冬の時期になると、お家に植えてある庭木が雪によって被害がでないか、心配になってしまいますよね。みなさんは、“冬囲い”という言葉は知っていますか?寒い地域に住む方々は、毎年冬の時期になると、雪から木を守るべく、冬囲いという対策をおこないます。
聞き慣れない言葉かと思いますが、冬囲いをするのとしないのでは、雪による庭木への被害が格段に違っていきます。ここでは、冬囲いをおこなうメリットや種類、コストを抑える方法などをお伝えしていきます。
雪の寒さで植物は枯れてしまう?
植物にも、耐寒温度というものがあります。この温度を下回ってしまうと、枯れてしまうといった目安のようなものです。寒い地域に生えているような植物は寒さに強いですが、反対に熱帯地域に生えているような植物は寒さにあまり強くありません。
また、室内に置いておくような観葉植物の耐寒温度は高めであり、屋外などで育てているような植物は低いことが多いです。中には、耐寒温度が低い植物なのにもかかわらず、地面が凍ってしまうと枯れやすくなるものもあります。
しかし、一見寒さで枯れているように見えても、実は生きているなんてことがあります。その理由は、植物の細胞内にある水分が関係しています。細胞内にある水は糖分などが含まれており、寒さにより凍る温度は水よりも低くなります。
その水が凍らない限りは、枯れることは少ないと考えてよいでしょう。
植物の細胞の中にある水分には、糖分などが含まれています。ただの水ではないので、凍る温度は水より低くなります。見た目は凍っているように見えても、細胞内は生きていることがありますのでご安心ください。
まずは、庭木の雪対策をする前に、ご自身が育てている植物がどれくらいの温度まで耐えれることができるのか、一度確かめておきましょう。しかし、必ずしもこの温度以下だと枯れるというわけではありません。風や湿度によって左右される場合もありますので、ご注意ください。
雪の被害で多いのは、雪の重さによる枝折れがほとんど!
庭木を雪対策せずに放置してしまうと、どのような被害が起こるのでしょうか。実際に起こると考えられるトラブルや、雪が降ってしまった後の対応策についてお教えします。まだ雪対策をしようか迷っている方は、一度お考え下さい。
枝折れとはどんな状況?
枝折れとは、雪が木の枝に降り積もり、重さに耐えきれずに枝が折れてしまうことをいいます。枝折れをそのままにしてしまいますと、折れたところから細菌が感染し、最悪の場合枯れてしまうことがあります。
そのような雪の害を「冠雪害」と呼びます。また、積もった雪による圧により、枝が曲がったり、根元が引きちられたりすることを「雪圧害」と呼びます。
降雪後に気を付けるべきこと
もし対策をする前に雪が降ってしまったら、一度木の枝が折れていないかどうかを確かめにいきましょう。もし折れている枝がありましたら、枝の形を整えましょう。もし傷が大きいようでしたら、癒合剤を塗布してください。
木自体が傾いてしまっている場合は、そのままにすると倒れる危険性がありますので、ロープや支柱などで支えましょう。
庭木の雪対策といえば冬囲いと雪囲い!
