モッコウバラは剪定で花をもっと楽しめる!誰でもできる素敵な仕立て方

モッコウバラを健康に育てる前年よりたくさんの花を咲かせる剪定方法

「モッコウバラを剪定して健康に育てたい」「きれいに仕立てて花をたくさん咲かせたい」などお困りではありませんか。
モッコウバラは成長が早く大きく育ち、枝や葉が混みやすいので剪定は必須です。

剪定することでモッコウバラの健康を保ち、たくさんの花を咲かせられます。
混み合っている枝葉を適切に整理することで風通しと日当たりが良くなって病害虫の予防になり、花を咲かせる花芽もつきやすくなるのです。

今回はモッコウバラの剪定方法やコツ、枝を誘引して好みの樹形に仕立てる方法、モッコウバラの種類についてご紹介します。

この記事を読むことでモッコウバラを健康に育て、たくさんの花を咲かせて楽しむことができます。

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目次

モッコウバラは枝葉に隙間ができるように剪定

モッコウバラの剪定では、枝葉に均等な隙間ができるように枝を間引きます。
枝葉に隙間がないと蒸れたり日当たりが悪くなったりして、害虫や病気が発生しやすくなります。枝を間引いて隙間を作ることで風通しと日当たりが良くなり、病害虫の予防になるのです。

剪定する枝は不要枝(ふようし)と呼ばれる、植物の健康を阻害する枝です。
モッコウバラの不要枝は以下の6種類です。

今年花が咲いていた枝
切る理由

一度花が咲いた枝は翌年以降花が咲きにくくなる

切り方

半分くらいの長さに切る

シュート(花が終わったあとに根本から生える太い枝)
切る理由

養分を吸収し、元の株が弱ってしまう

切り方

つけ根から切る

3年以上たつ古い枝
切る理由

花がつきにくくなり、樹形が乱れる

切り方

つけ根から切る

枯れた枝
切る理由

風通し・日当たりが悪くなり、病害虫の原因になる

切り方

つけ根から切る

細くて弱い枝
切る理由

風通し・日当たりが悪くなり、病害虫の原因になる

切り方

つけ根から切る

混み合った枝
切る理由

風通し・日当たりが悪くなり、病害虫の原因になる

切り方

つけ根から切る

今年花が咲いていた枝は翌年以降徐々に花芽がつきにくくなります。半分くらいの長さに切っておくことでそこから新しい枝が伸び、花芽を付けて花を咲かせられるのです。

シュートは成長が早いので、栄養を吸収してしまいます。株全体に十分に栄養が送られなくなり、弱ってしまうのでつけ根から切りましょう。

3年以上たつ古い枝は、太くなりほとんど花芽をつけなくなります。残しておいても樹形を乱すだけなのでつけ根から切ります。

枯れた枝、細くて弱い枝、混み合った枝は、風通しと日当たりが悪くなる原因です。樹形を乱し、病害虫が発生しやすくなるので、つけ根から切ります。

隙間の大きさは手のひらが入るくらいが目安です。枝を減らしすぎたり短く切り戻しすぎたりすると翌年に咲く花の数が減ってしまいますので、切りすぎないように、不要な枝を見極めて剪定しましょう。

シュートは切らない場合もある

植えてから2~3年以内の場合や新しい枝を増やしたい場合は、シュートは切らずに残します。

植えてから2~3年以内でまだ花が咲いていない場合は、剪定はあまり必要ありません。植えてから花が咲くまでの間に切ると、花が咲かなくなったり樹形を乱したりしてしまいます。

株を大きく育てたり古い枝と新しい枝を入れ替えたりしたい場合、シュートを残すことで新しい枝になります。シュートは花つきが良いので、翌年には花が咲きます。

モッコウバラ_剪定

モッコウバラの剪定時期は花後1か月以内

モッコウバラの剪定に適した時期は、5~6月頃です。4~5月頃に花が咲いたあと、1ヵ月以内が目安です。

モッコウバラは花が咲き終わってから夏の間に枝が伸びます。よく伸びた枝に花芽がつきやすくなるので、花後できるだけ早く剪定することで翌年に沢山の花が咲かせられます。
遅くても7月上旬には剪定を済ませましょう。

