庭木を手入れした際、大量に出る剪定枝の処分にお困りではありませんか?
剪定枝を処分せずに放置した場合、シロアリのような害虫が集まってくる可能性があり大変危険です。
そこで本記事では、剪定枝のおもな処分方法を5つ紹介いたします。
それぞれのメリット・デメリットやかかる費用の目安も含めて解説するため、剪定枝の量や状況に合わせた処分方法を見つけることができます。
剪定枝を今すぐに処分したい方、とにかく費用をかけずに処分したい方、剪定枝を捨てずに活用する方法が知りたい方はぜひ本記事をご参考ください!
剪定枝のおもな処分方法は5つ
剪定枝の処分方法は、おもに5つあります。
それぞれのメリットとデメリットは以下のとおりです。
可燃ごみとして出す
- メリット
-
無料で処分できる
(※有料な自治体も一部あり)
- デメリット
-
小さくまとめる必要がある、出せる量に制限がある
粗大ごみとして出す
- メリット
-
大きいままでも処分できる
- デメリット
-
費用がかかる、事前申し込みが必要
ごみ処理場に持ち込む
- メリット
-
大きいままでも処分できる、大量の枝を一気に処分できる
- デメリット
-
費用がかかる、事前申し込みが必要、運搬の手間がかかる
不用品回収業者に依頼する
- メリット
-
不用品も一緒に処分できる、自身で作業することがなく楽
- デメリット
-
費用が高い
剪定業者に依頼する
- メリット
-
剪定も一緒に依頼できる、自身で作業することがなく楽
- デメリット
-
費用が高い、処分のみは受け付けていない業者が多い
自身でごみ収集に出す場合やごみ処理場に持ち込む場合は、各自治体ごとのルールに従う必要があります。
剪定枝の量や状況を踏まえて、自身に合った処分方法を選びましょう。
剪定枝をごみ収集に出す方法
剪定枝は家庭ごみと同じようにごみ収集に出せます。
収集場所に持っていくだけで回収してもらえるため、他の方法と比べても手間と費用があまりかからず効率的です。
この章では各自治体の定めているルールや費用を例に出しながら、ごみを出すまでの手順や注意点を解説していきます。
剪定枝を可燃・資源・粗大ごみに分別する
剪定枝はおもに可燃・資源・粗大ごみに分けられます。
- 可燃ごみ:燃やすことができるごみ
- 資源ごみ:リサイクルが可能なごみ
- 粗大ごみ:家庭から排出される大型のごみ
各自治体が発行しているごみの分別表やホームページで「剪定枝」や「木の枝」の項目を探し、収集に出せる規定の長さやごみの種類を確認しましょう。
また分別されるごみの種類によって収集場所が異なることもあるため、あわせて確認しましょう。
剪定枝を小さくまとめる
剪定枝は規定の長さに切りそろえたあと、指定の袋に入れるかひもで束ねてごみを小さくまとめます。
既定の長さは各自治体ごとに異なり、たとえば静岡県掛川市と東京都町田市は以下のように決められています。
- 静岡県掛川市
-
- ごみ指定袋(燃えるごみ)へ入れて、枝が散乱しないように袋のくちをしっかり結ぶ
- 長さ60cm以内、太さ5cm以内、ひと束30cm以内に束ねて、ごみ指定袋(燃えるごみ)の前面が見えるよう紙ひもでくくりつけて出す
- 東京都町田市
-
1束は直径30cm、長さ60cm以内にまとめる(1本の太さは直径10cmまで)
東京都町田市では剪定枝は資源ごみと分類されていますが、毒性を持つ植物や繊維質が多く堆肥化に適さない植物は燃えるごみとして分類されます。
参考:掛川市|剪定枝の出し方について
参考:町田市|剪定枝の出し方
(最終閲覧日:2023年9月4日)
またトゲのある枝は自身や回収してくれる作業員もケガをするおそれがあるため、ごみ袋を突き破らないように枝をなるべく短く切って入れます。
収集場所に出す際には「トゲ注意」と書いた紙を見えやすい位置に貼っておくと安心です。
量が多いときは数日に分ける
剪定枝をごみ収集で一度に出せる量は「1回5束まで」のように大抵上限が決まっています。
そのため、大量の剪定枝をごみ収集で出したい場合は少量ずつまとめて数日に分けて出しましょう。
