との快適な暮らしにお役立てください。
傷ついた畳は張り替えが必要
畳を犬が傷つけたときや、畳の上で犬が粗相をしてしまったときには、張り替えをすればきれいにすることができます。張り替えにはいくつか種類があり、それによって費用も変わるので、状況にあわせて選択しよう。ある程度の汚れなら自分で対処できる場合もあるので、その方法も解説します。
畳張り替えの種類と費用
張り替えは畳を交換することですが、その方法には「裏返し」「表替え」「新調」の3種類があります。どの方法が必要かは、畳の状態や汚れ具合によって変わります。それぞれの特徴と判断基準、費用をみていきましょう。
裏返し
畳は芯の部分である「畳床」と、表面を覆っている「畳表」、それぞれを端でつなぎ合わせている「畳縁」で構成されています。この畳表を裏返して張り直し、きれいな面を表にもってくるのが裏返しです。
表面が多少切れたりささくれたりした程度の傷であれば、裏返しをすればきれいになるでしょう。裏返しでは新たに使う材料は畳縁だけなので、費用はもっとも安く済みます。業者に裏返しをしてもらう費用の相場は、2,000円~6,000円程度でしょう。
表替え
畳の表面を覆っている畳表だけを新品に交換するのが、表替えです。傷が畳表の裏側まで達していたりカビが発生していたりする場合、表替えが必要になります。畳表にはさまざまな種類があり、どのような畳表にするかによって費用は大きく変わります。安価なものなら3,000円程度、高価なものなら3万円程度の費用がかかるでしょう。
新調
畳の土台である畳床が傷んで、へこんだりゆがんだりしているようなときには、畳自体をすべて新品に交換する新調が必要です。犬に傷つけられた程度で新調が必要になることはあまりありませんが、10年以上使っているような畳は新調したほうがよい時期かもしれません。費用はもっとも高く、1万円~3万5千円程度が相場です。
自分でできる畳の掃除方法
犬が畳を汚してしまったときには、ある程度なら自分で落とすことも可能です。ただし畳は傷みやすいので、適切な方法で掃除することが大切です。
犬が畳の上で粗相してしまったとき
畳が濡れたままにしておくと、シミになったりカビが発生したりします。それを防ぐには、水分を残さないことが大切です。
- すばやくタオルなどで水分をふき取った後、その箇所に小麦粉やてんぷら粉、塩などを振りかけましょう。粉状のものを振りかけることで、繊維の隙間に入り込んだ水分を吸着することができます。ただし、重曹は畳が変色することがあるので避けましょう。
- 水分を吸着できたら、掃除機で吸い取ります。掃除機は畳の繊維を傷めないよう、繊維にそった方向に動かしましょう。隙間に入った粉を吸い取れるよう、ゆっくりと念入りに掃除機をかけます。
- 繊維の隙間に残った粉を、お湯につけて硬く絞った雑巾でふき取ります。このときも、必ず繊維にそってふきます。
- 今度は乾いた雑巾でよくふき、乾燥させましょう。
カビが発生したときや臭いが取れないとき
カビや臭いを取るには、天日干しがおすすめです。天気のよい日に、畳を外して半日ほど干し、乾燥させましょう。
- マイナスドライバーなどを畳と畳の間に突き刺します。このとき、必ず縁の部分に突き刺しましょう。ほかの部分だと、畳の繊維を傷つけてしまいます。
- そのままマイナスドライバーを寝かせていくと、てこの原理で畳が浮き上がります。元に戻すときにわかりやすいよう、印をつけておくとよいでしょう。
- 浮き上がった畳を起こし、日のあたる場所に立てかけます。このとき畳の表面に直射日光があたると日焼けして変色してしまいますので、裏向きに立てかけるのがポイントです。
- 畳の裏側を叩いてホコリを出し、そのまま4~5時間ほど干します。
- 十分に乾燥したら、元の場所に畳を戻しましょう。
掃除をしても汚れが取れないときには、思い切って張り替えをしてしまったほうが手っ取り早いということもあります。お手入れが大変だと感じたら、畳の張り替えを検討してみましょう。
