ルリマツリは、青紫色や白色などの花を咲かせてくれます。そんなルリマツリは、開花時期が5~10月と長期間で、その上寒さにもある程度強く育てやすいことからガーデニングに人気な植物です。
しかし、育てやすいとはいえ手入れが不要であるというわけではありません。生育旺盛であることからルリマツリの剪定をしたり、花をしっかり咲かせるために育てる環境に注意したりする必要があるのです。本記事では、そんなルリマツリの栽培方法についてまとめて紹介していきます。
ルリマツリの剪定は切り戻しでおこなおう
ルリマツリは生育旺盛な植物のため、そのまま放っておくと枝がぐんぐん伸びていき、形が崩れて見た目が悪くなってしまいます。きれいな状態で花を楽しむためにも、ルリマツリの剪定はしっかりとおこなっておきましょう。
剪定時期
ルリマツリの剪定は、「枝が伸びてきた」「枝が混みあっている」など見た目上気になったタイミングで都度おこなうようにしてください。毎年決まった期間に剪定をする必要はないため、ルリマツリの形を整えるためにこまめに剪定をおこなうのもよいでしょう。
剪定方法
ルリマツリを剪定するときは、基本的にはどこを切っても問題ありません。
なお、花が咲き終わったタイミング(花後)に剪定をする場合、ルリマツリを3分の1ほど切り戻しすることで、再び枝を伸ばしてもう一度きれいな花を咲かせることもあります。生育時期に強めの剪定をしても、花を咲かせることが可能です。
ルリマツリの剪定をするときの細かいルールはとくにないため、自分好みにアレンジしてもよいでしょう。
ルリマツリの栽培方法|植え付け~肥料・水やり
ルリマツリの剪定をするだけでは、花を最大限に楽しむことは難しいでしょう。なぜなら、基本的な栽培方法についても知っておかないと、生育が悪くなりきれいな花を咲かせることができない場合もあるからです。
ここでは、ルリマツリの植え付け・肥料・水やりといった基本的な栽培方法についてご紹介していきます。また、栽培をするにあたっての重要なポイントや注意点も解説しているため、しっかりと確認しておきましょう。
植え付けは鉢植え・地植えのどちらも可能
ルリマツリの植え付けに適している時期は4~6月で、鉢植え・地植えどちらでも育てることが可能です。しっかりと生育するために適切な時期に植える必要がありますが、植え方は自由なため自分に合った方法でルリマツリを育ててみましょう。
以下、鉢植えと地植えの植え付け方法と注意点についてご紹介します。
- 鉢植え
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まず、赤玉土・腐葉土を混ぜた良質な土とルリマツリの苗を植えるための鉢、そして鉢底石と鉢底用ネットを用意します。土に関しては市販に売られているものでも大丈夫ですが、鉢のサイズは大きめのものを選びましょう。ルリマツリは生育旺盛な植物であるため、鉢が小さいとうまく生長しにくくなるため注意が必要です。
ルリマツリの植え付けは一般的な植物の植え付け方法と同じく、鉢底にネットを敷いてから水はけをよくするための鉢底石を敷きます。次に購入したルリマツリの苗を抜き取り、苗についた土をほぐして落としてから新しい鉢に土と苗を入れていきます。苗を植えたら、たっぷり水を与えてから日当たり・風通しの良い場所に置きましょう。
- 地植え
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地植えをする場合も、あらかじめ日当たり・風通しの良い場所を選んでおきましょう。また生育旺盛であるため、ルリマツリが大きく生育しても問題ないほど広いスペースを選ぶことも大切です。できればほかに育てている植物から離れた位置にするのがベストでしょう。
地植えに必要な道具は、赤玉土・腐葉土を混ぜた良質な土と穴を掘るためのスコップです。実際に植え付ける際は、苗よりも大きく掘った穴に腐葉土などを混ぜながら、苗が傾かないように注意しつつおこなうようにしてください。
植え付けに関しては以上となります。
ここまでルリマツリを剪定・栽培するにあたって日当たりの良い場所・風通しの良い場所が重要であることがおわかりいただけたのではないでしょうか?これらの環境でないと花付きや生育が悪くなる場合もあるため、覚えておきましょう。
肥料は生育時期に与えよう
ルリマツリを植え付けするときと同時に、生育をよくするための緩効性肥料を与えるようにしてください。また、生育時期である春~秋のシーズンでは目安として、液体肥料の場合は1~2週間に1~2回、固形肥料の場合は月1回の頻度で肥料を追加するようにしましょう。
なお、冬の場合は肥料を与えなくても問題ありません。
水やりのコツは「表土の乾燥」
