つる性の植物であるクレマチスは鮮やかな花をつけるため、家や庭のフェンス近くで育てて見た目を楽しむことができます。そんなクレマチスを、庭に取り入れてみたいと思う人もいるでしょう。
クレマチスは生命力が強い植物のため、めったに枯れることはないといわれています。しかし、放っておくと花つきが悪くなるため、剪定が必要になるのです。適度な剪定をすることによって、より華やかなクレマチスを楽しむことができるでしょう。
クレマチスには3つの種類があり、剪定方法も違うので、各種類に合わせた剪定方法を知ることが重要になります。そこで、今回はクレマチスの剪定方法と育て方についてご紹介します。
クレマチスの剪定は品種によって異なる
クレマチスには旧枝咲きタイプ、新枝咲きタイプ、新旧両枝咲きタイプの3つがあります。それぞれ花が咲く場所や剪定方法に違いがあるため、各種に合わせた方法を知ることが大切です。そこで、以下ではクレマチスのタイプに合わせた剪定方法についてご紹介します。
クレマチスの開花について
クレマチスが花をつける枝はそのタイプによって変わります。そこで、以下では3種類あるクレマチスの開花の違いについてご説明します。
- 旧枝咲きタイプ
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花が咲き終わった古い枝から、細い枝を出して花をつけます。冬になるといったん枯れますが、翌年の3~4月前後になると花を咲かせるのが特徴です。
- 新枝咲きタイプ
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生えて1年未満の若い枝に花を咲かせる種類です。育つ力が強いため、剪定をすることで春から秋にかけて開花し続けます。
- 新旧両枝咲きタイプ
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古い枝や、剪定した若い枝から新たに枝を伸ばして花をつけます。四季を通して花を咲かせるタイプが多いです。
どのタイプにも、春にしか咲かない「一季咲き」と、四季を通して咲く「四季咲き」があります。そのため、一季咲きや四季咲きにこだわりたい人は、購入の際にお店で聞いてみるなどして調べてみましょう。
旧枝咲きクレマチスの剪定
旧枝咲タイプのクレマチスの剪定は、おもに春と冬におこないます。冬になると、見た目は枯れているようですが、実際には枯れてはいないので、間違えて処分してしまわないよう注意しましょう。
- 春の剪定
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開花後、花がしおれてきたタイミングでおこないます。剪定をするときは花の根元からハサミで切ってください。花を剪定しておかないと、そのまま残ってしまうため、次の花になる芽が出てこられなくなります。
- 冬の剪定
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冬の剪定では、長く伸びた枝を短くします。枝を切るときは、節についている花の芽より、少し上の部分まで切りましょう。全体的に花芽がついていない枝があったら、根元近くまで剪定しても問題ありません。
新枝咲きクレマチスの剪定
新枝咲きタイプは、おもに夏と冬に剪定をおこないます。
- 夏の剪定
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花が満開になる前に剪定をします。切るときはつるの根元までたどっていき、根元から2つ目の節で剪定しましょう。満開前につるを切っておくことで、切り口のそばから新しいつるが生え、花が咲くのです。
- 冬の剪定
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冬になるとつるが枯れるため、花芽の生えている根元近くまで剪定します。枯れたつるが残っていると、新しいつるが育たないため、翌年に花がつきにくくなるのです。そのため花芽より上まで短くし、翌年に新しいつるを伸ばす準備をしておきましょう。
新旧両枝咲きクレマチスの剪定
新旧両咲きタイプは夏と冬に剪定をおこないます。夏の剪定の場合は方法によっては咲き方を変えることができるので、自分好みに剪定してみましょう。
- 夏の剪定
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剪定は花が咲いたあとでおこないます。つるを長めに残しておくと早く花が咲くため、すぐに開花させたい人に向いた方法です。一方で、半分以下まで短く切ると、次の開花まで時間がかかるため、じっくり育てることができるでしょう。
- 冬の剪定
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冬の剪定では、葉が落ちて茶色くなったつるだけを選んで切ります。つるを切るときは、新枝タイプと同じように花芽のついている位置まで切り戻しましょう。
剪定の仕方が分からない場合は依頼してみよう!
