夏になるとスーパーなどでも見かけることがあるゴーヤーは、種まきから2ヵ月半ほどで収穫ができ、家庭菜園でも比較的簡単に育てることができます。
ただし、おいしく食べられるゴーヤーの実を収穫するためには、成長の過程で「剪定」と「摘心」をおこなうことが重要です。
また、栽培環境がよければ放置しておいても育つことがありますが、手入れをまったくしない状態では、病害虫の被害を受けて株自体が枯れてしまうこともあるのです。
こちらの記事では、ゴーヤーの剪定と摘心の回数や時期についてくわしく解説します。
正しい手入れの方法を身につけて、ゴーヤーをたくさん収穫できるようにしましょう。
「剪定」は順調に生育させるための作業
剪定は、株を順調に育てるためにおこなう作業です。
ここでは、ゴーヤーの剪定をする意味や具体的な方法について解説します。
剪定のメリット
剪定は、全体の形を整えるためにおこなうと同時に、生育の妨げになる混みあった葉や茎などを取り除くことで、必要な部分に栄養を行き届かせることができます。
また剪定は、風通しをよくし、病害虫の予防にもつながるメリットもあるのです。
剪定の時期
剪定をおこなうタイミングは、葉が茂りすぎているときにおこないます。
特にゴーヤーはツル性の植物で、たくさんの葉を茂らせながら成長していきます。
葉が混みあってしまうと花芽がつきにくくなってしまうので、定期的におこなうのがおすすめです。
剪定方法
剪定は、できるだけ剪定バサミを使っておこなうようにしましょう。
細い茎であれば手でひねってもよいですが、切り口がキレイになっていないと雑菌が繁殖して病気になってしまう場合があるのです。
剪定では、葉が重なりあっている場所を切り除いてまんべんなく日光が当たるようにします。
また、余計な養分を取られないように、成長が見込めないような細い茎や実を収穫したあとのツル部分も切り除いておきましょう。
「摘心」は収穫できる実を増やす大切な作業
摘心は、ゴーヤーの実をたくさん収穫するために欠かせない作業です。
ここでは、摘心をおこなうメリットやタイミング・方法などを解説します。
摘心のメリット
ゴーヤーは、茎の先端にある芽を優先させて成長していきます。
このため、下についたわき芽となる小さなツルは成長が抑えられてしまうのです。
その場合に摘心で先端の茎を切ると、わき芽にも栄養が行き届くため、新しいツルが伸び、収穫できるゴーヤーの量を増やすことができるのです。
摘心は数回にわけておこなう
ゴーヤーの摘心は、複数回にわけておこないます。
摘心はタイミングを間違えてしまうと成長が止まってしまうので、適した時期におこなうのがポイントです。
ここでは、1回目と2回目の摘心方法とタイミングを解説します。
1回目の摘心
双葉から伸びた親ツルから5~6枚くらい葉が出てきて、成長の勢いがよくなってきたら1回目の摘心をします。
ただし、早く実を収穫したいからといって苗がまだ根付いていないときなどに摘心してしまうと、そのまま成長が止まってしまうことがあるため注意しましょう。
摘心する場所は、茎の先端にある芽の部分です。
茎を切り落としたあと2~3日もすれば、新たに子ヅルが出てくるはずです。
2回目の摘心
2回目の摘心は、1回目の摘心が終わって1週間くらいのタイミングでおこないます。
今度は1回目の摘心のあとに伸びてきた子ヅルに5~6枚ほど葉がついて勢いが出てきたら、その茎の先端を切り除きます。
そして2回目以降も同じように孫ヅルに葉がついたら、切り落とすというように繰り返していきます。
大きな実を収穫しやすくするためにも摘心は必要です。
特に実がつきすぎてしまうと、栄養が集中しすぎて茎が成長しないことや小さな実がたくさんできてしまうといったことが起きるようになります。
大きなゴーヤーの実をつけるには、摘心でバランスよく栄養が行き渡るようにするのがポイントなのです。
しかし、初めてゴーヤーを育てるときは、剪定や摘心でどの茎を選べばいいのかわからないこともあるでしょう。
切るべきではない茎を取り除いてしまえば、順調に育っていたのに収穫できる量が減ってしまうかもしれません。
もし自分で剪定や摘心するのに不安を感じる場合は、業者に相談してみるとよいでしょう。
経験やノウハウをもった業者なら、どの茎を切るべきか正しく判断してくれるはずです。
ゴーヤーの基本的な栽培方法
