ワイヤープランツを育てるために、剪定は重要な作業です。ワイヤープランツの剪定は、伸びすぎてしまったツルを切り落として形を整える効果や、風通しをよくすることで新しい芽が出やすくなることが期待できます。
ただし、剪定をやり過ぎてしまい逆に芽が出てこなくなってしまうことがあります。正しい知識を持っておく必要があるでしょう。このコラムでは、正しい剪定の方法や育て方などワイヤープランツを育てるうえで知っておきたい情報を詰め込みました。ぜひ参考にしてください。
ワイヤープランツを剪定して伸びすぎを防ごう!
ワイヤープランツを剪定する目的や剪定の方法について説明していきます。ワイヤープランツのことをよく知ったうえで、剪定をおこないましょう。
ワイヤープランツとは
ワイヤープランツとは、名前のとおりワイヤーのような細いツルに小さい葉をたくさんつけた植物で、もともとはニュージーランド原産です。日当たりのいい場所でも、1日数時間しか日が当たらないような半日陰でも育てることができます。
しかし高温多湿に弱いことから、鉢植えで育てる場合には夏場は半日陰に置き場所を移しましょう。地植えの場合には西日の当たらない半日陰に植えることをおすすめします。また、寒さに強いですが霜には弱く、霜がかぶると葉が落ちてしまうことがあります。ただし葉が落ちてしまってもツルが生きていれば次の春に新芽を出すので気長に待ちましょう。
5月から8月は開花の時期で、白色の小さくかわいらしい花を咲かせます。11月に実らせる半透明の花のような形をした実はとてもかわいらしく可憐です。実は食べることもできて、ほんのり甘いのです。
ワイヤープランツを剪定する目的と頻度
ワイヤープランツが成長すると細いツルが伸びていきますが、絡まってしまったり、元気のない株が出てしまったりします。そんなときには剪定をおこなうことで健康なツルをより元気に育てることができるのです。
剪定の時期は4月から6月頃です。伸びすぎたツルや、葉が落ちたり変色したりしてしまったツルを剪定することで、新しい芽が生えやすくなります。剪定をしても夏にはすっかり育ち、葉の量も剪定前と変わらなくなっているくらいです。
ワイヤープランツは切り戻し剪定をしよう!
ワイヤープランツの剪定は、「切り戻し剪定」という方法をとります。剪定には形を形成する刈り込み剪定や、芽を摘む剪定などさまざまな種類があります。「切り戻し剪定」とは、幹から伸びているツルを半分から3分の1くらいまで切り落とす方法です。
この「切り戻し剪定」をおこなうと、切ったところから新しい芽が出てきてより元気に育てることができます。剪定をおこなうツルは、伸びすぎてしまっているものから、葉が落ちている・変色している・絡まっているなど成長の妨げとなっているものを選びます。
ワイヤープランツの植え替えはどうやる?
ワイヤープランツの植え替えの時期は真夏と真冬を避ければいつでも可能です。気温の変化などの負荷がかかっていない4月から6月の生長期に植え替えをおこなうと、株が弱っていても復活しやすくなります。とくに剪定と合わせておこなうことで活力が戻りやすいです。
鉢植えで育てている場合には、2年に1回植え替えをおこないます。これは、ワイヤープランツが成長して鉢が小さくなってしまったり、土が古くなって栄養分が少なくなってしまっていたりすることがあるからです。
植え替えのタイミングは、鉢の底から根が出たときです。根が生長したときに鉢が小さいと根詰まりのおそれがあるため、ひと回り大きい鉢に移し替えます。この根詰まりを起こしてしまうと水をうまく吸い上げられなくなってしまい、枯れてしまうかもしれません。
もしも根詰まりが起きてしまって、これ以上大きい鉢で育てるのは大変だというときは、地植えに変更するのもおしゃれでおすすめです。もしも自分で世話をするのが大変だというときには、プロにお任せするのもよいでしょう。
ワイヤープランツのさまざまな育て方
ワイヤープランツは気温の変化に強く、丈夫な植物であるため特別なお手入れをしなくても育ちます。しかし、より健康できれいに育てるには好む環境やお手入れ方法など知っておくと便利です。これから育て方についてお伝えしていきます。
ワイヤープランツが好む環境
ワイヤープランツは暑さには強いですが、夏場の直射日光を好みません。夏の強い日光に当たってしまうと葉焼けが起きて枯れるおそれがあるため、地植えをおこなうのなら半日陰となっているところをおすすめします。
もしも鉢植えをする場合には、外置きときには夏場は半日陰の風通しの良い場所に移し、屋内で育てている場合には、直射日光の当たらない場所に置きましょう。
冬の寒さには強いですが霜が付くと葉が落ちてしまうため、軒下など霜が付きやすい場所で育てるのは向きません。鉢植えの場合には、気温の下がった日には屋内に避難させておくのがよいでしょう。
ワイヤープランツの基本のお手入れ
ワイヤープランツの日頃のお手入れ方法をご紹介します。
- 水やり
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ワイヤープランツは水切れを起こすと葉が黄色くなります。葉の色をよく見て黄色みがかっていたら多めに水やりをするなど調節しましょう。地植えの場合は、植え付けしたばかりのときは水切れがないように水やりをおこないます。