クレマチスは種類ごとに剪定の方法が変わるため、自分の家にあるタイプはどうやって剪定すればいいのか分からないという方もいるかもしれません。もし、クレマチスの剪定を難しいと感じたときは、業者に依頼をするのもおすすめです。
剪定の経験をもつ業者に依頼をすることで、クレマチスを正しく剪定してもらえます。また、自力でクレマチスの手入れができるよう、剪定の見本を見せてもらうのもいいでしょう。
業者への依頼をお考えでしたら、ぜひ剪定110番へご相談ください。剪定110番では加盟店の中からお近くの業者を手配するので、迅速な対応が可能になります。剪定110番では24時間お電話を受け付けていますので、どうぞお気軽にご相談ください。
クレマチスの種類とお手入れ方法
クレマチスには3つのタイプがありますが、その中にはさらに豊富な品種があります。品種ごとに育ち方や色の違いがあるため、自分の好きな品種をそろえてみるのもおすすめです。そこで、以下ではクレマチスの種類と育て方についてご紹介します。
クレマチスの種類
クレマチスには10種類以上の品種があります。花の数や色などさまざまな違いがあるため、違う品種同士を一緒に植えたり、別の鉢で育てたりすることで、庭を華やかに彩ることができるでしょう。
旧枝咲タイプ
旧枝咲きタイプは、おもに香りのある品種が多いです。以下では、旧枝咲きタイプに分類される品種をご紹介します。
- モンタナ系
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花の香りが強く、同じ旧枝咲きタイプの中でも花数が多い傾向にあります。
- シルホサ系
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秋から春にかけて長く花を咲かせる特徴があります。夏には花が咲きませんが、そのまま育てていれば秋に開花するでしょう。
- フォステリ系
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香りがあるものや、ないものがあります。花自体は細かいですが、数はかなり多いので、鮮やかな見た目が期待できるでしょう。
新枝咲きタイプ
新枝咲タイプは4つの種類があります。丈夫で枯れにくいので、初心者にも育てやすいタイプといえます。
- ヴィチセラ系
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花のサイズは大きくありませんが、花数が多い特徴があります。鉢植えだけでなく庭で育てることができるのも魅力のひとつです
- テキセンシス系
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花びらがやや上向きにそって咲くタイプです。外国では自生することもあり、乾燥にも耐えられる丈夫さがあります。
- ヴィルオナ系
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テキセンシス系と同じく、花びらが丸まった形をしています。耐寒性、耐暑性ともに優れているのが特徴です。
- インテグリフォリア系
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初夏から秋まで長く花を咲かせ、甘い香りを出します。ひとりでにまっすぐに伸びて育つので、支柱やフェンスが必要ありません。
新旧両枝咲きタイプ
新旧両枝咲きタイプには、おもに2種類の品種があります。どちらもアジアが原産の系統で、春から秋にかけて花を咲かせます。
- テッセン系
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白や紫の色合いが特徴的なタイプです。中国原産のものが多いですが、丈夫な品種で日本でも自生することがあります。
- タングチカ系
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西アジアが原産の品種で、果物のような香りを出します。黄色い鮮やかな花を咲かせるのも魅力のひとつです。
乾燥に弱いので水はたっぷりと
クレマチスは水を多く必要とします。とくに、つぼみになってから花を咲かせるまでの期間は水を多く吸収するため、1日に1回は水を与えましょう。
ただし、鉢植えの受け皿にたまった水は捨ててください。水浸しのまま放っておくと、根が傷んでクレマチスが弱ってしまうおそれがあるのです。
肥料はこまめに与えよう
クレマチスは「肥料食い」と呼ばれるほど肥料を与える頻度の多い植物です。四季咲きの種類が多いため、1年を通して花を咲かせるためのエネルギーを必要としています。そのため、花を美しく咲かせるには、2週間に1回のペースで液体肥料を与えましょう。
また、2か月前後に1回の頻度で粒状の肥料を与える方法もあります。粒状の肥料は液体肥料より効果が長続きするため、1回の肥料散布で長期間栄養を与えることができるのです。
