畳の掃除をするときは、汚れの程度や種類に合わせた掃除方法を選択しましょう。
ホコリを掃くだけであれば、ほうきや雑巾、掃除機を使って簡単に対処できます。しかしカビが発生している場合やジュースをこぼしてしまった場合には、それだけではきれいにできないからです。
当記事では、基本的な畳をきれいにする方法から汚れが目立つときのお手入れ方法まで解説します。さらに畳の張り替えについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
畳をきれいにする方法【基本編】
畳の掃除をするときは、繊維の向きである「目」に沿って掃除をしましょう。目に逆らって掃除をするとほこりやごみが取り除きづらいうえに、畳が傷んでしまいます。
畳の掃除には、ほうきと雑巾を使いましょう。まずは目に沿ってほうきで掃きながら、大きなごみやほこりを取ります。そのあとに乾いた雑巾で乾拭きし、ほうきで取りきれなかった細かい汚れを取り除きましょう。基本的なお手入れはこれで十分です。
ほうきがご家庭にない場合は掃除機でも大丈夫です。掃除機を使う場合も、目に沿ってゆっくりとかけることを心がけましょう。しかし、畳をきれいにする方法として「粘着クリーナー」「ロボット掃除機」を使うのはあまりおすすめできません。その理由を以下で解説します。
粘着クリーナー・ロボット掃除機はおすすめしない
粘着クリーナーは、ちょっとしたホコリを取るのに便利なので使っている方も多いでしょう。しかしやりすぎると、イ草のケバ立ちやほつれの原因になってしまいます。
近年よく使われるようになったロボット掃除機も、電源を入れれば勝手に掃除をしてくれるので非常に便利です。しかしランダムな動きにより、畳を傷めてしまうことがあります。
以上のような理由から、畳をきれいする方法として、ほうきと雑巾を使うことをおすすめします。
畳をきれいにする方法【汚れが気になるときの応用編】
畳の汚れがひどいときは、それぞれの汚れに合った掃除方法を選択する必要があります。ここでは畳でよくある汚れを例に、必要なお掃除道具と掃除方法をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
飲みこぼし食べこぼしをしてしまったとき
ジュースやコーヒー、醤油などを畳にこぼしてしまったときは、すぐに乾いた雑巾で拭き取りましょう。そのあとに濡らした雑巾を固く絞り、汚れた場所を拭き直してください。
濡らした部分は乾いた雑巾でしっかりと拭き取り、ドライヤーなどを使ってよく乾燥させましょう。乾燥が十分でないと、カビが発生する原因になってしまいます。
時間が経った汚れを落とす方法
飲みこぼしや食べこぼしの汚れはできるだけ早く取り除くことが重要です。しかし、時間が経ってしまった場合でも取り除くことができます。掃除をするさいには、水で薄めた液体の塩素系漂白剤を使いましょう。塩素系漂白剤を使うときは使用上の注意をよく読み、必ず換気をするようにしてください。また塩素系漂白剤は手荒れを起こすおそれがあるので、ゴム手袋を着用して作業しましょう。漂白効果により、使用した部分だけ色が抜けてしまう点にも注意が必要です。
水で薄めた液体の塩素系漂白剤を雑巾にしみ込ませ、汚れた場所をトントンと叩きます。そのあと、濡らした雑巾で叩いた部分を拭いてください。
汚れが落ちるまでこれを繰り返します。最後は乾いた雑巾でしっかりと水分を取り、ドライヤーで乾かして完了です。
ペットがおしっこをしてしまったとき
ペットが畳におしっこをしてしまったときは、塩、小麦粉、ベビーパウダーのどれかを汚れた場所に振りかけてください。しっかりと水分を吸い取らせたら、畳の目に沿って掃除機をかけます。
濡らした雑巾で汚れた場所を拭き、乾いた雑巾で拭きましょう。最後に、ドライヤーでしっかりと乾燥させたら完了です。しかし、この手順はあくまで汚れを取るためのものなので、臭いを取るためには、もうひと手間加えましょう。
臭いを取る方法
おしっこの臭いを取るには、まず濡れた雑巾を汚れた場所に押し付けて、畳に水分を含ませます。そのままでは畳が傷んでしまうので、乾いた雑巾でしっかりと水分を拭き取ってください。
お酢と水を1:1で割ったものをスプレー瓶などに入れて、汚れた場所に吹きかけます。最後にドライヤーで乾燥させれば完了です。もし数日経っても臭いが取れない場合は、ペット用の消臭スプレーなども合わせて利用しましょう。
油性マジックがついてしまったとき
「子どもがお絵描きをしていて、うっかり油性マジックを落としてしまった……」そんなときは除光液を使いましょう。除光液をティッシュにしみ込ませて、汚れた場所を優しくこすってください。こすりすぎると、畳を傷めてしまうので注意しましょう。
畳のトラブル応急処置の手引き｜カビダニ・へこみ・日焼け
畳のへこみや日焼けは、日常的に畳を使っている中で避けられないトラブルです。カビやダニについても、発生してしまったら一刻も早く取り除きたいですよね。