ゴーヤーの実を大きく育てるには、剪定や摘心だけでなく日ごろの手入れなども大切になります。
ここでは、ゴーヤーの栽培環境など育てかたの基本について解説します。
用土
ゴーヤーを植え付ける前には、土作りをしておきましょう。
野菜用の培養土は、すぐに使えるので便利です。
もしくは、赤玉土・腐葉土・堆肥を混ぜた土を使います。
地植えする場合は、3週間前に堆肥、2週間前に石灰を入れておくのがおすすめです。
植え付け
ゴーヤーの植え付けは、5月ごろにおこなうのが適期です。
種を植え付けて育てる場合は、種の皮に爪切りなどで傷をつけて吸水しやすくし、一晩水に浸しておくと発芽率が高くなります。
ただし種に傷をつけるときは、中にある胚を傷つけないように注意してください。
また植え付けが終わったあとは、ゴーヤーのツルを誘引させるためのネットや支柱なども取り付けておきましょう。
誘引は、なるべく葉が重なりあわないようにするのがポイントです。
水の与えかた
夜に水分が多いと茎が徒長する原因になるので、水やりは基本的に朝おこなうようにしましょう。
特に夏場は乾燥しやすいため、水切れには注意してください。
乾燥対策として、株元にチップやワラなどを敷くのもおすすめです。
またベランダなどでゴーヤーを育てる場合は、照り返しによるダメージを和らげるためにプランターの下に発泡スチロールなどを敷いておくとようでしょう。
肥料の与えかた
苗の植え付けから1ヵ月くらい経ったら、追肥として株元に化成肥料を与えます。
その後も2~3週間に1回追肥していくと子ヅルや孫ヅルが伸び、葉もたくさん増えるようになるでしょう。
収穫の適期
花が咲いて15~20日ほど経つと、ゴーヤーの実が収穫できるようになります。
ゴーヤーの実は、完全に熟すと黄色やオレンジ色になりますが、一般的には緑の濃い早熟の状態で収穫することがほとんどです。
種を収穫したい場合は、ゴーヤーの実が割れたときにあらわれる赤い種を採っておきましょう。
地域によっては、この赤い種を食べることもあります。
ゴーヤーを育てるうえでの注意点
ゴーヤーの株を健康に育てるには、いくつか注意点もあります。
特に病害虫は早期の発見と防除が大切です。
また、肥料の与えすぎがよくないということも覚えておきましょう。
病害虫はしっかり対策すること
ゴーヤーに発生する病害虫には、おもに「うどんこ病」が挙げられます。
うどんこ病は、ゴーヤーの葉の表面にカビが生える病気です。
乾燥している時期に発生しやすく、そのまま放置しておくと葉は黄色くなり枯れていきます。
場合によっては、株自体が弱ってしまうこともあります。
もし、うどんこ病になっている葉を見つけたら、すぐに切り除いて薬剤などで防除するようにしましょう。
他にも古い土を使うとツル割れ病になることもあるため、植え付けの場合は新しい土を使うか虫が寄り付きにくいネギ類を一緒に植えるのがおすすめです。
肥料の与えすぎは「ツルボケ」の原因になる
肥料で栄養をたくさん与えれば、必ず大きなゴーヤーが収穫できるとは限りません。
むしろ肥料の与えすぎは、ツルボケという症状になることがあります。
ツルボケとは、葉やツルはよく茂っているのに、まったく実がならない現象のことをいいます。
肥料は適した時期に適した量を与えることが大切なのです。
ゴーヤーの手入れに自信がない場合は業者に依頼しよう
ゴーヤーの大きな実を収穫するには、定期的な手入れや害虫への対策などが必要です。
しかしなかには、自分で手入れする時間がなかなかとれないという方もいるかもしれません。
その場合はプロの業者に手入れを依頼することをおすすめします。
経験を豊富にもった業者にゴーヤーの手入れを任せれば、適した方法で摘心や剪定などをおこなってくれるはずです。
またゴーヤーの実の収穫量が少ない場合や株に元気がない場合など、原因のわからないことがあるときも一度相談してみてはいかがでしょうか。
弊社では、庭木の剪定などをおこなうプロの業者を数多くご紹介しております。
現地調査や見積り後のキャンセルは基本的に無料※なので、便利に利用できます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
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