柏葉アジサイは、文字通り柏に似た掌状の葉が特徴で、5~7月に円すい形の房にたくさんの白い装飾花を咲かせます。また紅葉も美しいことから、庭木としても人気のある植物です。ただし花付きをよくするには、適した時期に定期的に正しい方法で剪定をおこなう必要があります。
間違った方法で剪定してしまうと、翌年に花を楽しめなくなってしまうおそれがあるのです。また成長するスピードも早いため、放置しておくと樹形が大きく崩れたり病害虫が発生したりすることもあるので注意しなくてはいけません。
こちらのコラムでは、柏葉アジサイの剪定に適した時期や具体的な方法をはじめ、健康な株に育てるためのポイントについて解説します。またドライフラワーにして長く柏葉アジサイを楽しむ方法についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
柏葉アジサイの剪定方法は2種類
柏葉アジサイは定期的に剪定をしないと、枝分かれせず1本の茎だけが太くなりバランスの悪い樹形になってしまいます。とくに植え付けたばかりの若木のときにおこなう剪定は大切です。ここでは、柏葉アジサイの具体的な剪定方法などについて解説します。
若木のうちは強剪定で枝を増やす
若木のうちは枝の数が少なく咲く花も多くないため、強剪定で枝を切り詰めることをおすすめします。切り詰めた箇所からは複数の枝が出てくるので、バランスのよい樹形になり、装飾花のボリュームも出るでしょう。
強剪定をおこなうのは11月~3月の落葉期で、寒さが厳しくない日を選んでおこないます。剪定方法としては、地際から20~30cmほどの高さまで切り詰めます。このとき、できるだけ芽を残しておくようにするのもポイントです。
樹形が乱れているので整えたいときや小さく仕立て直したいというときも、強剪定をするのがおすすめです。ただし、強剪定をした場合は翌年に花がつかないので注意してください。
樹形を整えるための剪定は花後がおすすめ
柏葉アジサイの新芽は夏に出てくるので、剪定は6月ごろ、花後のできるだけ早い時期におこなうようにしましょう。まだ花のついている枝を切ることに、ためらいを感じてしまうかもしれません。
しかし花後すぐに切ることで、翌年にも同じように花を咲かせることができるのです。そして花房を付けたままだと、生育に必要な栄養を取られてしまうこともあります。時期を遅らせて剪定した場合は翌年に花が付かなくなりますが、もし花を長く楽しみたいということなら、花を残す枝を決めて残りの枝を切るのもよいでしょう。
この時期の剪定では、枯れた枝や細い枝も取り除いておくとよいでしょう。風通しのよい株にすれば、病害虫の発生を抑えることができます。
装飾花を楽しむために柏葉アジサイを育てたい場合は、剪定する枝を見極めて適した時期に手入れすることが大切です。もし自分で剪定することに不安を感じる場合は、業者などに剪定を依頼するか、一度相談してみるとよいでしょう。
柏葉アジサイの育てかた
柏葉アジサイを健康な株に育てるには、剪定だけでなく適切な手入れをすることも必要です。ここでは、柏葉アジサイの基本的な育てかたなどについて解説します。
栽培環境は半日陰がおすすめ
柏葉アジサイの栽培環境は、日照時間が不足すると花付きが悪くなるため、半日陰や日なたが適しています。常に直射日光が当たるような場所では、夏に葉焼けを起こす場合があるので注意しなくてはいけません。水はけのよい肥えた土を好み、極端に乾燥する環境では株が弱ってしまうおそれがあります。
樹高は80cmほどになることもあるため地植えのほうが向いています。もし鉢植えにする場合は、根詰まりを防ぐために大きめの鉢にしておくことがおすすめです。
水やりのタイミング
基本的に柏葉アジサイは、庭植えなら降雨と土の中の養分だけで十分に育ちます。ただし乾燥しがちな夏は、水切れ起こさないように注意しましょう。もし、雨の降らない日が続いて土が乾燥したら朝か夕方に水を与えてください。とくに鉢植えの場合は、表面の土が乾いたらたっぷりと水をやることが大切です。
肥料の与えかた
柏葉アジサイに与える肥料は、効果が長く持続する緩効性の化成肥料が適しています。肥料を与えるタイミングは年3回で、2月前後の落葉期と開花期の6月、そして10月前後の生育期です。
植え付けや植え替え
