カイドウは、原産国である中国では美人の代名詞とされていて、とても美しい花が咲く植物です。カイドウには、色や花の咲く向きなどが異なるいくつかの種類があります。
しかし、間違った剪定をおこなっていると花が咲かないことがあるのをご存知でしょうか?美しいカイドウの花を楽しむために、正しい剪定とお手入れについて詳しくご紹介します。
カイドウの剪定方法と増やし方
カイドウの剪定は、適した時期があります。枝の成長ぶりを見て、「今すぐ剪定したい」と思うことがあっても、剪定時期を誤れば美しい花を咲かせることはできません。
また、剪定に必要な情報は時期だけではなく方法にもあります。正しい剪定時期と方法を知り、庭木のお手入れの参考にしてください。
カイドウの剪定時期
カイドウの花は、7月ごろから花芽をつけて翌年の4月に開花します。そのため、葉が落ちて花芽を確認しながら剪定がおこなえる12~2月が剪定時期に適しています。
日当たりが悪くならないよう内側に伸びる枝をつけ根から切り落とし、花芽のつかない長すぎる枝はつけ根から6芽ほど残して短くして、全体の形を整えて剪定します。
春の剪定は控えよう!
春の終わりごろには花が終わり、枝があらわになることで、枝の生え方や木の形がよく見えるため、木のバランスが悪いととても目立ち、剪定したくなる時期でしょう。しかし、花が終わってしばらくすると翌年の花芽がつき始めます。
そのため、春に剪定をしてしまうと、切り口の回復に栄養を使ってしまい、花芽がつきにくくなるおそれがあるのです。ただし、絶対に剪定をしてはいけないわけではありません。どうしても気になる場合は、花芽のつかない長く伸びすぎた枝の枝先を少し剪定する程度なら切っても問題ありません。
カイドウの剪定方法
カイドウは、枝が横に張り出しやすく、放っておくと高さだけでなく横に大きくなりすぎてしまいます。そのため、先に水平方向に伸びている枝を切りましょう。
まず、枝同士が絡まっていたり重なるように伸びていたりするものを、つけ根から切り落とします。水平方向の不要な枝を落としたら、縦に伸びた枝を切ります。全体的に、芽を2~3節残して樹形を整えるように剪定しましょう。
カイドウを増やすことはできる?
カイドウの木を増やしたいときは、どのような方法が適しているのでしょうか。多くの木は、切り取った枝を植える挿し木という方法で増やすことができます。しかしカイドウの場合は、発芽も根つきもしにくい植物なので、挿し木で増やすのはとても難しいのです。
そこで有効な方法が、接ぎ木です。土台となる木の根を短く切って土の中に埋める根伏せで苗をつくり、そこにカイドウの枝を接ぎます。枝を切ることになるので、時期は開花前の3月が適しています。
カイドウの剪定が難しいと感じたら業者に依頼する
自分でカイドウの剪定をおこなうのは不安と感じる方もいらっしゃるでしょう。万が一間違った枝を剪定して花が咲かないという事態を防ぐために、業者に依頼するという方法もあります。
剪定110番では、庭木のお手入れに詳しい剪定業者をご紹介します。まずは相談だけでもかまいませんので、お気軽にお電話ください。
カイドウの花を咲かせるお手入れ方法
カイドウの花を咲かせるためには、日ごろのお手入れも重要なポイントになります。ここからは、カイドウの特徴やお手入れ方法などを解説します。
また、カイドウがかかりやすい病気や被害にあいやすい害虫についても、対策も含めてご紹介します。病害虫への対策もしっかりとおこないましょう。
カイドウの特徴
カイドウは、樹高5メートルほどまで成長します。桜の終わる4~5月に開花時期を迎え、白やピンクの花を咲かせて春のお庭を彩ります。そして、9~10月にはリンゴに似た実をつけますが、この実はサイズが小さく味もよくはないので、あまり食用として食べられることはありません。
大きめの花を咲かせるホンカイドウや、大きめの実をつけるミカイドウなどの種類もありますが、日本で一般的に栽培されていることが多いのはハナカイドウという花を観賞することに適したカイドウです。
カイドウが好む環境
カイドウの栽培は、日当たりと通気性のよい場所が適しています。乾燥に弱いため、土は水はけのよい、適度に湿度の保てる土を好みます。
日当たりの悪い場所で育ててしまうと花が咲かなくなってしまいます。日が昇っている間、日陰になることのない場所で育てましょう。
基本のお手入れ
基本的にカイドウの成長に必要なのは水と肥料です。植え付け直後は、水が不足していると育ちが悪くなるので、たっぷりと水やりをしますが、しっかりと根付いてからは、水をやりすぎると根腐れの原因になります。そのため、日差しの強い日が続いて雨が降らないとき以外は、水やりの必要はありません。
