ハナキリンは小さいながらも、赤やピンク、黄色などの色鮮やかな花を咲かせる多肉植物です。マダガスカルが原産の植物であるため暑さに強く、気温を高くしておけば一年を通して花を楽しむこともできます。花の色や唇のようにも見える花弁の形状から「Kiss me quick」という別名もあり、花言葉は「純愛」というロマンティックな花でもあるのです。
このコラムではそんなハナキリンの剪定方法や育て方についてご紹介します。しっかりとお手入れをして、かわいらしい花を楽しみましょう。
ハナキリンの剪定方法と時期:作業中は樹液に要注意!
ハナキリンは、縦に長く伸びやすい植物です。なにもお手入れをせずに放置していると茎が成長しすぎて倒れてしまい、大変見栄えが悪くなってしまいます。また、伸びすぎた茎を放置しておくと風通しが悪くなるため、病害虫の発生原因になりかねません。そのため、茎が伸びてきたら剪定をおこなってあげてください。
ハナキリンの剪定のやり方は、剪定鋏やナイフなどを使いながら伸びすぎた茎を切り落としつつ全体の形を整えていく流れになります。この作業は「切り戻し」ともいいます。剪定は、病害虫が発生しやすくなる6~8月頃におこないましょう。
剪定に使う鋏やナイフはしっかりと消毒をしておかないと、切り口から雑菌が侵入してしまうおそれがあるため注意が必要です。また、ハナキリンの茎には鋭いトゲが生えているため、茎をつかむ際に手をケガしてしまわないように注意しましょう。
さらに、ハナキリンの剪定をする際は切り口から出てくる白い樹液にも注意してください。ハナキリンの樹液には毒性が含まれているため、人によっては肌に触れるとかぶれてしまうおそれがあるのです。
トゲによるケガや樹液による皮膚のかぶれを防ぐためにも、ハナキリンの剪定をおこなう際は必ず軍手やゴム手袋を身につけておこない、剪定が終了したらしっかり手を洗いましょう。
ハナキリンを育ててみよう!
ハナキリンは比較的育てやすく、気軽に楽しむことができます。しかし、間違った育て方をすると花が咲かなくなったり、枯れてしまったりするおそれもあるため注意が必要です。この章では、ハナキリンの育て方についてご紹介していきます。
- 水やり
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ハナキリンは多湿の環境を好まないので、水をあげすぎると枯れてしまうおそれがあります。そのため、夏場でも2~3日に一度、冬は10日前後に一度土が乾燥していたら水を与える程度で十分です。
- 肥料やり
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ハナキリンは肥料を与えすぎると花が咲かなくなり、茎と葉だけの植物になってしまいます。そのため、生育期の5~11月頃に月一回のペースで液体肥料を与える程度にとどめておきましょう。
- 育てる環境
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ハナキリンは日光を好むため、日当たりのよい場所で育てましょう。温暖な国の植物であるため寒さが苦手なので、冬はなるべく室内で育ててあげてください。冬であっても室内を暖かくしておけば、花を楽しむことができます。
- 植え替え
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ハナキリンは基本的に観葉植物として扱われるため、鉢植えに入れて育てるという方が多いです。同じ鉢植えのなかで植物を育て続ける場合、鉢のなかで根が成長しすぎる「根詰まり」の状態になってしまいます。
根詰まりを放置していると根が土から水を吸えなくなり、ハナキリンが枯れてしまうおそれがあります。根詰まりを防ぐためにも、1~2年に一回は植え替えをおこなうようにしましょう。植え替えは4~5月におこなうのが適切です。
- ハナキリンの増やし方
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ハナキリンは、挿し木で増やすことのできる植物です。挿し木とは植物の枝を切り取り、その枝を土に埋めて根づかせて増やす方法です。剪定の際に切り落とした枝を使って挿し木することもできます。
ハナキリンの挿し木をおこなう際はまず、枝を斜めにカットし水に切り口をつけて樹液を出しましょう。樹液を出しきって数日間切り口を乾燥させたら、土に植えることができようになります。挿し木をおこなう際も、樹液が皮膚につかないように注意してください。
ハナキリンのトラブル対処法
ハナキリンは育成の手間がかかりにくい植物ではありますが、トラブルとまったくの無縁というわけではありません。この章では、ハナキリンのトラブルの一例や対処方法についてご紹介します。
- 花が咲かない
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茎や葉は問題なく生長しているのに、一向に花が咲かないという場合は肥料をやりすぎている可能性が高いです。液体肥料であれば月一回程度のペースで十分なので、与えすぎないように注意しましょう。
日光不足で花が咲かないというケースも考えられます。日当たりのよくない場所で育てている場合は、場所を移動させてみてください。
- 枯れてしまった
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ハナキリンが枯れてしまった場合は、水のやりすぎで根腐れを引き起こしているケースが多いです。水やりをする際は、土が乾燥しているのをよく確認した上でおこないましょう。
また、鉢植えでハナキリンを育てている場合は、根詰まりが原因の可能性もあります。鉢植えで育てる場合は、1~2年に一度は植え替えが必要になるので、忘れないようにおこなってください。
- 葉が黒い
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葉っぱが黒い場合は、すす病にかかっているおそれがあります。すす病はコナカイガラムシなどの害虫が出す排泄物によって発生します。葉に白い塊が見えたらコナカイガラムシである可能性があるので駆除してあげましょう。
- 弱った枝や葉は早めに取り除こう
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弱った枝を放置しておくと、ハナキリンの生育が悪くなったり、花が咲かなくなったりしかねません。弱った枝葉は剪定して早めに取り除きましょう。
まとめ
ハナキリンは5~11月にかけて、小さくてかわいらしい花を咲かせる植物です。また、冬場であっても温度を高く保ってあげれば花を咲かせるため、一年中花を楽しむこともできます。
比較的育てやすい植物ではありますが、しっかりとお手入れをしてあげないと花が咲かなくなってしまうことがあります。そのため、茎が伸びてきたら剪定をおこなってあげ、水や肥料のやりすぎには注意しつつ、日当たりのいい場所で育ててあげてください。
剪定をおこなう際は、茎の切り口から出てくる樹液に触れると肌が被れてしまうおそれがあるため注意しましょう。軍手やゴム手袋をつけながら剪定をおこなうことをおすすめします。
ハナキリンの剪定がうまくできるか不安だったり、ハナキリンの花がなかなか咲かないという場合は業者に相談してみることをおすすめします。しかし、数多くの業者のなかからどの業者を選べばよいのかわからないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そのようなときは、剪定110番をご活用ください。剪定110番では数多くある加盟店のなかから、お客様のご希望に沿った業者をご紹介できます。無料の電話相談も受け付けているため、まずはお電話してみてください。ハナキリンのお手入れをしっかりして、色鮮やかな花を楽しみましょう。