白い鳩といえば、「平和の象徴」というイメージがわく方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、その理由や普段みかける鳩との違いを徹底解説します。本来は白くない種の鳩から、真っ白な鳩が生まれることがあるってご存知でしたか?
鳩を飼ってみたいと思う方も多いと思いますが、その前に、鳩の種類や特徴についてしっかりと知りましょう。また、身近な存在である鳩ですが、実は意外と取り扱いが難しい動物。あなたにとって何気ない行動が、違法とみなされてしまうことがあります。
鳩の被害に困ったとき、さらなるトラブルをうまないためにも、鳩にまつわる規定をしっかりと把握しておきましょう。
白い鳩の神話伝説……なぜ平和の象徴とされるのか
みなさんは白い鳩をご存知ですか?マジックなどでみたことがある方もいるのではないでしょうか。鳩」と聞くと、やはり平和の象徴としてのイメージを思い浮かべますよね。そもそも、なぜ鳩が平和の象徴なのかをご紹介します。
旧約聖書に登場する「鳩」
そのルーツは、なんと旧約聖書にありました。旧約聖書に、「ノアの箱舟」という物語がありますよね。「ある日、神は堕落した人間たちを滅ぼすため大洪水を起こしました。しかし、そのことをあらかじめ知っていたノアは、作り上げた箱舟に動物たちを乗せて危機を脱します。
しばらくして、洪水が収まったかを確認するために鳩を放ったノア。ノアは、放った鳩がオリーブの若葉をくわえて帰ってきたことで、洪水が収まったことを知る」という内容なのですが、これがきっかけとなりました。
日本でも「鳩」は特別な存在だった
鳩が平和のシンボルとして考えられる由来は、日本にも存在しているのです。昔から日本には、中に鳩が描かれている家紋が存在していました。これには、戦に勝つための戦勝祈願として参拝する神社の使者が、鳩だと考えられていたことが関係しているそうです。
鳩が平和や愛のシンボルであるという認識は、世界中に広まっているのが分かりますね。しかし、シンボルとして考えられているのはあくまで「白い鳩」であり、私たちがよく街で見かけるような灰色の鳩ではないのです。
ドバトとは違うの?白い鳩の種類とは?
平和のシンボルとされている白い鳩、街で見かけることなんてほとんどないですよね。私たちがよく見かける灰色の鳩と白い鳩の違いは何なのか、また白い鳩はどう生まれるのか、などを徹底解説します。
街で見かける鳩の種類と特徴
私たちが普段街で見かける灰色の鳩は主に2種類います。ひとつは「ドバト」と呼ばれる種類の鳩です。もともとは伝書鳩に育てる目的で飼育されていたものが、野生化したといわれています。首筋にある、青と白の縞模様が身体的特徴です。
また、ドバトの特徴としてあげられるのが「強い繁殖力」です。鳩による被害は年々増える一方ですが、その犯人はほとんどがドバトといわれています。さらに巣への執着心が強いため、一度巣を作られると、何度追い払おうとも帰ってきてしまうという特徴もあります。
もうひとつが「キジバト」と呼ばれる種類です。キジバトは、ドバトに比べて身体的特徴が多いので見分けやすいでしょう。全体的に赤紫がかっていたり、背中にうろこ模様があったりすれば、キジバトである可能性が高いです。
また、個性的な鳴き声もキジバトの特徴のひとつです。ドバトは「クルルルー」と鳴くのに対して、キジバトは「ドゥードゥー、ポッポー」という鳴き声で鳴くそうです。
白い鳩の種類と特徴
白色の体を持つ鳩は、主に2種類存在します。ひとつは「ギンバト(銀鳩)」という種類。ジュズカケバトという種が、色素の減少により白く変色したことを改良して作られたそうです。
おとなしく、人懐っこい性格であることから、手品などに使われることも多いギンバト。もちろん、その愛らしい見た目と性格ゆえに、ペットとして飼う人も多いのだとか。値段相場は、ペットショップで購入する場合、5,000円~10,000円以内となっています。
もうひとつは「シラコバト」という種類。埼玉県の県鳥でもあるシラコバトですが、かつて絶滅が危惧されるほど個体数が減少したこともありました。ギンバトと違い、シラコバトはすべてが白い鳩ではありません。
本来は薄い灰色に白い尾を持つシラコバト。しかし、まれに「アルビノ」という種類が生まれることがあります。アルビノとは、遺伝子が欠損することによってメラニンが減少し、色素が薄くなるという先天性の病のひとつです。
これは鳩以外の動物や人にも見受けられる症状なのです。もともと白いわけではない鳩から、真っ白な鳩が誕生することがあるというのは驚きです!
