芝生をきれいに保つために、芝焼きをしてみようとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。芝焼きは単にバーナーで雑草を焼けばよいというほど簡単な話ではありません。
芝焼きをしてもよい品種や、時期を確認する必要があります。また注意事項を守っておこなわないと火災や近隣トラブルの原因ともなりかねません。
そこで本コラムでは、初めて芝焼きをやってみようとお考えの方のために、芝焼きをおこなう時期や方法、さらに芝焼きがNGなケースをご紹介します。ただし芝焼きにはデメリットがあることも頭に入れておく必要があります。
そこで芝焼き以外のお手入れ方法や芝生のメンテナンスを業者に依頼したときの費用相場もご紹介します。いつまでもきれいな芝を維持するためにも、このコラムをぜひお役立てください。
芝焼きをおこなう時期・方法
早速芝焼きの効果と適切な時期・方法を確認していきます。芝焼きは火を使うため、方法を誤ると火事になるおそれがあります。ポイントを抑えて安全に芝焼きをおこなってください。
芝焼きの効果とは?
まず芝焼きをすることで得られる4つの効果を詳しくみていきましょう。
1.雑草を除去する
雑草やその種を除去できます。このあと説明しますが、芝焼きは2月におこなうため冬に生える雑草の除去に効果を発揮します。
2.害虫(幼虫)を駆除
芝や後述するサッチに隠れた害虫の駆除や病原菌の殺菌ができます。この病原菌は芝生に変色や菌糸の付着をもたらします。放置しておくと芝生がすべて枯れてしまうこともあるのです。
3.サッチの除去
サッチとは表層土壌にたまったゴミのことです。表層土壌には積もった刈り草や冬枯れした葉、古い根などがあります。サッチは、土壌の通気性や水はけを悪くし、芝の発育に悪影響を及ぼします。
4.新芽が早く出ることも
芝生の生長環境を整えることで新芽が早く出やすくなります。サッチを除去することで土壌の水はけや風通しが良くなります。また、芝焼きで発生する墨や灰が、強い酸性の土壌でも芝生が成長しやすい弱酸性に変えてくれる作用もあるのです。
このように、芝焼きには雑草や害虫の除去だけでなく、水はけや風通しのよい弱酸性の土壌に変えることで、新芽が成長しやすい土壌を作っていることがわかります。
芝焼きをおこなう適期
芝焼きの適切な時期は2月です。おこなう時期が早すぎると土壌が寒気にさらされて、3月には芝の新芽が芽吹き始めるからです。また枯草が乾燥しているため燃えやすいメリットがある反面、風の強い日は火の回りが早いため芝焼きは避けましょう。
芝焼きの方法と必要な道具
まず芝焼きに使う道具を確認していきます。
- 草焼きバーナー、ボンベ
- バケツに汲んだ水
- レーキ(草を集めるための農具)、熊手
それでは芝焼きの手順をみていきます。
1.水を撒く
芝焼きする範囲外に散水して燃え広がりを防止します。
2.サッチを起毛させる
レーキや熊手でサッチを起毛させます。芝焼きする範囲のサッチをすべて起毛させておくと火の回りがよくなります。
3.芝生の表面を焼く
ポイントは風下から炙るように焼くことです。風上から焼くと火が風にのって辺りに燃え広がるため、風下から焼いてください。バーナーで炙るように焼くとまんべんなく焼くことができます。万が一、火が燃え広がったときのために、必ず汲み置きのバケツを用意しておきましょう。
4.火を消して完了
汲み置きの水を芝生にかけます。燃え残りがないようにまんべんなくかけてください。
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要注意!芝焼きNGなケースとは
芝焼きは芝の生育にかかせないことです。しかし、芝焼きをしてはいけないケースもあります。誤った芝焼きによって芝を枯らせてしまうばかりでなく、火災や近隣トラブルの原因となることもあります。これから説明するNGケースもしっかり頭に入れておいてください。
芝焼きに不向きな品種に注意!