事前申し込みが必要か確認する
自治体によっては、収集は無料でも戸別回収で事前申し込みが必要な地域もあります。
その場合は受付の際に回収してほしい束数を伝え、指定された収集日にまとめた剪定枝を玄関先に置いておきましょう。
参考:苫小牧市|せん定枝の回収(最終閲覧日:2023年9月4日)
また、粗大ごみとして出す際にも事前申し込みが必要です。
粗大ごみの収集は基本的に有料で、ごみの大きさや量に応じて250円~500円ほどの手数料が発生します。
ごみを小さくまとめるのが困難な場合や、一気に処分したい場合に利用しましょう。
- インターネットや電話にて収集依頼の事前申し込みをする
- スーパーやコンビニなどで手数料納付券 (シール)を購入
- 粗大ごみの見やすい場所に貼り、指定された場所に出す
参考:名古屋市|粗大ごみの分け方・出し方(最終閲覧日:2023年9月4日)
大量の剪定枝を処分したい場合
前章では剪定枝をごみ収集に出す方法について解説していきました。
ただし大量の剪定枝を処分したい場合、小さくまとめる手間が多くなり、ごみ収集に出すのも何日にも分けなければいけないため大変です。
その点、剪定枝を直接ごみ処理場に持ち込んだり、業者に回収を依頼すれば大量の剪定枝を手っ取り早く一気に処分することができます。
ごみ処理場に持ち込む
剪定枝を直接ごみ処理場に持ち込む場合、積み込み・運搬・荷下ろしは自身でおこないます。
あまりにも量が多い場合は家族や友人に協力してもらい複数人で作業することをおすすめします。
また枝の長さや太さによって持ち込みができない場合もあるため、事前に以下の条件を確認しましょう。
- 事前予約が必要か
- 営業日と営業時間
- 持ち込み可能なごみの大きさと量
- 一日に持ち込み可能な回数
- 当日の持ち物
ごみ処理場によって無料で引き取ってくれる場合もありますが、基本的には剪定枝の重さに応じて処理手数料が発生します。
たとえば、神奈川県鎌倉市と大分県大分市は以下のように決められています。
自治体 | 処理手数料 |
---|---|
神奈川県鎌倉市 | 100kgまで:1回につき100円 100kgを超える場合:10kgにつき、40円を加算 |
大分県大分市 | 350kgまで:無料 1回の搬入が350kgを超える場合:10kgごとに100円を加算 |
参考:鎌倉市|植木剪定材の受入について
参考:大分市|剪定枝のごみ処理施設への持込みについてお知らせします
(最終閲覧日:2023年9月4日)
せっかく持ち込みにいったのに「受け入れてもらえなかった……」とならないよう、各自治体が定めている条件や詳細をしっかり確認しましょう。
不用品回収業者に依頼する
予算に余裕があるなら不用品回収業者に引き取ってもらうのもおすすめです。
依頼する手順も少なく、積み込みから運搬まですべて業者にまかせられるため量が多くても楽に処分できます。
軽トラック1台で15,000円ほどかかるため自治体で処分する方法と比べると料金は高めですが、剪定枝をまとめたり、運搬するためのトラックの手配や積み込み等の労力が一切かからないことを考えると依頼する価値は十分にあります。
ただし依頼する際は、無許可の廃棄物回収業者でないかを必ず確認しましょう。
家庭から出る一般廃棄物は、不法投棄や不適正な管理による火災などを避けるために自治体の許可や委託を受けた業者が回収し適正に処理する必要があります。
よくある間違いとして「産業廃棄物処理業許可」や「古物商の許可」がありますが、これらは家庭から出るごみには関係ないため注意しましょう。
- 一般廃棄物処理業許可:家庭や事業活動にともなって発生する廃棄物を処理するための許可
- 産業廃棄物処理業許可:工場や企業の廃棄物を処理するための許可
- 古物商の許可:中古品等の売買をおこなうための許可
参考:環境省|廃家電や粗大ごみなど、廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!
