雪見障子の張り替えは自分でもおこなうことができますが、よりきれいに仕上げたいのなら業者に頼むのがおすすめです。障子の張り替えは簡単そうにみえて奥が深く、きれいに仕上げるにはコツが必要です。
とくに雪見障子などは構造が複雑なので、もしも自分でおこなう場合は手順をよく確認しましょう。このコラムでは、雪見障子を自分で張り替える方法と障子紙の選び方、業者に頼む場合の費用を解説します。張替えを自分でしてみたいけど不安だという方は、参考にしてみてください。
雪見障子のスライド部分の外し方
「すり上げ雪見障子」や「猫間障子」などと呼ばれるのは、障子の内側に小さな障子が組み込まれていて、この小さな障子を上下や左右にスライドできるタイプの障子戸です。このスライドできる小さな障子は、「小障子」といいます。
こういったタイプの障子を自分で張り替える際には、この小障子をどう外すかというところで悪戦苦闘することが多いでしょう。張り替えをするには、小障子を障子から外したのち、障子本体を枠から外す必要があります。
小障子は、上に上げたときに落ちてこないよう側面にバネが仕込まれているのが基本的な構造です。外側の障子の枠には小障子がはまっている溝があり、この溝は左右どちらかが深くなっています。そのより深い溝がある側へ小障子を押し付け、もう一方の端を手前に引くことで、小障子は外すことが可能です。
小障子を外すことができたら、障子本体を持ち上げて上部の枠の溝に押し込み、下側を手前に引いて障子を外しましょう。どうしてもはうまく外すことができないというときには、業者に任せるのもひとつの方法です。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
雪見障子の張り替えDIYの方法
アイロンなどを使って比較的簡単に張り替えができる障子紙がホームセンターなどで販売されていますので、障子の張り替えはDIYでもできます。ただし、きれいに仕上げるためにはある程度のコツが必要です。正しい手順を知った上でおこなわなければ、うまくいかないことが多いでしょう。障子を張り替えるときの準備や手順について解説します。
障子紙を選ぼう
障子紙といってもさまざまな種類があり、おもに「手すき和紙」「機械すき和紙」「プラスチック紙」などがあります。それぞれに特徴がありますので、自分の目的や好みに合ったものを選びましょう。障子紙を選ぶポイントをご紹介します。
- 価格
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職人が手作業で作る手すき和紙や、特殊な加工を施すプラスチック紙に比べ、大量生産が可能な機械すき和紙は価格が安い傾向にあります。機械すき和紙のなかにも素材によっては丈夫で見た目の美しいものはたくさんありますので、そのなかから選択するのもよいでしょう。
- 明るさ
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障子は日差しを適度に遮ることのできる建具ですが、障子紙に使われている素材によってその部屋の明るさは変わってきます。染色加工がされていない手すき和紙などは遮光性が高く、部屋は暗めになるのです。ポリエステルを多く含んだものやプラスチック加工されたものは、光を通しやすく明るくなるものが多いです。
- 通気性
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プラスチックやビニールで加工された障子紙は空気をあまり通さないので、和紙に比べて冷暖房などの効率がよくなります。ただ、通気性や吸水性が低いので冬場には結露がつくこともあり、カビなどを防ぐためにはこまめな換気が大切です。
- 丈夫さ
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パルプを多く含んだ障子紙は耐久性が低い傾向にあります。プラスチック紙は非常に丈夫で破れにくく、拭き掃除などもできるのでメンテナンスがしやすいのがメリットです。プラスチック紙は価格が高めですが、張り替えの頻度が少なくなると考えれば、ほかの障子紙よりもお得かもしれません。
- 張り替えしやすさ
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障子紙によって張り方が違い、糊でつけるものやアイロンでつけるもの、両面テープでつけるものなどがあります。慣れていない人が自分で張り替えをする場合には、比較的簡単にできるアイロンやテープのタイプがおすすめです。糊タイプは作業にコツが必要ですが、固まるのに時間がかかるため微調整ができ、きれいに仕上げられるのがメリットです。
道具をそろえよう
障子の張り替えには、必要な道具がいくつかあります。障子紙がどのような種類なのかによって、使う道具に違いがありますので、確認して事前に用意しておきましょう。
障子の張り替えに使う道具
- はがすとき
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- 共通
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- 雑巾などの布
- 新聞紙やブルーシート
- ヘラ
- 糊タイプ
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霧吹きやスポンジ
- アイロンタイプ
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アイロン
- 両面テープタイプ
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ドライヤー
- 張るとき
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- 共通
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- 障子紙
