幸福の木として親しまれている「ドラセナ」は、多くの家庭で育てられている、一般的な観葉植物です。そんなドラセナですが、放っておくと上へ上へと伸び続け、「気が付いたらずいぶんと大きくなっていた……」そんな経験はありませんか?
そのため、ドラセナは大きくなりすぎる前に剪定して、樹形や大きさを保つ必要があるのです。また、ドラセナの剪定には樹形や大きさを整えるだけではないもう1種類の剪定があることをご存知でしょうか。
本コラムでは、ドラセナを育てる上で必要な2種類の剪定について解説してまいります。また、上手な育て方についてもご紹介してまいりますので、本コラムを参考にして更なる幸せを呼び込みましょう。
【幸福の木】剪定方法の基本
幸福の木、ドラセナは背の低い観葉植物ですから、自分での剪定もさほど難しい作業ではありません。ここでは、ドラセナの樹形や大きさを保つために必要な剪定の方法をご紹介してまいります。
剪定に適した時期はいつ?
ドラセナを含め、観葉植物の剪定は成長期におこなうのが基本です。植物が元気な時期に剪定することで、剪定後すぐに元気な新芽を生やしてくれます。ドラセナの成長期は5月から9月といわれていますので、このタイミングを逃さないようにしましょう。観葉植物が苦手とする寒い時期の剪定は剪定後のダメージから回復する力が弱いため、おすすめできません。
また、剪定後は日差しや風通しのよい場所にドラセナを置くことをおすすめしますが、7月から8月の強い日差しがある時期には要注意です。強い日差しによって葉が焼けてしまうおそれがあります。ですので、基本的に5月から9月がドラセナの剪定に適した時期ではあるのですが、5月から6月頃には剪定を済ませておくのが無難です。
変色した葉を取り除こう
まずは、変色した葉を取り除きましょう。一度黄色や茶色に変色した葉は、元に戻ることはありません。基本的には手でちぎって取り除くことができますが、手でとれない箇所の葉はハサミを使うとよいでしょう。また、一カ所だけ変色しているような場合は、葉ごと取り除く必要はありません。変色した部分だけをハサミで切り取るようにしてください。
伸びすぎた枝を剪定しよう
伸びすぎた枝を剪定しましょう。剪定に必要なものは剪定バサミのみです。ただし、この剪定バサミは清潔なものを使用しましょう。清潔なものを使用することで、剪定後の細菌感染など木の病気を防ぐことができます。
次に、剪定の方法ですが、好みの大きさ・形になるようにカットしていきます。ただし、ドラセナの場合、剪定後は切り口よりも少し下から新芽が発芽してきますので、今後の成長をイメージしながら形作ることが大切です。大きさについても、成長を見越して希望よりも少し小さめに剪定しておくことをおすすめします。
【幸福の木】切り戻し剪定の方法
切り戻し剪定とは、育ちすぎた樹木の枝を途中で切り、株を短くすることです。幸福の木、ドラセナにもこの切り戻し剪定が必要です。それでは、ドラセナに必要な切り戻し剪定についてご紹介してまいります。
切り戻し剪定の目的
ドラセナの切り戻し剪定をする主な目的は2つあります。崩れた樹形を元に戻すこと、そして弱ってしまった樹木を復活させることです。
伸びすぎてしまったドラセナは、葉や枝が密集しています。これでは、きれいな樹形を作ることも難しいですよね。一度、根本近くから枝を切り落とし、新しい枝や葉が生えてくるのを待ちましょう。一度切り戻したドラセナは、手入れも格段にしやすくなりますよ。
また、弱ってしまったドラセナも思い切って切り戻し剪定をすることで、新しい強い芽が生えてきます。弱ってしまったドラセナは病気や虫の被害も心配ですから、今後のドラセナの健康のためにも思い切って切り戻しをしましょう。
次の章では切り戻し剪定の方法をご紹介いたしますので、「近ごろドラセナの元気がないな……」とお悩みのかたは、さっそく試してみてはいかがでしょうか。
切り戻し剪定の方法
切り戻し剪定の場合も、清潔な剪定バサミを使用しましょう。剪定バサミの消毒は、中性洗剤での洗浄や、熱湯・エタノールスプレーでおこなうことができます。清潔な剪定バサミの用意ができたら、切り戻し剪定を開始しましょう。
切り戻し剪定は、枝や葉の枯れ、変色がなくとも木の大部分をカットします。親木と枝の僅かな根本は残しておきましょう。大部分をカットするのが不安な場合は、様子を見ながら芽を出させたい場所に合わせてカットします。思い切って短くすることで、切り口から元気な新芽が出てきてくれますよ。
切り戻し後は切り口ケアが大切
切り戻し後のドラセナは、とてもデリケートです。とくに、切り口からの細菌感染が心配です。木の切り口の断面に塗ることのできる保護剤が販売されていますので、切り戻し後に塗っておくとよいでしょう。この保護剤は、ホームセンターやインターネット通販などで購入することができます。