参考:e-Gov法令検索|廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条
(最終閲覧日:2023年9月4日)
剪定業者に処分もおまかせする
剪定枝の処分だけでなく、剪定自体も業者に任せたい方は専門業者に依頼するのがおすすめです。
剪定110番の加盟店にアンケート調査をおこなったところ、木の高さごとの剪定単価の相場は以下のようになりました。
また剪定した木1本分の処分費用の相場は7,346円でした。
ただし処分費用も木の高さや重量によって変わるため、なかには1,000円~2,000円の剪定業者もいます。
不用品回収業者に処分を依頼すると軽トラック1台で15,000円ほどかかるため、木の高さや本数が多くなければ剪定も含めた料金でも費用はさほど変わらないことになります。
「業者に依頼したいけど、どこに依頼すればいいかわからない……」という方は、ぜひ剪定110番までご相談ください。
全国にある加盟店のなかからお客様のご希望に合う剪定業者をご紹介いたします。
無料でお見積り・現地調査をおこなっており、作業日が確定するまではキャンセルも可能※です。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
お電話での受付は24時間365日承っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
やってはいけない剪定枝の処分方法
「少量の剪定枝であれば、自宅で燃やしても問題ないだろう」
「木なんだし、森に置いておけば自然に還るだろう」
これらの考え方はトラブルの原因になるため大変危険です。
実行してしまった際には法令違反として罰則が与えられる場合があります。
「知らなかった」では済まされないため、なぜ禁止されているのか、この行為によってどのような影響が出るのかを正しく理解する必要があります。
自宅や空地で野焼きしない
剪定枝などの廃棄物を焼却する場合、廃棄物処理法の定める細やかな基準を満たす焼却設備を使用する必要があります。
そのため、一般家庭で用意できるドラム缶などの簡易的なものでは基準を満たすことが基本的にできないため禁止とされています。
(焼却禁止)
出典:e-Gov法令検索|廃棄物の処理及び清掃に関する法律(最終閲覧日:2023年9月4日)
第十六条の二 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの
野焼きは火災の原因になるだけでなく、煙や悪臭によりご近所トラブルを招いたり、ダイオキシン類などの有害物質が発生し人体に影響を及ぼすおそれがあります。
違反した場合「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方」が科せられる形となります。
森林などへ投棄しない
野焼きと同じく、森林や他人の土地への廃棄物の投棄はどのようなごみであろうと禁止されています。
(投棄禁止)
出典:e-Gov法令検索|廃棄物の処理及び清掃に関する法律(最終閲覧日:2023年9月4日)
第十六条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
不法投棄した枝に種子や害虫がついていた場合、生態系が乱れて環境破壊につながるおそれがあります。
自身の土地であっても違反の対象になるため、正しい方法で処分しましょう。
違反した場合「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方」が科せられる形となります。
剪定枝を捨てずに活用する方法
ここまでは剪定枝の処分方法について解説してきましたが、剪定枝は資源ごみに分類されることもあるようにリサイクルが可能です。
剪定枝を捨てずに活用すれば、複雑なごみ出しのルールを気にする必要もありません。
この章ではご自宅でもできる剪定枝のおもな活用方法を3つ紹介いたします。
ウッドチップにする
まず1つ目が剪定枝を粉砕し、ウッドチップなどのガーデニング素材にする方法です。
ウッドチップはお庭の地面や木の根元に敷くことで雑草予防や庭木の保湿・保温効果があります。
ただしウッドチップにするためには、ガーデンシュレッダーが必要です。
定期的な剪定で頻繁に利用する場合は、ご自宅用として購入することをおすすめします。
