杉の剪定は3~4月におこないます。なぜなら、3~4月の新芽が育つ前におこなうことで、木へのダメージが少なく剪定ができるからです。また樹形を維持したいときは、秋ごろ(10月~11月)にも軽く剪定していきましょう。杉の剪定は、真夏や冬におこなうと木に負担がかかるので避けたほうがよいです。
当記事では、杉の剪定時期や方法について解説していきます。杉の剪定方法は時期によって異なるので確認してからおこないましょう。
杉の剪定時期や方法について
杉は常緑針葉樹で、樹高がとても高くなる木です。樹高は20~50mほどに生長し、なかには50mを超える場合もあります。杉は生長のスピードが早いので適切な時期に、枝を短くしたり間引いたりしていくことが大切です。この章では杉の剪定時期や方法について解説していきます。
季節によって剪定の仕方は異なる
基本的な剪定は、新芽が出てくる前の3~4月におこないます。この時期なら、樹液が流れにくく木へのダメージも少ないからです。3~4月は、切り戻し剪定で木の骨格を作っていきましょう。切り戻しとは伸びすぎた枝を途中で切り樹形を整えたり、株の生長を促したりする剪定方法のことをいいます。
切り戻し剪定をするときは分岐した枝の若い枝は残し、古い枝や伸びすぎた枝を途中で切り落としていきましょう。
また、10月~11月にも軽く剪定をおこなっていきます。この時期の剪定は徒長枝や不要な枝を間引いて、樹形を整えていきます。徒長枝とは、主枝からまっすぐ上に伸びている枝で、樹形を崩したり栄養分をほかの枝からを奪ってしまうのです。
そのため、基本的に徒長枝は剪定しておきます。不要な枝を整理することで、日当たりや風通しをよくし病気や害虫の被害を防ぐ効果もあるのです。
生垣の剪定
杉は生垣として育てることも可能です。生垣の場合は、刈り込みという方法で剪定をおこなっていきましょう。刈り込み時期は3月ごろになります。強めに刈り込みをおこなっても、枝は伸びてくるので好きな高さになるまで枝を刈り込みましょう。刈り込みは、上部から下部の順に刈り込みバサミでおこないます。
剪定するときの注意点
杉は金属に弱いので、金属のはさみで枝葉を切ると切り口が茶色に変色して枯れてしまうおそれがあります。枝や葉を傷つけないようにするためには、セラミック製のはさみを使うのがおすすめです。また切れ味の悪いハサミで切ると切り口が傷つき枯れてしまうおそれがあるので、切れ味のよいハサミで切っていきましょう。
台杉の剪定方法
杉は、台杉という特殊な方法で仕立てられることもあります。台杉は1本の杉から幹を何本も枝か分かれさせたフォークのような形の仕立て方で、元々は建築材料を効率よく生産する目的で作られていました。現在ではおもに観賞用として仕立てられることがあります。ここでは、台杉の剪定方法を解説します。
まず、台杉は以下のような構成になっているので確認していきましょう。
- 取り木
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主観から横に伸びた枝で、その上に枝分かれする幹の土台になります。
- 立ち木
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取り木から垂直に伸びた小さな幹です。
- 穂先
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立ち木先端の葉が生い茂った部分です。
台杉の剪定では、取り木から伸びた立ち木以外の枝は取り除いていきます。台杉の剪定は、10月下旬ごろにおこないましょう。それ以上寒い時期に剪定をおこなうと木が弱ってしまうためです。台杉の剪定をおこなうときは以下のものを準備してからおこなってください。
- 枝打ち鎌またはナタ
- 脚立
- 長袖長ズボン
- ヘルメット
枝打ち
枝打ちとは、立ち木から生えた枝を切り落としていく作業のことをいいます。切る枝を下のほうにしならせてから、枝の付け根を枝打ち鎌などで切ります。
払い枝
枝打ちによって、残った付け根の部分は鎌でえぐって整えます。付け根を残しておくとまた枝が伸びてきてしまうからです。
抜き枝
古い立ち木が生長の邪魔になることがあるので、不要な立ち木はカットしていきましょう。
杉は樹高が約20~50mと高いので、台杉の剪定作業には危険を伴います。そのため自分で作業をするときは十分注意をしましょう。もし、自分で作業が難しいと感じたときは、無理をせず剪定業者に依頼するのがおすすめです。
弊社では杉の剪定が可能な業者の手配をおこなっております。ご相談いただきましたら、お近くの剪定業者をご紹介することが可能です。
杉を育てるときに気を付けるポイント
杉を育てていくうえで、剪定以外にも気を付けるポイントについて解説していきます。
適した環境
風通しがよく、日当たりのよい場所で育てましょう。また、寒さにはやや弱いので冬場はムロなどで、防寒対策をするのがよいです。
用土
杉は湿った土を好むので、肥沃で水もちのよい土で育てましょう。赤玉土に、完熟腐葉土か堆肥を混ぜておいたものを使うと水もちがよくなります。
水やり
杉は水を好むので、水が切れないように気を付けましょう。鉢植えの場合でも庭植えの場合でも、土の表面が乾いたらたっぷり水やりをおこなってください。また、庭植えで植え付けてから2年以上の株は、夏場や雨が降らない日が続くとき以外は水やりをしなくてもよいでしょう。
肥料
生育がよくないときは肥料を与えましょう。庭植えの場合は、2月ごろに寒肥として緩効性肥料を株元に施します。緩効性肥料は、効果がゆるやかに持続する肥料です。また、鉢植えの場合は3月に緩効性肥料を株元に施していきましょう。肥料を施すことで、葉の色がよくなったり新芽や花芽が増えたりするなどの効果が期待できます。
病気や害虫
杉に発生しやすい病気や害虫について解説していきます。病気や害虫の被害を未然に防いで、杉を健康に育てていきましょう。
- 赤枯れ病
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赤枯れ病とは、枝や葉っぱに褐色の斑点ができ赤褐色になって枯れてしまう病気です。また赤枯れ病を放置していると、溝腐病(みぞくされびょう)という病気にかかってしまいます。溝腐病にかかると、幹や枝に溝ができて腐ってしまうのです。赤枯れ病が発生した枝は切り落とし、薬剤を散布しておきましょう。
- スギドクガ
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スギドクガの幼虫は春に杉の葉っぱを食害します。体長は約40mmで、体は黄緑色をしており黒くて長い毛が生えているのが特徴です。スギドクガを見つけたら割りばしでつまんで捨てましょう。スギドクガの被害を防ぐためには、幼虫が発生する前に市販の殺虫剤を散布しておくことが大切です。
- ハダニ
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ハダニは葉の裏などに寄生をして養分を吸い取ります。高温で乾燥した環境を好み、3月~10月に発生しやすいといわれています。ハダニの被害を予防するためには枝葉の剪定をして風通しをよくしたり、葉の裏に水をかけたりしておくとよいでしょう。
杉の育て方や病害虫やお困りの際は弊社までご相談ください。弊社では、杉の剪定や病害虫の被害にも対応可能な剪定業者のご紹介をおこなっております。ご相談は24時間365日お電話またはメールで受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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