そのため、こまめな肥料散布が難しい人に向いています。粒状の肥料は水で溶けるため、水やりの前に与えましょう。
挿し木で増やす方法
クレマチスを増やしたいときは、挿し木で繁殖させることができます。挿し木とは、植物の一部を切り取って土に植えることで、1つの株として育てる繁殖方法です。
そのため、クレマチスの剪定も兼ねて枝を収穫できるでしょう。以下では、クレマチスの挿し木の手順についてご説明するので、よろしければ参考にしてみてください。
- 伸びて1年未満のツルを選ぶ
- つるの固い部分あたりで切る
- 下から半分ほど葉を取り除く
- 切り口に発根剤(植物の根が生えるのをうながす薬剤)につける
- 園芸用の培養土や、水はけのいい赤玉土にさす
- 室内や半日陰の室外で育てる
- 表面の土が乾かないように水を与える
- 発芽する1か月前後まで育てる
つるを切るときは、15センチ前後を目安に切り取りましょう。短すぎたり、長すぎたりすると発根が難しくなるのです。
育てるときの注意したい病害虫
クレマチスは丈夫な性質の植物ですが、育てている中で病気や害虫につかれることがあります。病気や害虫が発生すると、クレマチスが弱って花数が減ることもあるのです。そのため、病害虫の種類を知ることで、対策しておきましょう。
- 病気
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クレマチスが感染する病気には、うどんこ病があります。うどんこ病とは、葉の表面に白い粉のような汚れがつく病気です。放っておくと葉の光合成を阻害し、枯らしてしまうこともあります。うどん後病の病原菌は乾燥している植物に発生しやすいので、毎日水を与えて予防しましょう。
- 害虫
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クレマチスに発生しやすい虫には、アブラムシがいます。アブラムシは若いつるについて養分を奪ってしまうので、花つきが悪くなる原因になります。また、大量発生して別の植物にも被害を出すため、寄生される前に殺虫剤をまいて防虫しましょう。
また、アブラムシは枝数の多い湿った場所で発生しやすいので、定期的に剪定をして風通しを改善しましょう。クレマチスの剪定が難しいときは、業者に任せるのもおすすめです。業者に中には病害虫の対策をおこなっているところもあるので、害虫予防としての剪定にも対応してくれるでしょう。
業者への依頼をお考えでしたら、ぜひ剪定110番へご相談ください。剪定110番では剪定だけでなく病害虫の予防にも対応している業者を手配します。剪定110番は24時間無料で電話を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
クレマチスを誘引してみよう!
誘引とは、つる植物のそばに支柱やフェンスを設置し、ツルを絡ませて成長させる方法です。ほとんどのクレマチスは、ほかの植物のようにまっすぐ育つことができないため、放っておくとつるが鉢を乗り越えて、地面に伸びてしまいます。
また、繁殖能力も高いので、放っておくと、地面に広がって成長してしまいます。そのため、上に向かって誘引することが大切です。そこで、以下ではクレマチスの誘引方法についてご紹介します。
クレマチスの誘引方法
クレマチスはつぼみが大きくなってきたタイミングで、近くに支柱やフェンス、またはネットを設置します。クレマチスの花は下に伸びると育ちが悪くなってしまうので、できるだけ上に伸ばしてあげる必要があるのです。そのため、ツルを誘引させたい位置へ絡ませて育てましょう。
葉が枯れたあとはどうすればよい?
クレマチスの葉が枯れたら、そのまま成長がストップする時期に入ります。2月中旬~3月上旬にかけては、枯れ葉のつけ根についた花芽が育ち始めるので、花芽の上を切るイメージで剪定してください。
剪定後に残った枝は、なるべく下に伸びるように誘引しましょう。残った枝から新しくつるが生え、また花を咲かせてくれるのです。
クレマチスと一緒にバラも育ててみませんか?
クレマチスと一緒に、別のつる性植物を植えることで、独自のアレンジを加えることができます。とくに、つる性のバラを一緒に誘引すると、バラの華やかさを取り入れることができるので、庭をより鮮やかに彩ることができるでしょう。
ただし、放っておくと花が咲きにくくなってしまうことがあります。また、剪定しないと害虫や病気も発生するので、定期的に手入れをしましょう。
クレマチスをほかの植物と誘引して、剪定が難しくなった場合は、業者に剪定を依頼するのもおすすめです。業者に見本も兼ねて剪定をしてもらうことで、今後の剪定方法を知ることができるでしょう。
クレマチスの剪定をお考えでしたら、ぜひ剪定110番をご利用ください。剪定110番では見積りをしたあとには基本的に追加料金がかからないので、費用面でも安心してご依頼いただけます。後剪定110番では年中無休で電話相談を受け付けているので、どうぞお気軽にご連絡ください。