商品名 | 旧リョービ ガーデンシュレッダ GS-2020 |
参考価格 | Amazon:31,677円 楽天市場:31,827円 Y!ショッピング:32,150円 |
製品サイズ | 長さ630×幅460×高さ925mm |
重量 | 19.8kg |
最大粉砕径 | 30mm |
※参考価格は2023年9月5日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
こちらの記事ではさらに詳しくおすすめのガーデンシュレッダーを紹介しております。
ガーデンシュレッダーの購入をお考えの方は、ぜひご参考ください。
また、リサイクル促進のためにガーデンシュレッダーの貸し出しをおこなっている自治体もあります。
購入する前に一度試してみたい場合や、利用したい時だけ借りたい場合は市のホームページ等で貸し出しをおこなっているか確認しましょう。
参考:多摩市|ガーデンシュレッダーの貸出しについて(最終閲覧日:2023年9月4日)
堆肥にする
2つ目は、剪定枝を腐熟させ堆肥(たいひ)にする方法です。
剪定枝を堆肥にしてお庭の土に混ぜ込めば、土壌改良や庭木の成長を促進させる効果があります。
剪定枝を堆肥化させる方法はいくつかありますが、今回は米ぬかとコンポストを使用した堆肥の作り方を紹介します。
- 日あたりの良い所に穴を掘り、コンポストを地中5cm~10cm程度埋める
- 容器の底の土へ、米ぬかをひとつまみ程度まく
- 剪定枝や落ち葉などのごみを入れる
- 米ぬかと土をひとつまみ程度まく
- 時々、全体を混ぜ合わせて空気を入れながら1~4の工程を繰り返す
- 満杯になったら、コンポストを引き抜き、ごみが完全に隠れるように土で覆う
- その後約1ヵ月間寝かし、形がなくなれば堆肥として使用可能
参考:堺市|「生きごみさん」以外の堆肥化手法紹介(最終閲覧日:2023年9月4日)
剪定枝はガーデンシュレッダーを使用して細かくするほど堆肥化する時間が早まります。
少量であれば、ノコギリや剪定ばさみで細かく刻むのもよいでしょう。
薪木にする
3つ目は、剪定枝を乾燥させ薪木として使用する方法です。
剪定枝は細く火がつきやすいため、暖炉や薪ストーブの焚きつけ用の薪木として活用できます。
ただし薪木として使用するには枝に含まれている水分を十分に乾燥させる必要があります。
雨がかからず、風通しのいい場所で1年ほど乾燥させてから使用しましょう。
枝が細かく、風で飛んでしまう場合は土のう袋にいれて保管するのがおすすめです。
まとめ
剪定枝のおもな処分方法は5つで、それぞれにメリットとデメリットがあります。
可燃ごみとして出す
- メリット
-
無料で処分できる
(※有料な自治体も一部あり)
- デメリット
-
小さくまとめる必要がある、出せる量に制限がある
粗大ごみとして出す
- メリット
-
大きいままでも処分できる
- デメリット
-
費用がかかる、事前申し込みが必要
ごみ処理場に持ち込む
- メリット
-
大きいままでも処分できる、大量の枝を一気に処分できる
- デメリット
-
費用がかかる、事前申し込みが必要、運搬の手間がかかる
不用品回収業者に依頼する
- メリット
-
不用品も一緒に処分できる、自身で作業することがなく楽
- デメリット
-
費用が高い
剪定業者に依頼する
- メリット
-
剪定も一緒に依頼できる、自身で作業することがなく楽
- デメリット
-
費用が高い、処分のみは受け付けていない業者が多い
上記以外の剪定枝の処分方法として、野焼きや森林などへの投棄は禁止されています。
空地や自身の所有する土地であっても違反の対象になります。
必ず各自治体のルールを守って、正しい方法で処分するようにしましょう。
剪定枝を捨てずに活用したい方は以下の方法がおすすめです。
- ガーデニング素材になる、ウッドチップにする方法
- 土壌改良や庭木の成長を促進させる、堆肥にする方法
- 暖炉や薪ストーブの焚きつけ用になる、薪木にする方法
庭木の剪定は定期的におこなうため、そのたびに剪定枝を処分しなければいけません。
それぞれの方法のメリットとデメリットを確認し、自身に合った処分方法を選びましょう。
また剪定から処分まですべて業者にまかせたい方は、ぜひ剪定110番のサービスをご利用ください。
剪定以外でもお庭全般の作業が対応可能なため、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。