お庭で梅の木を育てている方なら、「自分で剪定をして美しい姿の梅に育て上げたい」と思いますよね。しかし、いざ剪定しようとしたときに、「今の時期にやっても大丈夫かな?」「枝を切ったせいで弱ったらどうしよう」と疑問や不安がわくこともあるでしょう。
樹木を育て始めて間もない方が、剪定をマスターするために真っ先に理解するべきことは、剪定に適切な時期です。樹木の剪定に関する失敗の大半は、「時期を間違えた」というケースが多いからです。梅の生長に合わせた適切な時期に剪定をすれば、大きな失敗は減ります。
ただし、梅の木は樹齢や種類によって適切な剪定時期に違いがあります。この記事では、梅の木の剪定時期と時期ごとの剪定方法を解説します。
実の収穫方法、害虫対策、健康に育てるコツなどの基礎知識も解説していますので、この記事を読めば梅を美しく育てて楽しむ方法がすべてわかります。
- 3年目までは冬に1回剪定する
- 4年目以降は春と夏にも剪定ができる
- 冬の剪定は花芽に注意する
梅はこまめな剪定のお手入れが必要で、時期ごとに剪定方法や注意点も異なります。「剪定の方法がわからない」「剪定時期が過ぎてしまったけど樹形を整えたい」といった場合は、プロに相談してみるのがおすすめです。
梅のことを知り尽くしているプロは、その都度最適なお手入れをしてくれます。樹木の育て方についてアドバイスをもらうこともできるので、今後の参考にもなりますよ。
種類と樹齢によって梅の剪定時期は違う
梅には大きく分けて、「実梅」と「花梅」の2種類があります。どちらの品種なのかによって剪定時期が違ってきますので、確認しておきましょう。
- 実梅
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花も実も楽しむことができる品種で、実の収穫を目的として栽培されるのは実梅です。「南高」「白加賀」「甲州最小」「豊後」などがあります。
- 花梅
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実が食用に向かず、おもに花を楽しむために栽培される品種です。「紅千鳥」「冬至」「八重寒紅」「白滝枝垂」などがあります。
それぞれの剪定時期は、以下のような違いがあります。
- 実梅
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- 1年目
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9月~12月
- 2年目
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12月~1月
- 3年目
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12月~2月
- 4年目
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11月~1月
6月~8月
- 花梅
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- 1年目
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9月~12月
- 2年目
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12月~1月
- 3年目
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12月~2月
- 4年目
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11月~12月
2月~3月
6月~7月
開花時期や収穫時期の違いから多少の差がありますが、「冬は葉が落ちたあと」「春は花が咲き切ったあと」「夏は実を収穫したあと」が目安です。
また、梅の木が樹齢3年までの幼木の場合、剪定は冬だけおこないます。幼木は骨格となる幹が生長している途中なので、成木とは剪定の目的や方法が異なるのです。
幼木を育てているという方は、本記事の「3年目までの梅は剪定時期と方法が違う」を、4年以上の成木を育てている方は「成木の剪定は時期ごとに目的と仕方が違う」をご参考にしてください。
3年目までの梅は剪定時期と方法が違う
樹木には生育サイクルがあり、時期ごとに状態が違います。樹木の状態に合わせて剪定の方法も変える必要があるのです。
3年目までのまだ幼い苗木は、枝を切りすぎると弱ってしまうおそれがあります。そのため、体力に余裕のある冬場だけ剪定をします。
幼木のうちに適切な剪定をしておけば、好みの大きさや樹形に仕立てることが可能です。樹齢によって方法が違いますので、確認しておきましょう。
1年目は幹を切り戻す
1年目の苗は幹だけがひょろっと伸び、枝が出ていないことが多いです。幹の頂点部分を、地面から30cm~60cmの高さで思い切って切り戻しましょう。幹の先端を切ることで、梅は横に新しい枝を増やそうとします。
