ハコネウツギの剪定は、花が咲き終わった後すぐにおこないます。ハコネウツギは病気や害虫にも強く、手入れもしやすい植物ですが、しっかりと剪定しないと伸び放題になってしまうこともあるので、剪定できる時期に適切なお手入れをする必要があるのです。
ここでは、ハコネウツギの正しい剪定方法と、日ごろのお手入れの方法をご紹介します。ハコネウツギの木のチャームポイントである、美しい花をたくさん咲かせるためにできるコツをわかりやすくご説明しますので、ぜひ読んでみてください。
また、ハコネウツギが枯れてしまったかもしれない場合の対処法もご紹介します。ハコネウツギの栽培に必要な情報を手軽に知って、お手入れに活かしてみましょう。
ハコネウツギの剪定時期と方法
まずは、ハコネウツギの剪定時期と方法についてご説明します。
ハコネウツギの剪定は季節に注意が必要ですので、タイミングを間違えないようにお気を付けください。
ハコネウツギの剪定時期
ハコネウツギは生長の勢いが強いので、剪定は毎年おこなう必要があります。剪定は、花が咲き終わった後、すぐにおこないます。花は5~6月に咲くので、花が枯れたらすぐに枝を切らなければいけません。
ハコネウツギは花が枯れた後、来年花が咲く芽がつくられるのが早い植物です。次の年に花をつけるのは、前年に伸びた枝だけになります。
ハコネウツギの花芽は、花が枯れた年の9月にはすでに来年分のものがつくられているので、のんびり剪定しようとすると、来年の花芽がついている枝まで切り落としかねません。そうすると、結果的に翌年咲く花の数が減ってしまうのです。
花が散った後に剪定ができなかった場合は、葉っぱが落ち始める12~3月上旬ごろに剪定をすることもできます。しかし、あまり切りすぎると次の年の花の数が減ってしまうため、花を楽しみたい人にはおすすめできません。
ハコネウツギの花を楽しみたい方は、来年花となるはずの芽を切ってしまわないように、花が散ったらすぐに剪定をするのがいちばんです。
ハコネウツギの剪定方法
剪定では、不必要な長さまで伸びた枝を切り、枝が密集している場所で間引きをします。
前年伸びた新しい枝にだけ翌年の花がつくので、長い枝や古い枝を落としましょう。
木の内側までしっかりと日光が入るように、不用な枝を切り落としていきます。風通しがよくなるため、病気や虫による害が発生しづらくなります。
ハコネウツギは挿し木で増やせる
ハコネウツギは挿し木で増やすことができます。切り落とした枝を土に挿しておくと、新しいハコネウツギの株となるのです。
挿し木をするのにぴったりの季節は、6~8月上旬と、9~10月の2つの期間です。
- 鋭利な刃物で枝を斜めに切る
- 切った枝を水に浸け、2~3時間放置する(水揚げ)
- 市販の挿し木用の土に枝を刺す
- 明るい日陰におき、土を乾燥させないように水やりをする
枝の切り口から根が生えてきて、土のなかの養分を吸い取ることができるようになったら、新しいハコネウツギの苗として育てることができます。
剪定が大変に感じたら?
ハコネウツギはお手入れのしやすい植物ですが、木が育つ勢いが強く、樹高が高くなることもあるため、剪定に手間がかかります。こまめに剪定しなければいけなかったり、高い場所の枝を切らなければいけなかったりするためです。
ハコネウツギの剪定が大変だと感じたら、プロの剪定業者に作業を依頼するのもひとつの手です。プロの剪定業者であれば、依頼を受けたときどきでハコネウツギにとって最適な剪定をおこない、次の年にきちんと花が咲くように配慮ができるからです。
「来年花がちゃんと咲くようにハコネウツギの剪定をしたい」「大きく剪定したいけど、花が咲かなくなるのは嫌だ」など、ハコネウツギの剪定に不安がある方は、いつでも剪定110番にご相談ください。樹木1本からご依頼を承っております。
ハコネウツギの育て方
花が散った後と落葉期の剪定だけでなく、ハコネウツギの普段の育て方を見てみましょう。
ハコネウツギを健康に育てるために、日ごろから実践できる小さなポイントをご紹介します。
ハコネウツギの花が咲かないときは……
ハコネウツギの花がうまく咲かなかったりするときは、剪定方法ではなく、日ごろのお手入れや栽培環境に問題があるのかもしれません。
ハコネウツギの花の色はとても特徴的で、開花直後は白色、そこから桃色、赤色と、どんどんと花の色が濃くなっていきます。1本の木に咲く花なのに、白から赤のグラデーションがあちこちで見られる様子はたいへん華やかで美しいです。花を楽しむために、ハコネウツギを栽培している方も多くいらっしゃいます。
ハコネウツギの最大の魅力ともいえる花が咲かなくなると、とてももったいない気持ちになるものです。ハコネウツギを健康的に栽培し、毎年花が咲くようにするには、どんなことに気をつけたらよいのか、以下で詳しくみていきましょう。
ハコネウツギが好む環境
ハコネウツギは、剪定以外にはあまり手がかからない、園芸初心者でも育てやすい植物です。しかし、そんなハコネウツギにも、とくに好む環境があります。
- 日当たりのよい場所
- 水はけがよい土
この2点に注意をして育ててみましょう。
明るい日陰(半日陰)でもハコネウツギは育ちますが、どれだけたくさんの花が咲くのかは、どれだけたくさんの日光を浴びたかに比例します。
水やり・肥料の与え方
ハコネウツギを健康的に育てるためには、「水やり」と「肥料の与え方」にもポイントがあります。以下でそれぞれについて詳しくご説明します。
水やり
