ブラシの木は丈夫で育てやすい樹木なので、最初に育てる樹木として選んだ園芸初心者の方も多いでしょう。
ただそれだけに、お手入れの方法がわからずに戸惑ってしまうこともありますよね。
特に枝を切ってしまう剪定は樹木にとって負担が大きい作業なので、失敗しないかという不安があることでしょう。
ブラシの木の剪定は、時期と方法を正しく理解することが重要です。
剪定には樹木ごとに適した時期と方法があり、間違えると花が咲かない、木が弱ってしまうなどのトラブルにつながります。
- 基本的な剪定は花後におこなう
- 春の剪定は軽めにする
- 剪定方法は「切り戻し」と「間引き」を使い分ける
これらのポイントを押さえれば、ブラシの木の剪定に失敗する確率は格段に下がります。
しかし、初めて剪定をするときには具体的なイメージがつかめず、「うちの木の場合はどの枝をどの位置できればいいの?」と迷ってしまうことも多いでしょう。
大切なブラシの木をこれからも元気に育てていくためには、無理に自分で剪定をしようとせず、一度プロに相談してみるというのも1つの方法です。
経験豊富なプロの見本を見せてもらえば、今後は迷いなく自分で剪定ができるようになりますよ。
ブラシの木の樹形を整える剪定は花後にする
ブラシの木の剪定に最適な時期は、花が咲き終わる6月~7月頃です。
3月頃にも剪定は可能ですが、翌年に多くの花を咲かせることを重視するなら、剪定は花後がより効率的です。
ブラシの木は春から夏にかけて新しい枝を伸ばし、その先端に8月~9月頃に花の芽(花芽:かが)を作ります。
花芽は冬を越し、翌年の5月~6月頃に開花します。
花が咲いた枝はそのままにしておくとさらに枝を伸ばして、またその先端に翌年に咲く花芽を作ります。
今年花が咲いた枝を花後に短く切ることで、枝がどんどん長くなっていくのを防いで樹形を整えることができます。
花が咲いた直後の枝にはまだ花芽ができていないので、枝を切っても翌年の花付きに影響がないのです。
3月はブラシの木が新しい枝を芽吹き始める直前なので、剪定をしても翌年の花付きに影響が少なく済みます。
ただし、3月には花芽ができているので、切りすぎると今年の花数が減ってしまいます。
3月に剪定する場合は枝の先端についている蕾(つぼみ)をなるべく残し、不要な枝だけを取り除く軽めの剪定にするのがよいです。
真夏~冬の剪定は避ける
「ブラシの木の花が咲かない」「木が弱ってしまう」というトラブルの原因の多くは、剪定時期を間違えているということが多いです。
花芽が作られる8月以降に切った枝には、翌年に花が咲かなくなります。
それだけでなく、真夏の暑い時期に剪定をすると幹に強い日光が当たることで木に負担がかかり、葉が枯れたり春に芽が出なくなったりすることがあるのです。
また、ブラシの木は寒さに弱い特徴もあり、気温の低い秋~冬にも剪定をすると弱ってしまうおそれがあります。
ブラシの木には春と秋の二季咲きの品種もありますが、秋の花後には剪定をしないほうがよいのです。
ブラシの木の花を咲かせる剪定方法にはコツがある
ブラシの木の剪定は花後か春にできますが、どのタイミングでするかによって方法や注意点が異なります。
時期ごとの剪定方法のポイントをみていきましょう。
花後の「切り戻し」で花付きをよくする
6月~7月頃の花後の剪定では、枝を適度な長さに切る「切り戻し」という方法で剪定をします。
今年花が咲いた枝を、葉が残る位置で好みの長さに切りましょう。
ブラシの木は萌芽力が強く、基本的にはどの位置で切っても新たな枝を伸ばしてくれます。
ただし、枝の芽は葉の付け根から出るので、葉がなくなるとその枝は伸びにくくなってしまいます。
そのため、枝に葉を残すことを意識しましょう。
枝を短く切ることで、そこから枝分かれをして枝数が増えます。
ブラシの木の花は枝の先端につくので、枝を増やすことで花の数も増える効果があるのです。
春は「間引き」で不要な枝を整理
3月頃に剪定をする場合は、「間引き」という方法で剪定をします。
間引きは、不要な枝を根元から切って取り除く軽めの剪定です。
蕾をつけなかった枝、枯れた枝、生育の悪い枝、伸びすぎて垂れ下がった枝、混み合う枝などを根元から切り落としましょう。
枝数を適度に調整することで全体の日当たりや風通しがよくなり、枝や花芽の生長が促進されます。
剪定の失敗が不安なときはプロに相談してみよう
「剪定の時期を逃したがすぐに剪定したい」「大きくなったブラシの木を小さくしたいが、弱ってしまわないか不安」といった場合には、剪定のプロに任せるのが安心です。