肥料は、1~2月と8月に与えます。油カスと骨紛を同じ量混ぜた有機肥料を2~3握り与えましょう。庭に直接植えた場合はそれだけですが、鉢植えでの栽培の場合は、さらに花が終わったあとにも化成肥料を与えます。
かかりやすい病害虫
カイドウには、かかりやすい病気や被害にあいやすい害虫がいます。それぞれ対策とともにご紹介します。
- 病気
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- 赤星病
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4~6月ごろに発生し、葉の表面にオレンジ色の星形の斑点ができます。症状が悪化すると、そのまま葉が腐ります。病原菌であるサビ胞子が寄生しやすい、カイヅカイブキなどといったビャクシ属の木の近くに植えないようにしましょう。
- うどんこ病
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梅雨の時期に発生します。葉の表面に白い粉のような斑点があらわれ、葉を枯らすのです。水滴が跳ねてほかの葉に感染することがあります。日当たりと通気性をよくしておくことが対策になります。
- 害虫
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- アブラムシ
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アブラムシは樹液を吸って木を弱らせます。そのうえ排泄物が残ることで、病気が発生することもあります。見つけ次第、すぐに殺虫剤をまいて駆除しましょう。
- テッポウムシ
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木の内部を食い荒らします。幹に穴があいていたら、内部が食われている可能性があるので、殺虫剤をまいて駆除しましょう。
このように、剪定以外にもカイドウを育てるうえで注意すべきことはたくさんあります。日ごろのお手入れ方法も詳しく知りたいという方は、弊社にお問い合わせください。剪定だけではなく、お庭のお手入れ方法などの相談もできる業者をご紹介します。
カイドウの花が咲かない原因は?
カイドウの花が咲かない原因は大きく分けて3つあり、それぞれ対策方法が異なります。そのため、間違った対策をしているとカイドウの花は咲かないままになってしまいます。
まずは以下にご紹介する3つのうち、カイドウの花が咲かない原因となるものがなにかを正確に把握しましょう。庭木の状態から原因の判断が難しい場合は、業者に相談してみてもよいかもしれません。
【原因1】花芽を切り落としてしまった
剪定をおこなう際に、木の形や全体のバランスばかりに気をとられて、花芽まで切り落としてしまうことがあると、花は咲かなくなってしまいます。また、花芽がつき始める時期に、枝ぶりを気にして深く剪定してしまうと、木の成長の妨げになり、最悪の場合花芽がつかないこともあります。剪定は正しい時期に花芽の確認をしながらおこないましょう。
【原因2】病害虫の被害にあっている
病害虫も花が咲かない原因になります。病害虫の被害によって木の栄養が少なくなると、花を咲かせるための栄養が足りなくなってしまう場合があります。
害虫が寄ってくることのないよう、日当たりと通気性のよい環境を保つことが大切です。病害虫の被害に気づいたら、すぐに殺菌・殺虫などの対策をおこないましょう。
【原因3】日陰で育てている
カイドウは日光を好み、日陰にとても弱い植物です。半日陰でも、ほとんど花が咲かなくなるような木なので、必ず日の当たる場所で育てましょう。栽培環境がカイドウに適していなかった場合は、植え替えをして環境を変えることで解決できます。
病害虫の被害は、害虫を取り除いて殺虫剤や殺菌剤をほどこすことで、対策可能です。しかし、剪定が原因の場合は、自分での対策が難しいという方もいるでしょう。失敗をおそれて剪定をしなければ、見栄えが悪くなり病害虫被害の原因にもなりますが、自分で剪定をおこなって失敗を繰り返せば、より花が咲かなくなるおそれがあります。
そのようなときは、プロの業者に任せましょう。たくさんの美しい花が咲くように、正しい剪定をおこなってくれます。業者選びに迷ってしまうという方は、弊社にご相談ください。剪定からお手入れ方法まで、お庭や植物に関するお悩みを解決してくれる業者をご紹介します。