弊社では、畳の張り替え業者を無料でご紹介しています。ご相談をいただけば加盟業者が最適な張り替え方法をご提案し、無料で見積りを作成します。ぜひお気軽にお電話ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
畳で犬を飼う際に心得ておくべきこと
できれば畳を引っかくのを犬がやめてくれれば、掃除や張替えなどをしなくてよくなりますが、そう都合よくはいきません。犬が畳を引っかくのには、理由があるのです。畳で犬を飼うのであれば、その理由を心得て犬と接する必要があります。
犬が畳を引っかくのは本能
犬には、地面に穴を掘る習性があります。それは巣を作るためだったり、土のなかの小動物を食べるためだったり、あるいはストレス解消のための運動だったりします。
これはごく本能的な衝動からくる自然な行動ですので、止められるものではありません。無理にやめさせようとするとストレスがたまって体調を崩したり、人に向かって吠えたりかみついたりといった問題に発展することもあります。
犬と畳の相性がよくないこともある
そもそも犬にとって畳の上で生活することは、ストレスがたまりやすい環境でもあります。土などに比べると畳は滑りやすいので、犬は歩きにくかったり転んだりすることがよくあるのです。また、湿気を吸いやすい畳にはダニやノミが発生することがあります。ダニやノミは犬の体に寄生してふけやかゆみを引き起こし、皮膚炎などの原因にもなるのです。
人間にとっても、畳の上で犬を飼うことにはデメリットがあります。畳は臭いを吸収しやすいので、犬の臭いが部屋に染みついてしまうのです。犬と人間にとって、畳の部屋で飼うことが本当に最適かどうか、よく吟味する必要があるでしょう。
日ごろのケアが大切
少しでも犬が畳を傷つけないようにするには、犬へのケアに気をつけることが大切です。頻繁に爪切りをしたり、犬用の靴下をはかせたりすれば、引っかいてもそれほど傷つかずに済みます。
また、思い切り遊べる場所を用意したり、日ごろからスキンシップを取るようにしたりと、犬にストレスがたまらないように気にかけてあげましょう。室外にトイレの場所を作って覚えさせるといったしつけも必要です。
室内で犬と快適に過ごすには、飼い主の工夫とおおらかな気持ちが重要です。畳は張り替えをすれば直すことができます。そう考えれば、少しくらい傷つけられても大した問題にはならないかもしれません。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
ペット用畳やマットで犬も人も快適な空間を作ろう
近年では室内でペットを飼う人が増えている背景から、ペットに床を傷つけられないためのグッズが多く登場しています。そういったものを活用することで、より快適にペットと同じ空間で過ごせるようになるでしょう。
カーペットやジョイントマットを敷く
カーペットやマットを敷けば、畳を保護することができます。部屋の広さにあわせて手軽にサイズ調整ができるジョイントマットは、掃除もしやすいのでとても便利です。とくにペット用に作られたものは耐久性や弾力に優れたものが多く、犬にとっても過ごしやすいのでおすすめです。
ただし、畳の上に敷物をすると湿気がこもり、畳にカビが生えやすくなります。こまめに換気をおこなうなどして、湿気がたまらないよう注意が必要です。
ペットが引っかいても大丈夫な畳にする
通常の畳を、ペット用に作られた畳に張り替えるという方法もあります。ペット用の畳は畳表がレザーなどで作られていて、犬が引っかいても傷がつきにくくなっています。水分や汚れに強く、掃除などの手入れもしやすいのでおすすめです。
畳張り替えの業者によっては、ペット用の畳への張り替えに対応しているところもあります。部屋を丸ごとペットにとって快適な空間に作り変えたいという場合は、対応している業者を探してみるとよいでしょう。