確かな知識と経験をもったプロは、樹木の健康に配慮しながら適切な範囲を見極めて剪定をしてくれます。
生長が穏やかで樹形も乱れにくいブラシの木には頻繁な剪定は必要ないので、「枝が伸びてきて気になる」というときにプロに整えてもらっておけば、数年は美しい姿を保つことができます。
「自分で剪定をするのが面倒だ」という方も、一度プロに相談してみるのがおすすめです。
育て方のコツを知って元気に育てよう
ブラシの木を元気に生長させるには、剪定以外にもお手入れのポイントがいくつかあります。
個性的で鮮やかな花を毎年咲かせられるように、日頃のお手入れ方法も覚えておきましょう。
幼木には防寒対策をする
暖かいオーストラリアが原産のブラシの木は寒さには弱いので、基本的に寒冷地での栽培は向きません。
日本では温暖地域でも、冬場はブラシの木にとっては過酷な環境なので、冷たい風にさらされないような場所で育てるとよいです。
特に苗が幼いときは寒さへの耐性がいっそう低いため、防寒対策が必要となります。
寒冷地では鉢植えで育てるようにして、寒さが強まってきたら鉢ごと屋内へ移動してあげましょう。
地植えの場合は不織布シートで幹を保護したり、ウッドチップやワラなどで根元を覆ってマルチングをしたりするとよいです。
肥料の与えすぎに注意する
ブラシの木は、生長するのに多くの肥料を必要としません。
樹木が使いきれないほどの肥料を与えると、土に栄養分が過剰な状態になって根が肥料やけを起こしたり、害虫や菌が発生しやすくなったりします。
地植えで育てている場合は、1年に1度、2月頃の寒い時期に寒肥(かんごえ)として効果がゆっくり長く効く緩効性の固形肥料を与えましょう。
鉢植えで育てている場合は、年に2回肥料を与えます。
上記と同様に寒肥を与えるのに加えて、春に追肥(ついひ)を与えるとよいです。
肥料の量は少なめにしておきましょう。
日光に当てる
ブラシの木は日当たりがよい場所や明るい日陰という環境でよく生長します。
耐性が強いので日陰でも枯れることは滅多にないですが、日照量が不足すると間延びしただらしない樹形になってしまいます。
そうならないためにも、日当たりがよく風通しのよい場所で育てましょう。
水はけをよくする
ブラシの木はやや乾燥気味の環境を好みます。
鉢植えで育てるときは赤玉土が6割、腐葉土が4割という比率で混ぜ合わせた土壌が生育に適しています。
地植えで育てている場合は、水はけがよく栄養が豊富な、中性からやや酸性の土壌でよく育ちます。
植え付けの前に堆肥などを混ぜて生育に適した土壌を作り上げましょう。
種まきは結実から1年以上待つ
もしもブラシの木を増やしたい場合は、種をまくのが成功率が高い方法です。
ブラシの木の実は花が咲いたあと、枝に直接くっついた形でなります。
実は一見すると虫の卵のように見えます。
実は枝にくっついたまま残り、自然に落ちることはありません。
森林火災の多いオーストラリアに自生しているブラシの木は種を蓄え続け、火事のときや枯れそうなときに一斉に種を弾き飛ばすのです。
危機的な状況で他の植物よりもスピーディーに子孫繁栄の戦略だといわれています。
ブラシの木の種は実ができてから1年ほどたってから成熟します。
そのため、ブラシの木の種をまきたい場合には去年以前に結実した実を採取して、種を取り出してまきましょう。
植え替えは控える
ブラシの木は根が傷むと枯れやすいので、植え替えを嫌います。
地植えの場合は基本的に移植はできないと考えましょう。
鉢植えの場合も植え替えを何度もおこなうと弱ってしまうので、「根詰まり」を起こした場合のみ植え替えをおこないましょう。
鉢の底から根が飛び出している、水切れしやすい、葉が黄色いなどの症状が見えたら、根詰まりしている可能性が高いです。
植え替えは暖かい4月~9月の間におこないましょう。
できるだけ根を傷つけないよう、土を崩さないようにそっと鉢から株を取り出し、ひと回り大きな鉢に植え付けます。
植え替え直後のブラシの木は大変デリケートです。
しっかりと根を張るまでは、日当たりと風通しのよい場所で管理し、適度に水を与えましょう。
もしも「庭植えのブラシの木を移植したい」という場合は、プロに相談してみるのがおすすめです。
プロであればブラシの木にダメージを与えないよう細心の注意を払いながら、最適な場所へ移植をおこなってくれます。
また、「植え替えをしたらブラシの木が弱ってしまった」といった場合も、プロなら木の状態を診断して適切なケアをしてくれます。
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