剪定は木のお手入れをしていくうえで必要不可欠なものです。建物や道にはみ出た部分を取り除くと、接触したことによる怪我のリスクを減らせるうえ、枝や葉を減らすとすっきりして庭木の見た目も良くなります。また、風通しや日光を取り入れやすくなるので、木や周りの植物にも良い影響を与えます。
最近はガーデニングなども人気が高まってきているので、庭に樹木を植える人は増えてきています。その一方で、剪定は手間や費用がかかるからと木のお手入れを放置してしまっている人も多いご様子です。木の剪定を行わずそのままにしてしまったら、どのような問題が発生してしまうのでしょうか?
近年の剪定事情
近年ではエコロジーや自然回帰という考え方が普及したためか、お庭に関心が集まっています。そのため気軽に木を植えてみたり、元からあった木に手を加えてみたりする方は多いようです。
木は他の植物に比べ育てやすく丈夫な印象を受けがちですが、定期的なお手入れが必要です。葉や木の枝や幹の様子を確認して、その都度手間をかけなければいけません。木も生き物ですので、日光・水・栄養などで生長します。その際に、敷地外へはみ出てしまうことがあります。剪定しようにも思った以上に費用がかかったり、自分で切るのを断念したりして、そのまま放置をしてしまう人も多いようです。
住宅街での伸び放題の木や根、葉の近隣トラブル
木を切らずに放置をすると伸びた枝が道にはみでて、通行人の怪我に繋がってしまいます。それだけではなく、隣家に伸びてしまうと、さらなる問題を引き起こしてしまうのです。
隣家に侵入した枝は隣家の庭や建物に悪影響を及ぼします。枝が土地に侵入してしまっているだけではなく、日光が遮られて暗くなるうえ、落葉樹であれば隣家の敷地内に落ち葉が降ってしまいます。また、木の根っこが隣家の地中に根付いてしまっていると、地表付近に顔を出した時に、塀やブロックなどを持ち上げたりして、空間だけではなく地面からも影響を与えてしまうのです。
木に関するトラブルは結構多いようですが、じつは隣家へ伸びてしまった木の枝は、隣家の人が勝手に切ることはできないので、自分で処理しなくてはいけません。木の様子を確認して、隣近所や道路にはみ出ていないか、ご迷惑をかけていないか確認するようにしましょう。特に木の生長が早まりやすい暖かい時期はこまめに確認したほうがよさそうです。
剪定作業中の近隣トラブル
剪定作業を行う際は、隣家敷地内に切った枝が落下する可能性があります。剪定を行う前は事前に通達し、枝が落下しないように対策をおこなう必要があります。また、チェーンソーなどで剪定を行う際も事前に周囲へお知らせすると親切です。剪定には時間がかかるうえ、チェーンソーなどの工具の使用時は騒音が発生します。騒音を嫌がる方もいるので、事前に伝えることを徹底しましょう。
道に面した木の剪定をする際は「剪定をするので気をつけてほしい」といった内容のものを張り出しておくと良いです。不特定多数の人が通る道ですので、わかりやすく見やすい場所に張り出して注意喚起をすることが重要になります。
剪定後のゴミの出し方の近隣トラブル
木を剪定した後のごみの出し方にも注意が必要です。木を切った後の枝の処理を徹底的に行いましょう。もし隣家に落下してしまった場合でも、できる限り自分で処理すべきです。法律上では、枝が隣家に落下した場合、その枝の所有権を放棄すれば、相手の人が処理しても問題ありませんが、印象や信頼が下がってしまいます。
特に戸建にお住まいの場合は、長年にわたってその土地に住むわけですから、できる限り住民トラブルは回避したいものです。隣家に落ちてしまった枝も自分で処理をするようにしましょう。
近隣トラブルにならないためには
近隣住民とのトラブルを回避するには、以下の3つが大切になります。
- 剪定の重大さ
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剪定は木の健康や景観を維持するだけでなく、周囲の人への影響を与えないためにも非常に大事です。そのためにも木が伸びた時に周りへ与える影響を認識することが大切なのです。
- 近隣の住民へ周知
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木の剪定をすると、切断した枝が落ちる、機器の騒音で周りに迷惑をかけてしまう可能性があります。剪定予定のめどが経ったら、行う日や騒音・枝が落ちるかもしれないので気をつけてほしいなど、周囲への事前通達を行うようにしましょう。
- 剪定後のゴミの処理の方法
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剪定をした時、注意をしていても枝や葉が隣家に落ちてしまうことがあります。もし落ちてしまったら断りを入れて、しっかり回収して掃除を行うようにしましょう。
自分でできる簡単な剪定の方法
剪定は小さめの木であれば自力で行うことができます。安全面に気をつけて作業してみるのも良いでしょう。
隣家にはみ出た枝を切るだけでなく、剪定もあわせて行うのであれば、時期に注意をするようにしましょう。木には剪定時期があります。弱っているタイミングで多くの枝を切ってしまうと枯れてしまう可能性があります。木の種類にもよりますが、剪定をする場合は以下のことに着目して切るようにしましょう。
- 交わる・絡まっている枝
- 木の中心にむかって伸びている枝
- 木の幹下部付近に生えている枝
木の芽がある場合、あまり切ってしまうと芽が生えてこなくなるので、芽の上1センチほど残して切るようにしましょう。また、木の枝を切る際は根元から切ることが大切です。見栄えが悪くなるだけではなく、切り残しから芽が生えたり、コブになってしまいます。切った後の枝は、地方によって処分の仕方が異なります。お住まいの地域の処理方法を守って捨てるようにしましょう。
まとめ
木は日々の生活に潤いと癒しを与えてくれる存在です。生活を支えてくれる存在ですから、定期的に様子を見て、お手入れを行いましょう。もし枝が隣家や道にはみ出ていたら剪定して枝の長さを整える必要があります。枝が伸びたり、木が生長しすぎて根が伸びてしまうと、隣人とのトラブル問題に発展しかねないので早めに対処を行いましょう。
木の剪定は個人で行うと規模の小さいものであってもかなりの労力が必要です。規模の大きい木の場合は、時間や労力がかかるだけでなく、高所での作業になるので、怪我をする危険があります。あまり自力で行わず、植木屋さんに相談してからの方が良いでしょう。また、木の維持管理が難しい場合は伐採という手段も取ることができます。切る木に感謝をして、伐採をするようにしましょう。