しかし、あまりやりすぎるのも良くないため、雨が降らない日が続いて乾燥しているときに与えるくらいにしましょう。鉢植えの場合には、4月から10月ごろの気温の高い時期には水切れがないように水をよく与えるようにしましょう。
冬場は水のやりすぎによって枯れるおそれがあるため、土が乾いてきてから水を与えるようにしましょう。冬に屋内で育てるときには、暖房による乾燥に気をつけます。葉の元気がないと感じたときには霧吹きで葉に水を与えましょう。
- 肥料のやり方
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ワイヤープランツは肥料がなくてもよく育ちます。しかし、元気がなかったり株をよく生長させたかったりするときには、生長期に緩効性化成肥料や液体肥料を与えるようにしましょう。
- 病害虫の対策法
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ハダニやアブラムシ、カイガラムシが発生することがあります。とくに乾燥するとハダニが発生するようになるので、屋内で育てる場合には葉に霧吹きをかけるなど乾燥に気をつけましょう。もしも大量発生したときには殺虫剤を使用して駆除をおこないます。
【育て方1】小さいまま育てる方法
ワイヤープランツをあまり大きくさせずに育てるポイントは剪定です。ワイヤープランツはツルが伸びて広がっていくと根もしっかりしてきます。しかし、根がしっかりしてしまうと根詰まりを起こしてしまうため、大きい鉢に変えなければ枯れるおそれがあります。
根詰まりを起こさないためにはこまめにツルの剪定をおこない、根が大きくならないように気をつけましょう。屋内で育てている場合には、気温の影響を受けにくいため年中剪定をすることができます。根元から数本だけ残し、他のツルを剪定するなど好きな形にするとよいでしょう。
【育て方2】大きく育てる方法
ワイヤープランツを大きく育てたいときには、不健康なツルの切り戻しをおこなって生長をうながします。また、長さはあまり出したくないけど、葉の量を増やしたいという場合には、ツルの先端の芽を摘んで脇芽だけ残すという方法もあります。
葉を大きくしたい場合には、屋内で育てる方法が向いています。屋外であると気温や夏の強い日差しなどの影響を受けやすいため、葉が小さくなる傾向があるようです。屋内で温度を調整して育てると健康で葉の大きいものが育てられますよ。
【育て方3】ハイドロカルチャーで育てる方法
ワイヤープランツはハイドロカルチャーを用いて育てることができます。ハイドロカルチャーとは、ボールや小石のような形状の人工土を用いて植物を育てる方法です。土を扱うような要領で植物を植えることができますが、見た目がおしゃれであるのと、無菌であるためニオイが気になりません。
好みの容器にハイドロカルチャーを入れ、土に植えるようにワイヤープランツを植え込みます。ハイドロカルチャー用の根腐れ防止剤などもあるため、用途に合わせて使用します。水やりなども普通におこなうことができます。
ワイヤープランツが枯れる原因とその対策
ワイヤープランツは育てやすい観葉植物ですが、日光や水のあげ方によって枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
水や日光が原因で枯れた場合の対策
ワイヤープランツが枯れる原因と、それぞれの対策を見ていきましょう。
- 水不足
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ワイヤープランツは水不足によって枯れることがとても多いです。生長がはやいことから水切れを起こしやすい植物です。このためたっぷりの水を与えましょう。葉が黄色くなったら水切れの合図となるので、葉の色をよく見ておくことで枯れるのを防ぐことができます。
- 水のあげすぎ
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水が必要だからといって過剰な水やりをしてしまうと根が腐って枯れる原因となってしまいます。ワイヤープランツは多湿に弱いため、水のやりすぎによって土に白カビが生えてきたら合図となります。よく様子を見ておきましょう。
- 日照不足
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ワイヤープランツは半日陰でも育てることができますが、日陰に置きすぎても枯れの原因となってしまいます。夏場の直射日光でなければ基本的に日光に当てておいたほうが健康に育ちます。
日照不足になると弱いツルばかりが生えてしまい、枯れにつながります。細い元気のないツルばかりになってないか様子をよく見ておきましょう。鉢植えの場合には、日光の当たる場所にときどき置くことで元気に育てることができます。
- 直射日光
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ワイヤープランツは日光を好む植物ですが、夏の強い日差しに当たってしまうと葉焼けにより葉が枯れてしまうことがあります。西日にも弱いため、直接当たらないような場所に置くようにしましょう。
地植えの場合には、西日が当たりにくく、1日数時間は日光が当たる場所や、木陰から日光がときどき当たるような場所に植えることをおすすめします。
乾燥や霜などが原因で枯れた場合の対策
ワイヤープランツが枯れたときは原因別に対策をとりましょう。
- 乾燥