寒地型芝は芝焼きができない品種です。寒地型とは関東地方以北の寒い地域に生える芝です。冬でも青々としている反面、夏の暑さに弱いという特徴があります。そのため寒地型芝を焼いてしまうと、冬の青々とした芝生の美しさが損なわれてしまうのです。
芝焼きができる種類は暖地型芝に限られます。暖地型芝とは関東地方以西に生える芝で冬は表面が枯れて白くなる特徴があります。芝焼きは冬枯れしている品種に限っておこなうようにしてください。
こんなケースは芝焼きNG
以下の3つに当てはまるときは芝焼きを避けるケースです。必ず守って火災や近隣トラブルを未然に防ぎましょう。
・風が強い日
風が強いと火の回りが早くなるため火事を引き起こす原因になります。また、煙が隣家に飛んでいくと近隣トラブルにもつながります。
・近隣の迷惑になる場合
芝焼きの煙によって、近隣に迷惑をかけないように注意しましょう。煙によって近隣住民は、洗濯物を干せなかったり窓を開けて換気できなかったりして困っていることも考えられます。
芝焼きをする前に近隣の人たちに一言かけたり、芝焼きを頻繁におこなうことを避けたりといった配慮を心がけて、近隣トラブルを防ぎましょう。
「野焼き」は禁止されており、これに該当してしまうような芝焼きをおこなうと法律違反となります。ゴミを燃やしたときのようにモクモクと煙ができるような勢いはやめましょう。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」によると、野焼きとはゴミなどの廃棄物を敷地で燃やすことと定義しています。もし、この法律に違反して野焼きをおこなうと、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、または両方が科せられることがあります。
芝焼きはゴミを焼くわけではありませんから、法律で禁止されてはいません。しかし、ゴミを燃やしたときのように、視界を遮るような量の煙や、周囲の人がせき込んでしまうほどの煙が出ると、近隣住民に迷惑をかけるため通報されるおそれもあります。
そのため、芝焼きをするときは、火の勢いや煙の量を抑えながらおこなうように心がけてください。
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芝焼き以外の手入れ方法|草刈り機・除草剤
芝焼きは手軽にできる芝のメンテナンスですが、同時にデメリットもあります。もっと手軽にできるお手入れ方法があれば知っておきたいですよね。
そこで、芝焼き以外のお手入れ方法も紹介します。ただし芝のお手入れは頻繁におこなう必要があるため、すべてを自分でおこなうことが難しいケースもあります。お手入れをプロに任せたいという方のために、業者に草刈りを依頼したときの費用相場もご紹介します。
芝焼きをするデメリットとは
芝焼きは火を使うことによるデメリットがあることを考慮しておきましょう。芝を燃やして発生する煙が悪臭の元になったり、近隣にも迷惑をかけてしまったりするおそれがあることです。
また芝の燃えカスから出る墨によって衣服が汚れるだけでなく、付近の白いコンクリートなどもきたなくなってしまうといったデメリットがあります。
芝焼きのほかに効果的な芝の手入れ法
それでは、芝焼き以外にできる芝のお手入れ方法を3つご紹介します。
・草刈り機を使う
草刈り機は柄の先に付いた円盤状の刃、またはナイロン製のカッターが高速回転することで草を刈る機械です。草刈り機を当てた範囲はまんべんなく刈ることができるため、草刈りだけでなく芝生の長さを揃えるときにも使うことができます。
・除草剤をまく
草を枯らせる農薬をまく方法です。除草剤は地中まで浸透するため、地中にめぐらされた雑草の根まで枯らすことができます。芝焼きや草刈り機では取れない雑草の除去に、効果を発揮します。
・手入れの理想の頻度
一般的な家庭の庭に生えている芝を想定してみましょう。高さ20ミリメートルの芝を維持したい場合、1週間に1回程度のお手入れが必要です。30ミリメートルの芝を維持するには月に3回~4回程度です。
成長期の芝の生育は早いため、少しの間でもお手入れをしないと芝が生え放題のきたない庭になるおそれがあるのです。そのため、自分で頻繁に手入れすることが難しいときは草刈り業者を利用することをおすすめします。
業者に依頼してかかる費用はどのくらい?
それでは業者に草刈りを依頼したときの費用相場を確認しておきましょう。おおむね1坪あたり500円~という業者や1平方メートルあたり500円~という業者が多いです。正確な費用を把握するためには、業者に現地を見てもらったうえで見積りを取ることが一番です。
弊社では、芝に関する豊富な知識を持った業者や、芝のお手入れ経験が豊富な業者と多数提携しております。ご相談いただければお近くの業者を現地に派遣いたします。24時間365日電話対応中ですから、芝のメンテナンスをお考えの方はいつでもお気軽にご相談ください。
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まとめ
芝焼きは2月ころ炙るようにまんべんなく焼きましょう。火災を予防するために汲み置きの水を用意することを忘れないでください。
芝焼きは芝生の生育に必要なものですが、冬枯れする暖地型芝にしかできませんから注意が必要です。また、火を使うため火災に注意することや、煙によって近隣に迷惑がかからないようにするといった配慮もかかせません。
家庭の庭に生えた芝生は週1回程度と高頻度におこなう必要があります。なかなか忙しくてすべてのメンテナンスができないときは、業者に芝刈りを依頼することで美しい芝生を維持することができます。
【芝生全般のお手入れに関する記事はこちら】
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