忌避剤による鳩対策をおこなう際は、被害レベルに合った種類の商品を選ぶようにしましょう。忌避剤にもいくつかの種類があり、鳩がその場所にどれくらい居ついているかによって、有効な忌避剤は変わってきます。なにも知らずに選んでしまうと、十分な効果を得られないこともあるのです。
この記事では鳩の忌避剤の種類や使い方をはじめ、被害レベルに合わせたおすすめの忌避剤を紹介しています。「効果的な鳩対策をしたいけど商品選びで困っている……」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
効果的な忌避剤を選ぶための事前知識をつけておこう!
鳩の忌避剤は、大きく「固形」「スプレー」「ジェル」の3種類に分けられます。それぞれに特徴があり、使用方法や使うのに適した場所も変わってきます。適材適所で忌避剤を使用して効果を得るために、忌避剤の事前知識を身につけておきましょう。
そもそも忌避剤とは
忌避剤は、鳩が嫌うにおいや味、感触の成分を含んだ薬剤です。そういった成分を感じると鳩はその場所を嫌な場所だと覚え、近づかなくなります。薬剤を散布したり置いたりするだけでよいので、手軽にできる鳩対策のひとつです。
また、忌避剤は安全性も高い対策法です。鳩など鳥類を許可なく殺傷することは鳥獣保護管理法で禁止されているため、基本的に鳩の忌避剤には有毒な成分は含まれていません。天然由来のものなどは万が一人間が触ったり吸い込んだりしても比較的安全ですので、安心して使える対策グッズだといえます。
ただ、おもににおいで追い払うという性質上、人によっては強いにおいで気分が悪くなるということもあります。また、すでに鳩のフンなどが大量に落ちているような場所では、フンのにおいに負けてしまって十分な効果が得られないこともあるので、フンを掃除してから使用しましょう。
固形
固形の薬剤をベランダの手すりに貼りつけたり、物干し竿(ざお)に吊るしたりして使用します。効果は1ヶ月程度のものが多く、簡単に設置や移動ができるのがメリットです。ただ、雨に濡れると効果が薄まってしまうことがありますので、ベランダや軒下など屋根のある場所での使用が向いています。
鳩が忌避剤を避けて侵入してこないよう、1mほどの間隔でいくつか設置するのがポイントです。吊るすタイプの忌避剤で空中からの侵入を防ぎ、スプレータイプやジェルタイプを手すりなどに散布して鳩が止まるのを防ぐというのも、効果的な方法でしょう。
スプレー
液状の薬剤を鳩がよくくる場所に吹きつけておくことで、鳩を追い出すタイプです。吹きつけた場所には成分が残り、忌避効果が持続します。効果の持続する時間は製品によって3時間程度のものや、1~2日ほどのものなどがあります。
スプレーで吹きつけるだけなので手軽に使うことができ、手の届きにくいような場所でも対策をしておくことが可能です。ただ、効果のある時間が比較的短いので、十分な効果を得るためにはこまめな散布が必要です。比較的初期の鳩対策に向いているといえます。
また、見た目は殺虫スプレーなどと似ていますが、鳩に直接スプレーを吹きつけないほうがよいでしょう。害がないとはいえ、鳥獣保護管理法に違反するおそれがあります。
ジェル
鳩がくる場所にジェル状の薬剤を塗りつけておく忌避剤です。鳩が止まったときに粘着性のある薬剤が体に付着することで、飛び立った後にも鳩に強い嫌悪を感じさせ、この場所に近づきたくないという強烈な印象を植えつけます。
ほかの忌避剤に比べると価格が高めの傾向にあり、塗りつける際にはコーキングガンなどの工具が必要な場合があるというのがデメリットです。一方、雨や風に強く、持続期間も1年以上などと長いため、一度施工すれば一定の効果が期待できるでしょう。
どのタイプでも忌避剤を使った鳩対策は安全である一方、効力が穏やかであるともいえます。鳩がその場所を嫌な場所だと覚え、寄りつかなくなるのには数週間程度かかることもあるのです。忌避剤を使って鳩を追い払うには、ある程度の根気が必要だといえます。
より素早く確実に鳩がこないようにしたいのであれば、鳩対策の業者に依頼して忌避剤以外の防鳥ネットや防鳥スパイクなどの対策を併用するのもおすすめです。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
忌避剤の種類は「被害レベル」で決める!
