日本の家では昔からなじみのある床の間。掛け軸や花などを飾ると、とても風情のある空間になりますね。しかし、なにも飾っておらずスペースを持て余しているというお宅もあるかもしれません。そんなときは、床の間のリフォームを考えてみてはいかがでしょうか。
床の間は小さいスペースなので、ほかの目的には使えないと思われがちですが、じつはいろいろな活用の方法があるのです。今回は床の間のリフォームについて、どんな活用方法があるのか、費用はどれくらいなのか、また業者に依頼する場合のポイントなどを紹介します。
床の間リフォームの基礎情報を知ろう!
和室にある床の間に、掛け軸や花を飾って活用しているお宅がある一方で、なにも置かずにもったいないスペースになっているという人もいるのではないでしょうか。そんなときは、床の間をリフォームして活用することができるのです。
床の間リフォームではなにができる?
和室を洋室にリフォームする場合は、床の間をクローゼットとして利用することができます。では、和室のままという場合でも収納として活用することはできるのでしょうか。
和室のままでも、仏壇の置き場所にする、押し入れにする、寸法のあった家具を設置して収納にするなどいろいろな方法があります。大がかりな工事をしなくても棚を設置するだけで収納スペースを作ることもできるのです。
収納として活用する以外にも、趣味の場所として使う、現代風にアレンジするなどのアイディアもありますので、のちほどくわしく紹介します。
費用相場はどれくらい?
床の間をリフォームするときの費用は、内容によってちがってきます。和室の床の間としてそのまま使用し、そこへ棚などを取り付けるだけなら100,000円以下でできることもあります。一方で部屋自体を洋室に変更するような場合には、500,000円以上かかると考えておくとよいでしょう。
床の間に扉を取り付けて押し入れなどの収納にする場合は、不要な柱や枠を取り除いたうえで扉や棚を設置するという工事で約220,000円になります。また、仏壇置き場にする場合は仏壇の大きさによって約200,000~250,000円になります。
収納として活用するのではなく、カウンターや間接照明などを設置してひとつの空間として活用したい場合には300,000円程度をみておくとよいでしょう。
床の間のリフォームは、限られた空間であっても事例によって相場が変わってきます。施工の際には、あらかじめ見積りをとっておくとよいですね。
使える床の間活用術!
床の間をリフォームできるということはイメージしていただけたでしょうか。もう少し具体的に床の間をどのように活用できるか紹介していきます。
収納スペースとして利用
先ほども紹介したとおり、床の間はリフォームしてさまざまな収納スペースとして利用することができます。このとき、和室として床の間だけを部分的にリフォームするのか、部屋自体を洋室にしてしまうのかがポイントになります。
部屋は和室のまま残しながら床の間を有効活用したいという場合は、床の間だけに棚を取り付けるなど簡単にできるものもあります。見せる収納としておしゃれに飾ってみるのもよいでしょう。
ちょうど寸法のあう家具を探せば、すっぽりとおさめれば簡単に収納ができます。床の間に扉をつけて物を置くスペースとして活用したり、仏壇を置く場所として活用したりする場合は、それなりの工事が必要です。
和室から洋室に大幅なリフォームをする場合は、床の間はクローゼットに変えることもできます。もともと床の間には奥行きがあり部屋とのあいだに区切りもあるため、そこに引き戸を設置すればよいのです。
ただし、洋室にリフォームする場合はフローリングや壁、天井をすべて張り替えることになります。
趣味の場所にする
家のなかに自分だけの趣味の場所を持ちたいけれど難しい……という人は、思い切って床の間を利用してみてはいかがでしょうか。じつは床の間は畳1畳分の広さがあります。カウンターを設置することもでき、自分の目的にあった空間にすることができるのです。
カウンター上に趣味の物を並べたり、おしゃれな間接照明を置いたりすれば、自分だけの独立した空間のできあがりです。書斎として使うのもよいでしょう。さらに明かり取りの小窓を設置することもできます。
現代風テイストにアレンジ
床の間の役割をなくさずに、現代風テイストにアレンジすることもできます。現代風にするには、おもに以下の2つの方法がありますので参考にしてみてください。
1つ目は色味を変えることです。従来の和室にあるようなホワイトやベージュなど淡い色ではなく、ブラックやブラウンなどの濃い色味でスタイリッシュな雰囲気にするのです。床の間は独立した空間でもあるので、色味を加えやすいとも言えます。
2つ目は床柱です。床柱とは床の間を囲うように設置されている化粧柱を撤去するだけでモダンな印象に変わるでしょう。床柱が見えないように壁紙を貼ることもできます。
床の間を現代風にアレンジすると、まわりの洋室とも一体感が生まれ、より家の雰囲気にあった空間になるというメリットもあります。
自分でリフォームすることはできる?