2年目は枝を整理する
幹から横に伸びる枝が増えてきたら、バランスの良い方向に伸びている勢いのある枝を3~5本ほど残し、その他の枝を間引きます。枝の数を減らすことで栄養が集中し、枝の生長が促進されるのです。
残した枝は、芽を5~6個ほど残して先端を切り戻しましょう。そうすることで枝分かれして小枝が増え、花付きがよくなります。カットした枝が1cm以上の場合は、癒合剤を塗って保護しておきましょう。
3年目は樹形を整える
3年目は不要な枝を取り除く間引き剪定をして、樹形を整えます。2年目に残した枝から伸びてきた枝で、重なっている枝や下向きの枝、長すぎる枝などを枝元から切っていきましょう。上へ向かって伸びている枝を残すのが正解です。
成木の剪定は時期ごとに目的と仕方が違う
成木へと生長した梅は樹勢が強く、枝がよく伸びて樹形が乱れやすくなります。そのため、基本的な剪定は冬、春、夏の年に2~3回おこなうのがおすすめです。それぞれの剪定方法には違いがありますので、確認していきましょう。
冬は切り戻しで樹形を整える
冬に葉を落とした梅の木は休眠している状態なので、枝をたくさん切っても弱ることはありません。すべての枝を短く切る切り戻しをすることで、枝の長さをそろえてきれいな樹形を作ることができます。
ただし、冬の梅の枝にはすでに翌年に花や枝になる芽がついています。枝を根元まで切りすぎると花の芽がなくなり、翌年の花付きや実付きが悪くなってしまうのです。
芽の位置を確認しながら、それぞれの枝に5~6個の芽が残るように切っていきましょう。
同時に、混み合ったり枯れたりしている不要な枝があれば、根元から切って取り除きます。
春・夏は不要な枝を整理する
春から夏にかけては、生長して乱れた枝を整理する間引き(透かし剪定)という方法で剪定をします。不要な枝を根元から切って取り除くことで日当たりや風通しをよくし、翌年の花や実の生長を促進するのです。
とくに樹勢の強い梅には徒長枝という、極端に長く伸びる枝が出やすいです。徒長枝は樹形を乱すだけでなく、栄養を優先的に使ってほかの枝の生長を妨げてしまいます。
その他、他の枝と絡まったり重なったりしている枝、内向きや下向きに伸びる枝、株本から生える細い枝なども不要な枝なので、切り落としておきましょう。
ここまで、梅の剪定方法について解説しました。
剪定に慣れていない初心者の方には、難しく感じられたかもしれません。
「自分で剪定したら失敗しないか不安」という方は、「剪定110番」にご相談ください。
弊社と提携している、選りすぐりの剪定業者をご紹介いたします。
剪定のプロが、お客様の大切な梅の木を美しく仕上げます。
いつでもお気軽にご相談ください。
梅の実を収穫しよう
実梅を育てているのなら、収穫は大きな楽しみですよね。おいしい梅の実を収穫するポイントを解説します。
受粉できないと実がならない
梅には1本だけで受粉して実がなる品種と、別の品種の花粉を受粉しないと実がなりにくい品種があります。梅の実がならないとお悩みの場合は、改めて品種を確認してみましょう。
- 1本だけで実がなる品種
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甲州最小、竜峡小梅、花香実など
- 他の木の花粉が必要な品種
-
南高梅、豊後など
他の木の花粉が必要な品種に実をならせたい場合、人工授粉をする手があります。近くに別の品種の梅があればそこから花粉を採取することができますし、人工授粉用に販売されている花粉もあります。
花粉を入手したら、綿棒などを使って梅の花の雌しべに花粉を塗り付けましょう。
実の状態を確認して収穫しよう
梅の実の収穫時期は、6月~7月頃です。地域やその年の気候によって変わりますが、梅雨の時期を目安にするとよいです。
また、実をどのような方法で利用したいかによっても収穫のベストなタイミングは変わります。実が大きくなり始めたらこまめに実の熟度を確認しておきましょう。
おもな利用法 | 最適な熟度の目安 |
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梅酒・梅ジュース・ シロップ・蜂蜜漬け | 緑色 硬く引き締まっている 香りが少ない |
梅みそ・梅ジャム | 黄緑色 やや軟らかくふっくらしている |
梅干し | 黄色や赤色 軟らかい 甘い香りがする |
育て方のコツを知って梅の健康を保とう
梅の木を健康的に育てているためにも、基本の育て方についておさらいしておきましょう。
日当たりを確保する
梅の木は、日当たりがよくて水はけのよい場所を好みます。日があまり当たらない場所に植えていると、花付きが悪くなることがあるので植える場所や置き場所に気をつけましょう。
植えてから2年は水やりをする
梅の木は根付いていれば水やりは基本的に必要ありません。まだ植えてから2年未満の場合は、土が乾いたタイミングで水をたっぷり与えるようにしましょう。
鉢植えで育てているなら、表面の土が乾くたびに水を与えてください。