庭木の雪対策には、どのようなものがあるのか、気になりますよね。実際に、寒い地域に住む方々は、どのような対策をしているのでしょうか。対策方法や、メリットについてお伝えいたします。
冬囲いとは
冬囲いとは、木が雪の重みによって折れてしまわないよう、保護することをいいます。庭木といっても、大きさや高さがそれぞれ異なります。冬囲いの種類はたくさんあり、庭木の種類によって、最も合う方法で雪から木を守ります。
雪囲いとは
雪囲いとは、雪からお家を守るためにおこなうことをいいます。家を守るという面では、冬囲いも同じですので、意味は同じといえるでしょう。屋根にたまる雪の重みによる家の落雪を防止するだけでなく、庭木を守るために雪囲いをおこないます。
ただし、地域によっては、冬囲いと雪囲いの意味が逆の場合があるようです。
冬囲いや雪囲いをするメリット
冬囲いや富雪囲いをすることで、雪の重さから守るのはもちろん、冷たい風を防ぐことができます。寒い地域の植物は耐寒温度があるといっても、冷たい風に長い時間さらされてしまいますと、耐えられなくなってしまうことがあるのです。
また、庭木を守るだけでなく、見た目の美しさも評価されます。雪が降っている時期ならではの光景であり、見る人を楽しませてくれます。
冬囲いをして庭木の雪対策をしよう!種類別に特徴を紹介
庭木の雪対策をしたいけど、家にある木はどの方法で対策をしたらいいのかわからない。どんな種類があるのか気になる。といった方のためにいくつが冬囲いの方法をお教えします。育てている木にぴったりのやり方がありましたら、さっそく試してみましょう。
縄巻き
低い木によく使用される方法です。枝が柔らかいので、簡単に縄でひとまとめに縛ることができます。まとめて縛る際は、折れないよう十分注意しましょう。また、縛る位置を揃えて、上を向くようにまっすぐ縛るのがコツです。
竹囲い
木の高さ関係なく使用できる方法です。3本以上の竹を使い、円錐の形になるように上を縛ります。竹の代わりに丸太を使用する場合もあります。また、ネットを円錐にかぶせることもあり、見た目の美しさ以外にも、雪が中に入りにくいといった利点があります。
こも巻き
藁で、「こも」と呼ばれるイネ科の多年草を編み、それを木の周りに巻き付けるやり方です。本来は、害虫を駆除する目的で使われていましたが、今は全体を覆うことで、防寒対策に使用されることが多いです。巻き付けるときは、落ちないように縄でくくり付けましょう。
雪吊り
松などの高い樹木は、この雪吊りという方法でおこなうのがよいでしょう。雪吊りには、「幹吊り(直吊り)」と「枝吊り」の2種類の方法があります。幹吊り(直吊り)では、木の上部に縄を設置し、枝を直接縛っていくやり方です。最終的には円錐になるよう、縄の長さを調節しましょう。
枝吊りは、木の真ん中に、あらかじめ縄をくくり付けた柱を立てて、枝の先まで放射線状に縄を張り、枝の先を縛るやり方をいいます。柱は木の1.5倍ほどの長さがあるものを用意して、木のてっぺんよりたかいところから張るようにしてください。
コストや手間を抑えた簡単な冬囲いの方法!
そろそろ雪が降ってきそうだし、庭木の雪対策でも始めようかな……と考えている方のために、簡易的で、コストを最小限に抑える方法をお教えします!
- 枝を縛るのに使用する縄を、ビニールテープにする
- 支柱の数を最小限に抑える
- 風が弱い場所で、寒さに比較的強い植物なら、防寒対策をしない
- 雪の被害を受けにくい形へ選定をしておく
これらの方法を試すことで、毎年訪れる冬囲いの負担も少しは減るかもしれません。ぜひお試しください。もし庭木の数が多くて自分一人では全部おこなえないようでしたら、専門の業者に依頼をしましょう。
まとめ
庭木の雪対策をする前に、今育てている植物の耐寒温度について調べてみましょう。耐寒温度はおおよその目安ですので、冷たい風や湿度により変動する場合がありますのでご注意ください。
もし対策をしないと、雪の重さにより枝折れなどの被害がでてしまい、最悪の場合、折れた箇所から細菌が感染して枯れてしまうことがあります。もし折れてしまったら、直ちに剪定をし、安全な状態にしてください。
冬が囲みは、木の大きさや高さによってやり方は異なります。さまざまな種類がありますので、育てている木に一番合った方法を探しましょう。
もし冬囲みをするのにお金がかかって大変……と感じるようでしたら、コストを抑える方法もありますので、ぜひ参考にしてみてください。