どのようなタイプの忌避剤が適しているかは、鳩がどれくらいその場所に執着しているかによって変わってきます。執着が強ければ、それだけ強力な対策が必要です。鳩の被害は大きく4段階に分けることができ、被害の程度を確認すれば鳩がその場所にどの程度執着しているのかを推測できます。
被害レベルの目安と鳩の状態を解説しますので、現在の被害状況がどの段階にあたるのか確認し、適した忌避剤を選択しましょう。また、被害がより深刻になると忌避剤では対応しきれないこともあります。その判断基準についても解説します。
被害レベル1:休憩鳩【効果的な忌避剤:固形・スプレー・ジェル】
「早朝や昼間にときどき鳴き声がするが、1~2匹ほどで、1時間程度でいなくなる」「少量のフンが落ちている」という場合、被害はまだ初期の段階です。この段階で現れる鳩は、その場所を巣とえさ場を行き来する途中の休憩場所に使っています。
鳩が移動の途中で立ち寄る休憩場所はほかにもたくさんありますので、それほど執着は強くありません。そのためほとんどの忌避剤で効果が期待できるでしょう。
被害レベル2:待機鳩【効果的な忌避剤:固形・スプレー・ジェル】
「屋根の上などに数匹の鳩がたむろしている」「いつも同じ場所にフンが落ちている」といったときは、寄りつく鳩が増え、滞在時間も長くなっている兆候です。鳩たちはそこを、仲間が集まる待ち合わせ場所にしてしまいます。
鳩はまだそこが安心できる場所か探っている状態ですので、この段階ではほとんどの忌避剤で効果が望めます。落としていったフンや羽などもこまめに掃除して、そこに人間の目が届いていることをアピールしましょう。
被害レベル3:ねぐら鳩【効果的な忌避剤:ジェル】
安心していられる場所だと認識すると、鳩はそこを巣に帰れなくなったときの宿泊施設として利用しはじめます。「暗くなってからも気配を感じる」「ベランダに置いてある室外機の裏にいる」など、人間の生活スペースにも侵入してくるようになります。鳴き声やフンの量も増大し、景観や衛生面での被害が深刻になる段階です。
この段階になると鳩はその場所への執着が非常に強くなり、多少嫌なにおいがするくらいでは我慢して侵入してきます。とくに持続時間の短いスプレータイプでは、ほぼ効果は期待できないでしょう。鳩により直接的なアプローチができ、持続時間も長いジェルタイプの忌避剤での対処がおすすめです。
忌避剤だけでは対応しきれないケースについて
ねぐら鳩がさらに進行すると、完全にその場に巣を作って住みついてしまいます。鳩はもうそこで子どもを産んで家庭を築き、骨をうずめるつもりでいます。こうなると、少し嫌がらせをしたくらいではとても追い払えません。
防鳥ネットを使って物理的に侵入を防いだり、防鳥スパイクを設置したりといった別の対策が必要です。忌避剤以外の鳩対策については、この後の「忌避剤以外の効果的な鳩対策について」でもくわしく解説しますので、ご参考ください。
また、鳩の巣に卵やヒナがいる場合、鳥獣保護管理法によって自分で撤去することはできません。巣を作られてしまったときには、必ず業者に依頼するようにしましょう。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
忌避剤以外の効果的な鳩対策について
すでに鳩の被害が進行していると、忌避剤だけでは十分に対策ができないことが多いです。そのようなときにはどんな対策をすればよいのでしょうか。忌避剤以外の効果的な対策についてもみてみましょう。
鳥よけネット
鳩がくる場所をネットで覆って侵入を防ぐ方法です。鳩は物理的に入ってこられなくなりますので、巣があるなどかなりの執着をもっているような場所でも効果があります。ただ、設置部分などに隙間があるとそこから鳩が侵入してしまうことがありますので、確実に隙間なく施工することが重要です。
また、鳩が入ってこられない網目のサイズのものや、十分な耐久性のあるものを選びましょう。景観が気になるという方は、目立ちにくい透明のものもおすすめです。
鳥よけスパイク
「鳥よけシート」や「鳥よけ剣山」などとも呼ばれ、無数の針がついたシートを敷き詰めて鳩が止まる場所をなくすという対策法です。止まる場所がなければ鳩は侵入できませんので、こちらも効果的な方法です。
スパイクの素材や長さにはいろいろなものがあります。十分な効果を得るためには、ある程度長くて硬いものがよいでしょう。短いものや柔らかいものだと、鳩が止まることができてしまうおそれがあります。また、ほかに鳩が止まる場所がないよう隙間なく敷き詰めることが大切です。
巣がある場合は業者へ!
家の敷地内に鳩が巣を作り、そこに卵やヒナがいるという段階になると、ネットやスパイクで侵入を防いでも根本的な解決にはなりません。巣がそこにある限り親の鳩はそこに執着し、侵入しようとしてくるでしょう。
しかし、鳩の巣は自分で勝手に撤去したり移動させたりすることはおすすめしません。卵やヒナがいる巣は、鳥獣保護管理法によって自分で撤去や移動をすることは禁止されています。卵やヒナがいないとしても、鳩の巣には鳩のフンやダニなどがたまっており、人間にとって有害な病原菌に触れてしてしまうリスクがあります。
鳩の被害が進行し、巣を作られてしまったときには、鳥害対策の業者に依頼するのがおすすめです。鳩の習性を熟知している業者であれば、被害レベルをみきわめ、最適な対策法を判断することができます。
自分では難しい場所にネットやスパイクを施工し、より確実に鳩を追い出すことができるでしょう。また、鳥害対策の業者では鳩のフンや死骸などの片付けも引き受けてくれます。鳩の被害にお困りなら、まとめて業者に任せてみるとすべて解決するかもしれません。
弊社では、鳩被害の対策に対応している業者を無料でご紹介しています。紹介料や見積り料は無料ですので、「どこの業者に頼めばいいのかわからない」というときにはぜひお気軽にご相談ください。