肥料は適期に与える
梅に肥料を与える時期は、地植えなら12月~1月頃、鉢植えなら4月~5月頃が適期です。緩効性肥料を与えれば栄養分が1年に渡ってゆっくり土中に広がるため、梅の健康を維持しながら新芽や花芽の増加、根張りの強化をすることができます。
害虫に注意しよう
梅の木の枝葉が密集していると、風通しが悪くなり、害虫が発生してしまうことがあります。これらの害虫の被害に遭わないようにしっかり予防をしておきましょう。
コスカシバ
コスカシバは幹や枝の中に入り込み、木を枯らせてしまう害虫です。幹の樹皮がデコボコしていたら、その樹皮をめくってみてください。中にコスカシバの幼虫がいる可能性があります。
コスカシバの被害にあってしまったら、被害に遭った部分を切開し、幼虫を木槌などで駆除してください。コスカシバを予防するには、成虫が散乱する5~9月の間にMEP乳剤などを樹幹に散布しておきましょう。
ウメシロカイガラムシ
ウメシロカイガラムシは枝や幹に寄生する害虫です。樹液を吸って弱らせ、最悪は枯らせてしまうこともあります。ウメシロカイガラムシの被害に遭ったら、竹べらなどを使ってそぎ落としましょう。予防する場合は、冬期にマシン油乳液を散布してみてください。
剪定に便利な道具をそろえよう
梅の枝は想像以上に硬いです。踏んだ枝が靴底を突き抜け、足にケガをしたというケースもあるため注意が必要です。手ごわい枝を相手にするには剪定ばさみだけでなく、のこぎりや丈夫な生地の作業服もそろえましょう。
- 剪定ばさみ
- 剪定のこぎり
- 高枝切りばさみ
- 癒合剤や墨汁(カットした枝の部分に塗ることで感染を防止)
- 底の厚い靴
- 長袖長ズボンの作業服
- 倒れにくい三脚脚立
詳しくは剪定道具をまとめた記事をご覧ください。
剪定が難しい場合はプロに任せよう
「剪定時期を逃してしまった」「どこを切ればいいのかわからない」といった理由で自分で剪定をすることに不安がある場合は、プロに依頼するのもおすすめです。
プロの剪定業者であれば、お庭の雰囲気に合った剪定や、美しく花を咲かせるための剪定をおこなってくれます。「害虫が発生してしまった」といったトラブルにも、プロの技術と経験を活かして的確なケアが可能です。
また、あと片付けや切った枝の処分もお願いできます。梅以外にも複数の樹木を育てているという方は、まとめてプロに任せれば剪定にかける手間が大幅に減ります。
気になる料金の相場や安く抑えるポイントについて詳しくご紹介します。
剪定料金は木の大きさで変わる
剪定料金は、依頼先によって「単価制」と「日当制」に分かれます。それぞれの料金の決まり方と料金相場は以下のとおりです。
高さや木の本数によって変わる単価制
剪定する木1本ごとに料金を計算する体系です。樹高の高い木ほどくなるにつれ料金が上がるのが一般的です。
低木(~3m) | 2,988円 |
中木(3~5m) | 6,860円 |
高木(5~7m) | 15,624円 |
※剪定業者9社の公式サイトに記載されている料金の平均を算出したものです。(2020年9月時点)
スタッフの人数と日数で決まる日当制
木の大きさや本数には関係なく、作業するスタッフの人件費を設定している方式です。人数と作業日数が増えるほど料金が上がります。
職人一人あたり | 22,583円 |
※剪定業者6社の公式サイトに記載されている料金の平均を算出したものです。(2020年9月時点)
また、剪定料金はほかにも枝葉の処分費用や出張費が追加でかかることもあります。詳しい費用を知りたいときは、一度見積りを作成してもらうのが確実です。
詳しくは剪定料金をまとめた記事をご覧ください。
無料見積りを活用して費用を抑えよう
梅の剪定をできるだけ安く抑えるためのコツは、事前にしっかり見積りをとって業者を選ぶということです。剪定の料金設定は、業者によってまちまちです。
そのため、同じ条件でも業者によって料金が大きく異なる場合があります。複数の剪定業者に見積りを依頼し、比較するのがおすすめです。複数の見積りを比較検討するためには、見積り料金が無料の業者を選びましょう。
また、提示された料金に剪定後の枝葉の処分費などのサービスが含まれているか、追加料金の発生はないかなどの確認をしておくことも大切です。
業者選びに迷ったら剪定110番にご相談ください!
剪定110番では、各地の提携業者のなかから、最適な業者をご紹介するサービスを実施しております。
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「いくつもの業者を比較するのが面倒」
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また、見積りは原則無料※ですので、「金額を確認してから判断したい」という方もご安心ください。
24時間365日無料相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様の了承をいただいたうえで、調査費用などをいただく場合がございます。