床の間はリフォームによっていろいろと活用できることがわかりました。近年ではDIYが趣味という人も増えていて、床の間も自分でリフォームできるのでは、と考える人もいるかもしれません。
部屋自体をリフォームするのではなく床の間だけに手を加えるなら、自分でできてなおかつ費用も安くすむでしょう。DIYの例として、物を置くことのできる棚を取り付ける、外から見えないようカーテンや扉などを取り付けるなどが考えられます。
また、床の間の寸法にあった家具を直接置くという方法も簡単です。自分でできそうだという人は、簡単なリフォームであれば挑戦してみてもよいですね。
自分でのリフォームは難しい!業者に依頼するのが安心
自分でのリフォームが難しいという人は、業者に依頼するのが安心です。それでもなんとなくもったいない気もする……という人のために、業者に依頼するメリットを紹介します。また、費用を抑えるためには業者選びが重要なので、選び方のポイントも見ていきましょう。
業者に依頼するメリット
床の間をリフォームしたいとき、自分ですることができれば材料費だけですみ、たしかに安いです。しかし、これから長く使っていくことを考えると、やはりプロにお願いしたほうが安心といえます。
特に扉の設置については、建物や柱のゆがみにあわせて調整する必要があるのです。ただ取り付けてしまうと、うまく開閉ができなくなることもあります。もちろん見た目も、プロに依頼したもののほうがきれいです。
一見床の間に棚を取り付けるだけなら簡単そうです。しかし、収納棚というのは、ある程度重みのあるものを乗せることになります。そのため、建物の構造に固定しなければ強度を出すことができないのです。
十分な強度がないと、重いものを乗せたり時間がたったりしたときに棚が落下してしまうことがあります。
業者に依頼すれば、建物にある柱や構造材をうまく利用して強度を増すことができます。また、固定用の枠を作ってもらうこともできるのです。長いあいだ使うことを考えると、安心感があるのではないでしょうか。
費用を抑えるには業者選びが重要!
業者にお願いしたほうが安心ということはわかっても、やはり費用は抑えたいものですね。ここからは、業者の選び方についてみていきましょう。
床の間のリフォームにかかる費用の相場を先ほど紹介しましたが、状況によって金額が変わってくることもあります。まずは業者に現場を見せて見積りをお願いしましょう。できれば複数の業者から見積りを取って比較するとよいです。
そもそもどの業者に連絡するか迷ってしまうという人に、業者選びのポイントをお教えします。まずは、業者の会社紹介や実績から、どんなリフォームを得意としているのかを確認しましょう。
デザイン性のあるリフォームが得意である、低価格での設備設置が得意であるなど、自分の求めているものにあった業者かどうかを判断してください。
そのほかの情報として、建設許可の有無や資格を持っている人がいるかどうかなどもホームページなどで知ることができます。完成後の保証やアフターフォローなどがどのようなものかも見ておくとよいでしょう。
それらを判断したうえで、よいと思ったいくつかの業者に見積りをしてもらいます。床の間のリフォームは、水まわりなどに比べると時間的に余裕がある場合が多いので、ぜひ納得のいく業者を見つけて理想通りのリフォームをめざしましょう。
まとめ
以上、床の間リフォームについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。床の間は畳1畳分のスペースがあり、意外にもいろいろな活用方法があります。収納スペースや趣味の場所にできるだけでなく、床の間のままでデザインを変えることもできるのです。
床の間のリフォームにかかる費用は、内容によってさまざまです。費用を抑えるために自分でリフォームをしたいという場合は、簡単なものなら挑戦してみるのもよいでしょう。ただし、強度や見た目などを考えると、やはりプロの業者に依頼するのが安心です。
業者は、得意分野などを見きわめていくつか選んだうえで、実際の床の間を見せて見積りをしてもらいます。上手に業者を選んで、満足のいく床の間のリフォームをしましょう。