部屋を彩るインテリアとしても最適な観葉植物であるベンジャミン。初心者でも育てやすい観葉植物ですが、毎日の手入れや管理を正しくおこなう必要があります。間違った手入れや管理方法でベンジャミンを育てると、見た目が悪く成長してしまったり、枯れてしまったりする可能性もあるからです。
この記事ではベンジャミンの正しい育て方や管理方法を中心として、ベンジャミンの剪定や株を増やす方法まで詳しく紹介していきます。
ベンジャミンは剪定しておしゃれに保とう!
ベンジャミンをインテリアとしてきれいに飾りたいのであれば、ベンジャミンの剪定をすることはとても大切です。なぜならベンジャミンは生命力が旺盛で、放置してしまうと樹形が崩れやすくなり見た目が悪くなってしまうからです。
大切なベンジャミンを、なるべくきれいな状態で育てたいという方も多いことでしょう。そこで、ベンジャミンを剪定するときに覚えておきたい時期や方法を確認してみてください。
剪定時期と方法
ベンジャミンの剪定時期は、春から秋にかけての4月~9月が適期となります。なぜこの期間が適期なのかというと、この期間のベンジャミンは生育期と呼ばれている時期であり、生長しやすいため樹形が崩れる原因になりやすいからです。
広い範囲を大きく剪定したい場合は、新芽が出てくるタイミングである春ごろにおこなうのがベストです。なお、飛び出ている枝・絡み合っている枝・伸びすぎた枝など、見た目として気になるところを軽くカットする「切り戻し」は、上記の時期以外におこなっても問題ありません。
ベンジャミンの剪定には以下の道具が必要となります。ホームセンターやネット通販で購入することが可能なのであらかじめ用意するようにしましょう。
- 剪定、園芸用のハサミ(家庭用ハサミは非推奨)
- 軍手などの手袋
- エプロンなど樹液が付くのを防げる服
- 新聞紙などのシート
手袋などはほかのもので代用することも可能ですが、ハサミはかならず剪定・園芸用のものを使うようにしてください。一応家庭用のハサミを使うこともできますが、大切なベンジャミンを傷つけたり家庭用ハサミが壊れたりする原因になります。
またベンジャミンの枝を剪定するときは、不要な枝の節のすぐ上で切るようにすることが大切です。節の上で剪定をすることでベンジャミンの見た目をよくすることができ、生長するときに邪魔となる枝がなくなるので、健康的に育てることができます。
剪定時は樹液に注意
ベンジャミンをはじめとした「ゴムの木」の特徴として、剪定をするときに粘り気の強い白い樹液が出てきます。
そのためベンジャミンを剪定するときは、エプロンや手袋を身につけて普段着や手に付かないように対策するようにしましょう。また、床に樹液が付かないようにベンジャミンの植木鉢の下には新聞紙などのシートを敷いておく必要があります。
ベンジャミンの樹液が皮膚に触れると、かぶれなどの原因になる場合もあるため、手に付いた場合はすぐに洗い流すようにしましょう。ベンジャミンのようなゴムの木にはラテックスというものが含まれるため、ゴムアレルギーの方はとくに注意が必要です。
剪定とあわせて植え替えの要否も確認しよう
先ほども伝えたとおりベンジャミンは生命力が旺盛な観葉植物で、枝だけでなく葉や根なども大きく生長します。そのため、ベンジャミンの剪定や切り戻しといった見た目部分のお手入れも必要ですが、「植え替え」をして根の状態もしっかりとケアをしてあげることが大切なのです。
ベンジャミンの植え替えをしていないと、植えた鉢のなかに育ちすぎたベンジャミンの根がぎっしりと詰まってしまい、生育が悪くなってしまう恐れがあります。ここでは植え替え方法について解説しますので、ベンジャミンの見た目だけでなく健康も意識したいのであれば、参考にしてみましょう。
植え替えの時期
ベンジャミンの剪定と同じく、植え替えにも最適な時期があります。植え替えをするベストなタイミングは5月~8月で、目安として1~2年に1回のペースでおこなうようにしましょう。
ただ、ベンジャミンの生長スピードは個体によって異なる場合もあるため、上記の目安はあくまで参考程度に考えておいてください。たとえばベンジャミンに以下のような状態が見られた場合、根が成長しすぎたことにより根詰まりしている可能性があり、植え替えが必要になるため注意が必要ですよ。
- 鉢の底の穴から根が飛び出している
- ベンジャミンの鉢の水はけが悪くなってきた
- ベンジャミンの葉が枯れてきた
植え替えの方法
まず園芸店やホームセンターなどから下記3点の道具を用意しましょう。鉢植えを購入する際は、サイズを間違えてしまわないように元の鉢植えのサイズを測っておくと安心です。
- 現在の鉢よりも一回り多い鉢植え
- 鉢底ネット
- 鉢底石(軽石など)
- 新しい鉢植えに入れる土
- 剪定・園芸用ハサミ
道具を準備したら新しい鉢植えに鉢底ネットを敷き、鉢底石を均等になるように巻きます。鉢底石は2~3cm程度の深さであれば十分であるため、あまり多く詰めないように注意が必要です。