鉢植えで栽培しているルリマツリの水やりは、基本的に「表土が乾燥しているとき」に与えるようにしましょう。なお、ルリマツリの開花時期は水切れになると枯れてしまうこともあるため、花が咲いているときはとくにこまめな水やりが大切です。
なお夏と冬では、以下のように水やりの方法を変える必要があります。
- 夏の場合
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乾燥しやすいため水やりは1日2回程度、高温多湿を防ぐために早朝や夜など涼しい時間帯に与えるのがベスト
- 冬の場合
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土が乾きすぎなければ問題ないため水やりは10日に1回程度、根を凍らせないために温かい時間帯に与えるのがベスト
また、地植えで栽培しているルリマツリの場合は、植え付け時にしっかりと水を与えていれば基本的に水やりの必要はありません。ただ、こまめな水分が必要な開花時期には、土の様子を見て乾いているなら水やりをしてあげましょう。
枝が伸びてきたらルリマツリの剪定をすることも忘れないようにしてくださいね。
ルリマツリの植え替えは毎年おこなおう
ルリマツリの剪定・栽培方法はさきほど解説したとおりですが、鉢植えで育てている場合は鉢の植え替えを毎年おこなう必要があります。ルリマツリは生育旺盛であり育つごとに根が増えていくため、小さな植木鉢ではいずれ根詰まりをおこしてしまうおそれがあるのです。
ここでは、鉢植えでルリマツリを栽培する上での植え替え方法に必要な知識をご紹介します。ちなみに、地植えでルリマツリを育てている場合、日当たりに問題がなければ基本的に植え替えの必要はありません。
植え替えに適した時期
ルリマツリの植え替えは、4月ごろの春先におこなうのがベストです。鉢植えでルリマツリを育てると根詰まりを起こしやすいので、植え替えは毎年忘れずにおこなうようにしましょう。
植え替えの方法&コツ
植え替え方法は、植え付け方法と似たような流れで新しい鉢へ移し変えるだけです。鉢からルリマツリの株を慎重に取り出したら、根に付いている土を半分ほど落とします。このとき根の状態を確認して、枯れていたり長すぎていたりする根があれば園芸用のハサミで切っておきましょう。
また植え替えをするときの鉢は、現在使っているものよりも1回り大きいものを選ぶのがコツです。個体にもよりますが、生育時期によりルリマツリの剪定が必要なほど大きく育つ場合もあるため、スペースに余裕のある鉢に移し替えたほうが安心して栽培をすることができますよ。
ルリマツリの花をしっかり咲かせるコツ
「きれいな花を楽しみたい!」と思ってルリマツリを栽培したい方も多いことでしょう。もちろん、ここまででご紹介したルリマツリの剪定・栽培方法に沿って育てることでも花を咲かせることは可能です。
なお、さらに多くの花を咲かせるためには、ちょっとした「コツ」があります。それが、「花がら摘み」をすることです。
花がら摘みとは?
花がら摘みとは、咲き終わってしおれた花(以下花がら)を取り除くことをいいます。花がらを放置しておくと、養分が花がらに送られてしまうため、新しい花が付きにくくなるのです。
さらに、花がらの放置は「灰色かび病」という病気にもつながることがあります。そのため、開花時期はなるべくこまめに手入れしてあげるようにしましょう。
花がら摘みをするときのポイント
花がら摘みをするときは、素手でちぎるのではなく園芸用のハサミを使うとやりやすくなります。ただし、花びらだけを取り除いても効果が薄いため、花がらが付いている茎の部分から摘み取ることが大切です。
また、新しいつぼみを切ってしまわないように、花がら摘みをするときは摘み取って問題のない茎か確認してからおこなうようにしてください。このとき、ルリマツリの剪定が必要な枝がないかの確認も同時にしておくと効率的です。
ルリマツリを増やしたいなら→挿し木・株分けに挑戦
ルリマツリの剪定や栽培に慣れて、もっと花を楽しみたいという場合はルリマツリを増やしてみましょう。新しい苗を買うこと以外にも「挿し木」「株分け」という方法でルリマツリを増やすことが可能です。
それぞれの方法と注意点についてご紹介しますので、確認してみましょう。
挿し木|時期と方法
挿し木とは植物の株から枝を切り取って、それを発根させて増やす方法のことをいいます。ルリマツリの挿し木に最適な時期は4月~9月となっており、以下4つの手順をおこなうことで増やすことが可能です。ルリマツリの剪定をしたときに切り取った枝を再利用するのもひとつの方法でしょう。
- 丈夫で新しい枝を8~10cmほど切り取とっておく(以下挿し穂)
- 挿し穂の先端部分を切り取る
- 挿し穂を良質で新しい赤玉土に挿す
- 挿したあとは、乾燥を防ぎつつ水をたっぷり与える
