公共の広場や個人邸の庭などに、美しい芝が広がっていると気持ちも落ち着きますよね。
しかし芝生を植栽し美しさを長く保つためには、芝刈りはもちろん雑草の除去や目土入れ、土の管理や肥料をあげるなど細かな手入れが必須となってきます。
除草剤を使用し雑草を除去しようとしても、雑草の種類を調べそれに合ったものを使用しなければならないなど手間がかかります。
芝は適切な時期に適切な長さに何度も刈ることで密度を増し、美しい芝になっていきます。そのためには芝の種類によって異なる芝刈りの時期や、適切な長さについて知っておく必要があります。
ここでは芝の種類ごとの芝刈りの時期、初めて芝刈りを行う際の注意点、芝の用途ごとの適切な長さや芝刈りのスケジュールなどについてご紹介します。
芝刈りの時期は芝の種類によって変わる
定期的に行う芝刈りですが、実は芝刈りには適した時期があります。また、芝の種類によって成長する時期が異なるため、芝刈りに適した時期が変わってきます。
芝生を「暖地型芝生」と「寒地型芝生」の2つに分け、それぞれの芝刈りに適した時期を説明していきます。
暖地型芝生の芝刈りは5~10月に行う
暖地型芝生は、ティフトン芝や高麗芝、野芝などの種類の芝のことです。これらは気温25度以上の暑い場所で成長し、冬になると枯れたような状態になります。
春から秋にかけて成長し、夏は特に大きく成長します。
そのため暖地型芝生の成長時期である5月から10月が芝刈りに適した時期となります。冬になると色が茶色くなり枯れたように見えますが、これは一時的な冬眠であるため春になれば緑色が戻ってきます。
寒地型芝生の芝刈りは3~11月に行う
寒地型芝生は、ケンタッキーブルーグラスやベントグラスなどの種類の芝のことです。
これらは気温15度から20度の寒い地域の気候に適しているため春と秋に旺盛に成長し、5度以下では成長が止まるため寒い冬には成長が止まります。寒地型芝生は暑さに弱いため、夏になり30度を超える日が続くことがあれば夏枯れを起こす場合もあります。
暑い時期に芝生が伸びすぎると風通しが悪くなり、病害虫が発生する恐れがあります。しかし、葉を短く刈り直射日光が当たりすぎると枯れる原因になります。
そのため夏には長さの微調整が必要となります。
また、よく成長する春と秋にはきちんと芝刈りを行う必要があるため、3月から11月が寒地型芝生の芝刈りに適した時期となります。
初めての芝刈りは根が張ってから行うこと
芝生を苗から植えた場合も、種から育てた場合にも、根がしっかりと張ってから芝刈りをするようにしましょう。根の張り具合を確認する方法ですが、苗を植えた場合には芝を引っ張ってもはがれる様子がなければ根がしっかりと張っているということが確認できます。
種から育てた場合には、長さが7センチ以上になり芽が3本ほどに分裂し、引っ張っても抜けなければ根がしっかり張っているとわかります。
根が張っていることを確認できたところで芝を刈りますが、そのときに注意すべきポイントがあります。まず、刈り高の2/3~半分ほどを刈るようにしましょう。また芝は必ずしも均等に成長するわけではないので、刈り高にもムラが出てきます。
まだあまり伸びていない方の芝に合わせて刈ってしまうと長く伸びている芝がその後伸びすぎてしまうことになるため、長く伸びている方の芝に合わせて刈るようにしましょう。
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理想的な芝刈りのスケジュール
芝は、伸びてきたと気づいてから刈るのでは遅いと言われています。また、芝生の用途や種類に合わせて長さを決める必要があり、その長さに合わせて芝刈りを行うスケジュールが決まってきます。
ここでは芝生の用途や種類ごとに適している長さ、芝を刈るスケジュールについて見ていきましょう。
用途・理想とする高さで芝刈りの頻度・スケジュールを決める
芝の種類・用途ごとの刈り高の目安
・ベントグラスをゴルフ場のグリーンにする→ 5mm
・ベントグラスを芝庭用、観賞用にする→ 10mm~15mm
・ビバターフ(ケンタッキーブルーグラス)→ 25mm~30mm
・ジョイターフ (トールフェスク、ケンタッキーブルーグラス混合)→ 30mm~35mm
理想とする高さで芝刈りを行うスケジュール
・10mmで刈り揃える→15~20mmに伸びたら芝刈りする
・15mmで刈り揃える→20~30mmに伸びたら芝刈りする
・20mmで刈り揃える→30~40mmに伸びたら芝刈りする
芝刈りをきれいに仕上げるポイント
一通り芝刈りを終えた後、お庭や敷地の端のほうまでちゃんと刈られているかを確認しましょう。
大きな芝刈り機ではなかなかコーナーなどの細かい部分を刈りきるのが難しいです。
そこで際刈り用のバリカンなどを使用しきちんと端まで刈ることで、よりきれいに刈ることができるでしょう。
また、芝刈り機で刈ったラインとクロスする方向でもう一度刈り込みを行うことでより美しい見た目に仕上げることができます。
きれいに芝を刈りたいとお考えの方にはおすすめの方法と言えます。
雨天時や雨上がりは芝刈りに適さない
芝生を刈るときは、よく乾いているときに刈るようにしましょう。
雨が降った日や翌日などに、芝生が濡れている状態で芝刈り機を使えば水が故障の原因となったり、漏電や感電する恐れもあるためとても危険です。
芝生は濡れていると滑りやすく、芝を刈る際に泥がはねることもあるため雨が降った日やその翌日はなるべく避けるようにしましょう。
また、雨の日には地面が柔らかくなっているため芝が倒れていることがあり、きれいに芝を刈るのがなかなか難しいです。
そのため刈っても仕上がりが汚くなってしまいます。
芝刈りは芝がきちんと乾いた状態で行うようにしましょう。
しかし梅雨の時期などは雨がいっこうに止まず、芝刈りをできないでいる間に芝が伸びすぎてしまうということもあります。
梅雨などの雨が続く時期には少しでも芝が乾きそうなタイミングを見逃さないようにして、芝刈りを行いましょう。
時間も考慮する
芝刈りを行う時間帯にも気を付ける必要があります。芝刈り機の音は騒音として近所の人の迷惑になることもあります。
そのため芝刈り機を使用するときには早朝や夜は避けるようにしましょう。
また、芝刈りは特に暑い時期に行うことが多いため、熱中症にも気を付ける必要があります。
真昼の炎天下の中で芝刈りを行うのは危険なため、午前中や日が沈みかけている夕方などに行うようにしましょう。
このように芝刈りを行うときには時間帯にも気を配る必要があります。
まとめ
・芝の種類によって適した時期が違うため、暖地型芝生は5~10月、寒地型芝生は3~11月に行う
・初めての芝刈りは根が張っていることを確認してから行う
・芝の種類や用途にあわせた長さで芝刈りを行う
・芝の刈り残しをなくし、ラインにクロスさせ刈り込みを行うことでより美しい芝生にしあげることができる
・芝刈りは芝がきちんと乾いているときに行う
・騒音や熱中症などに気を付けて、芝刈りを行う時間帯を選ぶ
芝生をきれいに保つためには苦労と工夫が必要になります。一度芝生がダメになってしまうと、再び成長させるのは困難です。
ご自身の芝がどの種類でどのような用途なのかをしっかり理解したうえで、適切な芝刈りを行うようにしましょう。