畳を張り替える時期や目安はいつ頃になるのかご存じでしょうか?汚れや傷が目立つ畳をそのままにしておくことは見た目の問題だけでなく、人体や建物にも影響を与えることがあります。
畳を張り替える際には、畳の状態を確認しておくことが重要です。畳の張替え方法もいくつかあるため、それぞれの特徴を把握しておきましょう。使用年数や、畳の状態から正しい方法を選択することができるようになります。今回は畳を張り替える時期の目安や、方法についてご紹介いたします。畳を綺麗な状態で長期的に使うためにも知っておくと役に立つことでしょう。
畳の張り替える時期の目安
畳を張り替えるタイミングは約5~10年と言われています。しかし、畳の状態や素材によっての違いもあります。畳を張り替える際には、経過年数や畳の状態を確認しておきましょう。畳の張り替え方法は主に3種類あり、それぞれ異なった手段が用いられます。張り替え方法を事前に把握しておくことで張り替え時期の目安となり、スムーズに作業を行うことも可能です。
畳を張り替える場合は、湿気の少ない時期を選ぶようにしましょう。雨の多い梅雨などに行ってしまうと、畳にカビが生えやすくなり、手入れが大変になってしまう恐れがあるからです。
畳の状態にも要注意
畳は長い期間使っていると徐々に劣化していきます。畳の状態を把握しておくことで、悪い症状が出た場合に、速やかな対処を行うことが可能です。表面に凹凸がある場合や、汚れ・変色が目立つ場合には注意してください。
畳の表面が裂けている場合は、そこから湿気が入りやすくなり、乾燥もしやすくなってしまいます。このことが原因となり、更に劣化してしまうおそれがあるので、注意しなければいけません。裂けたことでささくれが出来てしまうと、それが刺さり怪我をしてしまうおそれもあります。このような状態になった場合は、速やかに張り替えを行うようにしましょう。
畳は湿気に弱いため、家具やカーペットを敷いている場合は、カビが発生することもあります。天然素材の畳を使用している場合は、カビが発生することで下地の補修も行わなければいけません。畳の状態が悪いことで、ダニが発生することもあります。体が急に痒くなったりした場合は、ダニが原因の可能性が高いです。カビやダニをそのままにしておくと、更に繁殖してしまうおそれがあります。畳だけの問題ではなく、建物自体が影響を受けることもあるので注意してください。
畳の上を歩いた際に、床が沈み込むような感覚がある場合も要注意です。この状態にまでなると、躯体まで劣化が進んでいることがあります。張り替えの際には畳だけでなく、建物の確認も行うと良いでしょう。
畳を張り替える方法
畳を張り替える方法は主に3種類に分けられます。それぞれ使用年数や交換時期によって張り替え方法が変わるので、特徴を把握しておきましょう。
裏返し
裏返しとは、3~5年程経過した畳を張り替える際に用いられる方法です。畳に日焼けや、すり傷が目立つようになった場合に行われます。畳を交換するのではなく、裏表を入れ替え、綺麗な面を使用する方法です。畳床や畳表は既存のものを使いますが、畳緑は新しいものに交換することが一般的です。
表替え
表替えは、6~7年程経過した畳を張り替える際の方法です。表面のゴザ部分が擦り切れてしまっている場合や、ささくれが目立つ場合、黒ずんだ汚れが全体的に見えるようになった場合は表替えを行い、畳床はそのままで畳表と畳緑のみを新品に交換します。畳の心材であり畳床の交換は行わないため、踏み心地はあまり変化いたしません。畳がへたってしまったことが原因でへこんでいる場合や、へこんでいる感覚がある場合には表替えではなく、新品の畳に交換する必要があるので注意してください。
畳替え
畳替えを行う目安は10~15年程度です。古い畳を処分し、新しい畳と入れ替えます。畳がへこんでおり、隙間が目立ってきた場合に行うと良いでしょう。これらの症状がある場合は、心材である畳床までもが傷んでいるため畳替えを行う目安になります。
畳の張り替えは自分で行うのは困難なため、専門の業者に依頼しましょう。自分で行うことでと皺が寄ってしまい、綺麗に張り替えをすることができなくなる可能性があります。安心して素早く張り替えを行うためにも、業者へ依頼することがおすすめです。
畳替えの前に知っておきたい畳の種類
畳の主な種類は国産表、中国表・化学表に分けられます。日本で使われている畳の8割が中国表です。国産の畳と比べると耐久性は少ないですが、価格が安いのが特徴です。国産表は価格が高い分、耐久性もあり時間の経過とともに味わいが出てきます。化学表はカビを防ぐことに優れており、耐久性も高く、変色が起こりにくいです。しかし、こちらも価格が比較的高めになっています。
畳表は麻糸や綿糸を経糸として織り込んでいます。経糸の種類によって畳表の種類も異なっており、価格が最も安く経糸に綿糸を使用している「糸引き表」、麻糸を使用し国産表に使われている「麻引き表」、綿糸と麻糸を使用し幅広い畳表に使われる「綿W表」、麻糸を2本使用し高級品にのみ使われる「麻W表」があります。
畳床にもいくつか種類があり、「建材床」「本畳床」「ワラサンド床」が主なものです。建材床が最も安く品質が安定しています。本畳床は古くから使われており、高級畳に使われることが多いです。重量が重いといった特徴がありますが、それ以外はとても性能の高い畳床となっています。ワラサンド床は、建材床と本畳床の利点を合わせた畳ですが、現在では使われることが少ないです。
まとめ
畳の張り替えを行う場合は、畳の状態や使用年数から目的に合った方法で行いましょう。畳の状態を確認し、キズや汚れ、カビなどの症状が見受けられた場合には張り替え行うと良いです。
裏返し・表替え・畳替えを行うことで綺麗な状態の畳を維持することが可能になります。畳の良さを長期的に楽しむためにも畳の張り替えは重要です。張り替え方法を把握しておくことで、スムーズに依頼を行うことも可能になるでしょう。