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白い鳩を飼いたいときどうしたらいい?
「白い鳩って見た目もかわいいし、懐きやすい性格なんだ!飼ってみたい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。ペットに向いている動物ではありますが、飼うときにはいくつか注意が必要なので確認しておきましょう。
野生の鳩を飼うのはやめよう!
珍しい存在であることに間違いはありませんが、街で見かけることもある白い鳩。しかし、野生の鳩を捕まえて飼うことはできないので注意しましょう。鳩に限らずですが、日本に生息している野生動物のほとんどが「鳥獣保護管理法」という法律で保護されています。
勝手に捕獲することは禁止されており、もちろん飼育することもできません。また、野生の鳩にはほぼ必ずダニやノミ、または人体に影響を及ぼす菌が付着しています。飼い主さんや、その家族、飼っているペットなどにも影響を及ぼしかねません。
どこで購入すればいいの?
鳩を飼いたいときは、やはり無難にペットショップをあたりましょう。白い鳩は人気のあるペットなので、取り扱いのあるお店は多数あります。しかし、ネットで検索したペットショップから通販で鳩を購入することはできないことをご存知ですか?
鳩は通販で販売されることが禁じられている動物のひとつなので、ネットで発見したペットショップを利用する際も、店舗へ直接足を運んで購入することになります。
白い鳩がベランダに来たら……捕獲はおすすめしません
白い鳩が家のベランダに飛んできた!なんてことも、もちろんあるでしょう。誰かがペットとして飼っていた鳩が逃げ出したという場合もありますが、野生である可能性が否定できない限りは駆除対象としてみなすべきです。
なぜ野生の鳩が危険なの?
捕獲が禁じられている動物であることや、有害な細菌を持っている可能性があることは前述しました。野生の鳩が危険な理由は他にもあります。それは「ふん害」。
日常生活で目にかけることも少なくないふん害ですが、放っておくといろいろ危険があることをご存知ですか?
多くの雑菌を含んだふんは乾燥すると、空気中に飛散し、人体にも影響を与えます。それが原因で病気になることも珍しくありません。他にも、ふんをえさとする害虫の発生を促したり、ふんに含まれる酸成分で金属を溶かしたりすることも。ふん害は放置しておくことでさまざま二次災害を起こす厄介な問題なのです。
自分で駆除はできる?
「駆除が必要なことは分かったけれど、鳩を追い返すことくらい自分でできるのでは?」と思う方も多いと思います。最近では、市販の鳩対策グッズも多く販売されていますよね。しかし、鳩対策をおこなう人の中には初心者の方が多いのではないでしょうか?
鳩対策グッズを正確に使いこなすことができればいいのですが、詰めが甘く、鳩が敷地内に侵入するすきを作ってしまうと逆効果です。
鳩は、一度ふんをすることができた場所は安全な場所であると認識する動物。あやまって鳩の侵入を許してしまうと、何度追い払っても鳩がいなくなることはありません。
また、法律で保護されている鳩をむやみに駆除することは、さらなるトラブルを引き起こしかねないですよね。そんな時は、専門業者に駆除を委託することをオススメします。
たった一回の侵入を食い止められるかどうかで、鳩トラブルに巻き込まれるかが決まることを忘れないようにしましょう。
まとめ
昔から世界中で「平和の象徴」とされてきた白い鳩についてご紹介しました。普段よく街で見かける鳩との違いや特徴について、分かっていただけたと思います。かわいらしい見た目に、人懐っこい性格の持ち主である白い鳩をペットとして飼いたいと考えている人も多いでしょう。
しかし、法律で保護されている鳩は取り扱いに注意が必要な動物です。鳩を飼うことを検討されている方は、ペットショップに赴き、購入するようにしましょう。また、鳩による被害の対策を考えている方もいると思います。
無理に自分で対策を済まそうとせず、専門業者に委託してみましょう。馴れない作業で、鳩の侵入を許してしまったり、鳩を傷つけてしまったりすることもあります。鳩にも環境にも優しい方法で、鳩対策をしましょう。