ハコネウツギは、庭植えであればほとんど水をやらなくても育つ植物です。普段は自然の雨水だけでじゅうぶん健康に育ちます。
少しだけ乾燥に弱いため、夏のとくに暑い時期だけは日照りによる乾燥を防ぐために水をやりましょう。木の根元に直接日光があたる場所に植えている場合は、乾燥にはとくに注意して育てる必要があります。
ハコネウツギの乾燥対策としては、マルチングが最適です。マルチングとは、植物の根元をビニールなどで覆って育てる方法で、これをおこなうと、土の乾燥や病気・害虫による被害を回避することができます。
ハコネウツギの場合は、藁(ワラ)や腐葉土を根本に被せておくと、乾燥から木を守ることができます。
肥料の与え方
肥料はとくに与えなくても健康に育つ植物ですが、与えるのであれば1~3月がよいでしょう。
施肥直後から効果が長く持続する肥料(緩効性化成肥料)や、油粕(固形)などを根本に与えると効果的です。
ハコネウツギは鉢植えに向いていない
ここまでは、庭植えのハコネウツギの育て方に焦点を絞って見てきました。それは、そもそもハコネウツギが鉢植えに向かない植物だからです。以下でその理由をご説明します。
ハコネウツギは、とにかく生長の勢いがすさまじい樹木です。そのため、鉢植えにしてもすぐに大きくなってしまい、剪定などの手間がかかるようになります。一般的に、多くの植物で、庭植えよりも鉢植えのほうが頻繁に剪定をしなければなりませんが、ハコネウツギの場合はなおさら手間がかかってしまうのです。
ハコネウツギをどうしても鉢植えで育てたいという場合は、大きく生長することを見越して、初めから大きな鉢で余裕をもって育てる必要があります。
お家に庭がないなど、どうしても鉢植えでハコネウツギを育てたいという方は、プロの剪定業者に依頼するとよいでしょう。プロの手を借りれば、頻繁な剪定にも煩わされることはありませんし、花が咲かないなど栽培上の問題解決のための適切な対応をとってもらえます。
栽培のお悩みはプロの知識によってすっきり解決することもあります。ぜひ一度、剪定110番にご相談ください。
ハコネウツギが枯れた?と思ったら
「ハコネウツギが枯れたかもしれない!」そう心配になる方が意外と多いのは、ハコネウツギがもつ独特の特徴が関係しているといえます。
ここからは、本当に枯れてしまったのかを確かめるための方法と、ハコネウツギの生態について、少し掘り下げてみましょう。
枯れたと勘違いしてしまうこともしばしば
ハコネウツギはその特性から、枯れたと勘違いされやすい植物です。特性というのは「幹(枝)の内側がからっぽになる」ことを指します。
ハコネウツギはウツギと呼ばれる植物の仲間で、ウツギは漢字で「空木」と書きます。ウツギの仲間の幹内部には、生長とともにドーナツ状の空洞ができることから、こう名づけられたといわれています。
剪定時にふと枝の切り口を見て、枝のなかに空洞ができているのを見たら、枯れたと勘違いするのも無理はありません。しかし、本当に枯れているわけではないため、悲しく思う必要も、伐採を検討する必要もないのです。
ハコネウツギの一年間の流れ
ハコネウツギ栽培の1年の流れは次のとおりです。
- 春
-
- 1~3月:肥料をあげる
- 5~6月:花が咲く
- 6月:剪定
- 夏
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- 6~8月上旬:挿し木
- 土の乾燥に注意し、マルチングやこまめな水やりをする
- 秋
-
- 9~10月:挿し木
- 冬
-
- 11~3月:植え付け・植え替え
- 12~3月:剪定(花の数を気にしない場合)
栽培の目安にしてみましょう。
ハコネウツギに似ている木の種類
ハコネウツギに似ているのは、ウツギの仲間でも2種類あります。
ニシキウツギ
ハコネウツギと同様、花の色が変化して2色になるため「二色空木」と名付けられたといわれます。ハコネウツギとよく似ていますが、平地に生えるハコネウツギとは対照的に、ニシキウツギは山間部に多く見られます。
ハコネウツギとはとてもよく似ているうえ、ふたつの雑種も確認されているため、判別はとても難しいのが特徴です。
ハコネウツギは、「ハコネ」と名前についているものの、箱根に自生している数が少ないといいます。ハコネに生えているウツギの仲間では、このニシキウツギが多いといわれます。
タニウツギ
タニウツギはハコネウツギと同じ属の植物ですが、花の色が違います。ハコネウツギが白から赤に変化するのにひきかえ、タニウツギの花は薄紅または紅色をしており、ピンクの色味が強いです。タニウツギの仲間であるシロバナタニウツギは、花の色が白い種類です。
北海道から本州まで広く分布していますが、名前のとおり、自生している場所は谷が多いです。
ハコネウツギは丈夫な木、でもお手入れは欠かさずに
ハコネウツギはウツギの仲間のなかでもとくに育てやすい植物ですが、枝が伸びるスピードが速いため、きちんとお手入れをしないと枝が伸び放題になります。少し気を抜くとどんどんと手に負えなくなっていくので、こまめな剪定は欠かせません。
毎年こまめに剪定をし、美しい樹形を保ちながら、繊細な花を楽しんでみましょう。
また、自分では剪定できないという人は、きちんと業者に依頼をしましょう。扱いづらいほどにまで育ってしまった植物を大まかに剪定してもらうよりは、こまめに剪定をしたほうが、木にとっても負担が少ないのでおすすめです。
剪定を任せる業者をお探しのときは、剪定110番にご連絡ください。ハコネウツギ1本から剪定のご依頼を承っております。