しかし間違った処置をしてしまうと畳が傷んでしまうだけでなく、今より状況を悪化させてしまうこともあります。以下で正しい応急処置をご紹介しますので、ひとつずつ確認していきましょう。
畳の日焼けはお酢かクエン酸で対処！
日当たりのよい和室などでは、畳が日焼けして変色してしまうことがあります。日焼けした畳には、お酢かクエン酸を使うのがよいでしょう。ぬるま湯で、10倍に薄めたお酢かクエン酸を雑巾にしみ込ませて水拭きし、乾いた雑巾で拭き上げてください。
この方法で完ぺきに色を戻すことは難しいですが、本来の畳の色に近づけることはできるはずです。ぜひお試しください。
畳のへこみはアイロンを使ってみよう
重い家具を置いていると、畳がへこんでしまうことがあります。そんなときは、へこんだ部分にお湯で濡らした雑巾を置き、その上から低温に設定したアイロンを当てて蒸してみましょう。へこみが戻ってきたら、すぐにドライヤーの冷風などで乾燥させてください。
カビはエタノール・ダニは乾燥で対処しよう
カビやダニの対処をするときは、必ずマスクとゴム手袋を着用しておこないましょう。
カビの対処方法
畳のカビには、殺菌効果のあるエタノールが効果的といわれています。まずは乾いた雑巾で表面のカビをさっと拭き取りましょう。次に、消毒用エタノールをスプレー瓶などに入れて畳に吹きかけます。
吹きかけた場所が乾いたら、乾いた雑巾で表面のカビを拭き取りましょう。さらに、畳の目に沿って歯ブラシや綿棒などで優しくこすり、中のカビを取り除きます。最後に再び消毒用エタノールを吹きかけたら、乾いた雑巾で拭いて乾燥させたら完了です。
ダニの対処方法
まずは、表面に掃除機をかけて表面のダニを取り除きます。そのあと畳を取り外し、裏側も掃除機をかけましょう。取り外した畳はできるだけ日当たりがよい場所に置き、しっかり乾燥させてください。これだけでは不安という方は、ダニ用の燻煙剤やスプレーなどもいっしょに使用しておくとよいでしょう。
ご紹介したようなトラブルを放置していると、いつの間にか深刻な状態になっていることも少なくありません。とくにダニやカビは人間の健康にも害を与えるものなので、できるだけ早く対処するようにしましょう。
しかし、「対処してみたけれどあまりよくなっていないな……」と思うこともあるかもしれません。そんなときは、畳の張り替えも検討してみてはいかがでしょうか。畳の張り替えを検討するなら張り替え業者に依頼をしましょう。弊社ではさまざまな張り替え業者をご紹介中ですので、ぜひご利用ください。
畳を張り替える選択肢もある【費用相場】
前述した「畳をきれいにする方法」を試しても汚れが落ちない場合や、畳の傷みがひどい場合、カビやダニが広い範囲に発生している場合などは、畳の張り替えも検討してみてはいかがでしょうか。
畳の張り替えには「裏返し・表替え・新調」のみっつがあります。「裏返し」は畳表を裏返して再利用する方法です。表替えは畳表を交換する方法、新調は畳表、畳床、畳縁をすべて交換する方法となっています。
それぞれをおこなう目安の時期とともに、費用相場をご紹介しますので参考にしてみてください。
裏返しの費用相場
裏返しは畳を使用し始めてから、だいたい2~5年が目安とされています。畳にこすれた傷や日焼けによる変色が目立ち始めたら、裏返しを検討してもよい頃でしょう。
費用相場は、1畳あたり約4,000円~5,000円となっています。裏返しで交換するのは畳縁のみなので、ご紹介したみっつの方法の中では最も安いです。ただし、畳縁のグレードによっては相場より高くなることもあるので、その点は注意が必要かもしれません。
表替えの費用相場
表替えは、畳を使用し始めてからだいたい4~8年が目安とされています。イ草のささくれや、畳の光沢がなくなってきたなどの症状が出始めたら、そろそろ表換えを検討する頃かもしれません。
表替えの費用相場は、1畳あたり約5,000円~3万円です。畳表と畳縁を両方交換するので、裏返しより費用は高くなります。また、交換する畳表や畳縁のグレードによっても費用に差が出てくることに注意しましょう。
とくに畳表にはさまざまなグレードがあるので、費用を抑えたい方は安価な輸入品を選ぶ方法もあります。しかし一般的には、国産の畳表の方が耐久面でもすぐれているといわれていますので、選ぶさいにはしっかりと考える必要があるでしょう。
新調の費用相場
新調は、畳を使用し始めてからだいたい10~15年が目安とされています。新調は畳表・畳床・畳縁すべてを交換するので、痛みやカビダニなどの症状だけでなく、お部屋の印象を変えたいときにもおすすめの方法です。
新調の費用相場は、1畳あたり約1万円~5万円です。畳をまるごと交換するので、前述したふたつの方法に比べると高額になってしまうのが悩みどころかもしれません。
しかし、新品の畳になるという点を考えれば、費用以上のメリットはあるといえるでしょう。新調を選択するさいは、しっかりと納得のいくものを選ぶようにしてください。
畳の張り替え費用を少しでも抑えるなら、複数の業者から相見積りを取ることをおすすめします。相見積りを検討されるさいには、弊社がご紹介する業者もぜひご検討ください。