花が完全に散る前に剪定すれば、地面に落ちた花がらを掃除する手間が省けるのでおすすめです。花びらに張りがなくなってしぼんだようになったり、茶色っぽくなったりしたら、花が終わる合図です。

花後剪定の適期を逃したら見送る

もしも花後に剪定のタイミングを逃してしまったら、12~2月の間に軽く枝を整理する程度にとどめましょう。

花後剪定の適期である5~6月を大きく過ぎて夏の間に剪定すると、翌年の花が少なくなる原因になってしまいます。

1度でも遅れて剪定すると、花芽が作られない悪循環に陥ってしまうのです。

モッコウバラは花が終わったあと夏の間に枝を伸ばし、8~9月ごろになって充実した枝に翌年の花になる花芽をつけます。
剪定後に枝を伸ばす十分な期間がないと、花芽はつきません。切られた枝の成長に栄養を使ってしまい、花芽を作れなくなるのです。

そのため、花後に剪定ができなかった場合は花芽が完成している12月頃まで待ちましょう。

遅れて剪定すると陥る花芽が作られない悪循環

今年

7月中旬
~下旬

遅れて剪定

8~9月

枝が伸び続け、花芽が作られない

翌年

4~5月

葉がたくさん出て混み合う

5~6月

剪定後、強い枝が伸びる

8~9月

さらに枝に勢いが増し、花芽が作られない

3年以上たつモッコウバラは12月~2月にも剪定する

植えてから3年以上たつモッコウバラは、冬にも剪定することで花が咲いたときにきれいな樹形を作れます。

5~6月の花後におこなう剪定と違い、枯れた枝や花芽がついていない枝のみを軽く整理する程度にとどめましょう。
枝と一緒に花芽を切り落とすと、花の数は減ります。切りすぎたり花芽を落としたりしないように、枝に付いている花芽を確認して切る枝を選びましょう。


ここまでモッコウバラの剪定方法についてご紹介しました。花後はできるだけ早く、枝に均等な隙間ができるように剪定してくださいね。

ここからはモッコウバラの誘引方法についてご紹介します。
モッコウバラは誘引することでより花つきが良くなり、きれいな樹形を保てられます。

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モッコウバラの誘引方法

つる性バラの一種であるモッコウバラには、枝をフェンスなどに添わせる誘引という作業も必要です。剪定で枝を整理したら、今度は枝を好きな樹形に整える誘引にもチャレンジしてみましょう。

モッコウバラの誘引は秋におこないます。
花芽ができ、枝の成長が緩やかになる9月上旬ごろが最適です。

太い枝だけをフェンスなどに絡ませ、麻縄やワイヤーで固定します。
細い枝や短い枝は誘引・固定しなくても、自然に巻きつくように成長していきます。

誘引するときは以下の3つに気をつけてください。
少し気をつけるだけで、失敗せずきれいに誘引ができます。

ゆっくり押すように曲げる

一気に力を入れて曲げようとすると、枝が折れてしまいます。枝を握ってゆっくり力を入れながら曲げると折れにくいです。

水平に近い角度に誘引する

枝が地面に対して平行になるように誘引すると枝の途中に花がついて花数が多くなります。枝が上に向くように垂直に誘引すると、枝の先端だけに花がかたよってしまいます。横か斜めに誘引しましょう。フェンスやアーチなどではS字を描くように誘引します。

枝の間隔は手のひらが入るくらい空ける

間隔を開けずに誘引すると、枝が絡まって剪定しづらくなります。均等に間隔を開けることで風通しと日当たりが良くなり、病害虫の予防になります。また洗練されたデザインに見せることができます。