植え付けや植え替えの適期は、3月ごろと10月ごろです。庭植えなら腐葉土を含んだ用土が向いており、元肥として緩効性化成肥料や堆肥などを混ぜておくのもよいでしょう。鉢植えの用土には赤玉土や腐葉土を使い、根詰まりを防ぐため2年に1度は植え替えすることをおすすめします。
たくさんの花を楽しむためには
柏葉アジサイの一番の魅力は、美しい装飾花を咲かせることでしょう。柏葉アジサイには、一重咲きのものからスノーフレークといわれる八重咲きするタイプなど、さまざまな品種があります。ここでは、たくさんの花を楽しむためのポイントについて解説します。
病害虫は早めに対処する
柏葉アジサイは、春から秋にかけて病害虫が発生しやすくなります。放置しておくと被害が拡大するおそれもあるので注意しなくてはいけません。
柏葉アジサイに発生しやすい病気には、「うどんこ病」や「褐斑病」、害虫では「ハダニ」や「コナジラミ」が挙げられます。病害虫によって葉の養分を吸い取られてしまうと、光合成ができなくなり株自体を弱らせてしまうこともあるのです。剪定などの手入れをする際は、病害虫の症状が出ていないか茎や葉をチェックするようにしてください。
病気になった葉をそのままにしておくと、被害が拡大していく可能性があります。たくさんの花を咲かせる健康な株を維持するためにも、病害虫の被害を受けた葉は取り除き、駆除剤を散布するなどして防除しましょう。
挿し木で株を増やすこともできる
柏葉アジサイは、挿し木をすることで株を増やすことができます。株を増やして順調に育てることができれば、開花期にたくさんの花を楽しむことができるでしょう。挿し木をするのは6月~7月が適期で、花後の剪定で出た枝を使うのもよいでしょう。挿し木に向いているのは、その年に新しく伸びた枝がおすすめです。
15~20センチの長さで切った枝は、栄養を吸い取りやすいように切り口を斜めにしておきます。穂先と1節目の葉以外を取り除いて、1時間ほど切り口を水につけて水揚げします。水揚げしたあと、切り口に発根促進剤を塗っておくとよいでしょう。赤玉土などに挿して、明るい日陰で管理します。順調に発根すれば、1か月ほどで植え替えできるでしょう。
ドライフラワーにしてみるのもおすすめ
柏葉アジサイを剪定する場合は花ごと切ってしまうため、もったいないと思うかたも多いのではないでしょうか。その場合は、水分の含有量が少ない特徴を利用して柏葉アジサイをドライフラワーなどにしてみるのもおすすめです。
ドライフラワーを作るには、さまざまな方法がありますが、ここでは花を吊り下げるだけのもっとも簡単な「ハンギング」をご紹介します。柏葉アジサイを使ったドライフラワーを作るには、吊り下げるための紐とハサミを用意します。なかでも「麻紐」は、花を傷めにくいのでドライフラワーに向いています。
キレイなドライフラワーを作るためには、まず下処理として茶色になって傷んだ花びらや折れている葉などを取り除きます。またアジサイは装飾花が密集しているので、まとめずに1本ずつ吊るすのがおすすめです。
茎に紐を巻くときは、きつめにしておきます。吊るして乾燥すると茎の水分が抜けて細くなるので、紐の巻きかたが弱いと抜け落ちて壊れてしまうおそれがあります。もし、節などがあれば紐が引っ掛かりやすくなるので、そうしたことも含めて枝を選んでみるのもよいでしょう。
花を吊り下げるのは、乾燥していて晴れた日が続くときが最適です。できるだけ風通しがよくて直射日光の当たらない場所を選びましょう。とくに窓際などで日光に当たってしまうと色が褪せてしまうので注意してください。
不安な場合は業者に依頼しよう
柏葉アジサイの装飾花を楽しむためには、定期的な剪定をはじめ適切な手入れが必要になります。しかし、初めて柏葉アジサイを育てる場合は、自分で剪定や日ごろの手入れすることに不安がある方も多いでしょう。なかには仕事などが忙しく、自分で手入れする時間がないというかたもいるかもしれません。
柏葉アジサイは、定期的に手入れしなければ病害虫の被害を受けやすくなり生育に支障をきたすことがあります。また剪定に失敗すれば、翌年に花が咲かなくなってしまうだけでなく、株を枯らせて栽培に失敗してしまうこともあるのです。
その場合は、プロの業者に手入れを任せてみてはいかがでしょうか。業者であれば、豊富な経験から剪定や手入れのコツまで知り尽くしているので、失敗することなく適切な方法で施工してくれるはずです。
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