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水切れを起こすほかに、屋内で育てる場合には冷房や暖房が原因で乾燥が起こることがあります。直接エアコンの風が当たらない場所に鉢植えを置くなど、工夫するようにしましょう。葉がちりちりにしおれていたら乾燥の合図です。
また、乾燥によってマダニが発生しやすくなります。害虫の発生を防ぐためにも乾燥には注意し、もし葉が乾燥しているようなら霧吹きで葉を濡らすようにしましょう。
- 霜
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寒さに強いワイヤープランツですが、霜にはとても弱いです。霜が被ってしまうと葉が落ち、枯れてしまうことがあります。霜が原因でワイヤープランツの水分が奪われてしまうことが枯れにつながるようです。
軒下など霜のかぶりそうな場所に置くのは控えましょう。鉢植えの場合には、寒い日には屋内に避難させることもおすすめです。
- 根詰まり
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鉢植えの場合は根詰まりに注意が必要です。最初にご紹介したとおり根が生長しすぎて鉢のなかが狭くなってしまうことを根詰まりといいます。根詰まりを起こすと根に負担がかかってしまい、株が弱くなり最悪の場合枯れてしまいます。
鉢の底から根が見えたら相図です。一回り大きい鉢に植え替えをおこないましょう。もしも植え替えをしたくない場合には、ツルをこまめに剪定することで根が広がるのを防ぐことができます。
- 水耕栽培への変更
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土栽培から水やハイドロカルチャーに育て方を変更にしたときには根腐れしやすくなり、枯れるおそれがあります。途中で育て方を変えるとなかなか適応できずに弱ってしまうことがあるのです。
とくにハイドロカルチャーは土栽培のときより水の給水がよいため、つい水をやりすぎてしまうことがあります。水やりは様子を見ながらおこないましょう。
育て方を覚えたら飾り方にも工夫を
育て方を覚えたら飾り方にも工夫しておしゃれな部屋を完成させましょう。
ワイヤープランツにはいろいろな飾り方がある
ワイヤープランツは鉢植えや地植え、さまざまな場所で育てることができるため、飾り方も工夫次第でとても素敵なものができますよ。植物用のかごを使うハンギングをおこない上からつるしたり、高いところに鉢をおいて緑のカーテンのように垂らしたりしてもおしゃれですね。
地植えの場合には地面に敷き詰められた緑の絨毯のようなグランドカバーとしてワイヤープランツを使用してもとてもおしゃれです。また、グランドカバーとすることによって雑草の繁殖を抑える効果もあるので一石二鳥ですね。
ワイヤープランツを増やしてみよう!
ワイヤープランツは挿し木といってツルを切り落として増やすことができます。挿し木の手順は次のとおりです。
- 太いツルを15センチメートルほどに切り落とす
- 同じようなツルを10本用意して、植える部分の葉を取り除く
- 輪ゴムで束ねて鉢へツルを挿す
その後は土が乾かないようにこまめに水やりをし、新しい芽が生えたら根も生えています。生長に合わせて鉢の大きさを変えていきましょう。同じような手順で水の入った容器に入れたら水挿しになります。水差しの場合には、水に入れる部分だけ葉を落としてください。根が生えてきたら土に植えることもできます。
お庭を常に美しい状態に保つには?
植物を健康にキレイに保つには、植物それぞれにあったお手入れが必要です。肥料に水やりなど毎日のことから剪定までさまざまです。しかし、なかなか時間がとれなかったり、植物にあった剪定の方法をわからなかったりするとうまくお手入れできません。
そんなときは業者に依頼してみるのもひとつの手です。剪定だけでも業者に依頼すると、自分一人では数日かかる作業が数時間で終わるといったこともあるでしょう。お手入れに困ったら、業者に相談することをおすすめします。
業者に剪定を依頼したときの費用相場
業者に依頼する場合には、単価制で1本いくらという計算をする場合と、日給・時間制で1日または1時間いくらという計算をおこなう場合があります。
単価制の場合には、3メートル以下の低木は1本約3,000円、3メートルから5メートルほどの中木は約6,000円、5メートルから7メートルほどの高木は約16,000円ほどというのが相場です。
日給・時給制の場合には一人約20,000円前後、時給にすると約3,000円ほどというのが相場になります。このほかにも、作業費や出張費、枝の処分代などがかかる場合があります。剪定業者によって異なるので、見積りをおこなって費用を確認しましょう。
まとめ
ツルを工夫して飾るとお庭や自宅にワイヤープランツがあるだけでおしゃれな空間を演出することができます。ワイヤープランツはとても育てやすいですが、繊細な植物でもあります。元気に育てるには日頃の手入れと剪定がとても大切になってきます。
もしも自分で剪定をおこなうのが大変だと思ったときには、業者に依頼することもひとつも手です。プロの知識で作業してもらうことができるため、時間の短縮ができます。弊社では、24時間365日電話相談をおこなっています。剪定で不安なことがあったときにはお気軽にご連絡ください。お近くの剪定の業者をご紹介いたします。