つづいて古い鉢からベンジャミンを引き抜いて、根に絡まった土をきれいに落としましょう。このとき、枯れている状態の根があればベンジャミンの根を剪定・園芸用のハサミで丁寧に切り落とすことが大切です。土を落とし、枯れた根の処理ができたら新しい鉢に移しましょう。
新しい鉢にベンジャミンを入れたら、斜めに植えないよう注意をしながら新しい土を鉢植えに入れていきます。ベンジャミンの根は多くて土が入りにくい場合は鉢植えを軽くたたくなどをして土を下に落とすようにしてください。土を入れ終わったら、最後に水をたっぷり与えれば植え替え完了です。
ベンジャミンの育て方|置き場所・水やり・肥料
ベンジャミンを健康に育てるためには、先ほどご紹介したベンジャミンの剪定や植え替えはもちろん、日ごろのメンテナンスをしっかりおこなうことも大切です。ここでは、ベンジャミンを育てるうえで基本となる置き場所・水やり・肥料について詳しく解説していきます。
置き場所|日当たりのよさを意識しよう
ベンジャミンに最適な置き場所は日当たりの良い場所ですが、日陰に強いという性質も持つため、明るい環境であれば日陰でも育てることが可能です。ただし直射日光が当たる場所は避けるようにしましょう。ベンジャミンの葉が直射日光に当たりすぎると、「葉焼け」が起きる原因になってしまうためです。
またベンジャミンは環境の変化に敏感な植物です。急に何回も置き場所を変えてしまうと、環境の変化についていけなくなり葉が落ちたり、生育に影響が生じたりすることもあります。そのため、頻繁に置き場所を変えずに育てるようにしてください。
水やり|表土の状態がポイント
ベンジャミンの水やりは、季節ごとに与え方を変えてあげる必要があります。生育期である春~秋の場合、2~3日に1回程度で、夏の暑い日は1日~2日に1回を目安に与えるようにしてください。水を与えるときは、根だけでなく葉にもしっかりと与えてあげるのがポイント。
それ以降の季節はベンジャミンが休眠時期に入りはじめるため、基本的には土を確認してみて乾燥していた場合のみ与えるだけで十分です。涼しくなってくる秋ごろまでには水やりの頻度を減らし、冬には目安として1週間に1回程度与えます。
またどの時期の水やりにも該当することですが、水の量を与えすぎないようにしてください。水やりの量と回数が多すぎると根腐れをする原因となってしまうためです。
肥料|成長促進のコツ
ベンジャミンは生命力が旺盛な植物のため肥料がなくても育てることは可能ですが、与えると生長しやすくなるため、早くベンジャミンを育てたい方は肥料を使うとよいでしょう。以下3点のコツを抑えることで、成長促進がしやすくなりますよ。
- 生育期である春~秋に与える
- 緩効性肥料を与える
- 肥料の頻度は2ヶ月に1回程度
反対に生育期ではない冬に肥料を与えるのは、肥料焼けを起こし根が悪くなる原因になってしまうため注意が必要です。また、緩効性の化学肥料を使えばコバエなどの害虫を防ぎやすくなります。
ベンジャミンは挿し木で増やせる!時期と方法を覚えよう
「ベンジャミンの株を増やしたい」というときに、別の株を購入するのもよいですが、先ほど解説したベンジャミンの剪定で切り落とした枝を使って挿し木をすれば、株を増やすことも可能です。切り落としたベンジャミンの枝がもったいないと感じる人は試してみるのもよいでしょう。
ただし、挿し木をおこなう際にはいくつか覚えておくことがあります。この章では、ベンジャミンの挿し木に適した時期・やり方について紹介していきます。
時期
挿し木をおこなうタイミングとして適切な時期は、ベンジャミンの剪定のタイミングと同じく生育期である春~秋ごろがちょうどよいです。
方法
ベンジャミンの挿し木は、「枝を切る」「樹液を取り除く」「鉢植えに枝を挿す」の3ステップでおこなうことができます。まずは枝を切る方法ですが、10~15cm程度の長さのベンジャミンの枝を用意し、水を吸収しやすいように枝の根本にある切り口を斜めにします。その後葉を2~3枚ほど残してほかの葉は除去し、大きい葉は半分に切ってください。
そのつぎは枝に入っている樹液を取り除く必要があるため、2~3時間ほどベンジャミンの枝を水につけておきます。待ち時間の間は、新しい鉢植えの準備をしておきましょう。樹液を取り除くことができたら新しい鉢に枝を挿し、たっぷりと水を与えます。
挿し木の水やりは、1日1~2回程度与えるようにしましょう。定期的な水やりをして、枝の根元から新しい根が張ることができれば挿し木は完了です。
ベンジャミンは株分けでも増やせる
じつは、ベンジャミンは挿し木以外にも子株という根を切り離すことをいう「株分け」という方法でも増やすことができます。株分けの方法は、まずベンジャミンを株から引き抜いて根をほぐして土を落とし、子株を切り離します。