また、切り口のケアが完了したらドラセナを日当たりと風通しがよい場所に移動させてください。切り戻しは人間にとっての手術のようなもので、ドラセナも非常に弱った状態になっています。そのため、いつもよりも気にかけて、適切な環境下で管理しましょう。
幸福の木は剪定した枝で挿し木ができる
挿し木とは、切り取った枝を土に植えて根を張らせ、新たに発芽させることをいいます。切り戻し剪定で切り取った枝を挿し木にして、ドラセナを増やしてみましょう。挿し木の方法は、剪定した枝を土の上に挿すだけです。枝を土にしっかりと挿したら、水をたっぷりと与えます。この場合も、日当たりと風通しのよい場所で管理するようにしてください。
しばらくしたら土が乾燥しますので、そのタイミングで再度水をたっぷりと与えます。これをくり返して、挿し木が根付くのを待ちましょう。きちんと根付いて、新芽が出たら植え替えをすることもできます。
幸福の木の上手な育て方
それでは最後に、幸福の木、ドラセナの上手な育て方をご紹介いたします。定期的な剪定と併せて上手にお手入れすることで、より美しくドラセナを維持することができますよ。
幸福の木が元気に育つ環境
幸福の木であるドラセナは、基本的に室内で育てるようにしましょう。日光が好きな植物なので、日当たりのよい場所に置くのがおすすめです。ただし、夏の暑い時期は直射日光により葉焼けを起こしてしまうおそれがありますので、日差しを遮れる場所に移動させましょう。また、ドラセナは冬の寒さが苦手です。最低でも5℃以上の室温を保つようにしてください。
ドラセナを屋外で育てたいのであれば、夏場は日よけネットなどで日差しをカバーする工夫が必要です。また冬場の寒さこそドラセナの大敵ですから、ビニールや段ボール、発泡スチロールなどで保温する工夫をしましょう。そうはいっても、ドラセナは室内での栽培に向いた観葉植物です。鉢植えにして室内で育てることをおすすめします。
水やり・葉水をしよう
ドラセナを育てる上で、水やりと葉水は欠かせないお手入れです。ドラセナの水やりは、土が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えるのが基本です。土が乾くまでは、水を与えないようにしてください。土が乾く前に水を与えてしまうと常に土がジメジメとした状態となってしまい、根腐りを起こしてしまうことがあります。
また、ドラセナには葉水をおこないましょう。聞きなれない言葉かもしれませんが、言葉の通り葉に水を吹き付けることを葉水といいます。この葉水には防虫効果があり、ドラセナにつきやすいといわれるハダニを弱らせることができます。また、葉の乾燥を防ぐ効果もありますので、よりドラセナの健康を促進します。
幸福の木に花が咲いたら?
ドラセナは白や赤、紫色の小さな花を咲かせることがあります。せっかく咲いた花ですが、この花は切り取ってしまいましょう。この花があることで株自体の栄養が花に取られてしまいます。また、この花は蜜を出すので放っておくと葉や茎がベタベタになってしまうこともあるのです。木の健康のためにも、ドラセナの花は早めに切り取るよう心がけましょう。
木が弱ってきたら植え替えがおすすめ
ドラセナを鉢に植えてから長く経つ場合、鉢の中が根でいっぱいになって根詰まりを起こしているおそれがあります。そうなってしまうと、土内の酸素が不足することで葉の変色が起き、しおれたような姿になってしまうのです。そこで、植え替えをし、土の中の酸素不足を解消するのが植え替えの目的です。
植え替えに適した時期はドラセナの成長期である5月半ばから9月の半ば。新たな土にしっかり根付かせるためにも、ドラセナが一番元気な時期におこないましょう。植え替える鉢は、今後の根詰まりを防ぐためにも一回り大きな物を選ぶようにしてください。
育て方や剪定の悩みはプロに相談してみよう
ドラセナの剪定や上手な育て方をご紹介してまいりましたが、いかがでしたか?葉や枝のカットは、比較的自分でも簡単におこなえそうな剪定だったのではないでしょうか。育て方についても、「日光や気温に気をつけて、土が乾いたタイミングで水やりをする……」と、難しいものではありません。
ですが、今回ご紹介した切り戻し剪定は難しいと思われるかたもいらっしゃるかもしれませんね。とくに、剪定後のダメージによる枯れが心配です。もし自分での剪定に不安があるなら、剪定のプロに相談してみましょう。ドラセナのような低木であれば、3000円前後が剪定費用の相場です。低コストで、安全な剪定をしてもらうことができます。
弊社のサービス「剪定110番」でも、剪定をはじめお庭のあらゆるご相談におこたえしています。ドラセナを含め庭木やお庭のお悩みをお持ちなら、お気軽にお電話ください。