- 定規と障子用カッターナイフ
- 糊タイプ
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- 障子用糊
- ハケ
- トレイ
- アイロンタイプ
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アイロン
- 両面テープタイプ
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障子用両面テープ
障子紙のはがし方
障子を張り替えるときには、まず今ついている障子紙をはがしましょう。障子を寝かせて置くのに十分なスペースを確保し、新聞紙などを敷いておきます。その上に小障子と障子本体を外して置きます。ガラスが割れないよう注意しましょう。障子紙を障子からはがす手順は障子紙の種類ごとに違いますので、それぞれ解説します。
糊タイプ
- 障子の枠の部分にそって障子紙の上から霧吹きやスポンジで水をかけます。
- 5分ほどたって糊が十分にふやけたら、端からゆっくりとめくるように障子紙をはがしていきましょう。
- 障子紙をすべてはがして枠をきれいに拭いたら、風通しのよい日陰にしばらく干して、十分に乾燥させます。高温になると木材がゆがんでしまうことがありますので、直射日光は避けましょう。
アイロンタイプ
- アイロンの電源を入れ、ドライモードにして中温~高温に温めます。
- 障子の枠の部分に、障子紙の上からアイロンをあてます。
- アイロンを移動させながら、接着部分が熱いうちにゆっくりとめくるようにしてはがしていきましょう。やけどには注意してください。
両面テープタイプ
- 障子の枠の部分に、障子紙の上からドライヤーの熱風をあてます。やけどに注意しましょう。
- ドライヤーを移動させながら、接着部分が熱いうちに両面テープとともに障子紙をはがしていきます。
障子紙をすべてはがしたら、枠に残っている紙のクズや糊をヘラなどで取り除き、雑巾などで噴き上げてきれいにしましょう。枠に汚れやホコリがついていると、新しい障子紙をきれいに張ることができないおそれがあります。
障子紙の張り方
障子紙を張るときには接着する前に、一度仮止めをしておくのがポイントです。そうすることで、ズレやたるみが出にくくなります。障子紙を障子の上に敷いて一片の端を障子の端とあわせ、テープなどを貼っておきましょう。
糊タイプ
- 仮止めした障子紙を巻き取り、障子の外側に一旦まとめておきます。
障子の枠に糊を塗っていきます。希釈タイプの場合はトレイに糊を伸ばし、ハケで塗っていきましょう。 - 障子紙を少しずつ広げながら、糊に接着していきます。
- 全体を接着したら、中心から障子の枠にそってなでるように障子紙を押さえ、たるみを伸ばします。
- 障子の枠からはみ出している障子紙を、カッターナイフで切り取りましょう。
- はみ出した糊や汚れを雑巾などで拭き取り、風通しのよい日陰に半日ほど干して乾燥させます。
アイロンタイプ
- アイロンの電源を入れ、中温~高温に熱しておきます。
- 障子紙の上から、中心から外側に向けてアイロンを動かして少しずつ接着していきましょう。
- 全体を接着できたら、枠からはみ出した障子紙をカッターナイフで切り取ります。
両面テープタイプ
- 仮止めした障子紙を巻き取り、障子の外側に一旦まとめておきます。
- 障子の縦方向の枠すべてに両面テープを貼りつけ、裏紙をはがしましょう。
- 障子の枠の、横方向にも両面テープを貼り、裏紙をはがします。
- 障子紙を広げながら、少しずつ接着していきます。
- 障子紙を中心から外側へなでるように押さえ、たるみを伸ばしながら全体を接着します。
- 枠の外にはみ出した障子紙を、カッターナイフで切り取ります。
障子を張り替える作業はシンプルですが、実際にやってみると繊細な調整が必要で、上手に仕上げるのは難しいところもあります。自分で出来そうか不安になった人もいるかもしれません。そんなときには、プロに頼るのもおすすめです。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
障子の張り替えは業者に任せるのがおすすめ
障子張り替えを業者に依頼することには、DIYでは得られないメリットがいくつかあります。障子の張り替えを業者に任せたほうがよい理由と、料金についてみていきましょう。
障子張り替えを業者に頼むメリット
経験が豊富な障子張り替えの業者は確かな技術をもっていて、自分でやるよりもきれいに障子を張ることができます。自分で張り替えに使う道具をそろえる手間も必要ありません。
障子について知識をもっている業者に相談すれば、自分の希望にあう障子紙を選んで提案してもらうこともできます。自分でサイズを測ったり、ホームセンターで探し回ったりする手間が省けるのです。
また、業者によっては定期的に障子のメンテナンスにきてくれるサービスがあるところもあります。障子は使っていればどうしても、破れたり汚れたりするものです。1度きりならともかく、頻繁に自分で張り替えをするのは大変ですので、こういったサービスが充実している業者は安心して任せることができます。
障子張り替え業者の料金相場
業者に障子の張り替えを依頼した場合も、紙の種類によって料金は変わります。業者では、障子紙を素材ごとに大きく「普通紙」「強化紙」「プラスチック紙」で分類していることが多いです。
障子張り替え業者の料金相場(障子1枚あたり)
普通紙 | 1,500円~3,000円程度 |
強化紙 | 3,000円~5,000円程度 |
プラスチック紙 | 5,000円~8,000円程度 |
雪見障子などの構造が複雑な障子の場合、作業費が1,000円程度プラスになることもありますので注意が必要です。また、料金設定は業者によって差があり、実際の費用は業者に見積りを出してもらわなければわかりません。
弊社では、障子の張り替えに対応している業者をご紹介しています。無料で見積りを作成することができますので、ぜひお気軽にご相談ください。24時間365日いつでも電話相談を受けつけています。