なお、ベンジャミンの子株を切り分ける際は、剪定・園芸用のハサミを使うよりも手で優しく切り離すほうが負担を少なくして切り分けることができますよ。その後、今回ご紹介した植え替えの方法と同じようにそれぞれの鉢植えに分ければ株分け完了です。
ベンジャミンの手入れで気を付けたいポイント→病害虫
ここまでベンジャミンの剪定・育て方など、育てるうえで必要なことを紹介してきました。これまでの解説から、ベンジャミンは生命力が旺盛で育てやすい植物であることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
もちろんこれまでご紹介した方法で健康的にベンジャミンを育てることは可能です。しかし、植物を育てるにあたって想定外なトラブルに遭う可能性もあり、とくにベンジャミンに起きやすい「病害虫」や「病気」には気を付けなければなりません。ここでは、病害虫や病気の原因と対策方法についてご紹介します。
カイガラムシ・ハダニ・アブラムシ
カイガラムシ・ハダニ・アブラムシにとってベンジャミンは好物で、これらの病害虫が住み着いてしまうと葉や樹液の養分が吸われてしまいます。そしてこれは、ベンジャミンが弱ってしまう原因となってしまうのです。
また、病害虫の排泄物はベンジャミンが「すす病」を発症してしまうことにもつながります。すす病は、葉・枝・茎が黒く覆われたような状態になり、生育に悪い影響が出てしまう病気です。ベンジャミンの見た目が悪くなってしまうので、早めの対策をしておきましょう。
ベンジャミンの病害虫の対策としては、「風通しをよくする」ことが効果的です。さらにハダニは水が苦手であるため、葉を霧吹きで濡らしておくのも対策のひとつになります。
また病害虫は見つけ次第駆除するようにしましょう。歯ブラシ・ピンセットなどを使い物理手的に取り除くか、殺虫剤で仕留めるかの方法で対応することが可能です。
炭そ病
炭そ病とは葉や茎などに起こる病気であり、高温多湿の環境により糸状菌のカビが生えることで発症します。白や黒色の円形の斑点・葉に穴が開くなどの状態が見られ、発病している葉や茎は枯れてしまいます。さらに、放置するとほかの葉や茎にまで広がる危険性があるため、見つけたらすぐに対処することが先決です。
ベンジャミンの病気の予防・対策方法は、高温多湿の環境を避けて風通しの良い環境でベンジャミンを育てることです。
ただし「育て方」で解説したとおり、ベンジャミンの位置を頻繁に変えることはよくないため、移動する前にあらかじめ配置は決めておきましょう。また、炭そ病にかかっている葉や茎を発見した場合は、すぐに発症箇所を除去することが大切です。
これから育てるならチェック|特徴&人気種類
最後に、ベンジャミンの特徴や種類について簡単に解説しましょう。これからベンジャミンを育てたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
特徴
ベンジャミンはクワ科フィカス属に分類される植物であり、光沢がありきれいな緑色の葉が特徴的であるため、観葉植物のなかでも人気の高い種類として知られています。そのため、ホームセンターなどでも苗を買うことが可能です。
また、生命力が旺盛でよく育つ観葉植物で手入れが比較的簡単なので、植物を育てるのが初めての方でも育てることができます。さらに、ベンジャミンの剪定で樹形をアレンジすることも可能なので、部屋を彩るインテリアしての需要も高いです。
ちなみに、ベンジャミンを数年以上うまく育てると、小さな実のような花を咲かせることもあります。花が咲くようにしっかり育てることも、ベンジャミンの楽しみ方のひとつといえるでしょう。
種類
ベンジャミンにはさまざまな種類があり、葉の模様などの特徴が違います。複数種類のベンジャミンを剪定して、インテリアとして楽しむのもよいでしょう。ここでは例として、3種類の名前と特徴をご紹介します。
- スターライト
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葉の外側に白い班が大きくあるのが特徴
- バロック
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くるくるとカールされている葉が特徴
- ゴールドラッシュ
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細めでツヤのある葉、黄緑色の新芽が特徴
まとめ
ベンジャミンは育て方や手入れが比較的簡単で、人気な観葉植物として知られています。なお、初心者でも育てやすいとはいえ置き場所や水やりの頻度など、育て方を間違えないように注意が必要です。
またインテリアとして楽しみたい場合、ベンジャミンの剪定は4月~9月の生育期にしっかりとおこなうようにしましょう。放置すると樹形が崩れ、見た目が悪くなる原因となります。もしベンジャミンの剪定が難しいと感じるのであれば、プロの業者に依頼してきれいに剪定してもらうことも可能ですよ。