モッコウバラの素敵な仕立て方3種

モッコウバラをフェンス、アーチ、オベリスクに誘引し、仕立てる方法をご紹介します。
ぜひ憧れの仕立て方に挑戦してみてください。
植え替えが必要な場合は、10月~11月頃におこないましょう。

目隠しにもなるフェンス

フェンスに誘引すると華やかになるだけでなく、庭や家の中を目隠しすることができます。
わざとらしくない自然な目隠しになります。

フェンスの内側で横に広げる仕立て方

枝を放射状に開き、水平に近い斜め上方向に誘引

フェンスの外側に垂らす仕立て方
  1. S字を描くように枝を上方向に誘引
  2. 枝をフェンスの外側に垂らす
  3. フェンスの外側に垂らした枝を麻縄やワイヤーで固定

庭のシンボルになるアーチ

アーチはモッコウバラがより立体的になり、存在感のある庭のシンボルになります。
周りに違う植物を植えると、より華やかな印象になります。

アーチの仕立て方
  1. アーチの両端の外側にモッコウバラを植えるか鉢を置く
  2. S字を描くように枝を上方向に誘引
  3. 天井まで枝が伸びたら、枝をアーチの上にのせるように誘引

鉢植えで小さく育てられるオベリスク

鉢植えとオベリスクで仕立てると大きく広がらず、小さく育てられます。場所を取らないので、コンパクトな庭やベランダにもおすすめです。
オベリスクに合う大きさの鉢を選びましょう。

オベリスクにらせん状に巻きつける仕立て方を行灯(あんどん)仕立てといいます。
成長が早いモッコウバラは、大きめのオベリスクが仕立てやすく、剪定しやすいです。小さかったり細かったりするオベリスクでは枝を曲げるときに折れやすく誘引しづらいので、大きめのものを選びましょう。

オベリスクの仕立て方
  1. 鉢の3分の1の高さまで土を入れる
  2. 鉢の中央にオベリスクを立てる
  3. モッコウバラの苗をオベリスクの外側に置き、土をかぶせる
  4. 手の平が入るくらいの隙間を開けながら、らせん状にオベリスクに誘引する
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モッコウバラは4種類に分かれている

モッコウバラは中国原産のつるバラで、3センチメートルほどの小さな花を咲かせます。花の香が漢方やお香にもちいられるキク科の「モッコウ」に香りが似ていることからその名がついたといわれています。

モッコウバラの種類は全部で4種類です。
黄色い花が咲く「キモッコウバラ」と白い花が咲く「シロモッコウバラ」があり、さらにそれぞれに八重咲きと一重咲きがあります。

八重咲きは70~130枚の花びらが何重にも重なってふわふわとした見た目、一重咲きは5枚の花びらが重ならず、桜の花のようにつく種類です。

一般的にモッコウバラというとキモッコウバラを指しますが、シロモッコウバラの一重咲きがモッコウバラの基本の品種です。

キモッコウバラ

八重咲き

香り

ほとんどない

トゲ

ない

一重咲き

香り

少し香る

トゲ

少しある

シロモッコウバラ

八重咲き

香り

香る

トゲ

ない

一重咲き

香り

一番香る

トゲ

少しある

まとめ

モッコウバラは剪定や誘引をすることで素敵に仕立てられます。時期やコツ、注意点に気をつければ、あまり難しくありません。
ぜひモッコウバラを剪定・誘引して、お好みの仕立て方にチャレンジしてみてください。

「たくさん枝が伸びて剪定が難しい」「うまく仕立てられない」などとお困りの際には当サイト【剪定110番】にご相談ください。弊社加盟店の職人が最適な剪定・誘引方法をご提案し、素早く対応します。無料相談窓口にて24時間365日受け付けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

参考文献
上条祐一郎『剪定 「コツ」の科学 いつどこで切ったらよいかがわかる』講談社、2016

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