夏から冬になると、様々な場所で結露することが増えてきます。家の中と外の温度差が大きいほどできやすくなり、窓が曇ったり水滴がつくことがあります。
とくに窓に近い障子には結露しやすく水分を含みやすいのです。そして、そのまま換気がなく締め切っているとカビが生えることがあります。
一度カビが生えると、なかなか除去することができずお困りの方も多いと思います。今回は、木の材質を傷つけないようにするために、どんな取り方があるのかご紹介しましょう。そして、カビの予防方法もお伝えします。
障子など木材に生えたカビの取り方
カビは体の中に入ると有害なので、マスク、ゴム製の手袋、メガネやゴーグルをつけてから作業を行います。カビの分子は小さく舞いやすいので、直接吸い込まないように注意しなければなりません。
マスクもなるべく大きめのものを選んでしっかり保護する必要があります。
【消毒用エタノールやオキシドールを使用した方法】
- カビにエタノールやオキシドールをスプレーします。
- スプレーしたところが完全に乾いたら布で拭き取ります。
エタノールやオキシドールで除菌できますが、濡れたまま拭き取るとカビの分子が広がる場合があるので乾いてから行うのがポイントです。
【酸素系漂白剤を使用した方法】
エタノールやオキシドールで落ちないカビを落とす方法です。ただ、漂白剤を使用するため木枠やサッシなど木が削るためにざらざらした表面になり、色が変色する場合があるので注意が必要です。
- カビの部分に漂白剤を付けた布を置き、その上からラップをします
- 乾かしてから、サンドペーパーで削る
あまり削り過ぎると、壁を傷つけてしまうことがありますので注意しましょう。また、漂白剤の効力だけでカビをキレイに落とせる場合もあります。
【カビ取り剤を使用した方法】
最近では、木材用のカビ取り剤が販売されています。スプレーして30分放置するという行為を何度も行い、カビを除去する方法です。
シミにならないか、初めに部分テストすることがよいでしょう。価格もあまり高くないので、漂白剤ではなくこちらを使用することがおすすめです。
【ハイターを使用した方法】
- 歯ブラシにハイターを薄めた液体を付けて、丁寧に擦ります
- 風をあてて乾かす。ドライヤーを使用してもよいでしょう
- エタノールをスプレーする
カビを除去するだけではなく、カビ菌の除菌効果も期待できるので、施工後の予防にもなります。
【業者が行う方法】
灰汁洗いという方法を業者では行っています。木材に付着した汚れやシミを浮かせて取る方法です。世界遺産などの貴重な建築物にも使用されている掃除方法であり、今も綺麗に木造のお寺などが残っているのは、この手法のおかげと言えるでしょう。
昔は灰汁というアルカリ性の液体をかけて、浮かび上がらせて流すという手段を取ることが多い傾向にありました。
しかし、今では灰汁に変わる専用の洗剤を機械で噴射して泡立ったら流すが水拭きするという作業を繰り返し行っています。もし自分自身でカビを取るのが不安な場合や、住宅を傷つけたくない場合は、張替えのプロに依頼するのが有効です。
カビの予防方法
カビが取れたら、再発防止のために、しっかり予防を行うことが大切です。広範囲にカビができてしまうと、自分で取るのは困難です。
また、手が届かない場所にも生える場合があるので、予防対策は非常に大切なのです。以下で方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
1.木の窓枠のカビ予防
- 窓に結露防止フィルターなどを張る
- 結露は放置せずに拭く
- 天気が良い日は、窓を開けて換気する
- カビを見つけたら放置せずにすぐ取る
2.木材の家具のカビ予防
- 北側やジメジメしやすい場所には置かない
- 家具と壁の隙間を5センチメートルあけて置く
- 扉や引き出しを開けて中まで風を通す
カビ予防の重要ポイント
換気する
冬は暖房、夏はエアコンという風に窓を開けることが減ってきている現代。気密性の高い家が増えた分、湿気が溜まりやすいです。湿度を下げるために、空気の入れ替えを行い、換気することが重要です。
結露を防止する
窓ガラスに付いた結露によってサッシが水分を含んでしまうことで、カビ菌が繁殖する原因となってしまう恐れがあります。ときには畳やカーテン、クロスまでカビが生える場合もあります。
そのため、窓ガラスに結露ができていたらすぐに拭いたり、結露防止シートを張るなどの対策をすることが大切です。
除湿器などを使用する
梅雨時期はとくに湿度が高くなる傾向があります。換気のために窓を空けるのも、雨期は困難になりがちです。そのため、梅雨時期は除湿機を使用することがおすすめです。
ただ、除湿機の中にカビ菌が繁殖していると意味がありません。その状態で使用すると部屋中にカビ菌をまき散らす結果になってしまいます。そのような事態を避けるためにも、除湿器は必ず洗浄してから使うのがいいでしょう。
障子の場所に注意
湿気が多い場所では、カビが発生しやすくなってしまう恐れがあるため、なるべく太陽の光が当たる場所に障子を設置することが大切です。
北側など、日が当たりにくい場所の場合に設置してある場合は、日が当たりにくい傾向があるため注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、障子に発生したカビの取り方をご紹介しました。自分でできる取り方もありますが、木枠などにシミを作ってしまったり、表面がざらざらしてしまう場合もあることが分かりました。
そのため、大切な場所であったり、広範囲にカビが生えてしまったり、手が届かない場所にカビが生えた場合は、業者に頼むとよいでしょう。
そして、カビ予防をしっかり行うことで、さらなるカビの発生を抑えることが可能です。なによりも湿度を溜めないことが一番大切なポイントであり、水分があるとカビは発生しやすくなってしまいます。
ご自分でカビを除去するのが困難な場合や、どのように対策をしていいのか分からない場合は、張替えのプロに相談するのがおすすめです。