ルリマツリの挿し穂を栽培するときの場所は、明るい日陰がベストです。目安として1ヶ月後程度で根が生えたら挿し木成功ですが、株が小さいときはまだ根が丈夫な状態ではありません。新しい鉢や庭に移し替えるタイミングは、株が十分に育ったときにしておきましょう。
株分け|時期と方法
株分けとはその名のとおり、株から根を切り離して株を分けて増やす方法です。ルリマツリの場合は植え替え時期と同じく4月ごろに株分けをおこなうとよいでしょう。株分けの方法は、鉢からルリマツリを引き抜いて株を分けるだけですが、以下の点に注意する必要があります。
- 根を傷つけないように慎重に分けること
- 株を小さく分けすぎないこと
ルリマツリの株分けに失敗するとそれが原因で枯れてしまうこともあるため、少々リスクの高い方法です。うまく増やせるか不安な方は、挿し木のほうで挑戦してみるとよいでしょう。
ルリマツリの栽培で注意したい病害虫
ルリマツリの栽培では、病害虫や病気にも気をつけなければなりません。病害虫や病気に気づかず放置してしまうと、育ちにくくなるだけでなくルリマツリが枯れてしまう原因にもなります。
ルリマツリの剪定や手入れも大事ですが、トラブルが起きたときにすぐに対処できるよう病害虫・病気のことを知っておくことも大切なのです。
害虫
ルリマツリには、「カイガラムシ」「アブラムシ」「ハダニ」といった病害虫が発生することがあり、葉や茎の栄養を吸ってしまうため生育が悪くなる原因となります。さらに病害虫が増えると、ルリマツリだけでなくほかの植物にも被害が及ぶおそれがあるため、見つけ次第対処することが大切です。
もし病害虫を見つけたら歯ブラシやピンセットなどの道具を使い、葉や茎から取り除くようにしてください。病害虫の数が多い場合は、園芸用の殺虫スプレーを使うことで駆除することが可能です。
また今後病害虫が寄りつきにくくなるように、予防をすることも大切となります。今回ご紹介した3種類の病害虫は以下のような環境を好むため、ルリマツリを栽培している環境を見直してみるとよいでしょう。
- カイガラムシ
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風通しが悪い環境
- ハダニ
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夏の高温乾燥期
- アブラムシ
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日当たり・風通しが悪い環境
なお、病害虫を予防するには風通し・日当たりのよい環境でルリマツリを育てることはもちろんですが、防虫ネットをかぶせることで対策することもできますよ。
病気
ルリマツリの場合「菌核病」と「灰色カビ病」という病気にかかりやすいため、日ごろのメンテナンスや良い環境づくりに注意してあげる必要があります。それぞれの原因・対策・予防について確認していきましょう。
なお、ルリマツリの剪定時など、手入れをする際に病気になっていないかチェックしておくことも大切ですよ。
- 菌核病
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茎を覆うような白いカビが生える病気で、梅雨の時期など低温多湿の環境で発生しやすいといわれています。さらに、この菌核病はほかの植物にうつる可能性があります。そのためすぐに対処するようにしましょう。
もしルリマツリの茎に白いカビがみられた場合は、ほかの植物にうつる前に株を処分することが大切です。また、菌核病を発症した株の近くの土に菌が残っている場合もあるため、同じ場所に植物を植えないようにしましょう。
- 灰色カビ病
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葉や花などに発症し、灰色のカビが生えてくるのが灰色カビ病です。
これも菌核病と同じく低温多湿の環境で発生しやすいといわれているため、なるべく風通しの良い環境でルリマツリを育てるようにしましょう。さらに病気の発生源である花の数を減らすために「花がら摘み」をすることも灰色カビ病の予防になります。
なお、ルリマツリに灰色カビ病がみられた場合は、ほかの葉や植物にうつらないうちに枯れた部分を取り除いておきましょう。
まとめ
ルリマツリの花をきれいに咲かせるためには、正しいルリマツリの剪定や栽培方法を知っておくことが大切です。ルリマツリの花をもっと楽しみたいときは「花がら摘み」や「挿し木・株分け」といった方法で花を増やすこともできます。また、株や根の状態を健康に保つために植え替えや病害虫・病気の対策も忘れないようにしましょう。
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